共和電業[6853]は、社会インフラや製造業の安全を支える「計測機器」の専門メーカーです。
ひずみゲージやセンサーなど、目立たないけれど欠かせない製品をつくり続けており、堅実な経営と安定した財務体質が特徴です。
株価は大きく動くタイプではありませんが、長期的には安定した配当と優待が魅力です。
成長性よりも安定を重視した投資を考える人にとって、長期で安心して保有できる銘柄といえるでしょう。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 15.74倍 | 0.63倍 | 75.3% | 5.96% | 3.95倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 4.42% | 2.96% | 1.46% | 12月末 | 137,200円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 堅実な経営と高い財務健全性を持つ安定型の銘柄です。短期的な値上がりは期待しにくいものの、業績は安定しており、自己資本比率も高水準を維持しています。配当とQUOカード優待を合わせた総合利回りは4%を超え、長期保有でじっくりとリターンを得たい投資家に向いています。華やかさよりも確実性を重視する人にとって、ポートフォリオの安定要員として検討に値する銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
| 保有株数 | 継続保有条件 | 内容 | 金額 | 回数 |
|---|---|---|---|---|
| 200株以上 | 1年以上 | QUOカード | 2,000円相当 | 年1回 |
| 600株以上 | 1年以上 | QUOカード | 5,000円相当 | 年1回 |
単元株は100株ですが、優待の権利は200株以上が対象です。
2025年12月権利分に限り、継続保有期間の条件は適用されない特例があります。
発送は通常、翌年3月の定時株主総会後に株主関連書類と同封されます。
QUOカードは一般に有効期限がありませんので、使い忘れさえ防げば実用性が高い優待と言えます。
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年12月末です。
権利付き最終日は年によって異なりますが、2025年は12月26日です。
有効期限は、優待がQUOカードのため設定されていません。
会社情報

株式会社共和電業(きょうわでんぎょう)は、1949年6月28日に設立された老舗の電気機器メーカーです。
主な事業内容は、センサー技術を用いた「計測機器」や「計測システム」の開発・製造・販売です。
具体的には、ひずみゲージ、ロードセル、変位センサー、加速度センサー、データロガー、計装用アンプなどを扱っています。
これらの製品は、橋やトンネルなどの土木構造物、自動車、航空機、産業機械、研究機関など幅広い分野で使われています。
特に、構造物の安全性を測る「ひずみゲージ」は、共和電業が日本で初めて国産化に成功した技術として知られています。
そのため、社会インフラを支える企業として高い信頼を得ています。
同社の製品は、「測定の入口から出口まで」を一貫して自社で開発できる点が強みです。
センサーから信号処理装置、データ収集・解析システムまで自社で完結できるため、精度と信頼性の高い計測を実現しています。
事業拠点は全国にあり、北海道から九州まで営業所やサービスセンターを展開しています。
また、海外にも拠点を持ち、アメリカ、中国、インドなどへ製品を供給しています。
これにより、国内外の幅広い顧客に対応できる体制を整えています。
総じて、共和電業はニッチな分野ながら、社会に欠かせない計測技術を支える企業です。
長年培った技術力と安定した財務基盤を持つことから、長期保有を前提とした投資先としても注目できる存在です。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
共和電業の株式を長期の視点で見ると、非常に安定感のある中堅企業という印象です。
10年の株価推移では、急騰や急落といった極端な動きが少なく、堅実に横ばいから緩やかな上昇傾向を描いています。
これは、同社の事業が景気変動に左右されにくい構造を持っていることを示しています。
主力事業である「計測・センシング分野」は、インフラ・製造業・研究機関といった社会の根幹を支える領域に関わっています。
