本田技研工業[7267]は、日本を代表する自動車やバイクのメーカーです。世界150以上の国で事業を展開していて、とくにバイクの売れ行きは世界トップクラスです。
車や、発電機・芝刈り機などの製品でも、世界でたくさん使われています。
最近のホンダは、電気自動車(EV)や自動運転の技術開発にも力を入れていて、環境にやさしい未来の移動手段(モビリティ)を作ろうとがんばっています。
2023年度には、売上が20兆円を超え、営業利益も1兆円以上と、とても安定した経営をしています。
ホンダの株主優待(かぶぬしゆうたい)は少なめですが、そのかわりにもらえる配当金が多いのが魅力です。
配当利回りが高いので、株を長く持ちたい人にはうれしいポイントです。
世界でのブランド力や、最先端の技術に取り組んでいる姿勢から見ても、ホンダは長期的に株を持つのに向いている会社のひとつとして、注目されています。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
6.3倍 | 0.46倍 | 42.6% | 9.27% | 20.12倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
5.04% | 5.04% | – | 3月 | 134,850円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
長期的に株価が右肩上がりに推移しており、配当利回りが高い銘柄です。自己資本比率が40%超と健全であり、安定性して配当を受け取れる可能性が高いです。 |
会社情報

本田技研工業(ほんだぎけんこうぎょう)、通称ホンダは、日本を代表する自動車とバイクのメーカーで、東京証券取引所のプライム市場に上場している大きな会社です。
ホンダは、世界の約150か国でビジネスをしていて、車・バイク・発電機や芝刈り機などの機械を作って販売しています。
ホンダのいちばんの強みは、世界中で売れていることと、バイクの販売台数が世界トップレベルなことです。
さらに、最近では電気自動車(EV)や自動運転の技術をどんどん開発していて、地球にやさしい社会を目指しています。
ホンダのすごいところは、
- 世界中に広がる販売力
- 研究開発に力を入れていること
- 最先端の技術(電動化・自動運転など)に強いこと
ただし、自動車業界全体が「電気自動車への切り替え」や「CO2を出さないしくみ(カーボンニュートラル)」などの大きな課題に取り組んでいる中で、ライバル企業との競争が激しくなっていたり、材料の値段が上がったりするリスクもあります。
それでも、ホンダは独自の技術を使ったり、ほかの会社と協力したりしながら、長く成長し続けるための工夫をしています。
2024年3月までの1年間では、
- 売上:20兆4288億円
- 営業利益:1兆3819億円
- 純利益(最終的なもうけ):1兆1071億円
というとても安定した結果を出していて、これからも電気自動車などの分野での成長が期待されています。
株主優待情報

ホンダの株主優待制度は、一定期間以上株を持ち続けた人が対象の抽選制となっており、優待グッズはホンダらしいオリジナル商品が中心です。
2023年までは「オリジナルカレンダー」が全員に配布されていましたが、現在は廃止され、抽選によるプレゼント企画が優待の中心になっています。
株主優待の内容
対象は100株以上保有の株主となり、全て抽選制です。
株主優待内容 | 1年未満 | 1年以上3年未満 | 3年以上 |
---|---|---|---|
HondaJet体験会 | ― | ― | ● |
工場見学会 | ― | ― | ● |
マリン試乗会 | ― | ― | ● |
モビリティリゾートもてぎ体験会 | ― | ― | ● |
セーフティスクール体験会 | ― | ● | ● |
レース観戦 | ― | ● | ● |
Enjoy Honda ご招待 | ― | ● | ● |
ラグビー観戦 | ● | ● | ● |
カーシェア割引クーポン | ● | ● | ● |
たとえば、1年未満でもラグビー観戦・カーシェア割引クーポンに応募できます。
3年以上保有すると、より当選しやすくなったり、より豪華な商品が用意されたりすることがあります。
長く持てば持つほど、優遇されるしくみです。
優待品の例(過去の実績より)
以下は、過去に実際にプレゼントされた商品例です(※年により内容は変更されます)。
- Hondaオリジナルミニカーセット
- オリジナルタンブラー
- 二輪や四輪モチーフのミニグッズ
- Hondaロゴ入りのライフスタイルグッズ
- コレクター向けミニアイテム
特にホンダファンにとっては、毎年どんなグッズが登場するのか楽しみの一つになっています。こうしたグッズは一般では手に入らない非売品が多く、株主だけの特別感が魅力です。
優待の申込方法
優待の申し込み方法はとても簡単です。
毎年6月末から7月上旬ごろに届く「株主通信」や「優待案内ハガキ」に記載されているURLやQRコードから、専用の応募フォームにアクセスして希望商品を選ぶだけです。
応募者多数の場合は抽選になりますが、当選すると秋ごろに優待が自宅に届きます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
