牛丼の「すき家」や回転寿司の「はま寿司」など、私たちの生活に馴染みのある飲食チェーンを展開するゼンショーホールディングス[7550]。
長年にわたって業績を伸ばし続けており、国内外で15,000店舗以上を展開する外食のリーディングカンパニーです。
ゼンショーの株は、ただの価格変動を追うトレード向けではなく、安定した成長と株主還元を重視する長期保有スタイルに適した銘柄といえるでしょう。
特に、日常的に利用しやすい飲食ブランドで使える優待券は、家計にも嬉しい実用性の高い内容。配当とあわせた総合利回りも魅力です。
本記事では、最新の株価データから企業概要、優待制度、そして投資判断までを、長期目線で詳しく解説していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
37倍 | 6.4倍 | 28.7% | 18.6% | 1.37倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.6% | 0.79% | 0.8% | 3月、9月 | 891,600円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した業績と高いブランド力を背景に、長期保有に適した外食銘柄です。株価はやや高めの水準ですが、生活密着型の事業内容や、海外展開による成長性を考慮すると、今後も着実な成長が期待できます。利回りは低いものの、優待の実用性も高く、家計に役立つリターンを得たい投資家にとっては、魅力的な選択肢と言えます。 |
会社情報

ゼンショーホールディングスは、日本を代表する外食チェーングループの一つで、牛丼の「すき家」や回転寿司の「はま寿司」など、私たちの生活に身近なお店を多数展開しています。
2024年3月末時点で、国内外合わせて15,109店舗を運営しており、売上高は約9,658億円に達しています。
ゼンショーグループの特徴は、多様なブランド展開にあります。
牛丼の「すき家」、和風ファストフードの「なか卯」、ファミリーレストランの「ココス」、ハンバーグ&ステーキの「ビッグボーイ」、パスタ専門店の「ジョリーパスタ」、回転寿司の「はま寿司」、ハンバーガーチェーンの「ロッテリア」など、多岐にわたる業態を展開しています。
また、ゼンショーは海外展開にも積極的で、中国、タイ、ブラジル、アメリカなど、世界各地で店舗を展開しており、グローバルな視点での事業展開を進めています。
株主優待情報

ゼンショーホールディングスの株主優待は、年2回(3月末・9月末)実施され、保有株数に応じて以下のような食事券が贈呈されます。
株主優待の内容と取得条件
保有株数 | 年2回の優待内容(500円券) |
---|---|
100株以上300株未満 | 1,000円分(2枚) |
300株以上500株未満 | 3,000円分(6枚) |
500株以上1,000株未満 | 6,000円分(12枚) |
1,000株以上5,000株未満 | 12,000円分(24枚) |
5,000株以上 | 30,000円分(60枚) |
これらの食事券は、ゼンショーグループの各店舗で利用可能です。具体的には、「すき家」「なか卯」「ココス」「ビッグボーイ」「ジョリーパスタ」「はま寿司」「ロッテリア」など、全国に展開する多様なブランドで使用できます。

