ラックランド[9612]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

ラックランド[9612]は、店舗や工場などの空間をつくる仕事をしている会社です。

これまで、東北の特産品が届く株主優待が人気で、多くの人が“楽しみながら応援できる株”として注目してきました。

でも、2025年8月でその優待制度が終わることが発表されました。

それにともなって株価も下がっていて、今は「持ち続けるべきか」「買うべきか」悩んでいる人も多いはずです。

この記事では、そんなラックランドの株価の動きや会社のようす、そして優待の内容まで、長く持つ目線でわかりやすく解説していきます。

目次

株式情報

ラックランド[9612]東証P
時価総額
約108億円

株価 1,043 
※更新:2025年7月15日

30年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
1.10倍36%‑5%6.2%
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
6.78%0%6.78%2月、8月104,300円
編集部おすすめ度理由
かつて、年2回の優待を楽しめる魅力的な銘柄でしたが、2025年8月でその制度が終了します。長期保有に向いた安定感はあるものの、業績の伸び悩みや株価の下落が続いており、今は積極的に買いに行くタイミングとは言いにくい状況です。配当への還元方針が今後どうなるかに注目しながら、投資を検討するなら「今は様子見」が無難な選択肢といえるでしょう。

株主優待情報

引用:ラックランド

株主優待の内容

ラックランドの株主優待は、被災地応援の意味合いも込められた東北地方の特産品詰め合わせセットです。

100株以上の保有で、年2回(2月・8月)5,000円相当(送料込み)の商品が贈呈されます。

2025年2月実施分の内容には、以下のような多彩なコースが用意されていました。

  • 三陸産のホタテとカキのセット
  • 女川の郷土料理やご飯のお供セット
  • 女川のご飯やおかずなど温かい系セット
  • 石巻の海の幸や練り物などを集めた詰め合わせ
  • 気仙沼の海鮮逸品セット
  • 巨釜・半造で有名な牡蠣の加工品やジュースセット
  • 仙台市場から選りすぐった総合詰め合わせ
  • 釜石からの軽食系グルメ詰め合わせ
  • 特別コース「最新ホタテ(三陸産)」など(Web限定・先着1,000名)

これらのコースの中から1つを選択できるスタイルとなっており、被災地支援や地域振興に貢献する企業姿勢がうかがえます。

また、早期申込者限定の特典もありました。

特別コースの上限人数が1,000人から3,000人に増えるほか、自社ECサイトで使える500円分のクーポンが配布される特典も用意されていました。

ただし、この優待制度は2025年8月末の権利確定分をもって終了が予定されています。

これまで継続してきた「東北地方応援型の優待制度」に区切りをつけ、今後は配当による利益還元へシフトする方針が企業から発表されています。

権利確定日と有効期限

優待の権利確定日は、毎年2月末日および8月末日の年2回です。

保有株数が100株以上であれば対象となり、申込ハガキやWeb申込を通じて優待品の希望を提出します。

例年、申込開始は確定月の約1〜1.5か月後で、2月権利分は6月末頃、8月権利分は10月上旬頃までに配送されます。

また、早期申込期間が設定されており、早めに申し込むことでWeb限定特典やクーポン付与といったメリットが得られる場合があります。

今回の2025年8月末分が最後の実施となるため、最終回の優待を希望する場合は、必ず8月末までに100株以上を保有しておく必要があります。があるため、同一口座での保有をおすすめします。

会社情報

株式会社ラックランドは、1970年に東京で創業された会社です。

はじめはスーパーや飲食店などに使われる冷蔵や厨房設備をつくる工事会社としてスタートしました。

そこから事業を広げ、今では店舗や食品工場、倉庫などの設計から施工、さらに点検や修理までを一貫しておこなう会社として成長しています。

ラックランドの仕事は「生活にかかわる空間をつくること」です。

たとえば、スーパーやコンビニ、レストラン、カフェ、病院、ホテル、テーマパークなど、人が日常で使ういろいろな施設を手がけています。

そのため、飲食や買い物だけでなく、医療や娯楽など、生活のさまざまな場面に関わっています。

また、店舗の設計や工事だけでなく、エネルギーの使い方を見える化するサービスや、CO2を減らす省エネの支援もしています。

こうした環境への配慮が評価されていて、エコやサステナブルに関心の高い企業からも選ばれています。

さらに、国内だけでなく海外にも進出しています。

アジアを中心に、タイやベトナム、インドネシア、カンボジア、マレーシアなどでグループ会社をもち、国際的な活動も行っています。

このようにラックランドは、食や暮らしに関わる空間づくりを通じて、社会のさまざまな場面で活躍している会社です。

今後も、人々の暮らしに笑顔が増えるような空間づくりを目指し、国内外で成長を続けていくと見られています。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

