東京建物[8804]情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

東京建物[8804]は、1896年創業の老舗デベロッパーで、オフィス・商業・住宅・ホテル・レジャーまでを一気通貫で手がける総合不動産会社です。

都心の大型再開発(八重洲・大手町・京橋まわり)、分譲マンション「Brillia(ブリリア)」、リゾート・温浴・ゴルフなどグループ施設まで幅広く持っているので、景気や金利の局面で収益源を振り分けられるのが特徴です。

株価は足元で2,800円前後と、都心再開発の評価が一巡したあとにじわじわ買われている水準です。PERはおおむね11倍前後、PBRも1倍ちょっとなので、プライム上場の総合デベロッパーとしては常識的なところに落ち着いています。

2025年8月に新しく株主優待を発表しており、2025年12月末から実際に優待がもらえるようになります。長く持ってくれる株主に厚くする設計なので、長期保有と相性がいいタイプの優待です。

目次

株式情報

東京建物[8804]東証P
時価総額
約6,000億円前後

株価  2,878
※更新:2025年11月1日

30年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
約10.9倍約1.1倍約26%約12〜13%約3.9倍
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
約3.6%約3.3%約0.3〜0.4%(200株・1年保有想定)12月末約575,600円(200株)
編集部おすすめ度理由
配当が3%台で安定しており、2025年からの新設優待で実質利回りを底上げできるようになりました。分散された不動産ポートフォリオと中期計画での増配方針から、長期でじっくり持つにはちょうどいいバランスです。一方で取得単価が200株スタートとやや高めなので、投資予算に余裕がある方向きです。

株主優待情報

株主優待の内容

東京建物の優待は、2025年12月末を基準日にスタートする「新設」の優待です。対象になるのは12月末時点で200株以上を持っていて、なおかつ1年以上継続保有している株主です。

内容はシンプルで、①WEBカタログギフトと、②グループのホテル・リゾート・温浴施設・ゴルフ場で使える施設利用割引券のセットになっています。

施設は「ホテルレジーナ河口湖」「レジーナリゾート各施設」「おふろの王様」「東京建物グループのゴルフ場」など、実需で使いやすいところが揃っています。

保有株数と保有年数によって金額がステップアップする設計で、長く持っている人ほどカタログギフトの金額が増えます。3年以上になると同じ株数でもカタログ部分が1.5倍になるので、長期保有を前提にしやすいです。

保有株数・期間優待内容内容イメージ
200株以上・1年以上3年未満WEBカタログギフト2,000円相当+施設利用割引券 各2枚実質的には配当3%台に0.3%前後が乗るイメージ。家族で温浴やリゾートに行く人なら使い切れます。
400株以上・1年以上3年未満WEBカタログギフト4,000円相当+施設利用割引券 各4枚2口座分をまとめて使いたい人や、グループ施設をよく利用する人向けです。
800株以上・1年以上3年未満WEBカタログギフト8,000円相当+施設利用割引券 各8枚レジーナリゾートなど単価の高い施設と組み合わせると、実質的な利回りがぐっと上がります。
200株以上・3年以上WEBカタログギフト3,000円相当+施設利用割引券 各2枚長期枠に入ると一段階アップ。3年を超えてからがこの優待の本領です。
400株以上・3年以上WEBカタログギフト6,000円相当+施設利用割引券 各4枚配当と合わせて実質4%台も狙える水準になります。
800株以上・3年以上WEBカタログギフト12,000円相当+施設利用割引券 各8枚家族複数名で温浴やゴルフを使う想定なら、かなり手厚いです。

施設割引券はホテル・レジーナリゾート・おふろの王様・ゴルフ場で使えますが、1回あたりの割引額には上限があるので、旅行やゴルフに行く予定を立ててから使うといちばんお得です。