一部利用できない店舗もあるため、事前に確認することをおすすめします。
代替品との交換制度
300株以上保有の株主は、未使用の優待券を返送することで、代替品と交換することができます。
優待券3,000円分(500円券×6枚)につき、以下のような商品と交換可能です。
- すき家 牛丼の具10食セット
- なか卯 親子丼の具10食セット
- ココス マルゲリータ(4枚)&カリカリポテト(4袋)
- ゼンショー 黒毛和牛ローストビーフ
- ゼンショーライス お米食べ比べセット
- ゼンショーフェアトレード ティーバッグセット
- ゼンショーかがやき子ども財団への寄付
この制度は、近隣に店舗がない株主や、外食を控えている方にとっても、優待の価値を享受できる仕組みとなっています。
権利確定日・発送時期・有効期限
権利確定日 | 発送時期 | 優待券の有効期限 |
---|---|---|
3月末日 | 6月中旬 | 同年12月31日まで |
9月末日 | 12月中旬 | 翌年6月30日まで |
このように、ゼンショーの優待券は年2回届き、それぞれ半年間の有効期間が設けられています。
株主優待の注意点
また、優待券の利用に際しては、以下の点に注意が必要です。
- 優待券に記載のQRコードは、店舗会計時に読み取ると次回以降の利用はできません。
- 2021年7月1日以降、優待券での支払い金額は各種ポイントの付与対象外となります。
ゼンショーホールディングスの株主優待は、日常生活に密着した内容で、多くの投資家にとって魅力的な制度です。
外食をよく利用する方や、グループ店舗が近隣にある方には、特におすすめの優待内容となっています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ゼンショーホールディングスの株式は、長期保有を前提とした投資において、十分に検討に値する銘柄といえます。
その理由は、同社が持つ事業の安定性と、持続的な成長性、さらに株主還元への姿勢にあります。
まず、ゼンショーは「すき家」「はま寿司」「ココス」など、日常的に利用される飲食店を複数展開しており、外食産業の中でも生活に密着したポジションを築いています。
この“生活インフラ的”なブランド力が、業績の底堅さにつながっています。
特に牛丼業態や回転寿司業態は、価格帯がリーズナブルで不況期にも需要が減りにくく、景気の波に強い傾向があります。
過去10年超の長期チャートを見ると、2010年代前半にはやや調整局面があったものの、その後は安定的な成長を続け、近年では株価が右肩上がりの基調にあります。
もちろん途中には原材料高や人件費の上昇といったコスト面の課題もありましたが、それらを吸収しながら業績を拡大できている点は、経営力の強さを示しています。
財務的にも、自己資本比率は高くはないものの、ROE(自己資本利益率)は比較的高水準にあり、資本を効率的に使って利益を出せている企業です。
PERは市場平均と比べてやや高めで、成長期待が株価に反映されているといえるでしょう。
これを「割高」と見るか「成長性込みで妥当」と見るかは投資家のスタンスによりますが、長期で安定した収益と配当、優待を得たい投資家にとっては、安心感のある水準です。
また、ゼンショーは国内だけでなく、アメリカ・中国・ブラジルなど海外展開にも積極的です。
人口減少が進む日本市場において、海外での成長余地を確保している点も、将来的な企業価値の向上を見込める材料の一つといえるでしょう。
まとめると、ゼンショーホールディングスは「生活密着型の安定収益」「強固なブランド」「海外展開による成長期待」「実利ある株主優待と配当」という複数の魅力を兼ね備えています。
これらを踏まえれば、短期的な株価の変動にとらわれず、長期で保有しながらじっくりと企業の成長と還元を享受するスタイルに向いている銘柄であると評価できます。
株主優待にみる分析
ゼンショーホールディングスの株主優待制度は、外食系の中でも特に実用性が高く、長期投資を考える上で大きな魅力となっています。
特にファミリー層や外食の多い方にとっては、この優待は日々の生活費の削減につながり、実質利回りとしては数値以上の価値を持ちます。
さらに、ゼンショーの優待は「使える店舗の多さ」が大きな魅力です。
全国に展開する「すき家」や「はま寿司」など、家族連れでも一人でも利用しやすい店舗が揃っているため、優待券の“消費しやすさ”は非常に高いといえます。
都心部だけでなく地方都市にも多くの店舗があるため、立地に左右されにくいのも魅力です。
また、300株以上を保有していると、優待券を返送して代替商品と交換することができます。
すき家の牛丼の具やココスの冷凍ピザセット、お米の詰め合わせなど、家庭で活用しやすいラインアップが用意されており、「外食しない人」でも優待の恩恵を受けられる仕組みです。
外食を控えたいご家庭や、近くに対象店舗がない方にとっても安心できる内容となっています。
長期的な視点で考えると、この優待制度は会社の業績が安定している限り継続される可能性が高く、保有を続けることによって“使い慣れた優待”が定期的に届くという安心感があります。
ゼンショーは、収益性・ブランド力・店舗網のいずれも強く、優待制度の継続性にも信頼がおけます。
このように、株主優待の内容そのものの実用性と、制度の安定性、使いやすさに加えて、企業の業績とブランドの強さが組み合わさることで、ゼンショーの株主優待は単なる“おまけ”ではなく、投資を続ける理由の一つとして機能していると言えるでしょう。
生活に密着した企業の株を持ち、優待を通じて日常の満足感を得るというスタイルは、特に長期保有を志向する個人投資家にとって、非常に相性が良いと考えられます。
総合評価
ゼンショーホールディングスの株は、短期的な値上がり益を狙うトレード目的よりも、長期保有による実益と安定成長を期待する投資家に向いています。
外食業界の中でも群を抜くブランド力と店舗網をもち、牛丼・寿司・ファミレスなど、幅広い業態で日常生活に根ざしたサービスを提供している点が強みです。
長年にわたる成長の結果として、株価も長期で見ると右肩上がりに推移しており、企業としての信頼性も高まっています。
ゼンショーの株は「株価の安定成長」「実利のある優待」「日常的な使いやすさ」の三拍子が揃った、長期保有向けの優良銘柄です。
株価が高めに感じられるかもしれませんが、その背景には確かな業績と、幅広い消費者への浸透力があることを考えると、長期目線で安心して保有できる魅力的な選択肢と言えるでしょう。