毎年もらえる配当金と、ちょっとした優待で生活を少しだけ豊かにしてくれる――そんな株を探しているなら、ウェルネット[2428]という会社を知っておいて損はありません。
派手さはありませんが、わたしたちの暮らしの中で“見えないところ”を支えてくれている会社であり、長く持つことでその良さがじわじわと感じられる銘柄です。
この記事では、そんなウェルネットの株について、配当・優待・会社の安定性などを総合的に見ながら、長期保有に向いているかどうかをやさしく解説していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
12.7倍 | 1.55倍 | 30.5% | 10.44% | 60.89倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.64% | 3.94% | 0.70% | 6月 | 71,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
配当と優待を楽しみながら、安定した企業にじっくり投資したい人に向いています。目立った成長は見込めないものの、配当利回りは高く、少額から始められるのも魅力です。無理なく長く付き合える“中堅どころ”として検討するのにちょうど良い銘柄といえるでしょう。 |
会社情報

ウェルネット株式会社は、1983年に設立された会社で、本社は北海道札幌市にあります。
創業から40年以上にわたり、主に「お金のやり取り」や「スマホを使った便利なサービス」に関わるシステムをつくってきました。
東京と大阪にもオフィスを持ち、全国的にビジネスを展開しています。
この会社の一番の得意分野は、コンビニ払いやスマホ決済、電子チケットの発行など、毎日の生活に関わる“決済サービス”を支えるシステムをつくることです。
例えば、ネットで買い物をしたときにコンビニで支払えるのも、ウェルネットの仕組みがあるからできるのです。
代表的なサービスには、高速バスの予約・チケット管理ができる「バスもり!」というスマホアプリがあります。
このアプリは、多くのバス会社と提携していて、スマホひとつで乗車券の購入から乗車までが完結する便利な仕組みです。
ほかにも、銀行や旅行会社と一緒に、新しいお金のやり取りの仕組みをつくるプロジェクトにも取り組んでおり、例えばSMBCグループやJTBとも協力しています。
会社全体としては、時代の変化に合わせて「現金を使わずに支払う」キャッシュレス社会を支える会社を目指しています。
現在の従業員数は129名で、技術者やシステム開発担当が多く在籍しています。
最近では、QRコード決済やマイナンバーとの連携といった行政サービスとの連携にも力を入れており、社会のインフラとしての役割も果たしつつあります。
このように、ウェルネットは「お金のやりとり」や「乗り物の予約」など、わたしたちの生活に必要なサービスを、見えないところで支えてくれている会社です。
とくにスマホやネットを使った便利な生活をしたい人たちにとって、なくてはならない存在となりつつあります。
株主優待情報
ウェルネット株式会社の優待は、日常の支払いに活用できる便利な特典として、長期保有を考える投資家にとって魅力的です。
株主優待の内容
毎年6月末時点で100株以上を保有する株主に対し、スマートフォン決済アプリ「支払秘書」で利用できる500円相当のポイントを贈呈しています。
権利確定月・ポイント付与日・有効期限
株主優待を得るには、権利確定月に株式を100株以上保有していることが条件です。
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定月 | 毎年6月末 |
ポイント付与日 | 9月下旬〜10月上旬ごろ(※株主優待案内に同封されるQRコードで受け取り) |
ポイント有効期限 | QRコード読み取りから6ヶ月間 |
「支払秘書」ポイントの活用方法
「支払秘書」は、ウェルネットが提供するスマートフォン向けの決済アプリです。
株主優待で付与される500円分のポイントは、以下のような支払いに利用できます。
- 公共料金の支払い:電気・ガス・水道などの料金
- Amazonギフトカードの購入:チャージタイプのギフトカードに交換可能
- その他のオンライン決済:対応するECサイトやサービスでの支払い
ポイントの受け取りには、株主優待案内に記載されたQRコードを「支払秘書」アプリで読み取る必要があります。
QRコードの読み取り期間やポイントの有効期限には注意が必要です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ウェルネットの株は、長く持つことを考えたとき、「派手ではないけれど、着実に利益をくれるタイプの株」と言えます。
ただし、今のところ、他の魅力的な銘柄と比べると「絶対に持っておきたい」とまでは言い切れず、「買ってもいいけど、積極的におすすめするほどではない」という中立的な立ち位置です。
