三越伊勢丹ホールディングス[3099]は、日本を代表する百貨店グループの一つです。
三越や伊勢丹の店舗は、洋服や化粧品、食品、ギフトなどを豊富に取りそろえており、多くの人に親しまれています。
この会社の株を持っていると、買い物に使えるお得な優待カードがもらえるのが大きな魅力です。
また、株を長く持ち続けることで、優待の内容がさらに充実していきます。
配当金も安定しているため、株主としての楽しみがいくつもある銘柄です。
家族で買い物をよくする方や、贈り物などで百貨店を利用する機会がある方には、特におすすめできます。
今回は、そんな三越伊勢丹ホールディングスの株の魅力を、株価の情報や優待の内容などをふまえて、詳しくご紹介します。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
13.8倍 | 1.38倍 | 49.9% | 8.84% | 4.49倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
2.63% | 2.63% | – 利用限度額と使用実績ベース | 3月、9月 | 228,250円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
長期保有にとても適した優待銘柄です。配当金が安定しているうえに、三越伊勢丹グループの店舗やオンラインで使える優待が実用的です。さらに長期保有すれば優待内容がより充実し、持ち続けるほどお得感が高まります。財務状況も良好で、安心して長期投資に取り組める点も大きな魅力です。百貨店をよく利用する方には特におすすめできる一株です。 |
会社情報

株式会社三越伊勢丹ホールディングスは、2008年に三越と伊勢丹という日本を代表する老舗百貨店が経営統合して誕生した会社です。
本社は東京・新宿にあり、全国に百貨店を展開しています。
従業員はグループ全体で約1万8千人ほど在籍しています。
売上の中心は百貨店事業であり、これは全体の約85%を占めています。
代表的な店舗としては、東京の伊勢丹新宿本店や三越日本橋本店、三越銀座店が有名です。
これらは地域の高所得層や観光客にも人気があり、国内外から多くの集客を誇っています。
国内の百貨店は北海道から九州まで全国に約20店舗あります。
一方で、海外展開も積極的に行っており、中国や東南アジア、台湾、アメリカなどにも20店以上の店舗を展開しています。
こうした海外事業は、日本ブランドの高級感や信頼性を活かしたビジネスとして成長を続けています。
近年は百貨店業だけでなく、クレジットカード事業や不動産事業などにも力を入れています。
特に自社グループが発行する「エムアイカード」は約270万人以上の会員を抱えており、リピート顧客の囲い込みに成功しています。
また、百貨店に併設するショッピングセンターやホテル、不動産の賃貸など、安定した収益源の確保にも取り組んでいます。
デジタル分野でも積極的な投資を進めており、オンラインストアやアプリの活用により、店舗とネットを連動させた新しい買い物体験の提供を目指しています。
たとえば、店舗で足の形を3D計測して靴を提案するサービスなど、高付加価値な取り組みも行っています。
このように、三越伊勢丹ホールディングスは伝統的な百貨店の強みを活かしながらも、新たな時代に向けたビジネスモデルの変革を進めている企業です。
今後も安定した事業基盤と多角的な成長戦略により、さらなる発展が期待されています。
株主優待情報

株式会社三越伊勢丹ホールディングスでは、毎年3月と9月を基準日として、「株主様ご優待カード」が発行されます。
株主優待の内容
このカードを使うと、以下の特典が受けられます。
特典①:お買物・飲食の10%割引
グループの百貨店(例:三越・伊勢丹・岩田屋・丸井今井)や飲食、オンラインストアなどで、カード提示&エムアイカード決済により、購入額から10%割引されます。
対象には食料品・催事・セール品なども含まれ、対象外となる品目もあります。
お買物限度額(3月基準日)
保有株数 | 割引上限(累計) |
---|---|
100株~299株 | 30万円 |
300株~499株 | 40万円 |
500株~999株 | 50万円 |
1,000株~2,999株 | 100万円 |
3,000株~4,999株 | 150万円 |
5,000株~9,999株 | 200万円 |
10,000株以上 | 300万円 |
新規株主(9月基準日)
保有株数 | 割引上限 |
---|---|
100株~299株 | 15万円 |
300株~499株 | 20万円 |
500株~999株 | 25万円 |
1,000株~2,999株 | 50万円 |
3,000株~4,999株 | 75万円 |
5,000株~9,999株 | 100万円 |
10,000株以上 | 150万円 |
長期保有が適用される場合、3月基準日の限度額は上記数値の2倍になります(例:300株なら80万円まで)
対象サービス・施設割引
グループ関連の理容室や美容室、クリーニング、駐車場、美術展、有料イベントなどでも割引や優待が受けられます。
サービス内容や価格は施設によりますが、駐車場では無料時間の延長、美術展では無料入場などが含まれます。
長期保有特典
- 対象:3月末の基準日を2年連続で迎え、かつその時点で300株以上を保有している株主。
- 内容:基準日以降に発行されるカードの割引上限額が2倍になります。
例:通常300株保有で40万円→長期保有で80万円の上限に
権利確定日と有効期限
基準日 | 発送時期 | 有効期限 |
