イートアンドホールディングス［2882］は、「大阪王将」でおなじみの中華料理チェーンを展開している会社です。
外食だけでなく、冷凍ギョーザなどの食品を自社工場で作って全国に届ける事業も行っています。
日常に役立つ商品やサービスを提供している企業として、株主優待も人気があります。
毎年2回、冷凍食品や食事券がもらえる制度があり、日々の生活でそのまま使えるのが魅力です。
長期的に見ると、株価はゆるやかに成長しており、安定した運営が続いています。
配当だけでなく、優待の「実用性」を重視したい方にとって、注目しておきたい銘柄です。
株式情報
| イートアンドホールディングス［2882］ | 東証P |
| 時価総額 約231億円 |
株価 2,036 円
※更新：2025年7月15日
20年チャートを掲載
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 44.1倍 | 2.11倍 | 37.5% | 8.43% | 0.26% |
| 優待＆配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 3.2% | 0.74% | 2.46% | 2月、8月 | 203,600円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 安定した成長と実用的な株主優待が魅力の銘柄です。長期の株価チャートもゆるやかな右肩上がりで、安心して保有しやすい印象があります。配当利回りは高くありませんが、食事券や冷凍食品が年2回届く優待は日常生活で役立ちます。堅実に少しずつ成長していく企業に投資したい方にとって、分散投資の一角としておすすめできる銘柄です。 |
株主優待情報
株主優待の内容
イートアンドホールディングスでは、2月と8月の年2回、株主優待を実施しています。
優待内容は2月は自社製品（冷凍食品など）、8月は食事券となっており、それぞれの時期に応じた形で受け取ることができます。
保有株数に応じて優待の内容が変わる設計で、100株から優待を受け取れるため、個人投資家にも人気のある優待銘柄です。
また、どちらの優待も「大阪王将」を中心としたグループブランドと連動しており、実用性・満足度の高い内容になっています。
2月の優待内容
| 保有株数 | 優待内容（いずれか1つを選択） |
|---|---|
| 100株以上 | 3,000円相当（食事券または冷凍食品） |
| 500株以上 | 9,000円相当（食事券または冷凍食品） |
| 1,000株以上 | 18,000円相当（食事券または冷凍食品） |
※いずれも100株以上の一律優待となっており、保有株数による増加は現時点ではありません。
※2月の優待品は、餃子などの冷凍食品が中心で、専用の申込ハガキで希望商品を選びます。
8月の優待内容
| 保有株数 | 優待内容 |
|---|---|
| 100株以上 | 食事券 2,000円分（500円×4枚）または自社製品 |
※8月の優待券は「大阪王将」「太陽のトマト麺」などのグループ店舗で利用可能です（一部対象外あり）。
※8月優待については、自社製品への変更も可能。申込用紙の返送で選択できます。
権利確定日と有効期限
| 優待内容 | 権利確定日 | 到着時期 | 有効期限 |
|---|---|---|---|
| 自社製品（2月分） | 2月末 | 5月中旬〜下旬 | 商品による（お届け後すぐ利用） |
| 食事券（8月分） | 8月末 | 11月中旬〜下旬 | 翌年5月末まで |
※有効期限は到着後約半年間が目安となっています。
※変更申込などの期限も設定されているため、注意が必要です。
このように、2月・8月で優待内容が異なること、および冷凍食品と外食優待券を選べる点が、イートアンドの優待の特徴です。
末までに100株以上を保有しておく必要があります。があるため、同一口座での保有をおすすめします。
利用できるブランド一覧
- 大阪王将
- 太陽のトマト麺
- よってこや
- R Baker
- Coccinelle（コシニール）
- THE GROUNDS BAKER
- 一品香
- SAPPORO餃子製造所
- くまちゃん温泉
- 大龍軒
- 萬龍
- 幸龍軒
- ラーメンじゃーにー
- BarBer Parlor
会社情報
イートアンドホールディングスは、主に外食事業と食品製造事業を行っている会社です。
特に「大阪王将」という名前の中華料理チェーンで有名で、日本全国に店舗を広げています。
この会社は1969年に創業し、もともとは大阪で中華料理店を始めたところからスタートしました。
その後、業態を広げていき、現在では外食にとどまらず、自社で冷凍食品を作ってスーパーなどにも販売しています。
また、持ち帰り専門店やラーメン業態なども展開しており、外食の中でも幅広いジャンルに取り組んでいます。
「大阪王将」では、ギョーザやチャーハン、ラーメンといった中華メニューが中心ですが、一般的な中華料理店よりも価格が手ごろで、カジュアルに利用できるのが特長です。
このブランドは全国展開されており、地域によっては駅ナカや商業施設にも出店されています。
また、ラーメン業態としては「太陽のトマト麺」というブランドも展開しています。
これは、イタリアンとラーメンを組み合わせたようなユニークなコンセプトで、女性や若者を中心に人気があります。
こうした多様なブランド展開によって、ターゲット層の幅も広がっています。
また、イートアンドは外食だけでなく、冷凍食品の分野でも成長しています。
自社工場を持っており、ギョーザや焼売などを冷凍食品として製造し、大手スーパーやコンビニでも販売されています。
この冷凍食品の売上は安定しており、家庭内での中華需要の高まりとともに事業を伸ばしています。
工場は国内にいくつかあり、衛生面や品質管理も重視されているため、食品の安全性にも信頼が持てます。
