ラオックスホールディングス［8202］は、かつて「爆買い」で話題となった家電量販店から、ライフスタイル全般を扱う総合企業へと進化を続けている企業です。
近年はインバウンド需要の減少を受け、事業再構築を進めながら安定した収益体質への転換を目指しています。
株価は長期的に見ると低迷していますが、自己資本比率が高く、財務面では安定感のある企業です。
一方で、株主優待は利回りが高く実用的で、100株からポイントをもらえるなど、少額投資でも楽しめる内容となっています。
配当とあわせた総合利回りも高水準のため、短期の値上がりよりも「優待を受け取りながらじっくり保有したい人」に向いた銘柄といえるでしょう。
株式情報
| ラオックスホールディングス［8202］ | 東証ST |
| 時価総額 約156億円 |
株価
167 円
※更新：2025年10月13日
30年チャートを掲載
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 約43倍 | 0.71倍 | 54.9% | 2.95% | 44.4倍 |
| 優待＆配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 1.79% | 1.79% | ポイント還元のため算出不可 | 12月 | 16,700円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| かつての家電量販店から脱却し、ライフスタイルやEC事業などへ多角化を進める再生途上の企業です。株価は長期的に低迷しており、短期的な値上がりを狙う銘柄ではありませんが、財務の安定性と高い優待利回りが魅力です。優待内容は実用的で、ポイントを貯めて好きな商品に交換できる柔軟な制度も長期保有向き。総合的には、優待を楽しみながら長期で企業の再成長を見守るスタンスに最適な中立型銘柄です。 |
株主優待情報
ラオックスホールディングス（8202）の優待は、保有株数に応じて「株主優待ポイント」が進呈され、専用サイトやカタログ掲載商品の中から交換できる仕組みです。
交換対象は家電や日用品などの実用品が中心で、ポイント数に応じて複数の選択肢から選べるのが特徴です。
ポイント体系は下表のとおりです。100株から対象になります。
| 保有株数 | 進呈ポイント |
|---|---|
| 100株以上 300株未満 | 1,000ポイント |
| 300株以上 500株未満 | 2,000ポイント |
| 500株以上 1,000株未満 | 3,000ポイント |
| 1,000株以上 | 5,000ポイント |
ポイントは次年度へ繰り越し可能で、最大2年間有効と案内されています。長期で貯めて狙いの品に交換する、という使い方もしやすいです。
なお、配布されたポイントは専用サイトまたは株主優待カタログ経由で交換手続きを行います。
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年12月末です。この日に100株以上を保有していれば優待対象になります。
交換期間は原則「4月1日〜5月31日」とされていて、この期間を過ぎると未交換ポイントは失効となるため、スケジュールに余裕を持って手続きするのが安心です。
ポイントの繰り越しは最長2年のため、1年目で一部交換し、残りを翌年へ回すといった使い方も可能です。
—以上です。次は③「最新の会社情報（会社概要、店舗数、ブランド一覧など）」を中学生にもわかる文章でまとめますね。
会社情報
ラオックスホールディングスは、家電量販店として知られた「ラオックス」ブランドを中心に、多角化を進めてきた企業です。
もともとは家電販売を主力としていましたが、家電量販店の競争が激化する中で、外国人観光客向けの免税店事業に注力し、一時期は「爆買い」の象徴的存在となりました。
特に2010年代前半には、秋葉原や銀座などに大型店舗を展開し、訪日外国人の増加に合わせて急成長しました。
しかしその後、インバウンド需要の減少や新型コロナウイルスの影響で旅行客が激減し、業績は大きく落ち込みました。
こうした状況を受けて、現在のラオックスグループは外的要因に左右されにくい経営構造への転換を進めています。
現在の主な事業は、家電販売にとどまらず、ライフスタイル・ファッション・飲食・不動産・EC（ネット通販）・免税事業など多分野に広がっています。
この多角化によって、観光需要や景気の波に影響されにくい安定的な収益基盤を築くことを目指しています。
さらに、グループは中国・東南アジアを中心とした海外展開も進めており、中国資本の「蘇寧グループ（蘇寧易購）」との提携を背景に、国際的なビジネス展開を強化しています。
国内店舗はかつての大型家電店から、専門性の高い小規模店舗や体験型ショップへとシフトしています。
たとえば、美容家電や健康家電に特化した店舗、輸入雑貨やライフスタイル商品を扱うショップなど、より付加価値の高い形態に進化しています。
ブランドとしては、「LAOX」「GINZA LAOX（銀座ラオックス）」「Happoen」「LAOX Beauty」「LAOX Duty Free」などがあります。
さらに、ホテル・飲食事業にも参入し、生活や観光全体を包括的に支えるグループ企業としての基盤を広げています。
グローバル企業として、国内外の関連会社とのネットワークを活かした事業運営を行っています。
