物語コーポレーション[3097]は、焼肉・ラーメン・しゃぶしゃぶといった幅広い業態を展開し、安定した収益基盤を築いています。
過去20年の株価推移を見ても、景気変動の影響を受けつつも長期的な右肩上がりのトレンドを維持しており、持続的な成長が期待できます。
また、実用性の高い株主優待制度が用意されており、全国のグループ店舗で利用できる「株主様ご優待カード」が投資家から高く評価されています。
特に2024年12月からは優待の電子化が進み、利便性が向上しました。
本記事では、物語コーポレーションの株式情報や優待内容を詳しく分析し、長期投資の観点からおすすめ度を検証します。
長期的な資産形成を考える投資家にとって、物語コーポレーションはどのような選択肢となるのか、そのポイントを詳しく解説します。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
23.1倍 | 3.90倍 | 47.3% | 21.05% | 5.68倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
2.81% | 0.95% | 1.85% | 6月、12月 | 379,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
株主優待を活用しながら、安定したキャピタルゲイン(株価上昇)を狙う投資家にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。今後も外食市場の成長とともに、同社の業績が堅調に推移することが期待されるため、長期的な資産形成の一環としての保有を検討する価値がある銘柄といえます。 |
会社情報

物語コーポレーションは、1949年12月に愛知県豊橋市で「酒房源氏(しゅぼうげんじ)」というおでんのお店から始まりました。
その後、1969年に「株式会社げんじ」をつくり、1997年には今の社名「株式会社物語コーポレーション」に変わりました。
この会社は、焼肉やラーメン、お好み焼き、しゃぶしゃぶ・お寿司など、いろいろなジャンルの飲食店を全国で展開しています。
自分たちで運営するお店だけでなく、フランチャイズという形で他の人に運営してもらうお店もあります。
物語コーポレーションの特徴は、ただ料理を出すだけでなく、「食べることを楽しむ体験」を大切にしているところです。
これを「フードエンターテイメント」と呼んでいて、料理だけでなく、お店の雰囲気やサービスでもお客さんに楽しんでもらえるように工夫しています。
会社の上場の歴史を見てみると、2008年にジャスダック市場に上場し、2010年には東京証券取引所の2部、2011年には1部(今の東証プライム)にステップアップしました。
これは、会社が成長してきた証ですね!
2024年6月30日の時点で、物語コーポレーションは日本国内に692店舗(そのうち直営が448店舗、フランチャイズが244店舗)、海外には28店舗あります。
この会社にはいくつかの人気ブランドがあります。
たとえば「焼肉きんぐ」はテーブルで注文できる食べ放題の焼肉屋さん、「丸源ラーメン」は肉そばが人気のラーメン店、「ゆず庵」はお寿司としゃぶしゃぶが食べ放題のお店です。
他にも「お好み焼本舗」や「熟成焼肉 肉源」など、いろいろなタイプのお店を運営しています。
物語コーポレーションは、「また行きたくなるお店」を目指して、これからも新しいことにチャレンジしながらお店を増やしていく会社です。
ブランド一覧
焼肉部門
- 焼肉きんぐ:テーブルオーダー形式の焼肉食べ放題店で、常に質の高い商品を提供しています。スタッフが客席まで商品を運ぶため、顧客は席を立つことなく食事を楽しめます。特にファミリー層から支持を受ける郊外型大型店です。
- 熟成焼肉 肉源:熟成肉を中心とした高級感のある焼肉店で、質の高い肉を提供しています。
ラーメン部門
- 丸源ラーメン:熟成醤油を使用した「肉そば」を看板商品とするラーメン専門店です。豊富なサイドメニューや季節商品を取り揃え、ファミリー層を中心に幅広い客層から支持を受けています。
- 二代目丸源:「熟成醤油きゃべとん」を名物とし、より高い専門性を打ち出した総合ラーメン店です。
- 熟成醤油ラーメン きゃべとん:揚げたてのパリパリきゃべつと特製麺が特徴のラーメン専門店で、地域密着型の小規模店舗として展開しています。
お好み焼部門
- お好み焼本舗:「おこほん焼」と串カツを看板商品とした食べ放題店で、豊富なサイドメニューや季節商品を取り揃え、幅広い年代や利用シーンに対応しています。
寿司・しゃぶしゃぶ部門
- 寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵:素材にこだわった寿司やしゃぶしゃぶを提供するテーブルオーダー形式の食べ放題店です。ランチメニューも充実しており、お祝いの席から日常使いまで、シニア層やファミリー層を中心に幅広い利用シーンに対応しています。
