日高屋でおなじみのハイデイ日高[7805]は、関東を中心に展開する中華料理チェーンです。
安くておいしい定食やラーメンが人気で、会社としての経営も安定しています。
今回は、そんなハイデイ日高の株について、長期保有の視点でくわしく調べてみました。
株主優待もあるので、お店をよく利用する人にとってはとくに注目の銘柄です。
配当や優待を楽しみながら、じっくりと資産を育てたい方に向けた内容となっています。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
29.4倍 | 5.44倍 | 71.4% | 16.0% | 0.28倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.92% | 1.32% | 0.6% | 2月、8月 | 335,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した経営と実用性の高い株主優待が魅力の銘柄です。急成長は期待しにくいものの、財務の健全さや着実な利益体質をふまえると、長期保有に向いています。特に日高屋を利用する人にとっては、優待を受け取りながら生活に密着した形で投資を楽しめます。堅実に資産を育てたい方には、検討する価値のある一株です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
株主優待は中華食堂「日高屋」をはじめとするグループ店舗で利用できる食事優待券(500円券)またはおこめ券のどちらかを選ぶ形式です。
年2回(2月末・8月末)に実施されます。
100株以上から1,000株以上まで保有数に応じて内容が変わります。
さらに、2月末権利の分については長期保有(3年以上)の株主に対し、優待金額がアップします。
保有株数 | 継続保有3年未満 | 継続保有3年以上(※2月末) |
---|---|---|
100株以上 | 食事券1,000円 または おこめ券1kg | 同左 |
500株以上 | 食事券5,000円 または おこめ券3kg | 食事券6,000円 または おこめ券4kg |
1,000株以上 | 食事券10,000円 または おこめ券5kg | 食事券12,000円 または おこめ券7kg |
※2月末権利について、長期保有(同一株主番号で2月末・8月末を7回以上連続保有)することで、500株・1,000株の優待内容がアップ。
権利確定日と有効期限
権利確定日
- 毎年 2月末・8月末 が権利確定日です。
贈呈時期と有効期限
- 2月末権利分:5月下旬に贈呈され、翌年5月末まで有効です
- 8月末権利分:11月上旬に贈呈され、翌年11月末まで有効です。
会社情報

株式会社ハイデイ日高は、埼玉県さいたま市大宮区に本社をかまえる企業で、1978年に設立されました。
代表的なブランドは「熱烈中華食堂 日高屋」で、首都圏を中心に展開している中華料理のチェーン店です。
2024年時点で、全国に約450店舗を構えており、その多くが直営店舗です。
「日高屋」以外にも、「焼鳥日高」「来来軒」「中華一番」「台南市場」などの業態を展開しています。
店舗は駅前などの人通りが多い立地や、郊外のロードサイドにも展開しており、セントラルキッチンから一括で食材供給する体制をとっています。
この仕組みによって、料理の品質を一定に保ちながらも低価格で提供することが可能になっています。
経営理念には「感謝」「挑戦」「真心」といったキーワードを掲げており、地域の人々への感謝の気持ちをもって日々の営業を行っています。
また、近年はセルフオーダーシステムや配膳ロボット、キャッシュレス決済などを取り入れ、店舗のデジタル化を進めています。
こうした取り組みにより、店舗運営の効率化とお客様の利便性向上を実現しています。
さらに、環境への取り組みとして、食品ロスの削減やCO₂の排出抑制、リサイクル活動にも力を入れており、持続可能な社会づくりに貢献しています。
これらの活動から、単なる飲食業の枠をこえた、地域社会に根ざした企業としての存在感を高めています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ハイデイ日高の株は、長期保有という観点から見ると、安定した魅力を持つ銘柄のひとつです。
まず業績の面では、売上や利益がここ数年安定しており、大きく落ち込むような要素はあまり見られません。
特にリーマンショックやコロナ禍といった大きな経済の波があった時期にも、他の外食産業に比べて影響が小さく、すぐに回復してきた実績があります。
