ユナイテッド&コレクティブ[3557]は、「てけてけ」や「the 3rd Burger」など、人気の飲食店を展開している会社です。
この会社の株を持っていると、お店で使える食事券が年に2回もらえる“株主優待”があります。
都内を中心に店舗が多く、実際に外食する人にとってはとても使いやすい優待です。
株価はここ数年あまり大きく動いていませんが、そのぶん落ち着いて長く持ち続けやすい銘柄ともいえます。
今回は、そんなユナイテッド&コレクティブについて、株価や会社の特徴、そして優待の内容をわかりやすく解説します。
「毎日の生活にちょっとおトク」を感じながら、長く付き合える株を探している人にぴったりの内容です。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
55.5倍 | 13.3倍 | 7.9% | 472.0% | -1 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
11.07% | – | 11.07% | 2月、8月 | 90,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
株価の成長性よりも「実生活に役立つ優待」を重視する人に向いた銘柄です。都内を中心に店舗を持ち、使いやすい優待食事券が年2回もらえる点は大きな魅力。配当はありませんが、優待利回りは高めで、食費の節約に直結します。成長には時間がかかるかもしれませんが、日常のちょっとした“おトク”を楽しみながら、のんびりと長期保有したい方にはおすすめできる銘柄です。 |
株主優待情報

ユナイテッド&コレクティブの株主優待は、自社グループの飲食店舗で使える「優待食事券」がもらえる制度になっています。
これは、毎年2月と8月の年2回、100株以上の株を保有している株主を対象に実施されており、長期保有を前提とする個人投資家にとって魅力的な内容となっています。
株主優待の内容
保有株数 | 優待内容(年2回) | 年間合計額 | 利用対象店舗 |
---|---|---|---|
100株 | 1,000円分の優待券 × 年2回 | 2,000円分 | the 3rd Burger、てけてけ等 |
300株 | 3,000円分の優待券 × 年2回 | 6,000円分 | 同上 |
600株 | 6,000円分の優待券 × 年2回 | 12,000円分 | 同上 |
900株 | 9,000円分の優待券 × 年2回 | 18,000円分 | 同上 |
1,200株 | 12,000円分の優待券 × 年2回 | 24,000円分 | 同上 |
1,500株 | 15,000円分の優待券 × 年2回 | 30,000円分 | 同上 |
※上記はすべて現物株での保有に対して支給されるもので、権利確定月は「2月末」「8月末」です。
1回の食事で何枚でも使えるため、まとめて利用したいときにも便利です。
ただし、釣り銭は出ないため、支払い金額をうまく調整して使うのがポイントになります。
また、優待券は店内飲食だけでなくテイクアウトや一部のデリバリーにも対応しているケースがあり、生活スタイルに合わせて使い分けができます。
ただし、店舗によっては利用できない場合もあるため、事前に公式HPでの確認がおすすめです。
株主優待券が使えるブランド
- てけてけ(居酒屋業態)
焼き鳥と鶏料理が中心の居酒屋チェーン。東京都内を中心に多数展開されており、比較的リーズナブルな価格で楽しめるのが特徴です。 - the 3rd Burger(サードバーガー)
健康志向で手作り感のあるハンバーガーを提供するファストフード業態。素材にこだわったメニューが多く、女性やファミリー層にも人気です。 - とりぃが(ラーメン業態)
鶏白湯をベースとした濃厚スープのラーメンを提供するお店。現在は店舗数が少なく、限定地域での展開ですが、今後の展開に注目です。
一部店舗では優待券が利用できないケースもあります。
会社情報

ユナイテッド&コレクティブ株式会社は、日本国内で飲食店を運営している会社です。本社は東京都港区にあります。
主な事業は、ハンバーガーやチキンを中心に提供するファストフードや、焼き鳥をメインとした居酒屋、ラーメン業態の飲食チェーンを展開することです。
この会社の代表的なブランドには、手作り感とボリュームが特徴のハンバーガー専門店「the 3rd Burger(ザ・サードバーガー)」、国産鶏を使用し、タレや塩などにこだわった焼き鳥居酒屋「てけてけ」、そして濃厚な鶏白湯スープが売りのラーメン店「とりぃが」などがあります。
それぞれの店舗で使う食材やレシピに強いこだわりがあり、価格帯は比較的手頃で、若者からサラリーマンまで幅広い層に利用されています。
全体としては、直営店を主体に運営しており、フランチャイズは限定的です。
また、出店戦略としては、駅近やオフィス街を中心に展開し、テイクアウトやデリバリーにも対応している店舗が多くなっています。
さらに、近年ではSDGsやサステナビリティの観点から、環境にやさしい素材の使用やフードロス削減の取り組みにも力を入れているようです。
また、自社で調達・加工・配送までを行う「一貫体制」によって、品質とコストのバランスを取りながら経営を進めています。