まず注目すべきは、安定した配当利回りです。
株を持っていることで毎年もらえる配当金は比較的高いです。
銀行にお金を預けているよりずっといい利回りですし、長く持ち続けることで少しずつリターンを受け取るには適した水準です。
また、企業の自己資本比率はやや控えめで、財務的に鉄壁とまでは言えません。
ROE(自己資本利益率)も、利益をしっかり出している印象です。
企業としての「効率の良さ」は一定評価できるレベルです。
これは「集めたお金でちゃんともうけを出せている」という意味で、投資先としては安心感につながります。
ただし、成長性にはやや疑問符がつきます。
業績自体は安定しているものの、大きな成長を見込めるような分野への進出や、新しいサービスのヒットなど、今後の飛躍に期待できる材料が少ないのも事実です。
30年チャートで見ると、数度の上昇期はあるものの、株価は高値からの戻りきらない場面もあり、右肩上がりとは言いづらい状況です。
さらに、信用倍率が非常に高く、人気先行で買われすぎている印象もあります。
多くの投資家が「買いたい」と思っている株であることは確かですが、その反動で短期的には値動きが不安定になる可能性もあります。
長期投資としては気にしすぎる必要はありませんが、「ちょっと過熱気味かも?」という印象を受けます。
また、PBRやPERなどの指標は「割安」とも取れますが、だからといって爆発的に株価が上がるというわけでもありません。
地味ながら安定している…というのがこの銘柄の特徴です。
いわば「地に足のついた投資」を好む人には合いますが、「夢を見たい」タイプの投資家には少し物足りないかもしれません。
まとめると、ウェルネットの株は「安定・堅実・配当狙い」という投資スタイルには合っていますが、「大きな株価成長を期待したい」という人には向かないかもしれません。
そのため、「持っていても悪くないけど、今すぐ買い増したいとまでは言えない」立ち位置の銘柄と考えるのが妥当です。
株主優待にみる分析
ウェルネットの株主優待は、実はとても「地味だけど便利」なタイプです。
ポイントの使い道は限られていますが、うまく活用できる人にとっては日常生活のちょっとした支出を助けてくれる実用的な優待です。
この優待の評価をするうえで大切なのは、「金額の大きさ」よりも「使いやすさ」と「長くもらえる安心感」です。
まず、金額は500円と決して大きくはありませんが、配当利回りとあわせると総合利回りが比較的高く、これは他の上場企業と比べてもなかなかの水準です。
また、「支払秘書」アプリでは、ポイントを使ってAmazonギフト券の購入や公共料金の支払いができるので、実際に使える範囲は意外と広いです。
とくにAmazonギフト券に交換できる点は、多くの人にとって使いやすさの面でプラス評価といえるでしょう。
一方で、やや気になるのは「ポイントの受け取りや利用にちょっとした手間がある」という点です。
ポイントは自動的にもらえるわけではなく、株主宛に届く案内に記載されたQRコードを読み取って自分で登録しなければならないため、うっかり忘れてしまうと失効してしまうリスクがあります。
また、受け取りから6か月以内に使い切る必要があるため、放置していると無駄になってしまうことも。
ただし、逆に言えば「スマホを使いこなせる人」にとっては、面倒の少ないキャッシュレス優待ともいえます。
紙の優待券のように失くす心配もなく、使い道もシンプルです。
わざわざ店舗に行く必要もないので、使い勝手の面では現代的な優待スタイルだとも言えるでしょう。
また、100株保有で優待がもらえるため、少額投資でも優待が受けられるという点も大きなメリットです。
こうした「始めやすさ」は、長期保有を考える個人投資家にとって魅力的なポイントです。
まとめると、ウェルネットの株主優待は、金額的には小さいけれど、うまく使えば日常生活の中で役立つ実用的な優待です。
スマホを使い慣れている人、キャッシュレス決済をよく使う人、そして少額投資から始めたい人にとっては、「長く持つほどじわじわと嬉しさが増していく」タイプの優待だと言えるでしょう。
総合評価
会社としては、お金のやりとりに関するシステムやサービスをつくっていて、たとえばコンビニ払いやネット決済、バスの予約アプリなど、私たちがふだん意識せずに使っている仕組みの“裏方”を支えてくれています。
総合的に見ると、ウェルネットの株は、「資産を安定的に運用したい」「毎年の配当や優待をコツコツもらいたい」という人には向いています。
一方で、「株価の値上がりで大きく儲けたい」「もっと使いやすくて派手な優待がいい」という人には、物足りなく感じるかもしれません。
結論、「悪くはないけど、特別おすすめというほどでもない」、そんな中立評価の株だと言えるでしょう。
ただし、堅実にゆっくりお金を増やしたい人にとっては、じゅうぶん検討の価値がある銘柄です。