外食業界の中でも安定感に定評のあるSRSホールディングス[8163]。
「和食さと」など多彩なブランドを展開し、長年にわたり着実な成長を続けてきました。株主優待制度も充実しており、実生活で役立つ優待券が年2回もらえる点は、長期保有を考える上で大きな魅力です。
本記事では、そんなSRSホールディングスの最新株価情報、会社概要、株主優待内容を詳しく整理したうえで、株式情報と優待情報の両面から、プロの視点で長期投資のおすすめ度を丁寧に分析していきます。
じっくり資産を育てたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
32.3倍 | 2.90倍 | 44.0% | 12.21% | 1.06倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
2.70% | 0.64% | 2.06% | 3月、9月 | 117,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した配当と独自の株主優待を通じて、長期的な資産形成を目指す投資家に適した銘柄といえます。 しかし、食品業界は景気変動や消費者の嗜好変化の影響を受けやすい側面もあるため、企業の業績動向や市場環境の変化なども総合的に判断することが重要です。 |
会社情報

SRSホールディングス株式会社は、大阪市北区に本社を置き、外食事業を中心に展開している企業グループです。
創業は1959年で、もともとは「サトレストランシステムズ」としてスタートし、長年にわたって和食を中心としたレストラン運営を手がけてきました。
2016年には持株会社体制へ移行し、現在の社名である「SRSホールディングス株式会社」となりました。
グループ全体の店舗数は、日本国内と海外を合わせて約500店舗にのぼります。
代表的なブランドには、和食レストランチェーンの「和食さと」を筆頭に、天ぷら専門店「さん天」、回転寿司「にぎり長次郎」、うどん業態の「家族亭」、そばを中心とした「得得」、さらに高級志向の寿司店「CHOJIRO」など、多彩な飲食ブランドを抱えています。
和食を軸にしながらも、寿司、天ぷら、うどん、そばと、細かなジャンルに特化した業態展開をしているのが特徴で、幅広い年齢層に対応した店舗づくりを行っています。
また、直営店だけでなく、フランチャイズ展開にも力を入れており、地域密着型の経営を進めています。
近年は、国内市場の成長が鈍化する中、海外展開にも積極的にチャレンジしています。
特にアジア圏での和食レストラン需要を取り込むべく、海外出店を強化。
国内では、デリバリーやテイクアウトサービスの充実にも取り組み、コロナ禍を経て多様なニーズに対応できるビジネスモデルを作り上げています。
外食産業におけるブランド力の高さと、安定した収益基盤を武器に、今後も国内外での拡大を目指しています。
株主優待情報

SRSホールディングス株式会社では、株主に対して食事割引券の優待を実施しています。
和食レストラン「和食さと」を中心としたグループ各店舗で使える優待券が、年2回配布される仕組みとなっています。
優待内容は以下の通りです。
株主優待の内容
優待券は、1枚500円相当で、年に2回(3月末、9月末の権利確定時)に24枚ずつ配布されます。
年間で合計24,000円分が手に入る計算となります。
保有株数 | 優待内容 | 利用できる回数 | 年間優待金額(参考) |
---|---|---|---|
1,000株以上 | 500円×24枚(年2回)=48枚 | 年2回(3月末、9月末) | 24,000円相当 |
※単元株(100株)では優待がもらえず、1,000株以上の保有が条件となっている点に注意が必要です。