企業理念としては、「人を元気にする食」を掲げており、来店するお客様だけでなく、働くスタッフや地域社会とのつながりも大切にしています。
飲食業界全体が厳しい中でも、個性的な業態を持つことで差別化を図っている会社
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
ユナイテッド&コレクティブの株価推移を長期チャートで見ると、2017年〜2018年にかけて大きく株価が上昇し、その後急落して以降は下落トレンドに入り、ここ数年は横ばいで安定しています。
この動きから、短期的な値上がり益を狙う銘柄というよりも、一定の水準で下値を支えにしながら、事業の成長性や優待利回りを評価してじっくり保有する「中長期向けの銘柄」として見ていく必要があります。
まず、株価指標を見ると、PER(株価収益率)はかなり高めの水準です。
これは、現時点での利益があまり出ておらず、株価がそれに対して割高に見えてしまっていることを意味します。
一方で、PBR(株価純資産倍率)も高い水準にあり、資産価値に比べて株価が高く見積もられているとも言えます。
これだけを見ると、数字的には「割安」な銘柄とは言いがたく、投資家からの期待が先行している状況が続いている印象です。
ただし、こうした割高感が長年続いている理由として、同社の事業モデルやブランド戦略に将来性があると見ている投資家も多いと考えられます。
特に、都市部での出店に強く、テイクアウトやデリバリーにも対応している店舗運営力は、変化の激しい飲食業界においても一定の競争力を持っています。
また、事業の特性上、コロナ禍で大きなダメージを受けた時期もありましたが、その後は回復基調に入っており、店舗数も安定しています。
今後も景気や外食需要の回復に伴って、業績の改善余地があると言えます。
さらに、自社ブランドの拡張性や業態ごとの柔軟な展開が可能である点も、長期保有においてポジティブな材料です。
一方で、自己資本比率やROEといった財務指標は公開情報が限られており、健全性については少し不透明な部分もあります。
借入依存度が高い場合、金利上昇局面では財務負担が重くなってくるため、この点は中長期で見守る必要があります。
また、信用倍率が低く、需給的な妙味は少ない銘柄であるため、短期的な値動きのボラティリティは小さいと言えます。
総じて、ユナイテッド&コレクティブは「現時点での業績にはやや割高感があるものの、将来的な事業拡大と外食需要の回復を期待して保有する」というタイプの銘柄です。
中長期で店舗ブランドの定着や業績の底上げを評価していくのであれば、保有し続ける価値はあります。
地道な企業努力が報われて、利益水準が上がってきたときに、初めて株価が見直されるという展開も十分に考えられます。
株主優待にみる分析
ユナイテッド&コレクティブの株主優待は、外食系銘柄の中でも「実際に利用できる場所が明確で、使い勝手が良い」ことが大きな特徴です。
優待の中身は年2回もらえる食事券で、都心部を中心に展開する「てけてけ」や「the 3rd Burger」などの飲食店で使うことができます。
特に都内に住んでいる人にとっては、通勤圏や休日の食事に取り入れやすく、日常の外食代の一部として使える非常に実用的な優待といえるでしょう。
この銘柄は配当がゼロのため、総合利回りのすべてが優待によって構成されます。
配当よりも「現物の価値を得る」ことに魅力を感じる投資家にとっては、現金化できないぶん節税効果や生活実利も高く、他の高配当銘柄とは違ったメリットを享受できます。
また、優待券の利用制限が比較的ゆるやかな点も評価できます。
例えば、優待券は1回の食事で何枚でも利用できるため、まとめて外食するファミリー層にも向いています。
店舗数こそまだ全国展開とは言えませんが、出店エリアがオフィス街や駅近などに集中しており、働く世代にとっては非常に使いやすいです。
とくに「てけてけ」などはランチ営業もしているため、昼食利用でも恩恵を受けることができます。
一方で、注意点としては「長期保有特典」がないことです。一定の保有年数による特典追加がある銘柄と比べると、優待内容が変わらないため、インセンティブとしては物足りなく感じるかもしれません。
ただし、その分だけ制度の変更リスクが小さいという見方もでき、安定した優待設計ともいえます。
総じて、ユナイテッド&コレクティブの優待は、「生活に直結する実用的なリターン」を長期にわたって受け取り続けたい人に向いています。
株価が大きく動かないなかでも、着実に外食費を節約できるという点で、特に都内在住者にはおすすめできる内容です。
投資を通して「得をする」というよりも、「少しずつ生活が楽になる」という地に足のついた優待設計で、長期保有に向いたやさしい銘柄と言えるでしょう。
総合評価
ユナイテッド&コレクティブは、株価の推移や企業の財務指標を見る限り、短期的な成長を狙うような銘柄ではありません。
株価は過去に大きく上昇した時期もありましたが、現在は落ち着いた水準で推移しており、企業としても派手な展開よりは地に足のついた運営をしている印象です。
数字だけを見ると即買い推奨できるような銘柄ではありませんが、優待の実用性や日常生活への貢献度を考えると、長期保有前提で「じっくり育てていく銘柄」としては十分に選択肢となり得ます。
特に、都内での生活をしている方や、外食をよく利用する方にとっては、優待の価値が株価以上のものになることもあるでしょう。