アーバネットコーポレーション[3242]は、東京都心にワンルームマンションを開発・販売している不動産会社です。
駅近で便利な立地にこだわったマンション作りに力を入れていて、長年にわたり安定した事業運営を続けています。
株主への還元にも積極的で、配当金に加えて、年に2回もらえるQUOカードの優待制度も魅力のひとつです。
この記事では、そんなアーバネットコーポレーションの株式情報や株主優待の内容をくわしく紹介し、長期保有に向いているかどうかをプロの視点でじっくり考察していきます。
資産形成を目指す人にとって、持ち続ける価値があるかどうか、ぜひ一緒に見ていきましょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
8.58倍 | 1.03倍 | 32.1% | 11.89% | 9.37倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
6.73% | 4.56% | 2.17% | 6月、12月 | 230,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
配当とQUOカード優待による高い総合利回りが魅力の銘柄です。株価は安定しており、PERやROEの水準も堅実なため、長期保有向きといえます。不動産業界特有の景気リスクはあるものの、都心立地に特化していることで安定感があり、リスクは限定的です。配当収入と優待をコツコツ受け取りながら資産形成を目指す人におすすめの一銘柄です。 |
会社情報

アーバネットコーポレーションは、東京都千代田区に本社を置く不動産開発の会社で、1997年に設立されました。
メインの仕事は、都心部にある投資用ワンルームマンションの開発と販売です。
特に「駅から徒歩10分以内」という、通勤や生活に便利な場所にこだわって建物を建てています。
土地探しから設計、開発、販売まで一貫して行うスタイルをとっていて、不動産業界の中でも「都心型コンパクトマンションのプロ」として知られています。
もともと設計事務所からスタートした会社なので、建物のデザインには強いこだわりがあります。
見た目は、白やグレーを基調にしたシンプルで洗練されたデザインが多く、周囲の街並みに自然と溶け込むような工夫がされています。
また、実際に住んでいる人たちからアンケートを取るなど、住み心地の改善にも熱心に取り組んでいます。
アーバネットのマンションは、1部屋ごとに分けて販売するのではなく、「一棟まるごと」まとめて売るスタイルが基本です。
このやり方だと、販売にかかるコストを抑えられたり、景気の変動に左右されにくかったりするメリットがあります。
そのため、収益が比較的安定しやすいビジネスモデルになっています。
また、建設工事自体は外部の建設会社に依頼し、社内は少人数で効率よく動く体制を取っています。
これにより、固定費を抑え、利益を出しやすい経営を実現しているのが特徴です。
現在、社員数は決して多くはありませんが、各自が専門性を持って活躍できる環境づくりに力を入れています。
近年では、不動産開発だけでなく、ホテル事業にも進出しました。
自社ブランドのホテルを東京都心に展開し、宿泊施設としても収益源を広げています。
こうした事業の多角化により、不動産市況が悪化しても経営を支える柱が増える形となり、長期的な安定を目指す戦略をとっています。
会社の成長戦略としては、引き続き東京都心の人気エリアでの物件開発に力を入れるとともに、新たな投資対象や事業領域にも挑戦していく方針を掲げています。
株主優待情報
アーバネットコーポレーションは、2024年12月末の基準日から新たに株主優待制度を導入しました。
この制度では、保有株数に応じて年2回、QUOカードが進呈されます。
株主優待の内容
保有株数 | 優待内容(年2回) | 年間合計金額 |
---|---|---|
500株以上1,000株未満 | QUOカード 2,500円分×2回 | 5,000円分 |
1,000株以上 | QUOカード 5,000円分×2回 | 10,000円分 |
※基準日は毎年6月末日と12月末日で、各基準日における保有株数に応じて優待が進呈されます。
優待の発送時期
株主優待は、中間および期末に発行される株主通信に同封して発送されます。基準日から3ヶ月以内を目途に発送される予定です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
アーバネットコーポレーションは、長期的に見ても「安定して持ち続けやすい銘柄」と言えるでしょう。
まず、アーバネットはPER(株価収益率)が「低め」で、PBR(株価純資産倍率)も「わりと適正な水準」にあります。
PERが低いというのは、今の株価に対して会社が稼いでいる利益が多め、という意味になります。
つまり「割安な価格で買える」という感覚に近いです。
