ヤマトインターナショナル[8127]は、クロコダイルのワニのマークで知られるアパレル会社です。
毎年、おしゃれで使いやすいシャツやタオルなどが株主優待として届くことでも人気があります。
株価の動きはゆるやかで、ドカンと上がるような派手さはありませんが、その分、安定していて安心感があります。
配当と優待をあわせた利回りは高く、「長く持ちたい」「毎年ちょっとしたごほうびが欲しい」という人にぴったりの株です。
この記事では、そんなヤマトインターナショナルの株の魅力を、わかりやすく紹介していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
39.98倍 | 0.46倍 | 70% | 2.0% | 6.8倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
5.0% | 4.1% | 0.9% | 8月 | 116,100円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
派手な値上がりを期待するよりも、安定した配当と実用的な株主優待を長く楽しみたい人に向いています。自己資本比率が高く、経営も堅実で、倒産リスクが低い点は長期保有において大きな安心材料です。300株以上の保有で毎年もらえるクロコダイル製品の優待も魅力で、総合利回りは5%を超えることもあります。生活に寄り添った“おだやかで頼れる株”として、堅実な資産形成を目指す人におすすめできる銘柄です。 |
株主優待情報
ヤマトインターナショナルの株主優待は、「日常で使える実用品」がもらえるという点で、実用性の高さと親しみやすさが魅力です。
とくに、人気ブランド「クロコダイル」の商品をはじめとする自社製品が中心となっており、長期保有を視野に入れた優待内容にも特徴があります。
株主優待の内容(2025年5月時点)
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
300株以上 | 自社商品(3,000円相当) |
1,000株以上 | 自社商品(5,000円相当)+追加商品 |
※優待利回りは、300株=約106,200円(株価354円で計算)の場合。
優待の発送時期と権利確定
- 権利確定月:毎年 8月末
- 発送時期:毎年 11月下旬〜12月中旬ごろ
- ※300株以上の保有が必要となるため、100株では優待がもらえない点に注意が必要です。
実際に届く優待の中身
優待品は毎年少しずつ変わるものの、過去には以下のような商品が送られてきました。
- メンズやレディース用のシャツ、カットソー
- タオルやハンカチなどの実用品
- バッグやポーチなどの小物類
- 靴下やインナー類
とくに多くの年で採用されているのが「クロコダイル」ブランドの商品で、品質がしっかりしており、普段使いにぴったり。優待専用品として用意されることもあり、市販品とは少し異なるレア感もあります。
また、1,000株以上保有している株主には、追加で少し豪華な商品やセットが届くこともあり、長期保有者にとってうれしい設計です。
会社情報

ヤマトインターナショナル株式会社は、主に紳士衣料を中心としたアパレル製品を展開している企業です。
本社は大阪市西区にあり、東証スタンダード市場に上場しています。
長い歴史を持つ企業で、1959年の設立以来、日本国内におけるメンズファッションの発展に貢献してきました。
会社の中心となる事業は、メンズカジュアルウェアやビジネスウェアの企画・製造・販売です。
中でも「クロコダイル」というブランドは特に有名で、百貨店や量販店を中心に全国で広く展開されています。
このブランドはワニのマークが目印で、若年層から年配層まで幅広い世代に支持されています。落ち着いたデザインと、日常使いしやすい品質・価格帯が特徴です。
ヤマトインターナショナルは、クロコダイル以外にも「クロコダイルレディス」「スウィッチモーション」「インディヴィジュアル」など、いくつかのブランドを展開しています。
それぞれのブランドには、それぞれの年代や用途に合わせたコンセプトがあり、幅広い顧客層に対応しています。
販売チャネルとしては、百貨店やショッピングモールのテナント出店に加え、オンラインストアでも商品を販売しています。
また、海外展開も進めており、特に中国や東南アジアなどアジア地域での販売強化を図っています。
直営店舗の正確な数は毎年変動しますが、全国規模で数百店舗におよぶ流通網を持ち、特に都市部や大型ショッピング施設での展開が目立ちます。
近年ではEC市場にも力を入れており、公式通販サイトや楽天市場などのモール型ECでも商品を取り扱っています。
さらに、アパレル業界のトレンドに対応し、持続可能な素材の採用や環境負荷の低減にも積極的に取り組んでいます。
ファッション性だけでなく、サステナビリティも意識した商品開発を進めている点は、今後の企業価値向上にもつながっていくと考えられます。
このように、ヤマトインターナショナルは老舗アパレル企業としての強みを持ちながらも、現代的な取り組みや新たな市場開拓にも力を入れており、今後も安定的な成長が期待される企業のひとつです。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ヤマトインターナショナルの株式を長期的な視点で評価すると、「保守的に持ち続けるには悪くないが、成長性に過度な期待はしにくい銘柄」と言えます。