専門店・新業態部門
- 魚貝三昧 げん屋:豊富な日本酒と産地直送の新鮮な魚貝料理を提供する割烹料理店で、接待や宴会など幅広い利用シーンに対応しています。
- しゃぶとかに 源氏総本店:しゃぶしゃぶとかに料理を中心とした専門店で、高品質な食材を使用したメニューを提供しています。
- 果実屋珈琲:新鮮な果実を使用したデザートやドリンクを提供するカフェ業態です。
- 熟成肉とんかつ ロース堂:熟成肉を使用したとんかつ専門店で、ジューシーなとんかつを提供しています。
今後の展開と成長戦略
物語コーポレーションは、将来に向けて「全国に1000店舗をつくる」という目標を立てており、これからも新しいお店をどんどん増やしていく予定です。
今までのように都市部に出店するだけでなく、これからは地方の町にも積極的にお店を広げていこうとしています。
地元の人たちに愛されるようなお店を目指し、「地域に根ざした」お店づくりを大切にしています。
さらに、日本だけでなく海外にもチャレンジしています。
たとえば、中国や東南アジアの国々にもお店を出していて、日本の美味しい料理や外食文化を海外の人にも知ってもらおうとしているのです。
また、物語コーポレーションは、新しい会社を買い取る「M&A」や、まったく新しいジャンルのお店をつくることにも力を入れています。
今あるブランドをもっと良くしていくのはもちろん、新しいタイプのお店にもチャレンジしていて、食べ方やサービスに新しさを取り入れようとしています。
最近では、テイクアウトやデリバリーなど、家で食べたいという人のニーズに応えるお店づくりにも力を入れています。
コロナ以降、外食のスタイルも変わってきた中で、時代の変化に合わせた新しいサービスを提供しようとする姿勢が感じられます。
物語コーポレーションは、ただお店を増やすだけでなく、今の時代に合ったやり方を取り入れながら、日本国内外で成長を続けている会社です。今後どんな新しいお店やサービスが登場するのかも楽しみですね。
株主優待情報

物語コーポレーションは、株主への感謝の意を込めて、年2回(6月末および12月末)に株主優待を実施しています。
株主優待の内容
物語コーポレーションの飲食店で利用可能な「株主様ご優待カード」として提供されており、保有株式数に応じて金額のちがうカードが贈呈されます。
保有株式数 | 優待内容(年間) |
---|---|
100株以上 | 7,000円分(3,500円分×年2回) |
300株以上 | 13,000円分(6,500円分×年2回) |
600株以上 | 24,000円分(12,000円分×年2回) |
900株以上 | 30,000円分(15,000円分×年2回) |
2024年12月16日、物語コーポレーションは株主優待券の電子化を発表しました。
これにより、従来の紙媒体の優待券から、使い切り型の電子カード「株主様ご優待カード」へと変更されます。この電子カードは1円単位での利用が可能となり、従来の500円単位の紙券よりも柔軟に使用できます。
優待カードの利用可能店舗
これらの優待カードは、物語コーポレーションが展開する以下のブランド店舗で利用可能です。
- 焼肉きんぐ
- 丸源ラーメン
- 二代目丸源
- 熟成醤油ラーメン きゃべとん
- お好み焼本舗
- 寿司・しゃぶしゃぶ ゆず庵
- しゃぶとかに 源氏総本店
- 魚貝三昧 げん屋
- 熟成焼肉 肉源
- 牛たん大好き 焼肉はっぴぃ
- 濃厚中華そば 餃子 丸福
- 果実屋珈琲
これらの店舗は全国各地に展開されており、ファミリー層からビジネスパーソンまで幅広い客層に対応しています。
優待カードを利用することで、日常の食事や特別な日の会食など、多様なシーンでお得に食事を楽しむことができます。
権利確定日と発送日
権利確定日、発送日、優待の有効期限は次の通りです。
権利確定日 | 発送日 | 有効期限 |
---|---|---|
6月末 | 9月下旬頃 | 翌年9月末まで |
12月末 | 翌年3月中旬頃 | 翌年3月末まで |
注意事項
- 株主様ご優待カードの有効期限は1年間です。
- 1回の利用での使用枚数や金額に上限はありませんが、詳細は店舗によって異なる場合があります。
- 他の割引券やクーポンとの併用が可能です。ただし、一部併用不可の場合もあるため、事前に確認することをおすすめします。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
物語コーポレーションの株価は、2008年の上場以降、段階的な成長を遂げてきました。
特に2022年以降は株価が大きく上昇し、2024年にはピークとなる5,000円台をつけました。
しかし、その後は調整局面に入り、高値からはやや下げた水準で推移しています。
このように、長期的には右肩上がりの成長を見せつつも、現在は踊り場的な局面にあると見るのが実態に即した評価でしょう。
