結婚式のドレスや挙式サービスを提供しているクラウディアホールディングス[3697]は、ブライダル業界に特化したちょっと珍しい会社です。
株主には、ドレスの割引が受けられる優待やQUOカードが贈られるため、結婚を予定している人や贈り物として活用したい人にとってはうれしい内容です。
ただし、過去の株価を見ると上がったり下がったりが大きく、安定して伸びているとは言えません。
今回は、そんなクラウディアホールディングスの株を、長期保有と優待活用の視点から詳しく見ていきます。
株式情報
クラウディアホールディングス[3607] | 東証ST |
時価総額 約32.9億円 |
株価 340円
※更新:2025年6月9日
![クラウディアホールディングス[3607]30年チャート](https://kabulife.jp/wp/wp-content/uploads/2025/05/3607-20250529.png)
30年チャートを掲載
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
8.7倍 | 0.75倍 | 29.9% | 5.1% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.44% | 2.97% | 1.47% | 8月 | 34,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
結婚式を予定している本人や家族にとっては、ドレスや挙式費用の割引が受けられる優待が魅力的です。ただし、株価は決算発表などをきっかけに大きく上下することがあり、業績にも波があります。また、QUOカードは将来廃止される可能性もあるため、その点を理解したうえでの長期保有が望ましいでしょう。 |
株主優待情報

クラウディアホールディングスの株主優待は、ブライダル関連の特典と日常生活で使いやすいQUOカードがセットになっており、長期保有を考える投資家にとって魅力的な内容となっています。
株主優待の内容
クラウディアホールディングスの株主優待は、毎年8月末日時点で100株以上保有している株主を対象に、以下の特典が提供されます。
保有株数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 株主ご優待券1枚 + QUOカード500円分 |
300株以上 | 株主ご優待券1枚 + QUOカード1,000円分 |
1,000株以上 | 株主ご優待券1枚 + QUOカード3,000円分 |
※株主ご優待券は、直営店および優待協賛店での婚礼衣裳の購入・レンタル、挙式・披露宴の割引等に利用可能です。
株主ご優待券の詳細
株主ご優待券は、クラウディアホールディングスの直営店や優待協賛店で利用でき、婚礼衣裳の購入・レンタルや挙式・披露宴の割引など、ブライダル関連のサービスに適用されます。
利用可能な店舗は、「株主優待加盟店一覧」に記載されており、優待券送付時に同封されます。
優待の受け取りと有効期間
株主優待は、毎年8月末日時点で100株以上保有している株主に対して、11月下旬頃に送付されます。
優待券の有効期間は、12月1日から翌年の11月30日までの1年間です。
例えば、2024年8月31日時点で株主名簿に記載された株主には、2024年11月下旬に優待が送付され、2024年12月1日から2025年11月30日まで利用可能となります。
会社情報

クラウディアホールディングスは、京都市右京区に本社を構える総合ブライダル企業です。
1976年に設立され、当初はウェディングドレスの企画・製造・販売を主力事業としてスタートしました。
その後、リース事業やリゾート挙式サービスなどを展開し、現在ではブライダル業界をリードする存在となっています。
同社は、国内外の有名ブランドとのコラボレーションを積極的に行っており、ディズニーやJILLSTUARTなどとの提携により、多彩なドレスラインナップを提供しています。
これにより、幅広い顧客層のニーズに応えることができ、特別感のある商品やサービスを提供しています。
また、クラウディアホールディングスは、リゾート挙式事業にも力を入れており、ハワイや沖縄などのリゾート地での挙式プロデュースを行っています。
国内のドレスサロンでの相談やオンラインでの打ち合わせも可能で、顧客の希望に沿ったウエディングをトータルコーディネートしています。
同社の事業は、ホールセール部門とコンシューマー部門に大別されます。
ホールセール部門では、ウエディングドレスやタキシードの企画・製造・卸売、婚礼衣裳業界向けのレンタルを行っています。
コンシューマー部門では、直営のドレスサロン「銀座クチュールナオコ」や式場運営、写真・映像、美容など、ブライダルに関する多岐にわたるサービスを提供しています。
クラウディアホールディングスは、全国に事業所や店舗を展開しており、札幌、東京、名古屋、大阪、福岡など主要都市に拠点を構えています。
また、海外にも生産拠点を持ち、グローバルな展開を進めています。
企業理念として「夢を持って、夢を創り、夢を売ろう」を掲げ、顧客の夢の実現をサポートすることを使命としています。
今後も、ブライダル業界の変化に柔軟に対応しながら、品質の高い商品とサービスを提供し続けることが期待されます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