これらの分野では、短期的なブームよりも継続的な需要が重視されるため、業績の振れ幅が小さく、株価も安定しやすいのです。
長期保有を前提に考えると、配当や優待を受け取りながら、安心して持ち続けられるタイプの銘柄といえます。
企業の成長スピードは穏やかですが、利益の積み上げ方や資本の使い方には一貫した保守的な姿勢があります。
借入を極力抑え、内部留保を厚くして経営の安全性を高める方針が続いており、長期的に見ても安定した経営基盤を築いています。
こうした姿勢は、株主還元よりも企業の持続性を優先するという伝統的な日本メーカーの特徴を色濃く残しています。
ただ、それが結果的に「倒れにくい企業体質」を作り、長い目で見れば株主に安心感を与える要因にもなっています。
業績も安定しており、大きな赤字を出すことはほとんどありません。
製品の多くは国内外で長く使われるため、景気が悪化しても一定の需要が見込めます。
また、同社の顧客層は公共事業や研究機関など堅実な分野が多く、契約が長期にわたる傾向もあります。
このため、短期的な為替や原材料価格の影響を受けても、経営全体が揺らぐほどのリスクは小さいと考えられます。
株価は派手さこそないものの、安定した業績と高い財務健全性を背景に、緩やかに底値を切り上げてきています。
将来的に大きな成長を期待する銘柄ではありませんが、「堅実な資産株」としての位置づけは明確です。
短期的な値動きよりも、安定した配当や優待を得ながら時間を味方につける投資スタイルに向いています。
総合的に見ると、共和電業は“攻めの銘柄”ではなく、“守りの銘柄”です。
安定した財務基盤、緩やかに上向く中期トレンド、そして堅実な経営姿勢。
これらを踏まえると、長期保有を前提にポートフォリオの安定要員として組み入れる価値がある企業といえるでしょう。銘柄です。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
共和電業の株主優待は、派手さはありませんが、実用性の高い内容で堅実な魅力があります。
優待内容は「QUOカード」で、200株以上を1年以上保有している株主に2,000円分、600株以上で5,000円分が贈られます。
また、2025年12月の初回については、特例として保有期間の条件が免除されます。
このQUOカードは有効期限がなく、コンビニやドラッグストアなど全国の多くの店舗で利用できるため、現金に近い価値を持っています。
金券型優待は使い勝手が良く、長期保有を前提とする個人投資家にとって非常に相性の良い優待といえます。
さらに、QUOカードは長期保有するほど累進型に変化する可能性もあり、株主との関係を重視する姿勢が見て取れます。
実際、優待の導入以降は個人投資家からの注目度が高まり、安定株主の増加にもつながっています。
優待の発送時期は毎年3月頃で、株主総会の案内などと一緒に届くのもわかりやすく好印象です。
また、額面こそ大きくありませんが、長期的に見れば毎年確実に受け取れる“ミニボーナス”のような存在になります。
他の製造業銘柄に比べても、無理のない範囲で実施されていることから、財務的な負担も軽く、優待が廃止されるリスクも低いと考えられます。
また、同社は自己資本比率が高く、キャッシュフローも安定しているため、優待制度を長期にわたって維持できる体力があります。
配当と優待のバランスが取れている点は、長期保有を志向する投資家にとって安心材料です。
企業としても、株主とのつながりを重視し、堅実に株主還元を続ける姿勢が見られます。
総じて、共和電業の優待は金額的な派手さはないものの、安定的で持続性のある“堅実な優待”です。
現金同様に使えるQUOカードであることから、利便性が高く、保有し続けるモチベーションにもつながります。
優待目的の短期保有よりも、配当と合わせて長期保有することで、安定的なリターンを得られるタイプの銘柄といえるでしょう。
総合評価
共和電業は派手さのない堅実な企業であり、株主への誠実な姿勢が感じられる銘柄です。
安定配当と実用的な優待を組み合わせた“長期保有向けの安心株”として位置づけられます。
短期で利益を狙うタイプの株ではありませんが、景気変動に強く、ポートフォリオ全体の安定感を高めてくれる存在です。
攻めではなく守りの投資を重視する方、あるいは配当と優待をバランスよく受け取りたい方にとって、長期保有に適した企業といえるでしょう。

![共和電業[6853]30年株価チャート](https://kabulife.jp/wp/wp-content/uploads/2025/10/6853-20251023.png)