小林製薬[4967]は、「あったらいいな」を形にする日用品や一般用医薬品を幅広く展開する生活密着型のヘルスケア企業です。
「熱さまシート」や「ブルーレット」「のどぬーる」など、日常生活でおなじみのブランドを多数持ち、国内外で安定した需要があります。
一方で、2024年には紅麹サプリメントの問題で大きく報道され、信頼回復と再発防止への取り組みが続いている最中でもあります。
株価は長期的には右肩上がりを描いてきましたが、直近数年は高値からの調整局面に入っており、「成長期待はあるがリスクも意識したい銘柄」という位置づけになっています。
株主優待では、100株保有で自社製品5,000円相当の詰め合わせが年2回もらえ、さらに自社通販の10%割引も付いてくるため、日用品を株主優待でまかなっていきたい長期投資家には魅力的な内容です。
3年以上保有かつ300株以上で被災地の特産品を選べる復興支援ギフトも加わり、長期保有をうながす設計になっています。
今回は、小林製薬[4967]の株価指標や優待内容、事業の特徴を整理したうえで、長期保有と優待活用の観点から総合的なおすすめ度(10段階で6)をじっくり解説していきます。
「日用品の優待は欲しいけれど、紅麹問題の影響も気になる」という方は、投資判断の材料として参考にしてみてください。
株式情報
| 小林製薬[4967] | 東証P |
| 時価総額 4,074億円 |
株価 5,220 円
更新:2025年11月28日終値

30年チャートを掲載
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 36.96倍 | 1.84倍 | 80.2% | 4.83% | 1.74倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 3.91% | 1.99% | 1.92% | 6月・12月 | 522,000円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 生活に密着したブランド力と厚い財務基盤を持つ一方で、成長性と信頼回復の課題も抱える“中庸の長期銘柄”です。日用品とOTC医薬品という景気に左右されにくい分野で安定収益を上げつつ、自己資本比率が高く財務は非常に健全です。ただし足元では紅麹問題の影響で利益が落ち込み、株価水準も割安とは言い切れません。優待と配当を受け取りながらじっくり見守るには悪くないものの、ポートフォリオの主役というより“サブ的な守り枠”の評価になります。 |
株主優待情報

株主優待の内容
小林製薬の株主優待は、毎年6月末と12月末の年2回、100株以上を保有している株主を対象に実施されています。
メインとなるのは、自社製品を詰め合わせた5,000円相当のギフトセットで、日用品や医薬品、衛生用品などから複数のセットが用意され、その中から好きなセットを1つ選ぶ方式です。
詰め合わせの内容には、「熱さまシート」「ブレスケア」「ブルーレット」「のどぬーる」「アイボン」など、テレビCMでもおなじみの製品が入ることが多く、家族で使いやすい実用的なラインナップになっています。
また、優待品の代わりに社会貢献団体への寄付を選ぶこともできるため、「物は要らないけれど社会の役に立てたい」という株主にも配慮された設計です。
さらに、自社通信販売で使える10%割引もあわせて提供されます。
もともと通販でサプリメントや健康関連商品を購入している人にとっては、実質的な値引きとして活用しやすい特典です。
長く保有して300株以上になると、12月末基準で被災地の特産品から選べる「復興支援ギフト」も追加され、より充実した優待内容になります。
- 100株以上:自社製品詰め合わせ 5,000円相当(年2回) + 自社通販製品10%割引
- 300株以上・3年以上保有:上記に加えて、被災地の特産品を選べる復興支援カタログギフト
- 優待品の代わりに、社会貢献団体への寄付を選択することも可能
権利確定日と有効期限
小林製薬の株主優待の権利確定日は、毎年6月末日と12月末日です。
それぞれの基準日に株主名簿に記録されている株主が、その期の優待を受け取ることができます。
優待品の発送時期は、おおむね基準日から数か月後で、6月分は秋ごろ、12月分は翌年の春先に届くケースが多くなっています。
