トリドールホールディングス[3397]は、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を中心に、国内外で幅広い外食ブランドを展開する企業です。
近年では、「コナズ珈琲」や「天ぷら定食まきの」などの専門店業態にも力を入れ、多様な飲食ニーズに応えるブランド展開を進めています。
また、海外市場への積極的な進出により、グローバルでの成長を加速させており、特にアメリカ・アジア市場での拡大が注目されています。
株価の推移や財務状況、株主優待の魅力など、投資家として注目すべきポイントも多く、長期的な視点での成長性が期待される銘柄のひとつです。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
77倍 | 4.0倍 | 25% | 7.5% | 0.16倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.62% | 0.23% | 1.39% | 3月・9月 | 433,300円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
自己資本比率やROEが一定の水準を維持しており、財務の健全性も確認できます。一方で、PERやPBRが市場平均より高めであるため、株価には成長期待が既に織り込まれている可能性があります。優待利回りが高く、外食を頻繁に利用する投資家には魅力的な銘柄です。 |
会社情報

株式会社トリドールホールディングス(以下、トリドール)は、1990年6月11日に有限会社トリドールコーポレーションとして設立され、1995年10月28日に株式会社トリドールへ組織変更、2016年10月1日には持株会社体制へ移行し、現在の商号となりました。
2024年3月末時点で、連結従業員数は7,790人、臨時従業員数は14,023人と、国内外で多くの人材を擁する企業です。
トリドールは、「丸亀製麺」をはじめとする多彩なブランドを展開しています。
「丸亀製麺」は2000年に兵庫県で第1号店をオープンし、2011年には全都道府県への出店を達成、さらに2018年には世界1,000店舗を突破しました。
他にも、ハワイアンカフェ「KONA’S COFFEE」、本格炭火焼鳥店「鳥貴族」、焼きそば専門店「長田本庄軒」、天ぷら定食の「天ぷら定食まきの」、とんかつ専門店「とんテキや」、焼肉丼の「牛角次男坊」、コッペパン専門店「コッペパン専門店 ふわこっぺ」、大衆酒場「晩杯屋」、豚骨ラーメンの「ラー麺ずんどう屋」など、多岐にわたる業態を手掛けています。
海外展開も積極的に行っており、アジア、ヨーロッパ、アメリカなどで「丸亀製麺」を中心に出店を拡大しています。2023年7月には英国のFulham Shore社を子会社化し、欧州市場でのプレゼンスを強化しました。
ブランド一覧
- 丸亀製麺
- コナズ珈琲
- 肉のヤマキ商店
- ラー麺ずんどう屋
- 晩杯屋
- 天ぷらまきの
- 長田本庄軒
- とりどーる
- 豚屋とん一
- 丸醤屋
- SONOKO
- Tam Jai
- MARUGAME UDON
株主優待情報

トリドール(「丸亀製麺」などを運営している会社)の株を100株以上持っている人は、毎年3月31日と9月30日の時点で株を持っていれば、お店で使える「株主優待カード」がもらえます。
もらえる金額は、持っている株の数によって変わります:
- 100株~199株 → 年に2回、合計3,000円分
- 200株~999株 → 年に2回、合計4,000円分
- 1,000株~1,999株 → 年に2回、合計10,000円分
- 2,000株以上 → 年に2回、合計15,000円分
さらに、200株以上を1年以上ずっと持ち続けている人には、追加で3,000円分の優待がもらえる「特別ボーナス」もあります!
ただし、一部のお店(券売機のあるお店や、キッチンカー、ネットショップなど)では、この優待カードが使えないこともあります。くわしくはトリドールの公式ホームページをチェックしてみてくださいね。
保有株式数 | 年間優待金額 | 継続保有1年以上の追加贈呈額 | 合計年間優待金額 |
100株以上~200株未満 | 6,000円 | なし | 6,000円 |
200株以上~1,000株未満 | 8,000円 | 6,000円 | 14,000円 |
1,000株以上~2,000株未満 | 20,000円 | 6,000円 | 26,000円 |
2,000株以上 | 30,000円 | 6,000円 | 36,000円 |
1年以上継続して200株以上を保有されている株主には、年2回、各3,000円相当の追加優待あります。
追加優待をもらうためには、「200株以上の株を、ずっと持っていること」が条件です。
具体的には、3月末と9月末のチェックのときに、同じ名前で3回連続して200株以上持っていたかどうかがポイントになります。
たとえば、2025年3月末・9月末・2026年3月末の3回とも、同じ名義で200株以上持っていれば、「ずっと持っている人」としてボーナスがもらえます!