---|---|---|
3月末 | 同年6月下旬 | 同年7月31日まで |
9月末の新規株主 | 同年11月下旬 | 同年7月31日まで |
長期保有特典 | 継続し300株以上保有(3月基準日2年連続) | 翌期から限度額2倍適用 |
長期保有特典は2025年では300株以上2年継続で、翌年優待カードより割引可能額が2倍になります。
カードは株主と家族・同居の範囲内でのみ使え、他人への譲渡はできません。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
三越伊勢丹ホールディングスの株は、長期保有を目的とした投資家にとって、十分に魅力のある選択肢と言えるでしょう。
その理由は、会社のこれまでの株価の動きと経営の安定性、そして今後の成長の見通しにあります。
まず、過去20年の株価チャートを見てみましょう。
リーマンショックや新型コロナウイルスの影響で一時的に大きく下がった時期もありましたが、それ以降はじわじわと回復し、直近では高値圏で推移しています。
このように長い目で見ると、経営の立て直しがしっかりと進んできたことがわかります。
特にここ数年はデジタル事業の強化や不採算店舗の整理が進んでおり、収益構造がより健全になってきました。
財務面でも安心感があります。
自己資本比率は高めであり、会社にしっかりとした資金の余裕があることを示しています。
またROE(株主資本利益率)もまずまずの水準にあり、効率的に利益を生み出せている企業と言えるでしょう。
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)も極端に高くはなく、割高感はあまり見られません。
これは、今の株価が企業の実力とおおむねバランスが取れていると考えられます。
信用倍率はやや高めですが、これは人気株である証でもあり、適度な流動性が保たれていると見ることもできます。
過熱感はそれほど心配しなくてよいでしょう。
長期投資においては、会社の将来性も重要なポイントです。
三越伊勢丹は、伝統的な百貨店業だけでなく、デジタル施策や海外展開、不動産収益にも力を入れています。
特に富裕層向けサービスの強化や、インバウンド需要の回復は今後の成長につながる可能性が高いです。
もちろん、国内の人口減少や消費者ニーズの変化といった課題はあります。
しかしそれに対して、会社は柔軟に対応し、新たなビジネスモデルを模索している姿勢が見られます。
そのため、今後10年、20年という長いスパンで見れば、安定した成長が期待できる企業の一つだと考えられます。
株主優待にみる分析
三越伊勢丹ホールディングスの株主優待は、長期的に保有することで家計に実感として役立つ、非常に使い勝手の良い制度だといえます。
株価の値上がり益や配当収入に加えて、優待による実生活面での還元効果が大きいため、いわば「暮らしに密着した投資効果」があるのが特徴です。
この優待制度が特に優れているのは、利用シーンが非常に幅広いという点です。
多くの株主優待は限られた店舗や商品でしか利用できなかったり、年に数回程度の割引しかなかったりしますが、三越伊勢丹の優待は、百貨店の広い商品群やサービスで日常的に利用することができます。
衣料品や化粧品、食料品はもちろん、贈答品や特別なイベントでも活用できるため、年齢やライフステージを問わず利用価値が高いのです。
さらに、この優待は「使えば使うほどメリットを実感できる」構造になっています。
たとえば、家族全体で百貨店をよく利用する場合、日常の買い物からギフトまで多くのシーンで優待を活かせます。
配偶者や親、子どもも優待の恩恵を受けられることで、一家で「株主になる意義」を感じやすい優待と言えるでしょう。
こうした心理的な効果も、株主としての満足度や長期保有意欲を高める要因となっています。
また、三越伊勢丹グループがデジタル化を積極的に進めている点は、優待の価値をさらに押し上げています。
以前は「店舗が近くにないと優待を活かせない」といった制約がありましたが、いまはオンラインストアで優待を利用できるようになっています。
これにより、地方在住の株主でも店舗と同様の優待メリットを享受できる環境が整っており、優待の地域格差が縮小してきています。
加えて、この優待制度が長年にわたって維持されてきたこと自体が、企業側の株主重視の姿勢を裏付けています。
単にコストを削減するのではなく、株主の生活価値を高める方向に優待を設計している点は、長期保有を目指す投資家にとって非常に重要な要素です。
経営としても、優待を通じてグループのブランド価値向上や顧客の囲い込みを図る狙いが明確に読み取れます。
こうした背景をふまえると、三越伊勢丹ホールディングスの優待は単なる「お得な特典」以上の投資価値をもたらしているといえるでしょう。
優待をきちんと活用できる生活スタイルの方にとっては、配当との合計リターンはかなり魅力的な水準になりますし、長期保有を続けるモチベーションにも直結します。
単年で売却益を狙うよりも、優待と配当を活用しながらじっくり持ち続けるほど満足度が高まる銘柄だと評価できます。
総合評価
三越伊勢丹ホールディングスの株は、長期保有を前提とした投資にとても向いている銘柄です。
全体として見ると、三越伊勢丹ホールディングスの株は、優待の魅力と配当の安定感、そして企業の財務健全性がバランスよく揃った銘柄です。
目先の株価変動に一喜一憂するというよりも、10年、20年とじっくり保有し、優待と配当の恩恵を着実に享受していくスタンスが合っています。
家族ぐるみで楽しみながら、長期的な資産形成の一部として組み入れるのにふさわしい銘柄だといえるでしょう。