ラックランドの株価は、ここ10年ほどで大きな波を描いてきました。

特に2014年から2021年頃までは順調に右肩上がりとなり、一時は3,000円を超える場面もありました。

この時期は、震災復興支援や地域応援の文脈と合わせた優待制度の話題性が投資家の注目を集め、業績の安定性も後押しして株価が堅調に推移しました。

しかし、ここ数年は株価が大きく下落し、2025年には1,000円台前半まで落ち込んでいます。

この長期チャートを見ると、明らかに「下降トレンド」に転じたと読み取れます。

かつての高値を維持できず、長期の移動平均線も下向きになっていることから、回復には時間がかかる可能性が高いと言えます。

事業としては、食品関連施設や小売・サービス店舗の設計・施工を得意としており、安定した需要があります。

特にコロナ禍においては、非接触型店舗設計や換気設備強化といった需要にも対応しながら、柔軟に事業展開してきました。

ただし、競争環境の激化や人手不足、建設資材の高騰など、業界全体にとって逆風の環境が続いていることも事実です。

また、利益面を見ると、近年は赤字転落や減益の決算が見られ、自己資本利益率(ROE)も低下しています。

財務指標では自己資本比率はそこまで低くはありませんが、成長性や収益性に対する不安が株価の下落に反映されていると考えられます。

PERやPBRの数値を見ると、株価に対して期待される利益水準が伴っていない状態です。

さらに2025年に株主優待制度が廃止されることが決まりました。

長年、優待目的で保有していた投資家の売りが集中しており、今後も個人投資家離れが続く可能性があります。

このことは短期的な需給悪化だけでなく、企業に対する信頼感の後退として長期的にも影響を及ぼす懸念があります。

もちろん、事業の安定感や施工ノウハウ、国内外のネットワークを考えれば、急激に経営が悪化するようなリスクは低いと見られます。

ただし、「成長株」としての魅力や、「株主還元が手厚い銘柄」としての魅力が薄れた今、あえてこのタイミングで新規に長期投資する意義は限定的といえるでしょう。

総合的に判断すると、株主優待があった時代であれば“長期保有も選択肢”となり得た銘柄ですが、現在の業績・株価水準・優待の廃止などをふまえると、投資の優先順位は下がる印象です。

魅力を感じるには、業績の回復や新たな成長戦略の打ち出しなど、ポジティブな変化が必要です。

株主優待にみる分析

ラックランドは、これまで「株主優待銘柄」として個人投資家の間で高い人気を集めてきました。

その理由のひとつは、優待品として届けられる「東北地方の特産品詰め合わせセット」にあります。

被災地支援のメッセージも込められており、単なる物品提供という枠を超えて、社会貢献性も感じられる魅力的な優待内容でした。

具体的には、100株保有で年2回、5,000円相当(送料込み)の名産品詰め合わせが届き、選べるコースも豊富でした。

三陸産ホタテやカキ、女川のごはんセット、気仙沼の逸品、仙台市場の詰め合わせなど、毎回内容が更新され、地域色の濃いラインナップが楽しめました。

さらに、早期申込によって特別コースが選べたり、自社ECで使えるクーポンがもらえたりする点も、リピーターにとっては大きな魅力でした。

また、年に2回の優待実施は、個人投資家にとって「お得感」や「楽しみ」を倍増させる効果がありました。

しかし、その優待制度も2025年8月末分をもって廃止されることが発表されました

企業側は、株主への還元を「モノから配当金へ」とシフトする方針を打ち出しています。

配当性向の見直しや、業績連動の配当方針などが示される可能性もありますが、現時点では代替となる明確な魅力が打ち出されていない状況です。

このため、これまで優待目当てで保有していた個人投資家が離れつつあり、それが株価の下落にもつながっています。

優待によってつながっていた“感情的なロイヤルティ”が弱まり、企業との接点が薄くなったことが、今後の長期保有の動機を損なっている印象です。

また、ラックランドの優待は「食べ物系の実需」に訴えるものだったため、保有することで日常の中に楽しみを感じられる存在でした。

そうした“生活に寄り添う株主還元”がなくなるということは、長期的な関係構築の観点からもマイナス要素といえるでしょう。

優待の内容そのものには非常に魅力があり、社会的意義も感じられ、投資と日常生活の橋渡しになる素晴らしい仕組みでした。

しかし、それが無くなった以上、今後の投資判断は業績回復や財務指標の改善など、純粋な経営実態に目を向ける必要があるという点で、大きな転換期にあるといえます。

このように、かつての“優待優良株”としての強みは失われつつあり、今後は配当水準や経営戦略の刷新など、別の価値訴求ができなければ、投資魅力は相対的に下がる可能性が高いでしょう。

総合評価

ラックランドは、長年にわたって「優待の楽しみがある銘柄」として多くの個人投資家に親しまれてきた会社です。

特に、被災地応援という意味を込めた特産品の詰め合わせは、ただの贈り物ではなく、企業の想いや社会貢献の姿勢を感じさせるものでした。

それが年に2回届くという点も、日常の中に“ちょっとしたご褒美”のような楽しみを提供してくれていました。

しかし、2025年8月をもって株主優待制度が終了することが決まり、ひとつの時代が終わろうとしています。

これまで優待を目的に長期保有していた人たちの中には、保有を見直す動きも出てきており、それが株価にも影響しています。

ラックランドは「安定した施工事業を持つ堅実な企業」ではありますが、株主優待の廃止によって個人投資家にとっての魅力が大きく低下しています。

今後の投資判断においては、過去の実績や優待の思い出にとらわれず、「これからの成長性」や「配当戦略の実行力」を冷静に見極めることが重要です。

もし、配当方針の明確化や新たな収益モデルの展開、ROE改善などが見られれば、再び注目される可能性もあります。

ですが現時点では、他の銘柄と比較して優先的に保有したいほどの決定打に欠けており、「様子見」とするのが自然な選択肢と言えるでしょう。

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