自社通販の割引については、案内状に記載された期間内のみ有効で、インターネットやカタログ注文時に指定の方法で利用する形です。
長期保有優遇の復興支援ギフトについては、「3年以上継続保有」かつ「300株以上」という条件付きで、12月末基準の年1回となります。
長く持ち続けるほど恩恵が増える仕組みなので、優待目的で投資する場合は、売買を繰り返さず腰を据えて保有するスタイルが向いています。
会社情報

小林製薬株式会社は、1919年創業の老舗メーカーで、大阪市中央区に本社を置いています。
事業の中心は、一般用医薬品や医薬部外品、サプリメント、芳香・消臭剤、衛生雑貨、スキンケア、カイロなどの生活関連商品で、約150ものブランドを展開しています。
代表的な製品として、「熱さまシート」「ブルーレット」「液体ブルーレットおくだけ」「のどぬーるスプレー」「アイボン」「命の母」「あずきのチカラ」「サワデー」「お部屋の消臭元」などがあり、テレビCMや店頭で一度は見たことがある商品ばかりです。
どの商品も名前やパッケージがわかりやすく、「こんなのがあったら便利だな」というニッチな悩みに応えるのが得意な会社です。
国内事業では、ドラッグストアやスーパー、コンビニなどを通じて、全国の家庭に製品を届けています。
一方で海外事業も強化しており、アジアを中心に北米や欧州などにも進出しています。
日本で人気の商品を現地の生活習慣に合わせて展開したり、その国向けに新しい商品を開発したりしながら、売上の国際分散を進めています。
従業員数は連結で3,000人台と、規模としては巨大メーカーほどではありませんが、そのぶん意思決定のスピード感を大切にしている会社です。
キャッチコピーの「あったらいいなをカタチにする」を合言葉に、小回りのきく開発体制で新商品を次々と市場に送り出してきました。
一方で、2024年には紅麹サプリメントに関連する健康被害が問題となり、製品の自主回収や調査対応に追われました。
この出来事は、消費者の健康を守るべき企業として大きな反省点となり、原料管理の見直しや情報公開の強化など、全社をあげた再発防止策が取られています。
足元の業績では、紅麹関連の影響で一時的に売上や利益が落ち込んでいるものの、日用品やOTC医薬品の基盤は維持されており、自己資本比率も80%台と非常に高い水準です。
借金にあまり頼らない堅実な財務体質のおかげで、大きなショックがあっても会社そのものが揺らぐ可能性は低いと考えられます。
また、小林製薬は長年にわたって配当を増やし続けてきた企業としても知られており、連続増配の実績があります。
今後も、信頼回復と収益の立て直しが進めば、安定した株主還元を続けながら成長を目指す企業として、改めて評価されていく余地は十分にあるでしょう。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
小林製薬の株価は、長期チャートで見るとゆるやかな右肩上がりを続け、途中で大きな上昇局面と調整局面を繰り返してきました。
特にコロナ禍以降は、衛生用品や健康関連商品の需要増もあり高値圏まで買われましたが、その後は紅麹問題なども影響し、高値から一段階下のゾーンに落ち着いています。
指標面では、利益に対する株価の水準はやや高めで、純資産に対する株価の倍率も決して低いとはいえません。
一方で自己資本比率は非常に高く、借金に頼らない安定した財務体質を維持しています。
ROE(株主資本に対する利益率)は同規模の成長企業と比べると控えめで、「超高収益企業」というよりは「安全重視の堅実企業」という印象です。
業績面を見ると、紅麹関連製品の自主回収やブランドイメージの低下の影響で、直近の売上や利益は一時的に弱含んでいます。
ただし、日用品やOTC医薬品の基盤事業は依然として大きく、国内外のドラッグストアや量販店での販売網も維持されています。
問題のあった分野の影響が徐々に落ち着いてくれば、利益水準も徐々に回復していく可能性は高いと考えられます。
長期投資の視点では、「財務の強さ」と「ブランドの蓄積」がこの銘柄の大きな支えです。
長年親しまれてきたブランドは簡単には消えませんし、新商品開発力もまだ衰えていません。
一方で、紅麹問題による信頼低下と規制強化の流れは、しばらく会社に重しとして残るでしょう。
そのため、長期で見れば「倒れる可能性は低いが、成長速度はやや抑えめになりそう」というイメージの銘柄です。
