塾や教育に関心のある方にとって、「明光義塾」で知られる明光ネットワークジャパン[4668]は、株主優待と配当の両方を楽しめる“じっくり派”にぴったりの銘柄です。
全国に1,700以上の教室を持ち、長年にわたって教育の現場を支えてきた安定感のある企業で、優待としてはQUOカードがもらえるシンプルで実用的な内容。
しかも長く持ち続けると優待額がアップするため、まさに長期保有を前提とした設計になっています。
配当利回りも高めで、毎年しっかりとインカムを得ながら、将来への備えにもなる安心感のある投資先。値上がり益(キャピタルゲイン)よりも、「配当と優待で年に一度ちょっと嬉しい気持ちになる」――そんな地に足のついた投資をしたい方におすすめしたい銘柄です。
この記事では、そんな明光ネットワークジャパンの株価情報や優待内容、そして投資としての魅力をわかりやすくご紹介していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
21.78倍 | 1.53倍 | 67.0% | 4.4% | 0.52倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.90% | 3.54% | 1.36% | 8月 | 73,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
長期保有を前提とした投資スタイルにしっくりくる堅実な銘柄です。配当とQUOカード優待を合わせた総合利回りは高めで、生活に役立つ実用性の高い特典が受けられるのが魅力。教育という景気に左右されにくい分野なのも好ポイントです。ただ、事業と関係のないQUOカードを優待にしている点に不安が残るため、おすすめ度は控えめです。 |
株主優待情報

明光ネットワークジャパンは、毎年8月末時点で100株以上を持っている人に、「QUOカード(クオカード)」をプレゼントしています。
優待内容
明光ネットワークジャパンの優待制度は、株を長く持っているほど、もらえるQUOカードの金額もアップするしくみになっています。
保有株数 | 継続保有3年未満 | 継続保有3年以上 |
---|---|---|
100株以上〜500株未満 | 500円分のQUOカード | 1,500円分のQUOカード |
500株以上〜1,000株未満 | 1,000円分のQUOカード | 2,000円分のQUOカード |
1,000株以上 | 1,500円分のQUOカード | 2,500円分のQUOカード |

「3年以上持っているかどうか」は、毎年2月と8月の2回の名簿に、同じ番号で7回連続して名前がのっているかどうかで判断されます。つまり、約3年半ほど株を持ち続けている必要があります。
QUOカードは、毎年11月の株主総会が終わったあとに届く予定です。だいたい11月末~12月ごろに郵送されてきます。
優待内容の変更に注意!
実は過去に、優待内容が少しだけ変更されたことがあります。
たとえば、QUOカードの金額が減ったこともありました。会社の業績や方針で、将来変わる可能性もあるので、毎年の発表をチェックしておくと安心です。
会社情報