さらに、会社としてはサステナビリティにも意識を向けており、食品ロスの削減やCO₂排出削減などにも取り組んでいます。
こうした姿勢は、今後の企業価値の向上にもつながる可能性があります。
2024年時点でのグループ店舗数は、直営・FCを含めて400店舗以上にのぼり、国内外への出店も進めています。
特にアジアを中心とした海外展開にも力を入れており、中国・台湾・タイなどにも「大阪王将」ブランドでの出店があります。
海外事業はまだ全体の売上比率では小さいですが、今後の成長余地として注目されています。
このように、イートアンドホールディングスは「外食×食品製造」の二本柱で事業を構成しており、安定した収益基盤を持ちながら、ブランド力を活かした成長戦略を描いている企業です。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ：
株式情報にみる分析
イートアンドホールディングスの株価は、20年という長いスパンで見たとき、ゆるやかな右肩上がりの傾向を保っているのが特徴です。
特に2010年代の後半以降は、外食産業の再評価や冷凍食品事業の成長も背景に、株価は着実に水準を切り上げてきました。
一時的な調整局面はあるものの、全体としては長期保有に適した形で推移しており、安定した成長を感じられるチャートとなっています。
業績面でも、外食と食品製造という2つの収益柱があるため、景気変動や業界特有のリスクに対して一定のバランスを保ちやすい構造になっています。
外食だけに依存している企業の場合、不況やパンデミックによる影響を受けやすくなりますが、イートアンドは冷凍食品の売上が安定していることが下支えとなり、全体の事業リスクを分散しています。
このように、「安定」と「成長」の両方を意識した事業ポートフォリオが形成されている点は、長期保有を考える上でのプラス材料といえます。
株価指標を見ても、全体としてはやや割高感もあるものの、それは市場から将来への期待が織り込まれている証拠とも解釈できます。
また、資本効率の面でも一定の評価を受けており、短期的な業績変動があっても企業体質そのものはしっかりしている印象です。
とくに冷凍食品部門では、新たな設備投資や商品開発を進めており、成長余地が残されている分野でもあります。
また、国内だけでなく海外への展開にも力を入れており、アジア市場を中心に出店を進めています。
現時点ではまだ海外売上比率は高くないものの、中長期で見ればこの部分が成長ドライバーとなる可能性があります。
このように、将来の事業拡大のシナリオが具体的に描ける企業であることも、長期投資を行う上での安心材料のひとつです。
もちろん、外食産業である以上、景気や物価、為替の影響は避けられません。
とくに原材料価格や人件費の上昇が続く中では、利益率の維持が課題になることもあります。
しかし、同社は冷凍食品を自社で製造していることもあり、外部依存度が低いぶん、外部要因の影響を受けにくいビジネスモデルといえます。
総じて、イートアンドホールディングスは、長期保有に適した銘柄のひとつとして、安定した成長を感じさせる企業です。
極端な急騰はないものの、地に足のついた経営と、食品の安心感、ブランドの定着力を活かしながら、これからもじわじわと株主価値を高めていく期待が持てます。
配当利回りだけを見れば物足りなさはあるかもしれませんが、優待との合わせ技、そして長期的なチャートの安定感を考えれば、分散投資の一角として組み入れる価値は十分にあると判断できます。
株主優待にみる分析
イートアンドホールディングスの株主優待は、外食系の銘柄の中でも使いやすく、個人投資家にとって魅力のある制度になっています。
年2回の優待実施により、継続的に恩恵を受けられることから、長期保有との相性が非常に良いといえます。
100株から優待が受け取れるため、少額投資でもメリットを感じやすく、投資初心者にも始めやすい内容です。
特に注目すべきは、実用性の高さです。
冷凍食品はギフト仕様ではなく、普段の食卓に使えるようなものが多いため、消費しやすく、無駄になりません。
また、食事券についても対象店舗が比較的多く、都市部だけでなく郊外でも使えるケースがあります。
この点は、同業の外食銘柄と比較しても利便性が高いといえます。
実際、株主の中には「外食のサブスクのような感覚で使える」と感じている方もいるようです。
この利回り水準は、外食系優待銘柄の中では平均的ですが、使い勝手の良さを加味すれば、満足度は比較的高いと考えられます。
また、優待の金額や内容がシンプルでわかりやすく、申込みや利用方法も明確なのは、優待初心者にとって大きな安心材料です。
最近では冷凍食品の品質が年々向上しており、食事券が使えない方にとっても満足度の高い優待体験が得られるようになってきました。
こうした点を総合すると、「100株を長期保有する」スタイルがもっともコスパが良く、実用的であるというのが結論になります。
また、今後の制度変更や優待拡充があった場合にも、使いやすい内容が維持される可能性が高く、優待銘柄としての安定感も感じられます。
以上の理由から、イートアンドホールディングスの株主優待制度は、特に長期的に使い続けたい個人投資家にとって、十分に検討する価値があるといえます。
優待利回りだけでなく「生活で活かせるリアルなメリット」が得られる点が、この銘柄の強みです。
総合評価
イートアンドホールディングスは、「大阪王将」で知られる外食チェーンを展開する一方で、自社製造の冷凍食品も手がける会社です。
この2つの事業を柱とすることで、景気の影響や一時的な社会変化に強い安定した経営を続けてきました。
イートアンドホールディングスは、成長性だけでなく実需と生活密着型の安心感を持った銘柄です。
急激に株価が跳ね上がるような期待は持ちにくいかもしれませんが、着実に成長を積み重ねていく堅実な銘柄として、長く付き合えるパートナーのような存在だといえます。
優待の実用性と株価の安定感を両方重視する人にとっては、ポートフォリオの中に1つ加えておく価値がある企業です。