その理由を、株価推移・財務面・収益性といった複数の側面から見ていきます。
まず、株価の30年チャートを見ると、バブル期を頂点に徐々に下降トレンドを描き、その後は長らく横ばい〜やや右肩下がりの動きが続いています。
近年も大きな上昇トレンドには至っておらず、株価としては成長性に乏しい印象です。
一方で、極端な暴落も少なく、一定の価格帯で安定して推移していることから、ディフェンシブ銘柄に近い性格を持っています。
財務面に目を向けると、自己資本比率は非常に高く、倒産リスクは極めて低いと見てよいでしょう。
借入金も少なめで、財務健全性は高評価できます。この点は、長期保有を前提とする投資家にとって非常に安心材料となります。
しかしながら、収益性に関しては物足りなさが残ります。
ROEは低水準で、企業としての効率的な資本活用があまりできていないことを示しています。
PERもやや高めの水準で推移しており、業績に対して株価が割高に評価されている面も見受けられます。つまり、「お買い得感」はやや薄めです。
それでも、安定した配当を出している点は評価できます。配当性向も高めですが、業績に見合った利益還元を行っており、急な減配リスクは低めです。
また、業種として景気に左右されやすいアパレル業界でありながら、長年一定の地位を保っていることも無視できません。
加えて、信用倍率は比較的高めであり、個人投資家の物色対象として一定の人気があることもわかります。
ただし、これが逆に「需給にやや偏りがある」とも取れるため、短期的な売買には不向きです。
総じて言えば、ヤマトインターナショナルは「値上がり益」を目的に投資するよりも、「配当と優待を長く楽しみながら持ち続ける」という保守的なスタンスに向いている銘柄です。
大きな成長は期待しづらいですが、財務の安定性と生活に寄り添うような実用的優待は、長期投資家にとって魅力と言えるでしょう。
株主優待にみる分析
ヤマトインターナショナルの株主優待は、実用品としての価値が高く、配当と合わせて高い総合利回りを実現できる点で、長期保有に向いた銘柄といえます。
とくに、株価の大きな成長を狙うのではなく、「持っているだけでちょっと嬉しい」銘柄をポートフォリオに組み込むタイプの投資家にとっては、相性の良い1社です。
まず、優待の中身が「クロコダイルブランドの自社製品」である点が特徴です。
これはタオルやシャツ、小物など、日常で使いやすいアイテムが多く、万人向けであるという点が評価ポイントです。
百貨店で展開されているクロコダイルは、若者向けというよりは40代以上の落ち着いた世代に人気のあるブランドで、質も価格帯もちょうどいい“普段使い”として愛されています。
優待の内容は年によって変わりますが、300株保有者には3,000円相当の商品が送られてきます。
金券ではなくモノという点では人を選ぶ部分もありますが、「実用品+ちょっと良いブランド品」というバランスがよく、保有のモチベーション維持につながります。
配当も安定しているため、高い利回りが期待でき、インカムゲインの積み上げ型銘柄として機能します。
また、保有年数による条件がないのも利点です。多くの企業が「3年以上の長期保有で優待内容をグレードアップ」などの制度を設けていますが、ヤマトインターナショナルは300株さえあれば、毎年確実に優待が届きます。
この分かりやすさ、手軽さは中長期の個人投資家にとって安心材料となります。
一方で、優待の金額換算では高利回りとは言い難く、あくまで「おまけ」としての認識が必要です。
優待目的で100株だけ買っても意味がない(対象外)という点も、ややハードルの高さにつながっており、保有にはそれなりの資金が必要です。
ただし、20万円未満で300株が取得できる水準であることを考えると、初心者にも手が届きやすい銘柄ではあります。
さらに、実際の優待商品が質実剛健で、毎年しっかりとした商品が届くという点も、株主の満足度を高めています。
SNSなどでも「ヤマトインターナショナルの優待は地味だけど使いやすい」「親にあげたらすごく喜ばれた」といった声が多く、派手さはないものの、長年にわたって株主に愛されているのが分かります。
こうした要素を総合すると、ヤマトインターナショナルの優待は「株価の爆発的な成長は見込まないが、優待と配当を確実に享受したい」というタイプの投資家に非常に向いていると言えるでしょう。
保有コストも比較的抑えられており、長く付き合える“堅実銘柄”としての位置づけにふさわしい内容です。
総合評価
ヤマトインターナショナルを総合的に見たとき、この銘柄は「大きな夢は見られないけれど、静かに寄り添ってくれるような株」といった表現がぴったりかもしれません。
株価の急上昇や派手なニュースを求める方には物足りないかもしれませんが、「堅実にコツコツ、長く持ちたい」「優待や配当を通じて日常生活をちょっと豊かにしたい」という人にはぴったりの一銘柄です。
特に、安定収入の一部としてインカムゲインを重視する投資スタイルの人にとっては、組み入れておいて損はない銘柄と言えるでしょう。