株式会社明光ネットワークジャパンは、1984年に設立された教育サービス企業で、東京都新宿区に本社を構えています。主力ブランドである「明光義塾」は、日本初の個別指導塾として知られ、全国47都道府県に展開しています。
この規模は、個別指導塾業界で教室数・生徒数ともにNo.1の実績を誇ります。
明光ネットワークジャパンは、「やればできる」の記憶をつくるというPurpose(存在意義)を掲げ、教育を通じて人々の可能性を引き出すことを目指しています。
この理念のもと、学習塾事業だけでなく、学童保育やサッカースクール、プログラミング教室など、多岐にわたる教育サービスを展開しています。
主な運営ブランドには、「明光義塾」のほか、「自立学習RED」「ESL club」「明光キッズ」「明光キッズe」「明光サッカースクール」「ふれたび」「MEIKO GLOBAL」「STRATEGY CAREER」「しんぷる保育」「しんぷる栄養士」「ハッピーキッズスペース みんと」などがあります。
これらのブランドは、フランチャイズシステムを活用して全国に展開されており、地域に根ざした教育サービスを提供しています。
また、同社は海外展開にも積極的で、台湾では「明光義塾」ブランドで100教室以上を展開し、韓国やベトナムにも教育事業を広げています。
これにより、グローバルな視点での教育サービス提供を実現しています。
グループ会社には、明光義塾のフランチャイズ運営を担う株式会社MAXISエデュケーションや、保育士・栄養士の人材紹介サービスを行うSimple株式会社、児童発達支援事業所を運営する株式会社明光ウェルネスなどがあり、多角的な事業展開を支えています。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
明光ネットワークジャパンの株式情報を長期的な視点で見たとき、この銘柄には一定の魅力といくつかの注意点が混在しています。
まず、企業としての安定感が評価できます。
自己資本比率は高く、財務的な健全性は比較的しっかりしています。
教育産業という、景気に左右されにくいディフェンシブな業種に属している点も、長期保有を志向する投資家には安心材料のひとつです。
特に個別指導というニッチ分野で全国に1,700以上の教室を展開しており、事業基盤がすでに確立されています。
これは、全国的なブランド認知の高さや、一定のシェアを維持してきた実績にも裏付けられています。
ただし、収益力についてはやや不安が残ります。
PERは平均よりやや高めであり、現在の利益水準に対して株価が少し割高と見られる可能性もあります。
実際、ROE(自己資本利益率)はそれほど高くなく、利益を効率的に生み出す力はそれなりといった水準です。
また、信用倍率がかなり低く、売り建てが多いことから、市場ではやや弱気に見られている側面もあります。
特に直近では業績が横ばい傾向にあり、積極的な成長ストーリーが見えづらくなっている点は注意が必要です。
とはいえ、配当利回りは相対的に高めであり、インカムゲインを重視する投資家には魅力があります。
株価も長期的には大きく値崩れしておらず、安定的な値動きを示しています。
極端な成長は見込みにくいものの、長期的な資産形成の一部としては選択肢に入る水準といえるでしょう。
総じて、急成長を期待する銘柄ではないものの、配当と安定経営による継続保有には一定の価値があると考えられます。
株価が安値圏にあるときにコツコツと拾って、配当と優待を楽しみながら保有していく、そんな投資スタイルがこの銘柄にはよく合っています。
大きなリターンよりも、小さな確実性を重視する方に向いている銘柄です。
株主優待にみる分析
明光ネットワークジャパンの株主優待は、日常的に使いやすいQUOカードがもらえるということで、多くの個人投資家にとって魅力的な制度です。
まず、QUOカードはコンビニや書店など、生活に密着した場所で使えるため、「実用性が高い」という点が強みです。
金券のような感覚で使えるので、例えば中高生が文房具を買うときや、大人が日用品を買うときにも使えて、非常にありがたい優待です。
さらに長期保有することで優待額が3倍に増えるのも、継続的に保有するインセンティブになります。
これは「短期的に売買するよりも、じっくり応援し続けてくれる株主を大切にしたい」という会社の姿勢が見て取れます。
このような仕組みは、結果的に株価の安定にもつながりやすく、企業と株主の双方にとってメリットのある制度です。
総合利回りとしても、他の同規模銘柄と比べて高水準にあります。
ただし、QUOカードという優待内容は、企業の本業と直接は関係ないため、「将来的に優待がなくなるリスク」もゼロではありません。
実際、過去には一部の企業が経費削減や経営戦略の変更で優待制度を廃止・縮小したケースもあります。
その点で言えば、配当と優待の両方を合わせて「おまけ的に楽しむ」くらいの感覚がちょうど良いかもしれません。
長期的に見ると、こうした優待制度があることで投資へのハードルが下がり、「株を持つことで生活がちょっと豊かになる」という実感を得やすくなるのもポイントです。
特に初心者の方や、楽しみながら資産形成をしたい方にとって、明光ネットワークジャパンのような銘柄は一つの有力な選択肢になるでしょう。
総合評価
長期保有を前提としたインカム重視の投資スタイルに非常に適した銘柄です。
明光ネットワークジャパンは「じっくり保有して、優待と配当を楽しむ」という目的であれば、安心して選べる銘柄です。
毎年安定した利益を受け取りたい方、長期でじわじわと資産形成を進めたい方にとって、ポートフォリオの中で“地味だけど堅実な一角”として活躍してくれるでしょう。
華やかさはありませんが、こういった銘柄こそ、10年単位の投資では大切な存在になります。