「投資ってなんだかむずかしそう…」「株をやるにはまず口座が必要って聞いたけど、それって何のこと?」
そんなふうに思っているみなさん、大丈夫です!
実は、株式投資をはじめるには「証券口座」というものを作る必要があります。
これは、株を買ったり売ったりするための“専用のアカウント”のようなもので、銀行口座とはちょっと違います。
しかも、その証券口座には「一般口座」「特定口座」「NISA」「iDeCo」など、いくつかの種類があり「どれを選べばいいの?」「どんな違いがあるの?」と迷ってしまいますよね。
この記事では、プロの投資家でもある筆者が、証券口座の基本や違い、選び方について、理解できるようにやさしく解説していきます!
証券口座ってそもそも何のためにあるの?
まず、「証券口座」ってなんでしょう?
かんたんに言うと、株を買ったり売ったりするための“投資専用の口座”のことです。
証券口座を作ると、スマホやパソコンから株を買ったり、売ったりすることができるようになります。
しかも最近は、楽天証券やSBI証券など、ネット証券が使いやすくて人気です。
証券口座を作ることが、投資のスタートラインといえるでしょう。
知っておきたい4つの証券口座の種類
証券口座にはいくつかの種類があって、それぞれ特徴がちがいます。ここでは、代表的な4つの口座について紹介していきますね。
一般口座(じっぱんこうざ)
これは、いちばん基本的な証券口座です。ですが、正直に言うと初心者にはちょっとむずかしいタイプです。
株で利益が出たら、「確定申告(かくていしんこく)」の手続きが必要になります。
この手続きは一年間の売上や経費を計算して、税務署に書類を出さないといけないんです。
そのため、ふつうはあまりこの口座は使われていません。「税金のことも全部自分でやりたい!」という上級者向けです。
◆ 特定口座(とくていこうざ)
一番人気なのが、この「特定口座(源泉徴収あり)」です!
なぜなら、株で利益が出たときの税金を、証券会社が自動で計算&支払いしてくれるからなんです。
つまり、自分で面倒な確定申告をしなくてもOK。
実際、2023年のデータによると、株式投資をしている人のうち8割以上がこの特定口座(源泉徴収あり)を選んでいます。
これから投資を始める人には、この口座がいちばん安心です!
NISA(ニーサ)
NISAは「少額投資非課税制度(しょうがくとうしひかぜいせいど)」という制度の略です。
むずかしそうに見えるけど、カンタンに言うと「利益に税金がかからないおトクな口座」のこと!
2024年から「新NISA」がスタートし、年間360万円までの投資に対して、利益がぜんぶ非課税(税金ゼロ)になります。
これまでのNISAは「つみたてNISA」と「一般NISA」という2つの制度に分かれていましたが、新NISAではこの2つがひとつに合体!しかも、制度の内容がとってもパワーアップしています。
年間360万円まで投資できるようになった!
新NISAでは、1年間に投資できる金額の上限が最大360万円に増えました。
この360万円は、
- つみたて投資枠:120万円
- 成長投資枠:240万円 という2つの枠に分かれています。
「つみたて投資枠」は、少額ずつコツコツ投資していくタイプで、「成長投資枠」は、個別株やETFなどにまとめて投資できる枠です。
もちろん両方使ってもOKで、合計で年間360万円までなら利益に税金がかからないんです!
非課税期間が“無期限”に!
これまでは、「つみたてNISA」は最長20年、「一般NISA」は5年という期限がありましたが、新NISAでは非課税の期間が“ずーっと”になります!
つまり、一度買った株や投資信託が何年後に値上がりしても、その利益にはずっと税金がかからないということです。
生涯で使える金額は1,800万円まで!
新NISAでは、人生トータルで投資できる上限が1,800万円と決められています。
これは「生涯投資枠」と呼ばれていて、一度使った分は減っていきますが、売却すればまた使えるという仕組みです。
たとえば、100万円分の株を買って売ったあと、もう一度100万円分買う…というのもOK!これなら、長い人生のなかで上手に使っていけますよね。
だれでも使いやすく、ずっと使える制度に!
新NISAは、これから投資を始めたい人にとって、とても心強い制度になりました。
使い方しだいでは、節税しながらしっかり資産を増やすことができます。
僕も新NISAをフル活用していますし、周りの投資仲間たちも「これからはNISAメインでやっていく!」という声が多いです。
iDeCo(イデコ)
iDeCoは「個人型確定拠出年金(こじんがたかくていきょしゅつねんきん)」という長い名前の制度です。
かんたんに言うと、自分でお金を積み立てながら、老後のために投資ができるしくみです。
iDeCoのメリットは、以下の通りです。
- 毎月の掛金が所得控除(しょとくこうじょ)されて節税になる
- 運用で得た利益も非課税
- 受け取るときにも税優遇がある
掛金が「全額所得控除」になる
これはめちゃくちゃ大きなメリットです!