株価水準も割安とは言い切れないため、ここから大きなキャピタルゲイン(値上がり益)を狙うというより、優待と配当を受け取りながらゆっくり付き合うスタイルが現実的です。
総合すると、小林製薬は「守りに強く、攻めはほどほど」な長期保有向け銘柄といえます。
ポートフォリオの中で、景気変動に比較的強い生活関連株として一部を担わせるには悪くありませんが、比率を上げすぎず慎重に組み入れるのがバランスの良い付き合い方だと感じます。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
優待内容だけを見ると、小林製薬は「日用品系優待の中でもかなり実用性の高い部類」に入ります。
100株で年2回、合計1万円相当の自社製品詰め合わせが届き、そこに配当も加わるため、総合利回りはおおむね4%前後と、長期保有を前提にすれば悪くない水準です。
詰め合わせに含まれるのは、ドラッグストアでよく見かける商品ばかりで、「何が届いても使い道に困らない」のが大きなメリットです。
トイレ用洗浄剤や消臭剤、のどスプレー、ケア用品など、生活の中で消費していくものが中心なので、在庫がたまって邪魔になる心配も少なく、家計の細かな節約にもつながります。
また、自社通販の10%割引は、もともと同社のサプリメントや健康食品を購入している人にとっては、実質的な「継続優待」のようなポジションになります。
ドラッグストアより通販をよく使うライフスタイルの人であれば、割引の恩恵をしっかり受けられるでしょう。
3年以上保有して300株以上になると、復興支援カタログギフトが追加される点も、長期保有投資家には魅力的です。
被災地の特産品を選ぶ仕組みになっており、「優待を通じて少しでも社会貢献をしたい」という株主心理にもマッチしています。
優待と社会貢献がセットになっている銘柄は多くないため、この点は小林製薬ならではの特徴といえます。
一方で、100株を購入するのに50万円強が必要で、優待目的で初めて投資するにはややハードルが高い水準です。
優待だけで元を取りたい、という考え方だと効率はあまり良くありません。
より高利回りの優待株と比べると、「優待の金額」より「内容の実用性」や「ブランドへの愛着」を重視できるかどうかがポイントになります。
紅麹問題を踏まえると、「今後もこのレベルの優待が長く続くのか」という不安を感じる投資家もいると思います。
ただ、小林製薬にとって優待は自社商品の体験機会を増やすマーケティングの一部でもあり、すぐに大幅縮小・廃止という可能性は高くないと考えられます。
業績が立て直されれば、むしろ株主との関係強化のために優待を維持・改善していく余地もあるでしょう。
総合的に見ると、小林製薬の優待は「金額よりも実用性と安心感に価値を感じるタイプ」の投資家と相性が良いです。
日用品を優待でまかないつつ、長期で同社を応援したい人には向いていますが、「とにかく高い利回りが欲しい」という人にはやや物足りないかもしれません。
優待目当てで全力投資する銘柄というより、生活に密着した商品が好きで、毎年届く優待セットを楽しみにしながら中長期で保有する「生活防衛+趣味枠」のポジションがしっくりくる銘柄だと言えます。
総合評価
小林製薬は、生活に欠かせない日用品とOTC医薬品を手がける安定感のある企業でありながら、紅麹問題という大きな試練を経験している途中の銘柄です。
財務の強さとブランド力は高く評価できる一方で、成長性と信頼回復には時間がかかると見ておいたほうがよいでしょう。
株主優待は実用性が高く、配当とあわせた総合利回りも悪くありませんが、投資金額がやや大きく、指標面も割安感は限定的です。
そのため、ポートフォリオのコア銘柄というより、生活密着型の優待を楽しみながら中長期で様子を見る「準主力・サブポジション」のような扱いが現実的だと考えます。
日用品優待の魅力と財務の堅さを評価しつつも、信頼回復の道のりと株価水準を踏まえると「強く買いたい」まではいかず、「長期でゆっくり付き合うならアリ」というバランス型の評価になります。
短期の値上がりを狙うより、家計に役立つ優待を受け取りながら、少しずつ信頼と業績が戻っていくかを見守るスタンスが合う銘柄と言えるでしょう。
まとめると、小林製薬[4967]は「生活に役立つ優待を楽しみつつ、守り重視で長期保有したい人向けの中堅どころの銘柄」です。
ポートフォリオの一部に組み入れて、他の成長株や高配当株とバランスを取りながら保有するのがちょうど良い距離感だと感じます。
