GMO TECH[6026]は、GMOインターネットグループの中で「ネットでお客さまを集める」ことを専門にしている会社です。
SEO・MEO・アプリ集客・広告運用などをまとめて提供しつつ、ここ数年はマンション・不動産管理向けのDX(GMO ReTech)や、SaaS型のストック収益を伸ばしてきたのが特徴です。
もともとが広告・集客ビジネスなので、景気やネット広告の市況がやや悪くなると売上が振れやすい一面はありますが、そのぶん「ネットを使った集客の需要がまた強くなったとき」に一気に数字を戻せるタイプです。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 約11倍 | 約6.8倍 | 約44% | 約66% | 約0倍(売り残ほぼなし) |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 約5.8%(配当が中心) | 約5.7% | 約0.1%相当(ビットコイン+サービス) | 6月末・12月末(継続保有条件あり) | 約661,000円(100株) |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 成長性のある集客・DX領域にいて、GMOグループの顧客ストックを活かせるため長期では面白い。株価が高くボラティリティも出やすいので、ポートフォリオの中で比率を決めて持つのが前提になります。配当+小さめの暗号資産優待でインカムを作れる点は、長期保有と相性が良いです。 |
株主優待情報
株主優待の内容
GMO TECHの株主優待は、GMOクリック証券でGMO TECH株を買ったときの「株式買付代金の0.03%をビットコインでキャッシュバック(上限1万円)」するという、暗号資産をうまく組み込んだ内容になっています。
さらに、同社が提供するMEO・店舗DXサービスの利用料を10%キャッシュバックする優待もあります。
いずれも「6か月以上継続して100株以上保有していること」が条件になるので、短期で回すよりも長く付き合う人向けの設計です。
今後は2025年10月の持株会社化後も、基本的には同じ考え方の優待を引き継ぐとされています。
| 所有株式数・保有期間 | 優待内容 | 内容イメージ |
| 100株以上・6か月以上保有 | (1) GMOクリック証券での6026買付代金の0.03%をビットコインでキャッシュバック(上限1万円) | 買い増しをしたときにちょっとした暗号資産がもらえる仕組み。ビットコインで受け取れるので価格上昇の余地もあります。 |
| 100株以上・6か月以上保有 | (2) 自社サービス(MEO Dash! by GMOなど)利用料10%キャッシュバック(上限あり) | 実店舗や教室を運営していてMEOを使う人には実質的なコストダウンになります。個人投資家より事業オーナー向けの色がやや強めです。 |
「クオカードが自動でもらえる」といったタイプの優待ではないのでひと手間は必要ですが、同社が伸ばしたい分野と株主をつなぐ設計になっていて、ネット系の企業らしい優待といえます。
権利確定日と有効期限
権利確定月は年2回の「6月末・12月末」です。
ただし継続保有の条件が付くため、同じ株主番号で一定期間(2024年12月末〜2025年6月末など)持っておく必要があります。
優待の申請期間は翌期にまとめて設定されるので、案内が届いたら忘れずに手続きしましょう。
ビットコイン付与やサービスキャッシュバックには、各回ごとに申請期限が設定される可能性があるため、長期で保有する人でも「後でまとめて…」とせず、届いたらすぐに申請しておくのが無難です。
会社情報

GMO TECH株式会社は、東京都渋谷区のセルリアンタワーに本社を置き、2006年に設立された比較的若いインターネット企業です。
事業の柱は、企業の「集客」をインターネットで最適化することです。
検索順位を上げるSEO、地図での表示を上げるMEO、アプリのダウンロードを増やす広告配信、さらに不動産業向けのSaaSなどを組み合わせることで、クライアント企業が「ネットでお客さんを見つけるところから来店・契約まで」スムーズに進められるようにしています。
すべてがオンラインで完結するため、リアル店舗の数が増えていくタイプではなく、契約してくれる企業・アカウントが増えるほど売上が上がるモデルです。
2025年時点の決算では、集客支援のフロー収益が伸び悩んだことで減収減益になりましたが、不動産テックやストック型の収益は伸ばしており、単年での数字だけでなく「どうストックを積むか」を見ておくと、この会社の将来像が理解しやすくなります。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
株価が6,000円台ということで、1単元を買うのにまとまった資金が必要です。ここがまず最初のハードルになります。
一方で、現在のPERはおおむね11倍前後と、成長株としては飛び抜けて高い水準ではありません。
PBRやや高めですが、これは利益率が高いことが背景にあります。
配当利回りも比較的高いので、「ちょっと高い株価を買っても、毎年の配当である程度は回収できる」という考え方ができます。
注意しておきたいのは、足元の決算が減収減益だったことです。
短期での伸びがきれいに右肩上がりではないため、チャートも素直な上昇トレンドにはなりにくく、6,000〜7,000円台での往来になりやすいです。
ここは「何年かけて見るか」で評価が分かれます。
長期保有を前提にするなら、広告・集客需要が戻ってくる局面や、不動産テックのストックが積み上がる局面をじっくり待つことができます。
高配当で待てるので、タイミングを焦らずにすむのはこの銘柄のいいところです。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
GMO TECHの優待は「みんなが喜ぶ定番」ではありません。
ですが、もともとネットに強い人・暗号資産をすでに使っている人・店舗のMEOをやっている人にとっては、実はかなり実用性があります。
特にMEO Dash!を普通に契約している事業者なら、10%キャッシュバックは現金と同じ感覚で使えるので、優待の満足度はぐっと上がります。
ビットコインでのキャッシュバックも、付与率そのものは0.03%と小さいのですが、「買い増しするたびにちょっとずつ暗号資産をもらえる」という体験はほかの優待ではあまりありません。
暗号資産の価格が上がるときには、思っていたよりもリターンが乗ることもあります。
一方で、口座の準備や申請が必須で、クオカードのように自動で届くわけではないため、投資初心者・家族名義で複数口座を持っている人にはやや手間です。
したがっておすすめ度で言うと「長くGMOグループと付き合うつもりがある人」「ネット系サービスを自分でも使っている人」に寄った優待だと考えておくとよいでしょう。
総合評価
6026 GMO TECHは、値動きが軽いグロース株ではなく「そこそこ値が張るけれど、配当で待てる」タイプのネット企業です。
広告市況しだいで業績がぶれるので、ポートフォリオの中で割合を上げすぎないことがポイントになります。先にディフェンシブ株やインフラ系で土台を作っておき、その上に「ネット×DXの成長性をもう1社乗せたい」というときに入れておくとバランスがよくなります。
優待も配当も「すぐに誰にでも刺さる」設計ではないぶん、長く付き合う気持ちがある個人投資家にとっては居心地のいい銘柄です。
GMOグループがこの先もDX・SaaSを広げていくことを見込むなら、今のうちから少しずつ仕込んでおくのは十分アリだと思います。

