「少ない金額で株をはじめてみたい」「おもしろい優待がある株を探している」――そんな人にちょっと注目してほしいのが、メディア工房[3815]という会社です。
スマホでできる占いや心理テストなどを作っている、ちょっとユニークなネット企業で、株主には占いサイトで使えるクーポンがもらえるという珍しい優待があります。
このページでは、そんなメディア工房の株について、株価や会社の内容、優待の詳しい情報をプロの視点でわかりやすくまとめました。
短期の売買ではなく、長くじっくり持つことを前提に、「投資としてどうなのか?」をしっかりと考えてみたいと思います。
初心者の方や、これから株を始めたい人にも読みやすく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
– | 5.52倍 | 39.4% | -22.59% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
7.49% | – | 7.49% | 8月 | 53,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
業績や配当の面ではあまり強くありませんが、少ないお金で買えるうえに、毎年4,000円分の占いクーポンがもらえるという珍しい優待があります。占いや診断が好きな人にはとても相性がよく、優待目当てで“ちょっとした楽しみ”を味わいたい方には向いています。成長性には不安もありますが、応援する気持ちで持つなら検討の価値ありです。 |
株主優待情報

株式会社メディア工房の株主優待は、ちょっと変わった、でも使ってみると楽しい“占い体験”ができるサービスです。
お金をもらえるわけではないですが、自社のサービスを実際に使ってもらうことで、ファンになってもらおうという考え方の優待制度になっています。
株主優待の内容
優待をもらえる条件は「毎年8月末時点で100株以上を保有していること」です。
優待の内容は、メディア工房が運営している占いサービスサイト「cocoloni本格占い館」で利用できる4,000円分のポイント(クーポンコード)です。
保有株式数 | 優待内容 | 優待利回り(目安) | 必要な投資額(目安) |
---|---|---|---|
100株以上 | 「cocoloni本格占い館」で使える4,000円分のクーポン | 約7.5%(※2025年5月時点) | 約52,700円 |
たとえば、「有名占い師による恋愛運診断」「相性占い」「人生相談型占い」など、種類豊富なコンテンツがそろっていて、1回数百円から1,000円程度の価格設定です。
つまり、4,000円分あると複数回の占いを楽しめる計算になります。
注意点
注意点としては、「cocoloni本格占い館」以外のサイトでは使えないこと、そして有効期限があるため、届いたらできるだけ早めに使うのがおすすめです。
また、占いにあまり興味がない人にとっては実用性が低く感じるかもしれませんが、家族や友人にプレゼントするのもひとつの方法です。
実際に株主からの口コミを見ると、「自分では買わないけれど、もらえたので使ってみたら意外と当たってびっくり」「毎年の楽しみになっている」といった声もあり、リピーターも少なくありません。
会社情報

株式会社メディア工房は、東京都港区に本社がある会社で、インターネットを使ったサービスをたくさん手がけている企業です。
1997年に設立され、2005年には東証マザーズ市場(今のグロース市場)に上場しました。
長くネットビジネスの分野で活動しており、特に「占いコンテンツ」や「心理テスト」など、ちょっとユニークで個人向けのサービスを中心に展開しています。
この会社の主な事業は、「デジタルコンテンツ事業」と「ソリューション事業」に分かれています。
デジタルコンテンツ事業では、スマートフォン向けに占いや診断コンテンツを提供しており、アプリやWEBサービスとして配信しています。
テレビや雑誌に出ている有名な占い師と連携して、本格的な占いサービスをスマホで気軽に受けられるのが特徴です。
また、自分の性格をチェックしたり、相性診断を楽しんだりできるコンテンツもあり、10代から40代の女性を中心に支持を得ています。
もうひとつのソリューション事業では、企業向けにWEBマーケティングの支援や、広告・販促などのサービスを提供しています。
たとえば、「この商品をどうやって売るか」を考えて提案したり、「お客さんの行動を分析して、効果のあるプロモーション方法を教える」といったことを行っています。
中小企業や個人事業主が、ネットをうまく使ってビジネスを伸ばす手助けをしているイメージです。
会社の規模としては、上場企業の中では比較的小さめで、社員数も50人前後とアットホームな雰囲気です。
ただ、スマホやネットの分野で専門性が高く、ニッチな領域でしっかり収益を出す体制が整っています。
また、ユニークな点として「自社コンテンツを活かした株主優待制度」があり、100株以上を持っている株主に対して、同社が運営する占いコンテンツなどで使えるクーポンを毎年プレゼントしています。これは、他社にはあまりないユニークな優待制度で、ちょっとした楽しみとして人気があります。
ブランド名としては、個別に大きな名前がついているわけではないものの、「恋愛」「人生相談」「運勢」などのテーマに特化した占いアプリや診断ツールを複数展開しています。
スマートフォンで「占い」と検索すると、メディア工房のコンテンツが上位に出てくることも多く、特に占い好きな人にはよく知られています。
