焼肉屋さかいをはじめ、寿司や居酒屋など多彩な飲食ブランドを展開する焼肉坂井ホールディングス[2694]。
少額から投資できる株価と、全国の店舗で使える株主優待制度が魅力で、外食を楽しみながら資産形成を目指したい人に注目されています。
今回は、同社の株価情報から企業概要、優待制度の内容、そして長期投資の視点で見たおすすめ度まで、じっくりと掘り下げてご紹介します。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
49.3倍 | 2.20倍 | 46.4% | 3.18% | 22.97倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
0.69% | 0.69% | 算出不可 | 3月、9月 | 7,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
焼肉坂井ホールディングスは、株価の成長性は限定的ですが、低価格で優待を得られる点が魅力です。優待が割引券のため、外食をよく利用する人や、少額で優待を楽しみたい長期保有型の投資家には向いています。店舗を活用できるかが投資判断のカギとなります。 |
株主優待情報

焼肉坂井ホールディングスの株主優待制度は、外食を楽しむ方にとって魅力的な内容となっています。
年2回(3月末・9月末)を基準に、保有株数や保有期間に応じて、食事割引券や食事券、特別株主優待券が贈呈されます。
株主優待の詳細
保有株数 | 3月末優待内容 | 9月末優待内容 | 特別優待券(3月末) | 長期保有特典(3月末) |
---|---|---|---|---|
100株以上 | 10%割引券 2枚 | 10%割引券 2枚 | なし | なし |
1,000株以上 | 500円食事券 + 10%割引券 3枚 | 500円食事券 + 10%割引券 3枚 | なし | 2年以上:500円追加<br>5年以上:2,000円追加 |
2,000株以上 | 1,500円食事券 + 15%割引券 3枚 | 1,000円食事券 + 15%割引券 3枚 | なし | 同上 |
5,000株以上 | 4,000円食事券 + 15%割引券 3枚 | 2,500円食事券 + 15%割引券 3枚 | なし | 同上 |
10,000株以上 | 8,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 5,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | なし | 同上 |
20,000株以上 | 8,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 5,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 20,000円相当 | 同上 |
30,000株以上 | 12,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 7,500円食事券 + 15%割引券 5枚 | 20,000円相当 | 同上 |
40,000株以上 | 16,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 10,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 20,000円相当 | 同上 |
50,000株以上 | 18,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 12,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 20,000円相当 | 同上 |
60,000株以上 | 20,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 14,000円食事券 + 15%割引券 5枚 | 20,000円相当 | 同上 |

長期保有特典は、1,000株以上を2年以上継続保有で500円、5年以上継続保有で2,000円の追加食事券が贈呈されます。
優待券の利用方法
- 利用可能店舗:ジー・コミュニケーショングループの各業態店舗で利用可能です。
- 併用:食事割引券と食事券の併用が可能です。
- 特別株主優待券:高価格業態店舗やおせちの通信販売で利用できます。
焼肉坂井ホールディングスの株主優待は、日常の外食シーンで活用しやすく、長期保有による特典も充実しています。
外食を楽しみながら資産形成を目指す方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
会社情報

