ユーグレナ[2931]は、微細藻類「ユーグレナ(ミドリムシ)」の研究・生産を軸に、健康食品や化粧品、バイオ燃料の開発まで手がけるバイオテック企業です。
栄養・美容・環境の3領域で事業を展開し、オンライン直販ブランドを多数持つことが特徴です。
株主優待は自社ECで使える2,000円分の割引クーポンと「株主優待割引」で、生活に取り入れやすい実用型の内容です。
派手な値上がりを狙うより、将来の可能性と実需に支えられたコツコツ型の成長に期待して保有したい銘柄です。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| — | 1.90倍 | 43.3% | マイナス(低め) | 1.70倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 約4.7% | 0.00% | 約4.7% | 12月 | 42,500円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 収益性は発展途上ですが、財務は安定、事業テーマは中長期で魅力があり、優待が保有の満足度を高めます。 短期の値幅取りよりも、EC直販と研究開発の積み上げに賭ける長期育成型の保有が向いています。 ユーグレナの商品を生活に取り入れる人ほど、優待の実利を強く感じられるはずです。 |
株主優待情報

ユーグレナでは、毎年12月末時点で100株以上を保有している株主を対象に、自社EC「ユーグレナ・オンラインショップ」で使える割引クーポンと株主限定割引を提供しています。
株主優待の内容
| 保有株数 | 内容 |
| 100株以上 | 自社ECで使える2,000円分クーポン。 税込3,500円以上の購入で2,000円割引が適用され、送料無料が付きます。 加えて株主優待割引(都度購入10%割引、定期購入30%割引+送料無料、株主限定セットの案内)を利用できます。 |
クーポンは日用品やサプリの買い足しに使いやすく、家計に馴染む実用型の優待です。
権利確定日と有効期限
権利確定月は12月末です。
優待案内とクーポンは、翌年の定時株主総会招集ご通知に同封されて届きます。
クーポンは税込3,500円以上の購入時に利用でき、送料無料が適用されます。
長期保有による追加優遇は現時点では設定されていません。
会社情報

ユーグレナは、微細藻類ユーグレナの研究や大量培養の技術をもとに事業を展開する日本発のバイオテクノロジー企業です。
健康食品や飲料、スキンケア化粧品といった日常生活に近い領域を中心に製品を展開し、原料から製品まで一貫して手がける体制を強みとしています。
自社が確立した屋外培養のノウハウを活かし、石垣島の生産拠点などで安定的に原料を供給できる仕組みを整えています。
販売は自社オンラインショップが主力で、「からだにユーグレナ」などのサプリや青汁、肌のうるおいを意識したスキンケアシリーズなど、継続利用しやすいラインアップを揃えています。
店舗網を大規模に広げるよりも、EC中心で顧客と直接つながるモデルを重視しており、定期購入を通じた長期的な関係づくりに取り組んでいます。
研究開発では、藻類由来の新素材や機能性の検証に注力し、商品改良と新製品の投入を継続しています。
環境領域では、藻類を活用したバイオ燃料の実用化に向けた取り組みも続けており、将来的な社会実装を目指しています。
企業の掲げるスローガンは「Sustainability First」で、人と地球の健康に役立つ技術と製品を広げることを中長期の方向性としています。
EC中心のモデルは顧客データを活かしやすく、LTV向上やリピート率の改善が進むほど、収益の安定度が高まる構造になっています。
機能性表示食品や新素材の普及は時間をかけて信頼を築く必要があるため、短期間でブレイクスルーを狙うより、年単位での積み上げが成果につながりやすい分野です。
こうした前提から、ユーグレナは足元の派手さよりも、じっくりと基盤を固めることで存在感を高めるタイプの企業といえます。
投資の観点でも、生活に根づく製品群と環境技術という二本柱は、社会的なニーズの高まりに支えられやすいテーマです。
そのため、長期で応援しながら成長を待つスタンスと相性が良い会社です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析(長期目線の総合評価)
長期投資の視点では、ユーグレナは「財務は比較的安定」「収益性は改善途中」「テーマ性は強い」という三点で評価できます。
20年チャートを見ると、過去のブーム的な上昇のあとに水準訂正を経て、近年は落ち着いたレンジで推移してきました。
この推移は、期待先行から実需ベースへと投資家の見方が移り変わった過程を示しており、足元の株価は過熱感が薄い印象です。
バリュエーションは利益の変動でぶれやすく、PERは参考度が低い一方、PBRは中位で落ち着いています。
自己資本比率はやや高めで、外部環境が悪化しても耐える体力は確保されています。
ROEは低めで、収益性の底上げが中期的な課題です。
成長ドライバーは、EC直販の顧客基盤拡大と、研究開発の成果を商品化していく積み上げにあります。
定期購入の拡大は粗利の安定に直結し、顧客の生活習慣に溶け込むほど売上の季節変動は小さくなります。
環境領域の取り組みは長期テーマで、政策や社会の要請と整合的であることから、将来的な評価余地を残しています。
短期の値動きよりも、年単位の体質改善とブランド浸透を見守る投資が基本戦略となります。
この前提に立つと、同社はポートフォリオの「攻めの主力」ではなく、「テーマと実需の二本柱でじっくり育てる枠」に位置づけるのが現実的です。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
ユーグレナの優待は、家計に直結する実用品を自社ECで購入する前提の制度であり、使う人ほど満足度が高い仕組みです。
クーポンは一定金額以上の購入で即時に価値を実感でき、送料無料が付くため心理的なハードルが下がります。
株主優待割引は都度購入と定期購入で割引率が明確で、長期の継続利用を後押しします。
配当がゼロでも、優待の価値が総合利回りを支えるため、保有継続の動機づけになります。
一方で、金券型と違って換金性は低く、実際に商品を使わない投資家にはメリットが感じにくい点が注意点です。
したがって、健康食品やスキンケアを日常的に活用したい層、家族で消費する用途がある層、ブランドを応援しながら成長を待てる層に向いた優待と言えます。
企業側にとっても、優待は広告費の代替としての役割を果たし、顧客体験を通じたブランドロイヤルティの向上につながります。
制度のわかりやすさと継続性の高さから、長期保有者の満足度は高い水準を維持しやすいと考えられます。
総合すると、優待は「利回りを底上げし、保有を続ける理由を提供する仕組み」として有効に機能しており、長期投資との相性は良好です。
総合評価
株式面は財務が安定、収益性は改善途上、テーマ性は強いというバランスで、攻守のバランスは中庸です。
優待面は実用性が高く、配当が薄い局面でも総合利回りを補う役割を果たします。
結果として、ユーグレナは「大きな一発」を狙う銘柄ではなく、「生活に根づく需要と環境テーマを背景に、ゆっくり改善していく過程に付き合う銘柄」として評価するのが適切です。