経営方針としては、「アジアを中心とした人と文化の交流を通じて、世界をより豊かにする」というビジョンを掲げています。
単なる小売企業ではなく、文化と生活をつなぐ架け橋としての役割を担う企業を目指しているのが特徴です。
このようにラオックスホールディングスは、かつての家電販売中心から脱却し、ライフスタイル総合企業へと変化している過渡期にある企業といえます。
長期的に見れば、安定した収益構造の再構築が進んでおり、将来的な成長の余地も感じられる企業です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ：
株式情報にみる分析
ラオックスホールディングスの株式を長期的な視点で見ると、成長性とリスクの両方を併せ持つ中立的な銘柄といえます。
まず、30年の株価チャートを見ると、2000年代初頭から中盤にかけて一時的に大きく上昇した後、長期的には下落傾向をたどり、その後は横ばいで推移しています。
直近10年では、株価は安値圏での推移が続いており、大きなトレンド転換は見られないものの、底値を固めているような動きが見られます。
このような長期の流れを見ると、短期的な値上がり益を狙うよりも、業績の安定と優待・配当などを含めた総合的なリターンを期待して保有するタイプの銘柄と言えます。
PERはやや高めで、PBRは1倍を下回っており、株価指標のバランスとしては割安と割高の中間あたりです。
つまり、成長性に対する市場の期待はそれほど高くない一方で、企業価値に対して株価が極端に安いわけでもないという、やや評価の難しい水準にあります。
ROE（自己資本利益率）は低めであり、資本効率という点ではやや物足りなさが感じられます。
一方で、自己資本比率が50％を超えている点は、財務的な安定性が高いことを示しています。
借入に頼らずに事業を維持できる体力があるため、景気の変動や外部リスクにも比較的強い構造を持っています。
ただし、ラオックスのビジネスモデルは、国内市場よりも海外、特に中国などのアジア圏での動向に左右される部分が大きく、為替や国際情勢の影響を受けやすいという面もあります。
また、かつてのインバウンド需要が完全に戻りきっていないことから、短期的には業績の伸びが限定的である点も考慮が必要です。
長期的に見れば、グループ全体の事業再構築が進みつつあり、家電販売からライフスタイル・サービス企業への転換が少しずつ形になっています。
この多角化戦略がうまくいけば、将来的に安定的な収益が見込める可能性がありますが、現時点では「再生途上の企業」という評価が妥当でしょう。
リスクを理解した上で、中長期的な成長を見守る投資家に向いた銘柄です。
特に、優待や配当を楽しみながら、長期で保有しつつ再成長を待つスタンスであれば、一定の魅力を持つ銘柄といえるでしょう。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
ラオックスホールディングスの株主優待は、長期保有を前提とした「株主優待ポイント制」となっており、保有株数に応じてポイントがもらえ、家電や日用品などに交換できる仕組みです。
このポイント制度は、株主が長期で企業を応援するモチベーションを高める設計になっており、短期的な売買よりも、腰を据えて保有する投資家に向いています。
まず、100株から優待の対象となり、1,000ポイント（約1,000円相当）がもらえます。
また、このポイントは2年間の繰り越しが可能で、貯めたポイントを翌年以降にまとめて使えるため、実用性が高いです。
欲しい商品がない場合は無理に使う必要がなく、翌年に持ち越してより価値の高い商品と交換できる点は、長期保有者にとって大きなメリットです。
一方で、優待品の内容は家電や生活雑貨が中心で、選べる商品は年によって変わることがあります。
そのため、「実用性がある反面、豪華さはやや控えめ」という印象を持つ投資家もいるでしょう。
とはいえ、生活に役立つ品が中心のカタログ構成になっており、どの層にも使いやすい内容です。
家電量販店発祥の企業らしく、自社の得意分野を活かした優待設計といえます。
また、優待の権利確定月は12月で、贈呈・交換の時期は4月～5月に設定されています。
年度ごとに受け取るタイミングがわかりやすく、スケジュールも明確です。
このように、ラオックスの優待は金額換算で見ても利回りが高く、「配当＋優待」での実質利回り重視の投資家には魅力的な水準」となっています。
ただし注意点として、業績が安定していない年には優待内容の変更や廃止リスクもあります。
現時点では継続されていますが、長期で保有する際には、企業の利益水準や財務体質の推移も確認することが大切です。
総合的に見ると、ラオックスの優待は「高利回り・実用的・長期保有型」と三拍子そろった設計です。
優待を目的とした分散ポートフォリオの一部として組み込む価値はあるといえるでしょう。
ただし、優待の魅力が高い一方で、株価の値動きは安定しているとは言いがたく、短期的な値上がり益を狙う投資には不向きです。
したがって、優待を活用しながら、気長に企業の再成長を見守る「長期目線の優待投資家」に最も適した銘柄といえます。
総合評価
総合的に見て、保有を迷う水準ではありますが、優待目的の分散ポートフォリオに組み込む選択肢としては悪くありません。
特に、優待の実用性を重視し、長期でじっくりとリターンを積み上げたい投資家には、「守りながら楽しむ」タイプの長期投資銘柄として検討の余地があります。