これに対して、PBRが1倍くらいというのは、会社の資産価値と株価がほぼ一致していることを意味していて、「株価が割高ではない」という安心材料になります。
自己資本比率は、決して高いとは言えませんが、不動産業界ではこのくらいの数字もよくあります。
不動産の開発では、土地や建物にお金をかけるため、借入がどうしても多くなりがちです。
そのため自己資本比率がやや低めでも、大きな問題ではありません。
ただ、景気が急に悪くなった時に、少し注意が必要な面もあるので、長期保有するなら定期的に財務状況をチェックするのがいいでしょう。
ROE(自己資本利益率)は高めで、会社が効率よく利益を上げていることがわかります。
ROEが高い会社は、株主にとって「お金をうまく増やしてくれる」企業と見ることができるので、プラスのポイントです。
信用倍率も高く、人気が集まっていることを示しています。
信用倍率が高すぎると逆にリスクも出ますが、今のところ急激な過熱感までは感じられず、適度な人気だと言えるでしょう。
株価の推移についてですが、ここ10年を振り返ると、大きく上がったり下がったりすることはあまりなく、ゆるやかに安定している印象です。
派手に株価が跳ね上がるような銘柄ではないですが、その分、長期で持ってじっくり配当や優待をもらいながら待つには向いているタイプです。
また、配当利回りも高めで、持っているだけである程度のリターンが期待できます。
日本株の平均配当利回りはおおよそ2%台なので、それと比べてもかなり優秀です。長期的に安定収入を得ながら資産を増やしたい人には、とても魅力的です。
さらに、不動産市場に特化している会社ですが、都心の好立地物件を中心に開発しているため、賃貸ニーズが途切れにくい強みもあります。
今後人口減少が進む日本においても、都心のニーズはすぐには消えないと予想されるので、長期的にも安心感があります。
一方で、不動産業界は景気に左右されやすいという特徴もあります。
たとえば、金利が急に上がったり、景気が悪化したりすると、マンションの販売が鈍る可能性はあります。
そういったリスクはゼロではないため、ニュースなどで不動産市場の動きにも注意していくとよいでしょう。
まとめると、アーバネットコーポレーションは「大きな成長はあまり期待しないけれど、安定した配当と優待を受け取りながら、じっくり持ち続ける」という投資スタイルに向いた銘柄です。
株価も過度に割高ではなく、配当利回りや優待利回りが高いため、長期保有にふさわしい企業と言えるでしょう。
株主優待にみる分析
アーバネットコーポレーションの株主優待は、長期保有を考える人にとってかなり魅力的な内容になっています。
注目したいのは、アーバネットの優待が「金額が固定」されている点です。
株主優待には「買い物割引券」のように実際の使い方が限られてしまうものも多いのですが、QUOカードは現金代わりに広く使えるので、誰にとってもメリットが大きいです。
家計の節約にも直結するため、優待の実用性が非常に高いと言えるでしょう。
また、年2回もらえるというのもポイントです。
通常、株主優待は年1回しかない会社も多いのですが、アーバネットは半年ごとにQUOカードが届くので、「ちょっとしたボーナスがもらえる」という嬉しさを感じやすい仕組みになっています。
ただし、注意点もあります。優待をもらうには最低でも500株(約23万円分)必要なので、100株だけではもらえません。
優待目的で投資を考える場合は、最初から500株以上を買う必要があります。
とはいえ、1単元(100株)あたりの株価もそれほど高くないので、まとまった金額を用意すれば十分に現実的な水準です。
さらに、今後についても考えてみましょう。
アーバネットは都心のワンルームマンションを専門に手がけている会社なので、賃貸ニーズが安定している限り、業績も安定しやすい特徴があります。
したがって、突然業績が大きく悪化して優待が廃止されるリスクは、今のところそれほど高くないと見ています。
もちろん、不動産市場全体の景気悪化などによって、会社の利益が減ってしまうと、配当や優待の見直しが入る可能性はゼロではありません。
ただ、現時点では財務体質や収益基盤も比較的しっかりしており、特に急激なリスクは見えていないため、長期保有を前提とした場合は安心できる部類と言えるでしょう。
まとめると、アーバネットコーポレーションの株主優待は「使いやすさ」「利回りの高さ」「安定性」という3つの観点から、非常に魅力的です。
「配当+優待」で着実にリターンを得ながら、長期的に資産形成を目指したい人にぴったりな内容となっています。
総合評価
アーバネットコーポレーションは、安定した収益力と高い利回りを兼ね備えた、長期保有向きの銘柄だといえます。
総合的に見ると、アーバネットコーポレーションは「短期的な株価上昇を狙う銘柄」というよりも、「配当と優待を楽しみながら、コツコツ資産を育てる」スタイルにぴったりの銘柄です。
安定したインカムゲイン(配当+優待)を得たい人には、十分に魅力的な投資先になるでしょう。