クラウディアホールディングスの30年間の株価チャートを見てみると、長い目では緩やかに下がり続けている傾向があります。
つまり、業績が良い時期もあった一方で、安定した上昇トレンドには乗り切れていないという状況です。
2023年の前半は好材料が多く、株価も順調に上昇していました。
理由は、コロナ明けによる結婚式の回復ムードに加え、会社の業績が大きく回復していたからです。2023年8月期の決算では、営業利益が前年の約5.5倍となり、すでに上方修正していた目標すら超えて着地しました。
これにより、「さらに伸びるかも」という期待が高まりました。
ところが、その決算発表の中で出された2024年8月期の業績見通しは、前期より8.4%の増益という控えめな数字でした。
もちろん増益はいいことですが、「去年のような急成長はもう見込めないかも」と受け取られ、失望した投資家が株を売り始めたことで、株価が急落したと考えられます。
さらにもう一つ注目したいのは、「優待だけを目的に株を買い、権利確定後すぐに売る」という動きです。
クラウディアは、QUOカードといった個人投資家に人気の優待を実施しており、毎年8月末に権利が確定します。
2023年は業績も良かったため、多くの投資家がこの「優待取り」を狙って買い集めたと考えられます。
そして、権利確定後に一斉に売りが出たことで、株価下落に拍車がかかったと見られています。
現在の数値面で見ると、クラウディアの株価はPERやPBRの水準からは割安感があります。
ただし、自己資本比率はやや低く、財務の安定性には注意が必要です。
以上の点から、クラウディアの株式は業績や市場の反応によって大きく値動きする可能性もあるため、慎重に選ぶべき銘柄といえるでしょう。
株主優待にみる分析
クラウディアホールディングス(3607)の株主優待は、「ブライダル関連のサービスで使える優待券」と「QUOカード」のセットになっています。
この優待は、結婚式に関わるサービスを割引で使えたり、日常生活で使いやすいプリペイドカードがもらえたりと、使う人によってはとても魅力的な内容です。
まず、優待券について見てみましょう。
この優待券は、クラウディアの直営ドレスサロンや提携先で、結婚式用の衣装レンタルや挙式・披露宴の費用割引に使えます。たとえば「銀座クチュールナオコ」など、全国にある系列のショップで使えるため、関東や関西に住んでいる人にとっては利用しやすい優待です。
沖縄やハワイなど、リゾート挙式にも対応しているため、結婚式を控えているカップルやその家族には、とてもありがたい内容になっています。
ただし注意したいのは、この優待券は「結婚式を予定している人」にしか本当に役立たないという点です。
結婚予定がなかったり、すでに結婚していたりすると、使う機会がなく、そのまま無駄になってしまうこともあります。
人によっては、「親戚にあげる」「フリマアプリで売る」などして工夫することもできますが、必ずしも万人向けではないのです。
次にQUOカードですが、これはコンビニや書店など、全国で使えるプリペイドカードで、金券としての使いやすさは抜群です。
100株保有で500円分、300株で1,000円分、1,000株で3,000円分がもらえる仕組みで、優待としてはわかりやすく、現金感覚で使えるありがたいものです。
ただし、このQUOカードはクラウディアの本業(ブライダル事業)とはまったく関係がありません。
つまり、企業として直接の宣伝や商品PRにつながるものではなく、「株主へのおまけ」的な意味合いが強い優待です。
そのため、今後会社の業績が悪くなったときや、経費削減をしなければならない場面では、「QUOカード優待を廃止・縮小します」といった優待改悪が行われる可能性もあると考えておく必要があります。
実際に、他の企業でも似たような理由でQUOカードの優待が廃止されたケースはたくさんあります。
配当と違って、株主優待は法律上の義務ではなく、「企業の好意」で行っているものなので、いつ廃止されてもおかしくないという前提で考えることが大切です。
総合的に見ると、クラウディアの優待は、ブライダル業界に関心がある人や、近くに結婚を予定している家族がいる人にとってはとても実用的です。
一方で、誰にでも恩恵があるわけではなく、QUOカードのような金券優待も将来的に維持される保証はないため、「今後の変化」への備えは必要です。
長期保有を前提とするなら、「優待の中身が変わることもある」「なくなることもある」という前提で投資判断をすることが大切です。
そのうえで、「今の優待内容を十分に楽しめる人」にとっては、長く持つ意味のある銘柄だと言えるでしょう。
総合評価
クラウディアホールディングスは、結婚式に関わるドレスや式場サービスを手がけるブライダル専門の会社です。
総合的に考えると、この株は「今の優待をしっかり活用できる人」には向いていますが、「将来の成長性や株価の上昇」に期待する人には少し不安もある銘柄です。
業績に波があり、投資家の心理によって大きく動くこともあるため、値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うというよりは、配当や優待を受け取りながら気長に持ち続けるスタイルが合っているといえるでしょう。
ただし、QUOカードはブライダル事業と関係がないため、会社の都合で廃止や縮小されるリスクもあります。
優待制度は法律で決まっているわけではなく、会社の判断でいつでも変えられる点は知っておく必要があります。