ヒーハイスト[6433]は、機械の中で「正確に動かす」ための小さな部品をつくっている、日本のものづくりを支える企業です。
会社の利益はまだ安定していませんが、注目を集めているのが株主優待。
たった100株の保有で、毎年3,000円分のQUOカードがもらえるという、とてもお得な制度がはじまりました。
少ない資金で高い優待利回りが得られるため、「株ってどんなものかな?」と気になる人にとっても手が出しやすい銘柄です。
この記事では、ヒーハイストの株の魅力やリスクを、やさしく、わかりやすく解説していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
67.9倍 | 0.82倍 | 56.1% | -7.08% | 1.5倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
8.64% | 0.54% | 8.1% | 3月 | 37,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
ヒーハイストは業績面での不安はあるものの、少額で投資できるうえに、QUOカード3,000円分という高利回りの優待が魅力の銘柄です。特に、日常使いしやすい優待内容と有効期限のない点は、長期保有を考える投資家にとって大きなメリットとなります。株価の値上がりはあまり期待できませんが、優待を楽しみながら保有するスタイルには適しています。 |
会社情報

ヒーハイスト株式会社(旧称:ヒーハイスト精工)は、1962年に設立された日本の精密機器メーカーで、本社は埼玉県川越市にあります。
同社は、直動機器、精密部品加工、ユニット製品の3つの事業を柱とし、特に小径リニアボールブッシュの分野で世界的なトップメーカーとして知られています。
直動機器事業では、リニアボールブッシュやシャフトホルダなどの製品を製造・販売しており、自動車、半導体、電子機器など多岐にわたる産業で使用されています。
精密部品加工事業では、レース用部品などの高精度な部品の設計・製造を行っており、モータースポーツ分野でもその技術力が評価されています。
ユニット製品事業では、XYθステージや超精密ステージなどの高精度位置決めステージを開発・製造しており、液晶ディスプレイやスマートフォンの製造装置などに採用されています。
同社の主な拠点は、本社・埼玉工場(川越市)と秋田工場(秋田市)で、海外には中国・上海と蘇州に拠点を構えています。
ヒーハイストは、技術力の向上と働きやすい職場環境の整備にも力を入れており、独自の人事評価制度や社内表彰制度を導入しています。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとして、埼玉県および秋田県のSDGsパートナーに登録され、環境への配慮や地域社会への貢献にも積極的です。
このように、ヒーハイスト株式会社は、精密機器分野での高い技術力と多様な製品ラインアップを持ち、国内外の産業を支える重要な企業として位置づけられています。
株主優待情報

ヒーハイスト株式会社は、2025年3月末時点の株主から新たに株主優待制度を導入しました。
株主優待の内容
毎年3月末日時点で100株(1単元)以上を保有している株主に、クオカードが3,000円分送付されます。
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | QUOカード 3,000円分 |

保有株数や保有期間による変動はなく、一律で3,000円分のQUOカードが贈られるため、優待最低取得額で保有することがおすすめです。
権利確定日・贈呈時期・有効期限
権利確定日や贈呈時期は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定日 | 毎年3月末 |
贈呈時期 | 毎年6月下旬(株主総会決議通知と同封) |
有効期限 | なし(QUOカードは有効期限なし) |
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ヒーハイスト株式会社は、小さな機械の部品をとても正確につくる会社です。
特に「リニアボールブッシュ」という動きを助ける部品では、世界でもトップクラスの技術を持っているといわれています。
こういった製品は、自動車やスマートフォンをつくる機械などに使われていて、これからの技術進化にも必要とされる分野です。
ただし、株式投資の視点で見ると、いくつか気をつけたいポイントがあります。
まず、2025年3月期の業績は赤字でした。
そのため、株価を使って会社の利益の大きさを表す「PER」は出せません。
つまり、今は会社としてもうけが出ていない状態です。
もうけが出ていないと、将来の成長を信じて待てるかどうかが重要になります。
また、「ROE」もマイナスです。
これは、会社が自分のお金(資本)をどれくらい上手に使って利益を出しているかを示すものですが、マイナスということは今のところうまくいっていないということです。
一方で、「自己資本比率」はわりとしっかりしています。
これは、借金に頼りすぎずに会社を運営できているという意味です。お金の使い方に慎重な印象があります。
さらに「PBR」は低く、これは株価が会社の持っている価値よりも安く評価されている可能性があることを示しています。
簡単にいえば、「お買い得かもしれない」ということです。
ただし、これは利益がきちんと出ている会社に対して言える話なので、赤字の状況では慎重な判断が必要です。
長期のチャートを見ると、ヒーハイストの株価は大きな成長をしているとは言いづらく、むしろ横ばいかやや下がり気味の傾向です。
つまり「ゆるやかに下がっているか、低迷している状態が長く続いている」といった印象を持ちます。
将来に期待が持てるかという点で見ると、半導体・精密機器分野での技術力には価値がありますが、業績の不安定さがリスクです。
また、配当金も少なく、現時点ではインカムゲインを期待するには物足りない水準です。
株主優待にみる分析
ヒーハイストの株を100株持っていると、年に1回、3,000円分のQUOカードがもらえます。
このQUOカードは、コンビニやドラッグストア、本屋さんなど、全国いろいろなお店で使えるプリペイドカードのようなものです。
使えるお店がとても多く、しかも有効期限がないので、使いきれなくても大丈夫。とても便利な優待です。
たとえば、利回りが3〜4%あると「そこそこお得だな」と感じるレベルですが、優待利回りはそれを大きく上回っています。
また、優待をもらうための条件がシンプルなのもポイントです。
保有期間や株数が増えても優待の内容が変わるわけではないので、「とりあえず100株だけ持っておこうかな」という人にも向いています。
ただし、注意点もあります。
QUOカードの優待制度は「2025年3月期から新しく始まったばかり」です。
そのため、今後もずっと続くとは限りません。
会社の経営が悪化したり、方針が変わったりすれば、優待制度はいつでも終了する可能性があります。
特に今は赤字の状態なので、経営の安定度に不安が残る点は無視できません。
また、優待がもらえるのは年1回だけで、もらえるのは6月下旬ごろです。
つまり、実際に優待を使えるようになるまでには少し時間があります。その点も含めて、長期的に持ち続ける人に向いている制度だと言えるでしょう。
総合評価
ヒーハイスト株式会社は、目立ちはしないけれど、世の中のものづくりに欠かせないとても大事な部品をつくっている会社です。
精密機器や自動車部品など、細かくて正確な製品を必要とする現場で使われていて、技術力にはしっかりとした強みがあります。
総合的に評価すると、「値上がり益(キャピタルゲイン)」ではなく、「優待を楽しみながら持ち続ける(インカムゲイン)」というスタイルであれば、検討の余地がある銘柄です。
赤字というリスクがある一方で、少ない投資金額で高利回りの優待が得られるのは魅力的です。
特に「株を買ってみたいけど、あまり大きなお金は出せない」という初心者の方や、「家族でQUOカードを活用したい」という優待派の方には向いているかもしれません。
ただし、注意しておきたいのは、優待制度が始まったばかりということです。
来年以降も続く保証はないため、必ず最新のIR情報をチェックするようにしましょう。
業績回復の兆しが見えてきたら、長期的に株価の上昇を期待することもできるようになります。