毎月iDeCoに積み立てるお金(掛金)は、その年の所得から差し引くことができるんです。
たとえば会社員で年収400万円の人が、年間24万円(=月2万円)をiDeCoに積み立てた場合、課税対象の所得が「400万円 → 376万円」になるので、所得税や住民税が安くなるんです。
年収や税率によって変わりますが、年間で2〜5万円ほど節税になる人が多いです。
運用で得た利益も「非課税」
ふつう、株や投資信託で得た利益には約20.315%の税金がかかります(例:10万円の利益なら約2万円が税金に)。
でも、iDeCoで運用している場合は、どれだけ利益が出ても非課税(=税金ゼロ)になります!
長期で投資するiDeCoではこの効果がかなり大きく、20年・30年と積み立てると、数十万円〜数百万円の差になることもあります。
受け取るときにも税優遇がある
iDeCoは60歳以降に年金や一時金として受け取るのですが、このときも優遇があります。
- 一時金で受け取る場合:「退職所得控除」
- 年金として分けて受け取る場合:「公的年金等控除」
このように、受け取り時にも税金が安くなる仕組みになっているので、最初から最後まで“税制優遇のかたまり”といえる制度なんです。
プロが教える!初心者におすすめの証券口座はこれ
これまで4つの証券口座を紹介してきましたが、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。
ここでは、僕自身の経験もふまえて、初心者やこれから投資を学びたい中学生にぴったりな口座の選び方を伝えます!
メイン口座は「特定口座(源泉徴収あり)」にする
株式投資の基本は、特定口座(源泉徴収あり)をメインで使うことです。
税金の手続きがいらず、証券会社がすべて自動でやってくれるので、初心者でもストレスなく使えます。
私も最初はこの口座を使って経験を積みましたし、今でもメインで特定口座を使っています。
非課税枠は「NISA」でフル活用!
特定口座で慣れてきたら、次に使いたいのが新NISAです。
せっかく利益が出ても、ふつうは約20%の税金がかかりますが、NISAを使えばその税金がまるごと0円!
投資信託や成長株など、長期的に伸びそうな銘柄はNISAで買うのがベストです。
資産を増やしたい人は、この非課税メリットを最大限に活かすべきです。
老後の安心資金は「iDeCo」で積み立て!
iDeCoは、60歳まで引き出せない代わりに、「節税しながら老後資金を作れる」最強の制度です。
- 掛金は全額所得控除(=税金が安くなる)
- 運用益も非課税
- 受け取るときも控除がある
という「3つの節税メリット」があるので、長期目線でじっくり増やしたいお金はiDeCoで運用するのがおすすめです。
一般口座は基本的に使わない
一般口座は、自分で確定申告や税金計算をする必要があるため、あえて選ぶ必要はあまりありません。
ただし、たとえば「会社の持株会」や「贈与された株式」など、特定口座が使えない場面ではやむを得ず使うことがあります。
そうした特殊なケースを除けば、ふつうの人は特定口座やNISAで十分です。
まとめ
この記事では、株式投資を始めるときに必要な「証券口座」について、4つの種類とその特徴をわかりやすく紹介しました。
まず、証券口座には「一般口座」「特定口座」「NISA」「iDeCo」があり、それぞれ目的や使い方が違います。
- 特定口座(源泉徴収あり)は、初心者でも税金の手続きなしでカンタンに株が売買できるおすすめの口座。
- NISAは、利益に税金がかからないおトクな制度で、将来の資産づくりにぴったり。
- iDeCoは、老後のためにコツコツ積み立てる“自分年金”で、節税しながら資産形成ができる。
- 一般口座は少し手間がかかるので、よほどの理由がなければ使う機会は少なめ。
プロ投資家の目線から見ても、この3つ(特定口座+NISA+iDeCo)をうまく組み合わせることで、税金を減らしながら効率よくお金を育てることができます。
「お金のことってむずかしそう…」と思うかもしれませんが、知れば知るほど、自分や家族の未来を豊かにする力になります。
これからも「株ライフ」で、投資やお金の知識をいっしょに楽しく学んでいきましょう!