外食産業全体として、景気や消費動向に影響を受けやすい傾向がある中で、物語コーポレーションは焼肉、ラーメン、しゃぶしゃぶといった多様なブランドを展開しており、業態の分散によりリスクを抑える経営ができています。
さらに、ファミリー層を中心とした顧客ターゲットがわかりやすく、「焼肉きんぐ」「丸源ラーメン」「ゆず庵」など、幅広い世代に支持されるブランドを全国展開していることも強みです。
とくに注目すべきは、都市部に加えて地方都市にも積極的に出店している点です。
競争が比較的ゆるやかな地域に地道に根を張る戦略は、安定した収益の確保に貢献しており、長期的な成長を支える重要な柱となっています。
財務面でも安心感があります。
自己資本比率は健全な水準にあり、借入依存度が低く、財務の安定性は業界でも上位水準です。
また、デジタル化や自動化を積極的に取り入れており、業務効率化を進めながら利益率を維持できている点は、外食業界においては特筆すべき強みといえるでしょう。
一方で、PERやPBRといった指標は業界平均と比較するとやや高めの水準にあり、割安感があるとは言えません。
しかしこれは、市場からの成長期待が株価に織り込まれている結果であり、今後の業績拡大や海外展開の成果次第ではさらなる上値も見込めるポジションにあると考えられます。
実際、海外では中国・東南アジアを中心に出店が進められており、日本の外食文化を海外に広めることで、新たな成長の柱とする動きが見られます。
現在の株価水準は、ピークからは下落しているものの、コロナ前やそれ以前と比較すると高い水準にあります。
これは、同社のブランド力と経営の安定性が引き続き評価されていることの裏返しといえるでしょう。
過去のリーマンショックやコロナ禍といった外的ショックを乗り越えてきた実績もあり、景気変動に対する耐性は十分に確認されています。
今後の展望としては、「1000店舗体制」の構築という明確な成長目標のもと、国内外での出店を加速させながら、優待や配当を通じた株主還元も継続する方針です。
株価の上昇益(キャピタルゲイン)と優待・配当(インカムゲイン)のバランスが取れた銘柄として、特に長期保有に向いた投資先といえるでしょう。
株主優待や財務の健全性も含め、安定志向の個人投資家にとっては魅力的な選択肢となるでしょう。
株主優待にみる分析
物語コーポレーションの株を持っていると、「株主優待カード」というものが年に2回もらえます。
このカードは、会社が運営している全国のお店で使うことができて、焼肉やラーメン、しゃぶしゃぶなど、いろいろなジャンルの飲食店で使えるのがポイントです。自分の好みに合わせて、好きなお店で使えるのはとても便利ですね。
株主優待を考えるとき、「いくらもらえるか」も大切ですが、「ちゃんと使いやすいか」も重要です。
その点で、物語コーポレーションの優待はとても実用的で、外食をよくする人にとって、とてもお得な制度だといえます。
また、この優待制度は長く続いているのも安心ポイントです。
ほかの会社では、業績が悪くなると「優待を減らします」とか「やめます」ということもありますが、物語コーポレーションはこれまで大きな変更もなく、安定して優待を続けています。
会社としても、株を持っている人にきちんと利益を返したいという考えがあり、それが「優待制度はこれからも続ける」という安心感にもつながっています。
だからこそ、長く株を持って優待を楽しみたい人にとって、とてもありがたい制度なんです。
さらに、物語コーポレーションは今も会社として成長を続けているところも魅力のひとつです。
外食業界はライバルが多く、勝ち残るのが大変ですが、この会社はどんどん新しいお店を出したり、焼肉だけじゃなくラーメンやしゃぶしゃぶなど、いろいろなお店を運営することで、安定した成長を続けています。
最近では、海外にも出店していて、たとえば中国やアジアの国に日本の食文化を広めようとしています。
これから日本の市場が落ち着いてきても、海外での売上が伸びる可能性があるのです。
こうした成長のチャンスがある会社の株を持っていると、株の値段が上がったり、優待の内容がより良くなったりする可能性も高くなります。
まとめると、物語コーポレーションの優待は「食事に使えてお得」「便利で使いやすい」「長く続いていて安心」「会社も成長中」という、たくさんのいいところがあります。
外食が好きな人や、長く株を持って楽しみたい人には、ぴったりの株といえるでしょう。
配当金もありますが、それだけでなく、優待を活用しながら楽しめる投資ができるのが、この会社の株の魅力です。
総合評価
総合的に考えると、物語コーポレーションは長期投資に適した銘柄といえます。
株価の安定した成長、強固な財務基盤、幅広い業態展開によるリスク分散、実用性の高い株主優待、そして積極的な成長戦略といった要素が揃っており、長期的な視点での投資におすすめできます。
特に、株主優待を活用しながら、安定したキャピタルゲイン(株価上昇)を狙う投資家にとっては、魅力的な選択肢となるでしょう。