すららネット[3998]は、学校や学習塾、家庭向けにオンライン学習教材を提供している教育DX企業です。
主力サービスの「すらら」は、対話型アニメーション教材として知られており、子どもの学力や理解度に合わせて学べる点が強みです。
不登校支援や発達特性のある子どもへの学習支援など、一般的な学習塾とは少し違う社会的な課題にも向き合っているのが特徴です。
株主優待は金券型ではありませんが、自社サービスの割引を受けられる内容になっており、会社の事業内容とつながりのある優待制度となっています。
長期で大きく伸びる成長株というよりは、教育分野で独自の立ち位置を持つ小型株としてじっくり見ていくタイプの銘柄です。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| — | 0.90倍 | 88.3% | -0.14% | 21.79倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 算出困難 | 0.00% | 算出困難 | 3月 | 31,300円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 教育分野で独自性のある事業を持ち、自己資本比率も高く財務はかなり健全です。その一方で、足元では利益面が弱く、来期予想も赤字見通しであるため、長期保有目線では慎重さも必要です。株価チャートも過去の高値から長く調整が続いており、いまは成長再加速を待つ局面と見られます。優待は自社サービスの割引型で、金券優待のようなわかりやすい魅力は弱めです。教育事業への共感や将来性を重視する投資家には候補になりますが、現時点では強気一辺倒では見にくい銘柄です。 |
株主優待情報
すららネットでは、毎年3月末時点で100株以上を保有している株主を対象に、以下の株主優待を実施しています。
株主優待の内容
- 100株以上:自社サービス「すらら」「Everyday TOEIC(R)L&R TEST」の割引受講。
- 100株以上:自社子育て支援サービス「ほめビリティ・ペアレンティング」の参加料を株主優待価格で提供。
- 「ほめビリティ・ペアレンティング」は、初回18,480円が15,770円、2回目以降15,480円が13,200円となります。
金券やQUOカードのような優待ではありませんが、会社の主力事業とつながった内容になっているため、サービスに関心がある家庭や教育関係者には実用性のある優待といえます。
権利確定日と有効期限
権利確定月は3月末です。
長期保有によって優待内容が上乗せされる制度は、現時点では確認されていません。
優待利回りは、現金換算しにくい割引型の優待であるため、一般的なQUOカード優待のように単純比較しにくい点には注意が必要です。
会社情報

株式会社すららネットは、オンライン学習教材を開発、提供している教育テクノロジー企業です。
本社は東京都千代田区にあり、2008年に設立されました。
東証グロース市場に上場しており、学校、学習塾、家庭向けにデジタル教材を展開しています。
同社の代表的なサービスは「すらら」です。
これは、アニメーションによる対話型のオンライン教材で、子どもが一人でも学びやすいように作られているのが特徴です。
単に問題を解かせるだけではなく、理解の抜けを見つけながら学習を進められるように工夫されており、学校の授業についていけない子どもや、不登校の子どもにも活用されてきました。
また、商品ラインナップとしては「すらら」だけでなく、「すららドリル」「Surala Satellyzer」「すらら にほんご」「everyday TOEIC®L&R TEST」「Surala Math」なども展開しています。
つまり、国内の学校教育や学習塾向けだけでなく、日本語学習や英語学習、海外向けまで視野を広げたサービス展開を進めている会社です。
事業の特徴は、教育格差という社会課題に対して、デジタル技術で解決を目指している点にあります。
一般的な学習塾関連企業は、受験や成績向上の色が強いことが多いですが、すららネットはそれだけでなく、学びにくさを抱えた子どもにどう学習機会を届けるかというテーマにも力を入れています。
このため、景気敏感な娯楽系サービスとは違い、教育という比較的需要がなくなりにくい分野で事業をしている点は強みです。
一方で、会社規模はまだ大きくなく、売上の伸びや利益の変動によって株価が大きく動きやすい小型株でもあります。
派手な大型企業ではありませんが、教育とテクノロジーを組み合わせた独自の立ち位置を持っている会社として見るとわかりやすいです。
教育分野はすぐに急成長する市場ではありませんが、少子化の中でも一人ひとりに合った学びの需要は今後も残りやすく、長期では一定のテーマ性を持った事業だといえます。
そのため、すららネットは、規模の大きさよりも事業の独自性や社会性に注目して見るべき企業です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