- 100 円単位の利用から10 円単位での利用が可能です。
- カード送付は初回のみとなり、2 回目以降は同じカードにチャージがされます。
- 有効期限は、基本は12ヶ月です。3月31日基準日(6月下旬発送)は翌年の7月末日、9月30日基準日(12月上旬発送)分は翌年の12月末日です。ただし、初回は株主優待カードの配送を鑑みて13ヵ月となります。
- カード紛失時は、新しいカードを再発行します。その際、再発行手数料として残高より500円差し引きます。
- 現金とのお引き換え、および釣銭をお出しすることはできません。
利用可能店舗
同社が運営する多くのブランドでご利用いただけます。ただし、一部の店舗ではご利用いただけない場合があります。
- 丸亀製麺
- コナズ珈琲
- 肉のヤマキ商店
- ラー麺ずんどう屋
- 晩杯屋
- 天ぷらまきの
- 長田本庄軒
- とりどーる
- 豚屋とん一
- 丸醤屋
- SONOKO
- Tam Jai
- MARUGAME UDON
編集部からのおすすめ情報
編集部おすすめ度:
株式情報にみる分析
トリドールホールディングスの株式を長期的な視点で見たとき、その成長性と安定性の両面から、投資先として非常に魅力的な企業だといえます。
まず、株価の10年以上の推移を見ると、2010年代前半には1,000円前後だった株価が、そこからじわじわと上昇を続け、2025年には3,800円を超える水準まで成長しています。
この動きは、トリドールが外食業界の中でも、単なる流行ではなく、長く愛されるブランドとして着実に成長を重ねてきたことを表しています。
短期間のチャートでは上下の動きもありますが、10年というスパンで見れば、安定した右肩上がりの成長トレンドがはっきりと見て取れます。
トリドールの強みは、なんといっても「丸亀製麺」に代表される確固たるブランド力です。
「安くて美味しく、いつでも気軽に立ち寄れるうどん店」というポジションは、多くの日本人に定着しており、コロナ禍のような困難な時期にも比較的強い集客力を発揮してきました。
そして、現在はうどんだけでなく、「コナズ珈琲」や「天ぷら定食まきの」、「ラー麺ずんどう屋」など、多彩なブランド展開を進めています。
つまり、1つの業態だけに頼るのではなく、複数のブランドで収益を支える体制ができており、リスク分散もできているという点が長期投資には重要です。
さらに注目したいのは、海外展開です。日本国内の市場が人口減少により縮小傾向にある中で、トリドールはアジアやアメリカなどの海外マーケットに積極的に出店を進めています。
実際に海外での「MARUGAME UDON」は現地でも高い評価を受けており、今後も世界的に店舗数が増えていく可能性が高いです。
外食業界はどうしても景気や社会情勢の影響を受けやすいですが、海外市場を開拓することによって、成長の余地をさらに広げています。
また、財務面でも健全な経営が続いています。
自己資本比率やROEといった指標は、業界平均と比べてもそれほど劣っておらず、むしろ健全なバランスを保っています。
過度な借り入れに頼ることなく、自社の成長に必要な投資を行っている点は、長期的に見て安心感があります。
PER(株価収益率)などの評価指標を見ると、やや割高と感じるかもしれませんが、これは今後の成長性への期待が高く、投資家が将来の収益に対してポジティブな見方をしている証拠でもあります。
成長企業に対しては、こうした高めの評価がつくことは珍しくありません。
もちろん、外食業界にはリスクもあります。原材料価格の上昇や人手不足、海外事業の為替リスクなど、避けて通れない課題は多くあります。
ただ、トリドールはそれらに対応する柔軟性と実行力をこれまでにも見せてきました。
例えば、近年では株主優待の電子化など、時代の流れに合わせて柔軟に運営の形を変えている点も評価できます。
総合的に見て、トリドールホールディングスは、短期的な値上がりを狙う銘柄というよりも、じっくりと腰を据えて成長を見守る「長期保有向けの株」と言えます。
店舗網の拡大、ブランド多角化、そしてグローバルな成長という3つの柱を持った企業は、長期投資において心強い存在です。
株主優待にみる分析
トリドールホールディングスの株を買うと、年に2回「株主優待」がもらえます。
外食が好きな人や、「丸亀製麺」などのお店によく行く人にとっては、とても魅力的な特典です。
トリドールの株主優待は「使いやすい」「全国のお店で使える」「長く持てばもっともらえる」という、3つの大きなメリットがあります。
外食系の株主優待はたくさんありますが、トリドールは「丸亀製麺」という誰もが知っているお店があるため、使いやすさという点で他より一歩リードしています。
また、長期で保有することで得られる追加優待があることで、投資家に「すぐ売らずに長く持とう」と思わせる工夫もされています。
これは、企業にとっても安定した株主を増やせるというメリットがあります。
さらに、トリドールは業績も比較的安定しており、海外展開などで今後の成長も期待されています。
業績が安定しているということは、株主優待も簡単には改悪されにくいという安心感にもつながります。
実際に、優待の電子化など、時代に合わせた変更を取り入れながらも、株主への還元姿勢は変わっていません。
このように、企業としての体力があり、株主に対してもしっかりと向き合っていることは、長期投資の観点から非常に重要です。
まとめると、トリドールホールディングスの株主優待は、金額面でも、使いやすさの面でも、そして長く株を持つメリットの面でも、とても優れた内容になっています。
総合評価
トリドールホールディングスは、「丸亀製麺」を中心とした外食ブランドを展開し、長期的な視点から見ると非常に魅力的な投資先だといえます。
株価の推移、企業の成長戦略、株主優待の内容を総合的に見て、「長く応援したくなる会社」という印象を持つ投資家も多いのではないでしょうか。
総括すると、トリドールホールディングスは「成長性」と「株主還元姿勢」を兼ね備えた、バランスの良い長期投資向けの銘柄です。
短期間で大きな利益を狙うというよりも、じっくりと時間をかけて企業の成長とともに資産を育てたいという投資スタイルに向いています。
さらに、株主優待によって実際の生活にも恩恵があるという点で、投資初心者にもおすすめしやすい企業です。