霞ヶ関キャピタル[3498]は、不動産の開発を中心に成長してきた新しい企業です。
社会課題の解決にも取り組んでおり、投資家からの注目を集めています。
この記事では、そんな霞ヶ関キャピタルの最新の株価情報や、株主優待の内容、企業の特徴、投資としての魅力について、長期保有の視点でわかりやすく解説していきます。
「応援したくなる会社」なのか、「お得に保有できる銘柄」なのか、一緒にじっくり見ていきましょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
15.9倍 | 5.39倍 | 34.6% | 26.49% | 2.56倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.78% | 1.48% | 0.3% | 8月 | 1,614,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
霞ヶ関キャピタルは成長性のある魅力的な事業を展開しており、企業姿勢にも共感できる部分があります。ただし株価はすでに高水準で、指標面でも割高感があり、優待利回りも低いため、今すぐ積極的に購入する銘柄とは言いにくい状況です。今後の業績や株価の調整を見ながら、タイミングを見て検討したい銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
霞ヶ関キャピタルの株主優待は、保有株数に応じた電子ギフト(QUOカードPay)が贈られます。
対象となるのは100株以上の保有者で、継続保有期間によっても優待額が変わる特徴があります。
また、一般的なQUOカードではなく「QUOカードPay」である点が特徴的です。
電子ギフトはスマートフォンで簡単に使えるため、使い勝手の面でも便利な優待と言えるでしょう。
以下は保有株数および保有期間に応じた優待額の一覧です。
保有株数 | 保有期間 | 優待内容(QUOカードPay) |
---|---|---|
100株以上 | 1年未満 | 1,000円分 |
100株以上 | 1年以上 | 3,000円分 |
100株保有かつ1年以上の長期保有で、優待利回りが向上します。
ただし、株価が高めなため、優待目的での取得にはまとまった資金が必要になります。
権利確定日と有効期限
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定月 | 毎年8月末 |
優待発送時期 | 毎年11月下旬ごろ |
優待有効期限 | 発行から3年間(QUOカードPay) |
霞ヶ関キャピタルの株主優待は、毎年8月末時点で株式を保有している株主が対象となります。
優待の発送は11月下旬ごろが目安となっており、スマートフォンに届く形で送られます。
有効期限はQUOカードPayの発行から3年間とされており、比較的長めに設定されています。

QUOカードPayは一部の加盟店では使用できない場合があるため、事前に利用可能店舗を確認すると安心です。
会社情報

霞ヶ関キャピタル株式会社は、不動産を中心にさまざまな事業を展開している会社です。
東京に本社をかまえ、2011年に設立された比較的新しい企業ですが、ここ数年で急成長を見せています。
上場は東証グロース市場で、ベンチャー気質を持ちながらも、大きな収益を上げる力を持っています。
この会社が特に力を入れているのは、「不動産開発」や「資産運用型の物件販売」です。
たとえば、アパートや学生寮、さらには医療・福祉施設や観光地にあるホテルなど、幅広いジャンルの建物を企画・開発しています。
ただ建物を作るだけでなく、その建物が地域にとってどう役立つかという視点を持っているのが特徴です。
また、環境問題や地域活性化など、社会課題の解決にも貢献することを目指しています。
店舗というよりはオフィス中心の会社で、全国にたくさんの支店があるわけではありません。
その代わり、都市部の不動産や再開発に強みを持ち、ひとつひとつのプロジェクトをしっかり手がけています。
たとえば、「KASUMIC」というブランド名で開発された学生向け住宅や、「SUSTIA(サスティア)」という高齢者施など、用途ごとにブランドを分けています。
そのほか、「防災ホテル」として災害時の避難所としても活用できる施設の開発にも取り組んでいます。
また、企業の成長にともない、海外展開も視野に入れた動きが見られます。
不動産ビジネスは海外でもニーズがあるため、将来的には国境を越えた事業展開が進む可能性もあります。
企業理念としては、「資本市場を通じて社会課題の解決を目指す」という方針を掲げています。
これはつまり、お金を集めて利益を出すだけでなく、世の中にとって良いことをビジネスとして実現しようという考え方です。
利益と社会貢献の両立を目指す姿勢は、近年の投資家からも注目されやすいポイントです。
このように、霞ヶ関キャピタルは建物や不動産の開発を通じて、社会の役に立つ会社を目指しています。
ただの不動産屋さんではなく、企画力とスピード感を武器に、今後の展開が楽しみな企業といえるでしょう。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
霞ヶ関キャピタルの株価チャートを見ると、2023年から2024年にかけて急激に値上がりした時期がありました。
