カヤック[3904]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

カヤック[3904]は、「面白法人」という名前の通り、ゲームや広告、地域の仕組みづくりまで手がけるちょっと変わったIT企業です。

株価は長期で下向きの時期が続いたあと、いまは底を固める流れに入りやすい位置に見えます。

配当でコツコツ増やす銘柄というより、独自性と回復力に期待して、時間をかけて育てるイメージが合います。

さらに株主優待は、鎌倉の「まちの社員食堂」や地域通貨など、体験型でカヤックらしさ満点です。

この記事では、株価の長期トレンドと優待の中身をふまえて、「長期で持つならどう見るか」をやさしく整理していきます。

目次

株式情報

カヤック[3904]東証G
時価総額
約86億円

株価 532
更新:2025年12月19日 終値

カヤック[3904]20年株価チャート

20年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
12.24倍1.40倍42.9%2.73%0.00倍
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
0.71%0.71%前後-(金額換算が難しい内容)12月約54,600円
編集部おすすめ度理由
下落局面を一巡した位置に近く、事業の回復力と“独自性”に賭ける長期保有向けの中小型株です。大型株のような安定感はない一方で、ゲーム・広告・地域サービスを横断する発想力が強みで、当たり事業が出ると空気が変わりやすいタイプです。株価は長期で見ると下降トレンドが続いたあと、足元は底固めの形に入りやすい位置にあります。配当利回りは高い部類ではないので、優待の“体験価値”を楽しめる人ほど満足度が上がりやすいでしょう。

株主優待情報

引用:カヤック

カヤックの株主優待は、会社のカラーがそのまま出た「地域・体験」寄りの内容です。

株主優待の内容

必要株数優待内容(100株以上)
100株
「まちの社員食堂」:会員価格で利用。
「まちのコイン」:鎌倉のコミュニティ通貨「クルッポ」3,900相当。
「鎌倉自宅葬儀社」:葬儀プラン料金 5万円割引。
「自分達の会社・地域に面白い仕組み導入ワークショップ」:集合型研修に無料招待。
「株主優待ガチャ」:QUOカード10万円分またはジンベーニョグッズ(抽選・企画枠)。

ポイントは、優待が「お金に換えやすいもの」ではなく、「使ってみて楽しむもの」が中心だという点です。

鎌倉に行く機会がある人、地域プロジェクトや体験型の仕組みが好きな人ほど、優待の良さを実感しやすいと思います。

権利確定日と有効期限

権利確定月は12月です。

権利付き最終日や権利確定日は年によってカレンダーで前後するので、買う前にその年の権利付き最終日を確認しておくと安心です。

優待の「有効期限」は、優待の種類によって扱いが変わります。

たとえば割引や会員価格、地域通貨の付与、イベント招待などは、利用条件や期間が設定されることがあるため、到着した案内(優待の案内ページ含む)で必ず確認してください。

会社情報

引用:カヤック

カヤックは、神奈川県鎌倉市に本社を置くIT企業です。

会社の合言葉のように使われるのが「つくる人を増やす」という考え方で、ゲームや広告、Webサービスなどを通して、世の中に新しい体験を増やすことを大事にしています。

事業は大きく分けると、ゲームを作る「ゲームエンタメ」、企業の広告やキャンペーンを企画する「面白プロデュース」、大会運営やチーム関連などの「eスポーツ」、そして地域の仕組みづくりに関わる「ちいき資本主義」といった領域が中心です。

ひと言でいうと、ただの受託開発会社ではなく、「アイデアと企画力を武器にして、いろいろな分野に挑戦している会社」です。

カヤックの面白いところは、地域の取り組みも“本気で事業”としてやっている点です。

たとえば鎌倉には「まちの社員食堂」という取り組みがあり、鎌倉で働く人を応援する食堂を運営しています。

店内は席数も決まっていて、地元らしさのあるメニューを週替わりで楽しめるように工夫されています。

また「まちのコイン」のように、地域の人のつながりを増やすためのコミュニティ通貨の仕組みにも関わっています。

こういった活動は「儲かるかどうか」だけで判断しにくい面もありますが、会社のブランドを強くし、ファンを作り、長い目で見ると事業の種になることがあります。

一方で、事業が多方面に広がる会社は、年によって当たり外れが出やすいという弱点もあります。

特にゲームや広告は景気や流行の影響を受けやすいので、毎年ずっと同じ調子で伸びる会社とは言いにくいです。

だからこそカヤックは、「波はあるけど、独自性がある会社を長く応援する」という見方が合います。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報から見る投資おすすめ度と根拠