優待券は、会計時にそのまま食事代金として使うことができ、お釣りは出ませんが、複数枚同時に利用することが可能です。高額な食事でも優待券をまとめて使えば、かなり割引されるため、実用性が高い優待内容です。
優待が使えるブランド
優待券は、以下のSRSグループの幅広い店舗で利用できます。
- 和食さと
- 天丼・天ぷら本舗 さん天
- 法善寺夫婦善哉
- にぎり長次郎
- CHOJIRO
- 宅配にぎり長次郎
- 家族亭
- 得得うどん
- 得得
- 花旬庵
- 三宝庵
- 家族庵
- うどんの詩
- 蕎旬
- うどんのう
- 蕎菜
- とくとく
- 海鮮丼家族庵
- ひまわり
「和食さと」だけでなく、天ぷら・寿司・うどん・そばと、幅広いジャンルで使えるため、外食スタイルに合わせて柔軟に利用できるのが魅力です。
さらに、テイクアウトや宅配専門ブランドでも使える点もあり、使い勝手はかなり良好です。
優待送付時期
優待券の送付時期については、
- 3月末基準の株主には、6月下旬ごろ
- 9月末基準の株主には、12月中旬ごろ
それぞれ株主総会決議通知や中間報告書に同封する形で送られてきます。
注意点
注意点として、優待をもらうには最低でも1,000株の投資が必要です。
少額投資家にとってはハードルがやや高めですが、外食が好きな方や、家族で利用する機会が多い方にとっては、十分にリターンを感じられる内容となっています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
SRSホールディングスの株式は、長期的な視点で見ると「じっくり持ち続ける価値がある銘柄」と言えます。
まず、株価の長期推移を見ると、ゆっくりと右肩上がりの成長を続けている銘柄です。
急落を繰り返す銘柄と違い、安定的なレンジ内を推移し、2011年頃を底値に長年上下しながら右肩上がりに推移しているのが特徴です。
30年近い歴史の中でも、外食市場の景気変動を受けながらも、大きく業績を崩すことなく乗り越えてきました。
外食産業というと景気に左右されやすいイメージがありますが、SRSホールディングスは「和食」という比較的景気の影響を受けにくいジャンルを中心に事業を展開しているため、リーマンショック時やコロナ禍でも致命的なダメージを受けずに持ちこたえた実績があります。
このように、業態の安定感は長期投資において非常に大きなプラス材料です。
財務面では、自己資本比率は外食企業の中では標準的な水準を維持しています。
借入金依存が極端に高いわけではなく、キャッシュフローもある程度安定しているため、急な経営悪化のリスクは比較的小さいといえるでしょう。
さらに、PER(株価収益率)は市場全体と比べるとやや高めですが、それは安定性への期待が株価に織り込まれているためとも解釈できます。
もうひとつ注目すべきポイントは、複数種類のブランドを運営している点です。
単に「和食さと」だけに依存しているわけではなく、天ぷら、寿司、うどん、そばなど多様なジャンルにわたり店舗を展開しており、地域性や消費者の嗜好変化にも柔軟に対応できる体制を整えています。
このように、複数の柱を持った経営は、特定業態の不振に左右されにくいメリットがあります。
配当利回りはそれほど高くありませんが、株主優待制度を含めた総合利回りで見ると、長期保有するメリットは十分にあります。
総合的に見て、SRSホールディングスは「爆発的な成長は期待しにくいが、地道に安定して資産を守りながら育てていける銘柄」という位置づけです。
特に、景気の波に左右されずにコツコツと資産形成をしたい人には、十分におすすめできる存在だと言えるでしょう。
株主優待にみる分析
SRSホールディングスの株主優待は、長期保有を前提とする投資家にとって非常に魅力的な制度と言えます。
まず大きなポイントとして、優待の使える店舗の幅が広いことが挙げられます。
和食さと、さん天、にぎり長次郎、家族亭、得得うどんなど、和食を中心に幅広い業態で利用できるため、家族連れ、友人同士、ビジネスでの食事など、さまざまなシーンに対応できます。
単一ブランドに縛られずに選べる自由度の高さは、実際に利用する立場からすると大きなメリットです。
さらに、店舗展開エリアも関西を中心に、関東・中部地方にも広がっており、日常の中で無理なく優待券を消化できる点も魅力です。
優待が「使いにくい」「近くに店舗がない」といった不満を感じることが少ないため、長期にわたって満足度を維持しやすいと言えるでしょう。
また、利用制限が緩やかなのもSRSホールディングスの優待の強みです。
優待券は1回の会計で複数枚使うことができ、釣り銭は出ないものの、少額でも使いやすい設定になっています。
高額商品限定ではなく、ランチでもディナーでも活用できるため、普段使いできる優待と言えます。
長期的な視点で見ても、SRSホールディングスは過去に大きな優待改悪を行った事例がなく、優待制度の安定性が高いことも安心材料です。
もちろん、外食業界全体が厳しい局面を迎えたときには制度変更のリスクもゼロではありませんが、現時点では企業として優待を重視している姿勢が読み取れます。
これは、株主との関係を大切にしている企業文化を反映していると言えるでしょう。
注意点として、最低取得単位が1,000株と高めに設定されているため、初期投資額がやや大きい点は考慮が必要です。
しかし、外食頻度が高い家庭であれば、実際の食費節約効果を考えると、十分に元が取れる内容だといえるでしょう。
まとめると、SRSホールディングスの株主優待は、「普段の生活に自然に溶け込むことができる」「長期にわたって安定的に享受できる」「実質的な利回りが高い」という三拍子がそろった優秀な内容です。
資産を守りながら、日常生活を少し豊かにしたいと考える長期投資家にとって、十分に保有検討に値する優待だと判断できます。
総合評価
SRSホールディングスの株式は、総合的に見て、堅実な長期保有に向いている銘柄だといえます。
急速な株価成長を狙うタイプの銘柄ではありませんが、優待と安定した事業基盤を活用しながら、じっくりと資産を育てていきたい長期投資家にとって、非常に相性の良い存在だと評価できます。