自己資本比率が高く、借金に頼らず自分たちの資金で経営をしている点も好印象です。
また、ROEという会社の収益性を示す指標も高く、投資家にとっては利益をしっかり生み出してくれる企業であることがうかがえます。
株価の水準を見ると、ここ10年ほどは大きく上下することはあっても、右肩上がりの基調を保っており、長期で持ち続けることを前提にすれば比較的リスクは低いといえます。
PERやPBRなどの評価指標を見ると、どちらもやや高めの水準で推移しており、割安感はあまりありません。
これは裏を返せば、それだけ市場からの信頼が厚く、将来の成長が織り込まれているともいえます。
外食産業の中でも、価格を抑えつつ味と量のバランスを取る「日高屋」のような業態は、景気が良い時も悪い時も一定の需要があるため、長く生き残れる可能性が高いと考えられます。
信用倍率が低めで、売り方のポジションが多いのは少し気になりますが、これは長期的な成長とは必ずしも関係しません。
短期的には株価が伸びにくい場面もあるかもしれませんが、数年単位で見れば安定成長が期待できる銘柄です。
また、会社側の経営方針も堅実で、派手な成長を追い求めるよりも、地道に直営店を増やし、既存店の改善を進める姿勢が見られます。
大きな赤字や不祥事のリスクも少なく、個人投資家が安心して長く保有できる銘柄といえるでしょう。
以上を総合すると、ハイデイ日高は「大きく値上がりして短期間で儲けたい」という人には向きませんが、安定して配当や優待を受け取りながら、じっくりと資産を育てたい人には向いている銘柄です。
目先の株価の上下に一喜一憂せず、10年単位での保有を前提にするのであれば、選択肢として十分検討に値する企業です。
株主優待にみる分析
日高屋をよく利用する人にとって、かなり使い勝手の良い内容になっています。
年に2回、2月末と8月末に株を持っていると、店舗で使える食事券またはおこめ券がもらえます。
100株保有していれば、年間で2,000円分の食事券、もしくは2kg分のおこめ券が届きます。
配当と合わせると、利回りは約2%前後となり、銀行の定期預金に比べればかなり高い水準です。
とくに注目したいのが、500株以上を3年以上保有している人には、もらえる優待の金額が増えるという点です。
500株以上を長く持ち続けることで、優待は最大で年間12,000円分(またはおこめ券7kg)にまでアップします。
このように、長く応援してくれる株主を大事にする姿勢が見られ、まさに長期保有に向いている設計です。
食事券は全国の日高屋や焼鳥日高などの系列店で使えるため、関東に住んでいる人や、通勤・通学で駅前をよく利用する人には特に便利です。
一方で、日高屋の出店エリアは関東中心なので、関西や地方在住の人にとっては使いづらいかもしれません。
ただし、そのような人には代わりに「おこめ券」を選べる選択肢が用意されています。
この点も、利用者のライフスタイルにあわせて柔軟に対応している好例といえるでしょう。
また、優待券の有効期限は約1年間と余裕があり、使い忘れのリスクも少ないです。
会社としても優待の改悪や廃止といった不安材料が過去になく、今のところ安定して実施されているのも安心材料です。
さらに、優待をもらいながら外食することで、自然と店舗の雰囲気やサービスに触れることができ、企業の経営状態や客入りの状況を実感しやすいというメリットもあります。
優待内容は金額だけを見るとそこまで高利回りではありませんが、利用のしやすさ、長期保有による特典アップ、選べる内容といった点では、非常に実用性が高いといえます。
特に家族で外食する機会が多い人や、日高屋を定期的に使う人にとっては、生活の中で役立つお得な優待です。
こうしたことから、ハイデイ日高の株主優待は「すぐにお金になるもの」ではないものの、生活に密着した“ちょっと得する”優待であり、長く保有する価値のある内容となっています。
優待をきっかけにお店のファンになったり、応援する気持ちで株を持ち続けたりするには、ちょうどよい銘柄だといえるでしょう。
総合評価
ハイデイ日高の株は、長期的に持ち続けることでじっくりとメリットが感じられる、安定型の銘柄です。
急激に株価が上がるような“成長株”ではないものの、売上や利益は安定しており、会社の経営そのものに安心感があります。
総合的に見て、ハイデイ日高は「すぐに利益を得たい人」には向きませんが、「少しずつ配当や優待を楽しみながら、着実に資産を増やしたい人」にはちょうどよい株といえるでしょう。
生活に役立つ優待と、安定した配当、しっかりした経営という三拍子がそろっており、株主として“付き合いやすい”企業です。