ジェフグルメカードは、株式会社ジェフグルメカードが発行する全国共通のお食事券です。
1992年に設立された同社は、外食産業の業界団体である一般社団法人日本フードサービス協会を母体としています。
このカードは全国約35,000の加盟店で利用可能で、額面は500円の1種類のみです。有効期限がなく、お釣りも出るため、使い勝手の良さが特徴です。
株主優待としてジェフグルメカードを提供している企業も複数存在します。以下に主な企業とその優待内容をまとめました。
ジェフグルメカードの魅力
ジェフグルメカードの魅力は、次の5つです。
- 使える店舗数が多い(約35,000店)
- お釣りが出る
- 有効期限がない
- テイクアウトやデリバリーでも使える
- 現金同様に使える
使える店舗数が多い(約35,000店)
ジェフグルメカードは 全国約35,000の加盟飲食店 で利用可能です。
ファミリーレストラン、ファストフード、居酒屋、和食、中華など 幅広いジャンル の飲食店で使えるため、使い勝手が非常に良いです。
お釣りが出る
一般的な金券とは異なり、 ジェフグルメカードは額面以下の利用でもお釣りが出ます。
例えば、500円のジェフグルメカードを使って400円の会計をした場合、 100円のお釣りがもらえるので、無駄なく利用できます。
すかいらーくホールディングスの株主優待など、株主優待では食事券ではではおつりが出ないものも多いため、使い勝手の良さが魅力です。
有効期限がない
ジェフグルメカードは 有効期限が設定されていない ため、いつでも好きなタイミングで使えます。
他のギフトカードやポイントサービスでは有効期限があることが多いですが、ジェフグルメカードは時間を気にせず使えるのが大きなメリットです。
テイクアウトやデリバリーでも使える
ジェフグルメカードは店内での飲食だけでなく、 テイクアウト(お持ち帰り)やデリバリー(宅配) でも利用できる店舗があります。
例えば、 ケンタッキー・フライド・チキンやモスバーガーなどのチェーン店ではテイクアウト時にも使用可能です。
現金同様に使える
ジェフグルメカードは、クレジットカード払いやPayPayや楽天ペイなどのキャッシュレス決済の対象外ですが、現金と同じように使えるため、レジでの会計もスムーズです。
株主優待と併用できる
食事券などの株主優待と併用できるのも魅力です。
ジェフグルメカードはおつりが出るため、例えば3,800円の飲食をした際に、3,500円を優待で使い、残り300円にジェフグルメカードを使うことで、200円のおつりを受け取ることができます。
おつりが貰えるというジェフグルメカードの特徴が、おつりの出ない株主優待と相性が良く使い勝手がいいでしょう。
ジェフグルメカードを株主優待にするリスク
ジェフグルメカードは、使える店舗の多さやお釣りが出る利便性から、個人投資家に人気のある株主優待の一つです。
実際にジェフグルメカードを株主優待にすると、株価が上がりやすい傾向にあるのも間違いありません。
しかし、企業にとっては単純なコスト負担が大きい優待制度でもあります。
例えば、自社商品券とは異なり、ジェフグルメカードは他社運営の外部サービスであるため、自社への送客効果が乏しく、費用がそのまま外部に流出する構造になっています。
これにより、優待制度としての戦略的な意義が薄く、コスト対効果が見合わないと判断されやすい傾向があります。
また、発送費用や在庫管理の手間なども発生し、財務健全性を圧迫する一因となる可能性があります。
実際に、過去には以下のような企業がコスト増や制度見直しを理由にジェフグルメカードの株主優待を廃止・変更しており、今後も廃止・変更する企業も出てくる可能性があります。
企業名(証券コード) | 廃止・変更時期 | 理由・背景 |
---|---|---|
日本商業開発(現:地主)[3252] | 2024年2月 | 株主優待制度を廃止。2023年12月分をもって最後の優待となった。 |
オリバー[7959] | 2021年6月 | MBO(経営陣による買収)成立に伴い、上場廃止の見通しとなったため、株主優待を廃止。 |
廃止はしていないものの、ジェフグルメカードの金額を下げるなど改悪している企業もあります。
ジェフグルメカードの種類と価格
額面
ジェフグルメカードは1種類(額面500円)です。
1,000円や5,000円の券はなく、500円単位で販売されています。
購入・入手の方法
ジェフグルメカードは、以下の方法で購入・入手できます。
- 公式オンラインショップ(ジェフグルメカード公式サイト)
- コンビニエンスストア(セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなど)
- 金券ショップ
- 百貨店や大手スーパー(三越、伊勢丹、そごう、西武、大丸、松坂屋など)
- 株主優待
一般的に金券ショップでは500円券が480円〜490円と、額面より安く購入できる場合もありお得です。
購入時・使用時の注意点
ジェフグルメカードは基本的に 現金でのみ購入可能であり、クレジットカードでの購入はできません。
使用時は、PayPayや楽天ペイなどのキャッシュレス決済には使えません。
追加で支払いをする場合は、現金またはクレジットカードを用意する必要があります。
ジェフグルメカードは、複数のブランドで約35,000の加盟飲食店で利用可能ですが、すべての店舗で使えるわけではありません。
特に、デリバリー(宅配)サービスやオンライン決済では利用できない場合があるため、事前に公式サイトで利用可能店舗を確認しておくことをおすすめします。
ジェフグルメカードは500円券のみの提供となっているため、高額な支払いには複数枚をまとめて使用する必要があります。
ジェフグルメカードが使えるブランド
ジェフグルメカードが使えるブランドを一部紹介します。
一部の店舗では使用できないこともあるため、具体的な店舗情報や最新の加盟店リストは、ジェフグルメカード公式サイトの「使えるお店」ページでご確認ください。
ファミリーレストラン
- ガスト
- デニーズ
- ココス
- ロイヤルホスト
- ジョイフル
- ジョナサンなど
ファストフード
- ケンタッキーフライドチキン
- モスバーガー
- サーティワンアイスクリーム
- 吉野家
- リンガーハット
- 天丼てんやなど
居酒屋
- 日本海庄や
- キリンシティ
- ミライザカ
- 鳥メロ
- 魚民
- 笑笑など
中華料理
- バーミヤン
- 東天紅
- 謝朋殿
- 8番らーめんなど
和食
- 和食さと
- 夢庵
- 華屋与兵衛
- 藍屋
- 大戸屋など
商業施設内の飲食店や食料品店
また、東京都内では以下の商業施設内の飲食店や食料品店でもジェフグルメカードが利用可能です。
- 新丸ビル
- 日本橋高島屋S.C.
