エコス[7520]は、関東地方を中心に食品スーパーを展開している会社です。
日常の買い物で使える株主優待や、安定した配当が魅力の銘柄です。
株価は長期的に安定しており、大きな値動きが少ないため、安心して持ちやすい特徴があります。
景気の影響を受けにくく、家計のサポートにもなる優待内容は、長期保有に向いています。
一方で、大きな株価上昇を狙うよりも、安定したリターンを重視する人向けの投資先です。
守りの投資を考えている人におすすめできる銘柄といえるでしょう。
株式情報
エコス[7520] | 東証P |
時価総額 約284億円 |
株価 2,425 円
※更新:2025年7月30日

30年チャートを掲載
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
6.8倍 | 1.00倍 | 46.6% | 16.5% | 0.22倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
5.37% | 2.9% | 2.47% | 2月、8月 | 150,900円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
食品スーパー業態の安定した事業基盤を持ち、景気変動に左右されにくい銘柄です。株主優待は日常使いできるお買物券や特産品で、家計の節約にもつながります。株価は長期的に安定しており、守りの投資先として魅力があります。一方で、急成長や短期の値上がり益は期待しにくく、購入は株価が落ち着いた局面が望ましいです。安定配当と優待を楽しみながら、長期保有で資産を守りたい人におすすめできます。 |
株主優待情報

株主優待の内容
100株以上保有の株主は、「エコス」のほか、グループ店舗で使える優待買物割引券(1枚100円相当)もしくはお米(コシヒカリ)のどちらかを選べます。
保有株数 | 株主優待券の額面/年間相当額 | お米(コシヒカリ)量/年間 |
---|---|---|
100株以上~999株 | 3,000円分(1回3,000円 × 年2回=6,000円) | 2kg × 年2回=4kg |
1,000株以上~9,999株 | 10,000円分 × 年2回=20,000円 | 4kg × 年2回=8kg |
10,000株以上 | 20,000円分 × 年2回=40,000円 | 8kg × 年2回=16kg |
権利確定日と有効期限
権利確定日は 2月末日と8月末日 です。
例えば、2025年の権利付き最終日は8月27日、確定日は翌日となります。
優待券またはお米の配送手続きは、2月末分が5月下旬、8月末分が11月上旬に案内されます。
有効期限は、それぞれの贈呈後、 5月下旬発送分は11月末まで、11月発送分は翌年5月末まで です。
会社情報