権利確定日と有効期限

権利確定日は毎年12月末です。初回は2025年12月31日分からスタートし、実際の案内は2026年3月ごろに発送される予定です。

保有期間のカウントもこの12月末が基準になるので、「今から買って1年置いておく」といった計画が立てやすいです。

案内に記載された期限を過ぎると申し込みができなくなることもあるので、届いたら早めに手続きをしておくと安心です。

会社情報

引用:東京建物株式会社

東京建物株式会社は、明治29年創業の日本でもっとも歴史ある不動産会社の一つで、現在は東京・首都圏の再開発を軸に全国・海外へ事業を広げています。

ビル事業・住宅事業・アセットサービス事業を3本柱として、オフィス・商業・住宅・ホテル・レジャー・駐車場などをトータルで展開する「総合デベロッパー」です。

代表的な開発には「東京スクエアガーデン」「大手町タワー」「Hareza池袋」などがあり、街単位での再開発を得意にしています。

大きな街づくりが多いぶん、1つの案件が完了したときの利益インパクトも大きく、決算ごとに利益が上下しやすいのがこの会社の特徴です。

近年は、販売用不動産の回転を速めて資本効率を上げる方針をとっており、2025〜2027年度の中期経営計画でも「利益成長と株主還元の拡充」を掲げています。

2027年度には配当性向を40%まで引き上げる計画で、これが今回の優待新設にもつながっています。

財務面では、自己資本比率は25〜26%台で推移しており、不動産デベロッパーとしては標準的〜やや保守的な水準です。

借入は大きいものの、ビル・住宅・アセット運用という3つのキャッシュポイントがあるため、過度に心配する段階ではありません。

要するに「都心の街づくりを長くやっていく会社」で、今後も東京の再開発計画に沿って事業がアップデートされていく可能性が高いと考えられます。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

東京建物の長期チャートを見ると、2020年前後の不動産好況期に上押ししたあと、金利上昇や再開発案件の山谷で一服し、2024〜2025年は2,500〜3,000円のレンジで落ち着いています。

いわゆる「上がり切ったあとに業績で追いかけている」局面です。

PERは11倍前後、PBRは1倍ちょっとなので、今の株価は「そこそこ成長して配当も伸びるなら買っていい」と投資家が判断しやすいところにあります。

一方で、信用倍率は3〜4倍とやや買いが優勢で、自己資本比率も比較的低めです。

景気後退や不動産市況が冷えたときには株価が素直に下がりやすいので、ディフェンシブ株のように「寝かせておくだけ」という扱いはしにくいです。ここはリートや電力・ガスとは違うところです。

とはいえ、2025年以降も大型の売却益と回転投資を続ける計画があり、還元性向を高める方針も出ているので、今のレンジでゆっくり拾っておいて「配当をもらいながら上抜けを待つ」という長期投資の王道が取りやすい銘柄です。

優待情報から見る投資おすすめ度と根拠

今回の優待は200株スタートなので、どうしても最低取得額が50万円台後半と重くなります。

その代わり、1年以上持つ前提で設計されているので、配当3%台の銘柄を「とりあえず優待もつくから長く持とう」と考えている人には相性がいいです。

中でも東京建物グループの温浴施設「おふろの王様」やレジーナリゾートを普段から使う人なら、割引券を実質的なキャッシュバックとして見込めるので、実感ベースの利回りが上がります。

旅行好き・犬連れでレジーナに行く家庭・ゴルフに行く人など、実利用がハマる人にはかなり使いやすい優待です。

一方で「カタログだけもらえればいい」「温浴やゴルフは行かない」という人にとっては、実質の優待利回りが0.3%前後で止まってしまいます。

取得額が高いこともあり、万人受けというよりは「東京建物の施設をちょこちょこ使う首都圏の人」向けの優待と考えたほうがしっくりきます。

長期で見たときには、増配+優待+都心再開発の3本が効いてくるので、短期トレードで値幅を狙うよりも、3〜5年でじっくり付き合うイメージで入るのがベターです。

総合評価

東京建物は、配当3%台をベースに、2025年から優待が乗ってくることで「インカムで待てる総合デベロッパー」になりました。

都心の再開発や不動産市況にはどうしても波があるので、ポートフォリオでの比率は上げすぎず、余力で200株だけ確保しておき、3年枠に入ったところで追加を検討する――という持ち方が現実的です。

総合すると、「すぐに値上がりして売る銘柄」ではなく、「配当と新設優待を楽しみながら、次の開発テーマ・次の増配を待つ銘柄」です。長期保有が前提の方なら十分に検討に値します。

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