- 錦糸町テルミナ
- 東京ソラマチ
- 玉川高島屋S.C.
これらの施設内の一部店舗では、物販にも利用できる場合があります。
ただし、利用可能な店舗は施設や店舗によって異なるため、詳細は各施設の公式サイトや店頭でご確認ください。
ジェフグルメカードは有効期限がなく、お釣りも出るため、贈り物や日常のお食事に便利にご利用いただけます。
ジェフグルメカードを優待にしている銘柄
ジェフグルメカードを株主優待にしている銘柄は、次の通りです。
銘柄名(証券コード) | 優待内容 | 権利確定月 | 備考 |
---|---|---|---|
シンメンテホールディングス[6086] | 100株以上で500円分~3,000円分 | 2月 | 保有株数に応じて変動 |
マルゼン[5982] | 1,000株以上で3,000円分~5,000円分(年2回) | 2月・8月 | 保有株数に応じて変動 |
イノベーションホールディングス[3484] | 500株以上かつ1年以上保有で10,000円分 | 3月 | 長期保有が条件 |
鈴茂器工[6405] | 100株以上で500円分~2,500円分 | 3月 | 保有株数に応じて変動 |
リオン[6823] | 500株以上で1,000円分~10,000円分 | 3月 | 保有株数に応じて変動 |
パイオラックス[5988] | QUOカードまたはジェフグルメカード(300株以上で選択可) | 3月 | 3年以上の継続保有が条件 |
八洲電機[3153] | 保有株数と期間に応じて500円~7,000円分 | 3月・9月 | 長期保有で優待額アップ |
ニイタカ[4465] | 100株以上で500円分(年2回) | 5月・11月 | 1,000株以上で旅行券等も選択可 |
キユーソー流通システム[9369] | 200株以上で1,000円分~5,000円分 | 11月 | 保有株数に応じて変動 |
かんなん丸[7585] | 100株以上で500円分 | 12月 | 自社飲食券との選択制 |
他の食事券・ギフトカードとの比較
ジェフグルメカードとクオカード、JCBカードの比較を簡単にまとめます。
項目 | ジェフグルメカード | クオカード | JCBギフトカード |
---|---|---|---|
使える店舗 | 全国約35,000店舗(飲食店中心) | 全国約60,000店舗(主にコンビニ・書店) | 百貨店・スーパー・飲食店など全国50万店以上 |
お釣り | 出る | 出ない | 出ない |
有効期限 | なし | なし(※一部有効期限付きあり) | なし |
購入・入手方法 | 公式サイト、コンビニ、金券ショップ、百貨店、株主優待 | 金券ショップ、コンビニ、株主優待 | 金券ショップ、百貨店、公式通販、株主優待など |
まとめ
ジェフグルメカードは、全国約35,000店舗で利用できる利便性の高いお食事券であり、有効期限がなく、お釣りも出るという特徴から、株主優待品として高い人気を誇ります。
ファミレスやファストフード、居酒屋など幅広いジャンルで利用できるため、受け取った株主にとっては非常に実用的な優待となっています。
一方で、企業側から見ると、ジェフグルメカードは外部発行のサービスであるため、自社への直接的な送客効果が期待できず、単純なコスト支出となりやすいデメリットも存在します。
そのため、業績悪化やコスト見直しを背景に、ジェフグルメカードの提供を廃止・縮小する企業も少なくありません。
実際に、日本商業開発(現:地主)やオリバーなど、かつてジェフグルメカードを優待に採用していた企業が制度を廃止した例も出ています。
現在もジェフグルメカードを提供している企業は複数ありますが、今後の優待方針についても定期的に確認することが重要です。
投資家は、優待内容だけでなく、その継続性や企業の財務状況にも注意を払いながら、長期的な視点で銘柄選びを行う必要があるでしょう。