株の値段の長い期間の動きを見てみると、10年くらいのあいだに大きな上がり下がりはあっても、全体としては少しずつ上がっていることがわかります。
急に上がってすぐ下がるような「短期トレード向き」の株ではありませんが、長い目で見ると、しっかりと成長している会社だと言えます。
ホンダは最近、電気自動車(EV)にも力を入れています。
これからの車はガソリンじゃなくて電気で走る時代になっていくので、そうした流れにしっかりと対応しようとしているのも安心材料です。
新しいことに挑戦しながら、これまでの技術もしっかり活かしている、そんな会社なんです。
お金の使い方や経営の面でもホンダはしっかりしています。
会社の持っているお金や資産が多く、借金に頼らずに安定した運営をしている点も、長期保有を考えるうえでとても大切です。
会社がちゃんともうけを出していて、そのもうけの使い方も無理がないのがポイントです。
株の値段に比べて、会社のもうけがどれくらいあるのかという「PER」や、会社の価値に対して株がどれくらいの値段かを見る「PBR」などの指標も、ホンダは割安といえる水準にあります。
これは、「今のうちに買っておくと、将来的に得をするかもしれない」という考え方もできるということですね。
そして、ホンダは株を持っている人にしっかり配当を返してくれます。
毎年もらえるお金の割合は高めで、しかも安定しています。
これが「配当利回りが高い」と言われる理由です。
長く持っていると、それだけで少しずつお金が入ってくるのはうれしいですね。
さらに、ホンダの株を持っていると、カーシェアサービス「EveryGo」の割引クーポンがもらえるチャンスもあります。
これは抽選になりますが、長く株を持っている人には特典が増える仕組みもあって、株主を大切にしている姿勢が伝わってきます。
まとめると、ホンダの株はすぐに何倍にもなるような派手さはありません。
でも、安定してお金を生み出し続けてくれる、信頼できる会社です。
急な値動きに左右されず、ゆっくりじっくり資産を育てたい人にとって、ホンダは長期保有に向いている、心強いパートナーと言えるでしょう。
特に、将来の車社会の変化にも対応していく力があるので、10年後、20年後にも成長を期待できる株だと思います。
株主優待にみる分析
ホンダの優待は、以前のように全株主に配られる「確定プレゼント」はなくなり、抽選制に一本化されました。
一見、やや物足りなく見えるかもしれませんが、実はこの仕組みは長く株を持っている株主にとって非常に好ましい構造になっています。
まず、1年以上の継続保有で抽選への応募の幅が広がります。
これは、短期的な売買ではなく、「ホンダという会社を長く応援してくれる株主」を大切にするという姿勢の表れです。
そして、さらに3年以上保有している株主には、当選枠が増えたり、優待内容がより充実するなど、明確な長期保有のメリットが用意されています。
このような制度は、「株価の上下で一喜一憂せず、長く企業と付き合っていく」タイプの投資家にとって非常に相性が良いものです。
とくにホンダは、しっかりとした配当金も出しており、優待が抽選であっても、配当でのリターンが期待できるため、優待と配当のバランスで見ると非常に優れた長期保有向け銘柄です。
また、抽選で当たる優待は、ホンダらしさを感じられるグッズが多く、ホンダファンにとっては非常に魅力的です。
こうした体験型・ブランド体感型の優待は、企業とのつながりを感じられる貴重な機会でもあり、単なる金銭的なリターン以上の「楽しみ」や「満足感」を得られることもあります。
配当金+優待の総合的な利回りを考えると、優待が抽選制になったことで、確実性は減ったものの、長期保有者にはしっかり報いてくれる構造になっているのがホンダの良さです。
「すぐにリターンを得たい」人には向きませんが、「10年、20年と持ち続けて資産を育てたい」人にとっては、株主との信頼関係を重んじる企業姿勢も含めて、投資先としておすすめできます。
まとめると、ホンダの株主優待はすごく豪華というわけではありませんが、「長く応援している人にちゃんと向き合ってくれる、まじめな会社の優待」だと言えます。
特にホンダが好きな人、車やバイクに興味がある人にとっては、その価値はさらに高く感じられるはずです。
これからも変化していく車社会のなかで、ホンダがどんなサービスや優待を提供してくれるのかを楽しみにしながら、長期でじっくり株を持ち続けるのは、とても良い投資のスタイルだと思います。
総合評価
ホンダは、株価の値上がり益を追い求める短期トレーダーには向かないかもしれませんが、配当の安定感・財務の堅さ・優待による満足感という3つの要素を軸に考えると、非常にバランスの良い長期投資向け銘柄です。
特に、10年以上のスパンで資産形成を考えている人にとっては、ホンダのような企業と付き合っていくことは、堅実な選択肢となります。
また、EV(電気自動車)や次世代モビリティへの取り組みなど、将来の成長領域にも戦略的に投資している点から、配当だけでなく企業としての成長も同時に期待できるのが大きな魅力です。
長く株を持ちたい、できれば生活の中で企業とのつながりも感じたい――そんな投資スタイルを持つ人にとって、ホンダは「安心して保有できる一台」と言えるでしょう。
株式も、車選びと同じように“信頼できるメーカー”を選ぶことが、長い投資生活ではとても大切です。
その意味で、ホンダは一貫して「信頼される経営」を続けている、数少ない存在のひとつです。