すららネットを株式情報から見ると、まず強く感じるのは、財務面の安心感と業績面の弱さが同時にある銘柄だということです。
自己資本比率はかなり高く、借金に頼りすぎない経営ができている点は、小型株としては好印象です。
これは、会社が急に資金繰りで苦しくなるリスクを抑えやすいことを意味するため、長期投資で見ると大きな安心材料になります。
ただし、収益面は現在かなり厳しくなっています。
足元の決算では減収減益となっており、来期見通しも投資継続によって損失計上を予想している状況です。
つまり、財務は安定していても、利益成長がしばらく止まっている状態だと見るのが自然です。
長期チャートを見ても、過去に大きく買われた時期のあと、かなり長い間株価が下方向に調整している流れが続いています。
これは市場が、教育DXというテーマ性だけで高く評価する段階を終えて、実際の利益成長を厳しく見る段階に入っていることを示しています。
そのため、現時点でこの銘柄を長期保有目線で考えるなら、すぐに株価が大きく戻る前提で見るよりも、事業の立て直しや再成長のきっかけを待つ銘柄として見るほうが現実的です。
教育関連というテーマ自体は悪くありません。
少子化が進んでも、学習の個別最適化、不登校支援、発達特性への対応、デジタル教材の活用といった需要は今後も残りやすいからです。
しかも、すららネットはその中でも独自色があり、単なる映像授業ではないところが差別化要素になっています。
ただ、投資として考えると、テーマが良いことと、株価が上がることは別です。
利益がしっかり伸びるか、利用者数や導入校数が再び強く拡大するか、あるいは新サービスが収益に結びつくかといった点を見ながら判断したい局面です。
また、信用倍率がかなり高いことから、需給面では軽くはありません。
こうした銘柄は、材料が出れば大きく上がることもありますが、逆に上値が重くなりやすい場面もあります。
長期投資家としては、いまの段階では攻めの主力銘柄というより、少額で将来性を見守る候補として扱うのが合っています。
総合すると、すららネットは、財務の安定感はあるものの、業績の弱さと長期チャートの下向きが重く見える銘柄です。
教育DXというテーマに魅力を感じる人には監視対象として面白いですが、今の時点で安心して長期保有の中心に置くには、もう少し回復の確認がほしいというのが率直な評価です。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
すららネットの優待は、よくあるQUOカードや食事券のようなわかりやすい優待ではなく、自社サービスの割引を受けられるタイプです。
このため、万人向けの優待とは言いにくいです。
たとえば、普段からコンビニや書店で使える金券優待であれば、多くの投資家が使いやすさを感じやすいですが、すららネットの優待は会社のサービスに関心がある人でないと価値を実感しにくい面があります。
一方で、この優待には良いところもあります。
それは、会社が何を売っているのか、どんな人に役立つのかが、優待を通してわかりやすく伝わることです。
つまり、単に株主へお金を配るための制度ではなく、会社の事業理解とつながっている優待だということです。
教育サービスの会社である以上、優待も教育サービスに寄せるのは自然であり、事業と優待の一体感はあります。
特に、家庭学習や子育て支援に関心がある家庭にとっては、使い道がはっきりしている優待ともいえます。
また、最低投資金額が3万円台前半と小さいため、株主優待を試しやすい金額である点は魅力です。
優待株の中には最低でも数十万円必要な銘柄が少なくありませんが、すららネットは少額で保有できるため、教育関連株を少し持ってみたい人には入りやすいです。
ただし、長期保有の魅力という意味では、まだ弱さもあります。
長期保有優遇がなく、保有年数によって優待が良くなる仕組みも確認されていません。
さらに、割引優待なので、実際に使わなければ価値はゼロになります。
このため、優待そのものを目当てに長く持つというよりは、会社の教育事業に共感し、そのうえで優待も使えればうれしいという考え方のほうが合っています。
長期投資の視点では、優待の魅力だけで支えられる銘柄ではありません。
あくまで本体である事業の成長や収益改善が主役で、優待は補助的な存在です。
言い換えると、優待投資家にとっては主力候補というより、テーマ性のある小型優待株として見るのがしっくりきます。
総合的に見れば、すららネットの優待は、使う人には意味があるが、万人受けする強い優待ではありません。
優待だけで買うにはやや弱く、会社の事業内容に納得できる人が長期で応援する中で活きる優待だと考えるのが自然です。
総合評価
総合的に見ると、教育という社会性の高い分野で独自性を持つ一方、足元の業績と株価推移には慎重さが必要な銘柄です。
財務の健全性は高く、すぐに大きく崩れる印象はありませんが、長期保有で安心感を持つには、今後の収益改善を見届けたいところです。
優待もあるにはありますが、金券型ほどの強さはなく、事業への理解がある人向けです。
現時点では、主力で強気に持つというより、テーマ性に共感して少額で見守る銘柄と考えるのが合っています。

