フジタコーポレーション[3370]という会社の株、みなさんはご存じでしょうか?
名前を聞くとピンとこないかもしれませんが、北海道を中心に展開している外食チェーンで、地域に根ざした経営をしている企業です。
この会社の株には、ちょっとした楽しみがついています。それが「株主優待」です。
今回は、そんなフジタコーポレーションの株について、長期で持ち続けるメリットや注意点を、やさしくわかりやすく解説します。
株価の動きや会社の特徴、そして魅力的な優待内容まで、投資を始めたばかりの人にも役立つ情報をまとめています。
お得に、そして楽しく株を続けていきたい人は、ぜひチェックしてみてください。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
8.4倍 | 8.6倍 | 8.5% | 50.9% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.26% | 0.99% | 3.28% | 3月、9月 | 30,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
派手さや急成長はないものの、3万円前後という少額で始められ、年に1回のお楽しみとして優待をしっかり受け取れる点が魅力です。財務の弱さや株価の低迷といった不安材料もありますが、優待を目的とした“応援スタイル”の長期保有には向いています。100株だけを保有し、無理のない範囲で楽しむのが無難です。 |
株主優待情報

フジタコーポレーションの株主優待は、毎年3月末時点で100株以上を持っている株主に対して、自社商品やオンラインショップ「どさバス」で使えるクーポン券がもらえる制度です。
これは、フジタコーポレーションが自分たちの商品をもっと知ってもらいたい、そして応援してくれている株主に感謝の気持ちを届けたいという思いから行われているものです。
株主優待の内容
もらえる優待の内容は、持っている株数によって変わってきます。
たとえば、100株だと1,000円相当の自社商品やクーポンがもらえますし、もっとたくさん持っていれば、その分もらえる金額も大きくなります。
保有株数 | 優待内容(自社製品 or ECサイト「どさバス」クーポン) |
---|---|
100株以上 | 1,000円相当 |
500株以上 | 2,000円相当 |
1,000株以上 | 3,000円相当 |
5,000株以上 | 5,000円相当 |
10,000株以上 | 10,000円相当 |

「どさバス」は、お米やカレー、ハンバーグ、海産物など、ラインアップも充実しています。自分で好きな商品を選べる自由度があるので、使い道に困らないのも魅力の一つです。
株主優待スケジュール
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定日 | 毎年3月31日(年1回) |
優待案内の発送時期 | 毎年6月下旬ごろ |
優待の有効期限 | クーポンは発行から約6か月(年によって前後あり) |

最新の詳細スケジュールは、毎年6月に送られる「株主優待のご案内」に記載されています。具体的な申し込み期限や有効期限は年度によって若干の変動があるため、必ず実際の案内を確認してください。
会社情報