それまでは長く低い水準で落ち着いていたのが、あるときから一気に注目され、急成長を見せたという形です。
このような動きは、企業が成長段階にあるときや、新しいビジネスモデルが評価されたときに起こることがあります。
ただ、2024年後半から2025年にかけては高値から下がり、その後は上下をくり返しながら横ばいに近い状態が続いています。
10年以上の長期チャートを見ると、2019年以前は目立った動きがなく、2019年~2022年も大きな上昇は見られません。
本格的に株価が動き出したのは2023年からであり、それ以前に株を買っていた人は大きな利益を得られたかもしれません。
しかし、2023年から買った人にとっては、タイミングによって大きく含み損を抱える可能性もあるチャートの形です。
現在の株価水準は、まだ過去の高値圏に近く、下値の安定感には少し不安が残ります。
こうした銘柄は、成長性に期待して買われる「グロース株」と呼ばれるタイプが多く、利益が急に変動したり、業績によって大きく上下することがあります。
実際にPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)は高く、これは市場が「将来の成長に期待している」ことを示している一方で、割高感も感じられる状態です。
また、自己資本比率がやや低めであることも見逃せません。
これは会社がどれだけ自分たちの資金で経営しているかを表す指標で、あまり低いと財務面でのリスクが高まります。
ROE(自己資本利益率)は高く、これは効率よく利益を出しているとも言えますが、短期間の急成長によるものなので、安定性という意味ではやや慎重に見る必要があります。
信用倍率が低めということは、信用取引による買いが少ないということです。
これは一見地味に見えるかもしれませんが、実は逆に健全な状態とも言えます。
短期的な投機ではなく、本当に中長期で保有する人たちが多いと考えられるからです。
まとめると、霞ヶ関キャピタルは成長性のある事業を展開しており、社会的意義も強く、魅力的な部分があります。
しかし株価はすでにある程度上がってしまっており、指標面では割高感が否めません。
急成長した企業にありがちな、「今は様子を見る段階」に近いといえるでしょう。
長期で見ると面白い可能性もありますが、現時点では少しリスクが高い印象があり、積極的に買うには慎重さが求められるタイミングです。
株主優待にみる分析
霞ヶ関キャピタルの株主優待は、金額としては控えめでありながらも、同社の成長ステージや株価水準を踏まえると「象徴的」な意味合いを持つと考えられます。
株主優待の内容自体は非常にシンプルで、保有株数も最低単元である100株のみが対象で、しかも保有年数によって金額が増えるという形式です。
この水準では、利回り目的で株主優待を探している投資家にとって、魅力的な銘柄とは言えません。
一方で、霞ヶ関キャピタルは不動産開発を軸にしつつも、社会課題の解決に取り組む企業姿勢を打ち出しており、いわば“共感投資”を促すスタンスが感じられます。
そうした文脈の中での優待制度は、「物理的なリターン」よりも「精神的な満足度」や「企業とのつながり」を意識したものであると見るべきです。
このような株主優待は、金銭的な損得だけでなく、“応援したい企業”に長期で資金を託すという考え方をする投資家にとっては一定の価値を持ちます。
また、現状では金額こそ控えめですが、業績の拡大とともに将来的に内容が改善される可能性もあります。
実際、他のグロース企業でも「優待制度拡充→話題化→個人投資家の買い支え→株価上昇」という流れはたびたび見られます。
つまり、霞ヶ関キャピタルも、将来にわたって個人投資家との関係性を強めていく意志があるならば、優待の進化によって再評価される余地は残されています。
とはいえ、現段階では金銭的なリターンという面で優待の魅力は限定的です。
優待目的で新規に投資をする銘柄としては積極的におすすめしにくく、他に高利回り・高実用性の銘柄が多数ある中で、霞ヶ関キャピタルを選ぶ明確な動機にはなりにくいのが実情です。
よって、株主優待を「おまけ」として受け取りつつ、本質的には企業の成長性を信じて長期保有するタイプの銘柄といえるでしょう。
この点を理解せずに「優待目当てで買う」ことは、結果的に期待外れとなる可能性が高く、注意が必要です。
総合評価
霞ヶ関キャピタルは、まだ若い会社ながらも不動産の分野で急成長を見せてきた企業です。
社会課題を意識した事業展開やスピード感のある経営は、今の時代に合っており、将来性という意味では確かに魅力があります。
また、会社として「ただ稼ぐだけでなく、社会にとって意味のあることをしたい」という姿勢を持っているのも、応援したくなるポイントです。
総合的に見て、霞ヶ関キャピタルは「優待銘柄」としての魅力は限定的であり、むしろ企業の理念や成長性に共感して中長期で保有する投資家向けと言えます。
株価が落ち着いたタイミングや、業績の安定性が見えてきたときには、改めて検討する価値が出てくる可能性はあるでしょう。
しかし現時点では、リスクと期待のバランスを冷静に見極めることが求められる銘柄です。
「成長性に賭ける」投資ができる人には面白い対象ですが、「優待で得をしたい」「安定的に配当を受け取りたい」と考える投資家には少しハードルが高く感じられるかもしれません。