カヤックを長期で見るときに一番大事なのは、「この会社は何で勝つ会社なのか」を自分の中で整理できるかどうかです。

カヤックの強みは、工場や店舗をたくさん持って規模で勝つタイプではなく、企画や発想、作る力で勝ちにいくところにあります。

こういう会社は、世の中の流れにハマったときは大きく伸びますが、ハマらない時期は株価も業績も“停滞しやすい”という特徴があります。

添付の20年チャートを見ると、過去に大きく盛り上がった時期がある一方で、その後は下向きの期間が長く続きました。

これは「会社がダメになった」というより、成長期待が剥がれていく局面が長かった、という見方が近いと思います。

そして今の位置は、過去の高値から見ればかなり低いところにあります。

こういう局面で大切なのは、短期の上げ下げではなく、「利益がちゃんと残る形に戻っているか」「借金や資金繰りで無理をしていないか」「成長の柱が何か」を確認して、時間を味方にできるかどうかです。

足元の数字だけを見ると、株価指標は極端な割高感は出にくい水準に見えます。

ただし、ROEは高いとは言いにくく、「資本を使って強く稼げている会社」とまではまだ言えません。

自己資本比率は一定の厚みがあり、倒れやすい体質ではない一方で、超安定の大型株のように“鉄板”とも違います。

つまりカヤックは、長期投資でも「安心だけを買う」銘柄ではなく、「独自性に期待して持つ」銘柄です。

もう一つの見どころは、事業の広がり方です。

ゲームエンタメが強い時期はそこが稼ぎ頭になりますが、広告・企画や地域サービスも含めて、会社として“次の芽”を作り続ける文化があります。

この文化は、当たりが出るまで時間がかかる代わりに、当たりが出たときの伸びしろも残しやすいです。

だから投資判断としては、配当中心でゆったり資産を増やしたい人より、「値上がりも視野に入れつつ、数年単位で待てる人」に向きます。

総合すると、長期のおすすめ度は“やや高め”です。

ただし、買うなら「一気に大きく」ではなく、ポートフォリオの一部として、波を受け止められるサイズで持つのが現実的だと思います。

優待情報から見る投資おすすめ度と根拠

カヤックの優待は、利回り計算をして“お得度”を競うタイプとは少し違います。

「まちの社員食堂を会員価格で使える」「まちのコインがもらえる」「イベントや研修に参加できる」といった、体験やコミュニティ寄りの内容が中心だからです。

このタイプの優待は、刺さる人にはすごく刺さります。

たとえば鎌倉が好きで行く機会がある人なら、社員食堂の優待は“実際に使える優待”になります。

地域通貨の付与も、単なるポイントではなく「地域での行動が楽しくなる仕組み」に近いので、価値の感じ方が人によって変わります。

逆に、鎌倉に行く予定がなく、体験型の優待もあまり使わない人にとっては、満足度は上がりにくいかもしれません。

ここが、優待投資としての“向き不向き”が分かれるところです。

ただ、長期保有目線で見ると、この優待は会社の姿勢がよく表れています。

カヤックは、株主に対して「金券を配る」より、「会社の活動圏(鎌倉)や、会社が作る仕組みを体験してもらう」方向でつながりを作ろうとしています。

これは、株主を“応援団”に近い存在として捉えているやり方です。

こういう優待は、短期で売買する人より、長く持つ人ほど味が出ます。

優待をきっかけにサービスを使い、会社の取り組みを知るほど、「この会社はこうやって価値を作るんだな」という理解が深まるからです。

一方で、優待の内容は“独自企画”が多い分、将来の変更は起こりえます。

ただし現状の優待は、会社のコンセプトと一体になっているので、いきなり完全になくすより、形を変えながら続ける可能性のほうが高い印象です。

優待投資としてのおすすめ度は、「鎌倉に行く・体験する」まで含めて楽しめる人なら高めです。

反対に、優待は換金性重視で選びたい人は、別の銘柄のほうが満足しやすいでしょう。

総合評価

カヤックは、長期で見ると「安定の配当株」というより、「独自性に投資する中小型株」です。

株価は長い下落局面を経て、足元は底固めに入りやすい場所にあります。

一方で、ゲームや広告など波のある事業も多いので、どっしり構えて数年単位で待てる人ほど向いています。

優待は体験・地域寄りで、ハマる人には強い魅力があります。

総合的には、ポートフォリオの“主役”ではなく、“スパイス枠”として長期で付き合うのがちょうどいい銘柄だと思います。

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