フジタコーポレーションは、北海道を拠点にしている外食企業です。
名前はあまり知られていないかもしれませんが、実は「焼肉バイキング ウエスタン」や「回転寿司 まつりや」など、北海道ではよく見かけるレストランを運営している会社です。
もともとは1971年に創業し、2005年には東証に上場しました。
この会社の大きな特徴は、自分たちでお店を作って、サービスや料理も自分たちで工夫しながら運営している点です。
たとえば、ウエスタンでは焼肉だけじゃなくて、サラダバーやデザートコーナーなどもあり、家族連れがゆっくり食事を楽しめるようになっています。
また、まつりやでは北海道ならではの新鮮なネタを使ったお寿司が人気で、地元の人たちから長く愛されています。
店舗の数はそれほど多くはありませんが、そのぶん一つひとつのお店に手をかけて運営しており、地域密着型のスタイルで地元のファンをしっかりつかんでいます。
最近では、飲食店の経営だけでなく、ECサイト「どさバス」で自社製品の販売も行っており、オンラインにも力を入れ始めています。
このサイトでは、お米や加工食品、北海道の特産品などを購入することができます。
会社としての規模は大きくありませんが、だからこそ柔軟な経営ができるというメリットがあります。
例えば、お店のコンセプトを細かく変えたり、地域のイベントとコラボしたりといった工夫もしているようです。
外食業界は競争が激しいですが、フジタコーポレーションは「地元に根ざしたレストラン」として、堅実な運営を続けている企業だといえます。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
フジタコーポレーションの株式を長期で保有するかどうかを考えるとき、まず気になるのが企業の安定性と成長性、そして株価の推移です。
結論から言うと、この会社の株は「やや慎重に見たほうがいい」といえます。
まず株価の長期チャートを見てみると、ここ30年間で大きく成長しているとは言いにくい状況です。
安定的に右肩上がりになっているわけではなく、むしろ全体としては横ばいか、どちらかというと低調な動きが続いています。
成長株というよりは、地味で小型な銘柄という印象です。
次に指標面を見てみると、PER(株価収益率)は低く、一般的には「割安」とも取れます。
ただし、それはあくまで現在の利益水準が続いた場合の話。実際には会社の自己資本比率がかなり低く、かなり不安のある数字です。
つまり、借金が多く、財務的に余裕がない状態と言えます。
こうした企業は、外的要因(たとえばコロナのような経済ショックや物価高)に弱く、倒産リスクも一定程度あると考えておいた方が無難です。
また、ROE(自己資本利益率)は高めに出ていますが、これは利益が小さい資本に対して出ているためで、財務的に健全であることを意味しているとは限りません。
実態としては、企業としての体力はあまり強くないように見えます。
加えて、信用倍率は売り建ての株がなく、信用買いが積み上がっている状態で、需給のバランスがやや悪くなっていることを示唆しています。
小型株なのでボラティリティも高く、少しの材料で大きく上下する可能性もあり、長期でじっくり育てていくというよりは、短期的な材料株として見られてしまいがちです。
配当についても注意が必要です。インカムゲイン(配当収入)を目的にするにはやや物足りない水準です。
とはいえ、地元密着型の事業をコツコツと続けていること、そして近年はECにも力を入れていることなど、小さな成長の芽は感じられます。
「大きく儲かる株」ではなく「応援する気持ちで保有する株」として捉えるなら、優待目的や分散投資の一部としての保有は選択肢の一つです。
株主優待にみる分析
フジタコーポレーションの株主優待は、長期保有を前提とした人にとって、なかなか魅力のある制度です。
まず、もらえる優待は自社ECサイト「どさバス」で使えるクーポンか、自社製品です。
これは、日常的に使える食品が多く、家計の助けにもなりますし、自分のライフスタイルに合わせて使いやすいという点で、使い勝手の良い優待です。
さらに、フジタコーポレーションの優待は保有株数に応じて増えていきます。
たとえば500株で2,000円、1,000株で3,000円と段階的に上がっていき、最大で10,000株持てば1万円分の優待がもらえます。
とはいえ、あくまで優待利回りとして最も効率が良いのは100株の保有なので、多くの個人投資家は100株だけ保有して優待をもらう「優待目当て」のスタイルをとっています。
このように、少ない投資金額で毎年きちんと優待をもらえるという点は、長期で保有するにはありがたい仕組みです
実際に「どさバス」のECサイトでは、お米、海産物、スイーツなどの北海道らしい商品が選べて、使っていて楽しいという声もあります。
自分で商品を選べるのも、使わずに期限切れ…なんてことが起きにくいという点で安心です。
さらに言えば、株主優待は企業と投資家のつながりを作ってくれるものでもあります。
優待を通して企業の商品を知ったり、家族で使ってみたりする中で、その企業をもっと応援したくなる…という気持ちも自然と生まれます。
そういった意味でも、優待制度は「金銭的な得」だけでなく、「気持ちのつながり」も作ってくれる大切な制度です。
もちろん、注意点もあります。フジタコーポレーションは、配当が少なかったり、財務がやや弱い会社でもあるので、優待目的だけで過度な金額を投資するのはリスクが高いです。
ただし、投資額をおさえたうえで100株だけ保有し、優待をコツコツもらいながら長く付き合っていく――そんな“優待生活”を楽しむには、ちょうどいい銘柄といえるかもしれません。
総合評価
フジタコーポレーションという会社は、北海道を中心に外食チェーンを展開している、比較的小さな企業です。
30年の株価チャートを見ると、大きく成長してきたというよりは、ゆるやかに動いているような印象で、株価も上下に波があるものの、全体としてはパッとしない状況が続いています。
ですが、そんな中でも光っているのが「株主優待」の存在です。
100株、約3万円の投資で、毎年1,000円相当の自社商品やクーポンがもらえるのは、日常的に使えるものとしてかなり嬉しい特典です。
つまり、この株は「値上がりで大きく利益を出したい人」や「配当をたくさんもらいたい人」にはあまり向いていませんが、「優待を楽しみながら、あまり値動きを気にせず気長につき合える株を持ちたい人」には合っています。
特に家族で優待を使ったり、北海道の味を楽しみたい人にとっては、生活のちょっとした楽しみを届けてくれる株と言えるでしょう。
ただし、企業の財務がしっかりしているわけではないので、保有するなら100株程度に抑えて、分散投資の一環として取り入れるのが安全です。