エコス株式会社は、東京都昭島市に本社を置く食品スーパーマーケットの会社です。
もともとは東京都立川市の小さな青果店「八百元」からスタートし、1965年に「たいらや商店」という名前で創業されました。
その後、合併や店舗展開を通じて成長し、現在は「エコス」という社名で関東地方を中心にスーパーマーケットを展開しています。
エコス株式会社は単独で東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、茨城県、栃木県、福島県に広がり、地域に密着した営業を行っています。
グループ全体では、「たいらや」「マスダ」「与野フードセンター」「ココスナカムラ」などを含め、全国に広がっています。
エコスグループは、各店舗が独自に工夫して運営する「個店経営」を重要視しています。
売り場スタッフがアイデアを出し合い、地域の食文化に合った商品や接客を提供することで、お客さんに喜ばれる店づくりを目指しています。
取り扱う商品は、野菜、果物、肉、魚、日用品など多岐にわたります。
自社の物流会社を活かし、他社への卸売や流通業務も行っており、店舗運営に加えて物流や不動産賃貸なども手がけています。
エコスグループは環境への配慮にも力を入れています。
店舗から出る食品残さを液体肥料や堆肥にリサイクルし、堆肥は「エコス米」として販売しています。
2015年には環境にやさしい果物やリサイクル活動が評価され、食品リサイクル推進環境大臣賞などを受賞しています。
また、「NatuLive(ナチュライブ)」というプライベートブランドも展開しています。
これは有機・無農薬・減塩・低カロリーなど、健康や安心、安全に配慮した商品に付けられたブランドです。
会社の考え方として「正しい商売」を社是にし、お客さんにとってお買い得で安心できる商品提供を重視しています。
地域社会と共に成長する姿勢を持ち、環境や人を大切にする企業文化が根づいています。
このように、エコスは地域に密着し、環境・健康にも配慮した商品展開と店舗運営を続ける会社であり、関東を中心に広がる店舗網と安定した体制を持つ上場企業です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
エコスの株価は、30年の長期チャートで見ると、過去に一度大きな上昇と下落を経験し、その後長く安定した水準で推移しています。
2010年代半ばからは堅調な上昇基調に入り、2020年以降も比較的高い株価帯を保っています。
長期的には「ゆるやかな成長」と「安定感」の両方を持った銘柄です。
事業は関東地方を中心とした食品スーパー運営が柱で、地域密着型の店舗網を持ちます。
日常的に利用される食料品や生活必需品を扱うため、景気の変動に強く、一定の売上が見込めます。
不況時でも極端な業績悪化のリスクは小さいといえます。
さらに、自社物流やグループ会社との連携によって、安定した商品供給体制を確保しており、事業の基盤はしっかりしています。
長期的な株価の安定には、こうした地域密着の経営と、景気に左右されにくい業態特性が大きく貢献しています。
財務面も健全で、過剰な借入や不安定な資金繰りの懸念はなく、長期保有の安心感があります。
また、株主還元にも前向きで、配当と株主優待を長く継続していることも評価できます。
ただし、食品スーパー業界は価格競争が激しく、他社との差別化が難しいという課題もあります。
急激な利益成長は見込みにくく、株価も過去数年の上昇を経て高値圏にあります。
そのため、ここからさらに大きな株価上昇を狙う銘柄ではなく、安定収入を目的に保有するタイプの投資先といえます。
長期投資家にとっては、優待と配当を受け取りながら安定保有する戦略が適しています。
一方で、新規に大きく買い増しするには割安感が薄く、購入のタイミングは見極めが必要です。
すでに保有している場合は、長期保有を続けやすい安心感のある銘柄といえるでしょう。
総合的に見れば、エコスは大きなリターンよりも安定したリターンを求める人向けの銘柄です。
株価の値動きが穏やかで、優待と配当を長く享受できる点は、資産形成における「守りの投資」に適しています。
成長性よりも安定性を重視する長期投資スタイルにおいては、一定の魅力があるといえます。
株主優待にみる分析
エコスの株主優待は、自社グループで利用できるお買物券、または地域の特産品がもらえるという内容です。
優待は毎年2回もらえるため、年間を通して安定した利回りを期待できます。
食品スーパーを日常的に利用する人にとっては、実質的な生活費の節約にもなります。
特にエコスの店舗が生活圏内にある場合、優待券の利便性は非常に高く、現金と同じような感覚で使えるのが魅力です。
また、特産品を選べるのも特徴で、地域の農産物や加工品がもらえるのは他のスーパー系銘柄と比べても嬉しいポイントです。
普段買わないような特産品を試せる楽しみもあり、優待を通じて会社と地域のつながりを感じられる点は好印象です。
こうした「選べる優待」は、長期的に保有しても飽きにくいというメリットがあります。
優待の内容は長年にわたって安定しており、急に縮小されたり廃止されたりする可能性は低いと考えられます。
食品スーパー業態は景気変動に強く、売上が大きく落ち込みにくいため、優待を継続しやすい環境があります。
実際に、エコスは過去の景気後退局面でも優待を維持してきた実績があります。
これは長期保有を検討するうえで大きな安心材料です。
長期投資家の観点では、優待と配当を合わせた総合利回りが安定的であることが重要です。
エコスの場合、優待を含めた利回りは食品スーパー銘柄の中でも比較的高めで、保有を続けるほどお得感が増します。
特に、株価が大きく上昇しない時期でも、優待と配当によって着実にリターンを得られる点は、資産運用の安定性を高めます。
ただし、優待の価値は住んでいる地域によって大きく変わります。
店舗が近くにない場合は、お買物券よりも特産品を選ぶ形になるため、現金同様の利便性はやや下がります。
そのため、生活圏に店舗があるかどうかは、優待を最大限に活用するうえで重要なポイントです。
また、優待目的だけで新規購入を考える場合、現在の株価水準では即買いよりもタイミングを見極めるほうが無難です。
優待は魅力的でも、株価が高値圏の時に買うと、値下がりリスクが優待価値を上回ることがあります。
長期保有で優待を楽しむ前提なら、株価が落ち着いた局面での購入がより安心です。
総合的に見ると、エコスの優待は「生活密着型の安定優待」といえます。
景気や業績に左右されにくく、長期保有でコツコツと利回りを積み上げられるタイプです。
派手さはありませんが、堅実に家計を助ける優待であり、安定志向の投資家に適しています。
株価の値上がり益を狙うよりも、優待と配当を受け取りながらのんびり保有することに価値があります。
総合評価
エコスは「大きな成長よりも安定を重視する人」に向いています。
優待と配当を楽しみながら、長く安心して保有できる銘柄です。
一方で、短期間で大きな利益を狙う人や、高い成長性を求める人には向いていません。
長期的には、株価の安定感と優待の価値を活かして、資産を着実に増やす「守りの投資」に適しています。
特に生活圏に店舗がある人にとっては、家計と資産形成の両方でメリットがある銘柄といえるでしょう。