このように、メディア工房は大きな会社ではありませんが、得意分野を活かして独自のビジネスを展開しているユニークな存在です。今後も、時代の流れに合わせた新しいサービスの展開が期待されています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
株式会社メディア工房の株式を、長期的な視点で見たときの投資のおすすめ度は「やや低めから中程度」と言えます。
まず、過去30年の株価チャートを見ると、2012年から2015年ごろにかけて大きく上昇した時期があります。
その後は何度か急騰することもありましたが、全体的には上下を繰り返しながら、長期的に見るとあまり成長していない印象です。
つまり、10年以上保有していても、しっかり利益が出せるとは限らない銘柄であることがチャートから読み取れます。
また、業績面を見ても、ここ数年は赤字が続いており、PER(株価収益率)は算出不能な状態です。
つまり、利益が出ていないので、投資家としては「将来、会社がしっかり儲けられるかどうか」が不安な状態にあります。
自己資本比率はやや低めで、会社の財務体質も強いとは言えません。
さらに、配当金も出ていません。
長期保有する投資家にとっては、配当があると安心材料になりますが、それがないとなると、株価の値上がりだけが利益のチャンスになります。
しかし、先ほど述べたように、過去10年以上で株価は横ばいに近い動きです。
もうひとつの気になる点が、信用倍率です。現在の信用倍率は0.00倍、つまり「売りたい人がいない、買いたい人も少ない」という流動性の低い状態です。
取引が少ない銘柄は、思ったタイミングで売買しにくく、特に下落局面では株価が急落しやすくなる傾向があります。
ただし、すべてが悪いわけではありません。
メディア工房は、大手と真っ向から戦うのではなく、占いというニッチな分野で専門性を高めて事業を続けてきた実績があります。
景気に左右されにくい「スピリチュアル需要」を取り込んでいる点は、一定の安定感のある要素でもあります。
また、WEBコンテンツという特性上、在庫リスクや固定費も比較的抑えられ、利益が出やすい構造を持っているのも特徴です。
つまり、株価や財務だけを見ればおすすめ度は高くありませんが、「小さくてもユニークな企業に投資して応援したい」という気持ちで保有するなら、一つの選択肢になります。
特に、株主優待とあわせて総合的に楽しむというスタンスであれば、リターン以外の面でも価値があるでしょう。
株主優待にみる分析
株式会社メディア工房の株主優待は、他の企業にはあまり見られない「自社サービスを楽しめるタイプの優待」です。
一般的にはお米や商品券、クオカードのような“モノ”が多いのに対し、メディア工房の優待は「占いサイトで使える4,000円分のクーポン」です。
この特徴が、長期保有の視点で見たときにどう評価できるかを解説します。
まず優待利回りはかなり高い数字で、他の上場企業と比べても優待利回りの面ではトップクラスに入ります。
利回りが高いということは、「お得に使える」という意味ではもちろん魅力ですが、それだけでなく「小さい投資額で始められる」という点も初心者には大きなメリットです。
また、占いクーポンという内容についても一見ユニークですが、「自分では買わないけど、もらえたから試してみたら面白かった」という口コミも多く、実は隠れた人気があります。
使えるサイト「cocoloni本格占い館」では、テレビで見るような有名占い師の本格的な鑑定が受けられますし、占いのテーマも恋愛・人生・仕事・健康と幅広いため、性別や年代に関係なく楽しめるようになっています。
優待は年1回、8月末に権利が確定し、WEBページ上で簡単に受け取れる仕組みになっています。
封書で届くタイプではないので、受け取りが遅れたり、紛失したりするリスクが少なく、インターネットに慣れている方ならストレスなく利用できます。
ただし、この優待には注意点もあります。
それは「優待を現金に換えたり、店頭で使ったりはできない」という点です。
クオカードや商品券のように、自由にどこでも使えるわけではないので、占いに興味がない人にとっては“使い道が限られている”という見方もできます。
逆に言えば、この優待は「メディア工房という会社のサービスを応援したい」「占いに興味がある」という人にとって、非常に相性が良いものです。
メディア工房は優待制度を継続していますが、今後の業績や経営方針によっては、内容が変更される可能性もゼロではありません。
長期保有を前提にするなら、そのリスクも念のために意識しておくとよいでしょう。
総合的に見ると、メディア工房の株主優待は少額から投資できて、高利回りで、サービスもユニークという三拍子がそろっています。
金銭的なメリットよりも「ちょっと変わった楽しみ方ができる株」として、長期保有のきっかけになる銘柄です。
総合評価
メディア工房(3815)は、大きな会社ではありませんが、自分たちの得意分野を活かして、コツコツと事業を続けているユニークな企業です。
占いサービスや心理テストといった個人向けのWEBコンテンツを中心に展開し、競争の激しいネット業界の中でも、独自の立ち位置を築いています。
総合的に見ると、メディア工房は「お金もうけ」だけで見るとあまり強くおすすめできる株ではありませんが、「楽しみ」や「企業応援」という気持ちも含めた長期投資には、ちょっと面白い存在です。
株主としての楽しみを大事にしたい人にとっては、十分に検討する価値がある銘柄です。