焼肉坂井ホールディングスは、愛知県名古屋市に本社を置く外食企業です。
もともとは「ジー・テイスト」という名前で知られていましたが、現在はグループ内の人気ブランド「焼肉屋さかい」の名前を冠して、新たなスタートを切っています。
この会社は、日本全国に飲食店をたくさん展開していて、2024年時点で約440店舗を運営しています。
業態の幅も広く、焼肉をはじめ、寿司やラーメン、居酒屋、中華、おむらいすなど、さまざまなジャンルの料理を楽しめるお店を手がけています。
代表的なブランドとしては、以下のような名前が挙げられます。
- 焼肉屋さかい
- 肉匠坂井
- 平禄寿司
- 村さ来
- おむらいす亭
- 長崎ちゃんめん
- つけめん舎 一輝
- ラーメンもん吉
- 鶏のジョージ
- にくスタ
いずれも全国チェーンとして展開しており、地域の外食シーンを支える身近な存在となっています。
また、飲食店の運営だけでなく、食品製造や加工、フランチャイズ(加盟店)ビジネス、さらにはおせちの製造・販売などにも力を入れています。
つまり、「食」に関わるいろんな事業を手がけている会社なんです。
社内ではグループ経営も行っており、「ジー・コミュニケーション」などの関連会社を通じて、より多くのブランド展開や店舗運営を進めています。
最近では、業績回復と成長を目指して、事業の見直しや新ブランドの開発にも取り組んでいるようです。
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株式情報にみる分析
焼肉坂井ホールディングスの株価は、過去30年の長期チャートを見ると、1990年代後半から2000年代前半にかけて大きな上昇局面を迎えたものの、その後は長期的な下落トレンドに転じ、現在は低位安定の状態にあります。
2025年4月時点では、非常に手ごろな株価水準にありますが、かつての高値圏と比べると、回復の兆しは限定的です。
PER(株価収益率)は現在の水準で見るとやや高めとなっており、これは利益水準に対して株価が割高に見られていることを意味します。
一方、PBR(純資産倍率)はやや高めで、資産に対して株価は少し過熱気味と判断できます。
ROE(自己資本利益率)は低めであり、資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出しているかという点で見ると、あまり高評価はできません。
財務面では、自己資本比率が、一定の健全性を保ってはいるものの、外食産業全体としては平均的な水準にとどまります。
信用倍率が非常に高く、投資家の期待先行で買いが集まっていることが読み取れますが、裏を返せば空売りなどが入りづらく、反面、思惑で株価が上下しやすいというリスクもあります。
事業の内容をみると、焼肉や居酒屋といった外食業態は成熟産業であり、成長余地は限定的です。
また、少子高齢化・外食控えといった社会環境の変化は、同社にとって中長期的に逆風となる可能性もあります。
ただし、ジー・コミュニケーション時代から続く多業態展開と低価格帯のメニュー構成は、景気後退局面には一定の強みを発揮しやすい点は評価できます。
株価が非常に安いため、少額で投資できるのは大きなメリットです。
初心者や子どもの口座で「初めての株式投資」として触れるには適した銘柄ともいえます。
また、万が一の損失も限定的で済むことから、「勉強用」として保有する選択肢もありでしょう。
ただし、長期保有を前提にすると、企業としての将来性や安定的な利益成長への期待値はそれほど高くなく、「大きな値上がり益」を狙う銘柄ではありません。
配当利回りも低く、インカムゲイン目的でも物足りなさは残ります。
結論として、外食銘柄のなかでもディフェンシブな位置づけにあり、株価も低位安定しているため、長期保有で大きなリターンを期待するには向いていないと言えます。
一方で、優待制度や身近な業態の活用、少額投資の学習用途には価値があります。
そのため、投資の目的が明確であれば、一定の意義を見出すことは可能です。
株主優待にみる分析
焼肉坂井ホールディングスの株主優待制度は、外食チェーンを広く展開している企業ならではの特徴があり、優待を日常的に活用したい投資家には一定の魅力を持っています。
特に、少額からの投資で実際に使える優待がもらえるという点は、優待重視の個人投資家にとっては非常に大きなポイントです。
同社の優待は年に2回(3月末と9月末)を基準に贈呈され、100株から保有することで「10%割引券」がもらえる仕組みになっています。
さらに、1,000株以上になると「食事券(額面)」と「割引券」の両方がもらえるようになり、保有株数が増えるごとに特典の内容も手厚くなっていきます。
2,000株以上で15%割引、さらに5,000株、10,000株と上がっていくたびに、食事券の金額も増えていく仕組みです。
また、1,000株以上を2年以上継続保有していると500円分、5年以上になると2,000円分の「長期保有特典」が付くのも見逃せません。
優待制度が“持ち続けることで得になる”構造になっている点は、まさに長期投資家にとってはうれしい設計です。
さらに、20,000株以上を保有していると、毎年一律で20,000円相当の特別株主優待券が追加でもらえるなど、ヘビーユーザーに対しても手厚い還元をしています。
ただし、優待の中身が「割引券」と「食事券」で構成されているため、実際に店舗を利用しない人にとっては使いにくいという面もあります。
裏を返せば、同社のブランド(焼肉屋さかい、平禄寿司、村さ来など)を生活圏内で利用することが多い方にとっては、毎回の外食をお得に楽しめる“実利的”な優待になります。
優待利回りは額面ベースで換算するのが難しく、変動的ではありますが、低価格株であるがゆえに、少ない投資額で割としっかりとした優待が受け取れる点は、効率が良いと評価できます。
たとえば100株保有に必要な資金が1万円未満で、年間4枚の割引券がもらえると考えれば、実質的な利回りは高く感じられるかもしれません。
一方で、過去には優待内容の変更や減額などもあったため、将来もずっとこの水準が維持される保証はなく、制度変更リスクを踏まえた柔軟な対応も必要です。
結論としては、焼肉坂井ホールディングスの優待は「店舗をよく使う人」にとっては非常にコストパフォーマンスが良く、長期保有による特典強化もあるため、外食を楽しみながら投資を続けたい人にはおすすめしやすい銘柄です。
特に、生活の中で同社のブランドをよく利用する家族や個人であれば、持っておいて損のない“優待利回り重視型”の銘柄といえるでしょう。
総合評価
焼肉坂井ホールディングスは、株価の低位安定が続いているものの、外食事業を幅広く手がける企業として、特に株主優待を目的とした長期保有に適した銘柄といえます。
総合的に判断すると、大きなキャピタルゲイン(値上がり益)を狙うには向いていないが、外食優待を活かした「実利型の長期保有」には適した銘柄です。
生活密着型の投資スタイルを考えている方や、家族と外食を楽しむ頻度が多い方にとっては、ポートフォリオの中にひとつ加えておくのも良い選択肢と言えるでしょう。