「株を持っていると、配当金や株主優待がもらえるらしい」
そう聞いたことがあっても、「いつ買えばもらえるの?」「タイミングがよくわからない…」と感じていませんか?
株の世界には、「権利確定日(けんりかくていび)」という大事な日があります。
この日を知らずに株を買ってしまうと、せっかく買ったのに配当も優待ももらえないなんてことも…。
この記事では、権利確定日とは何かから、いつ株を買えば間に合うのか、売ってもいいタイミング、そして注意点までを、やさしく丁寧に解説します。
「これから株を始めたい」人も、「配当や優待をちゃんと受け取りたい」人も、この記事を読めばスッキリ理解できるはずです!
権利確定日とは何か?
株を持っていると、会社から「配当金」や「株主優待」がもらえることがあります。
でも、いつでも持っていればいいというわけではありません。
もらえるかどうかを決めるために、会社が「この日までに株を持っている人に配当や優待をあげます」と決めている日があります。
それが「権利確定日(けんりかくていび)」です。
この日までに株主として名前が登録されていると、その会社からのごほうび(配当や優待)を受け取ることができます。
つまり、権利確定日は「ごほうびをもらえるかどうかを決める日」と覚えておくとわかりやすいです。
でも、ちょっと注意が必要です。
「権利確定日」の前日までに株を買っておかないと、そのごほうびはもらえません。
このあと詳しく説明しますが、「いつ買えば間に合うか」がとても大事です。
配当や株主優待をもらうにはいつ買えばいい?
権利付き最終日とは?いつまでに株を買えばいいか
配当金や株主優待をもらうには、「いつ株を買うか」がとても大事です。
その目安になるのが「権利付き最終日(けんりつきさいしゅうび)」です。
この日は、株を買えば配当や優待をもらえる最後の日という意味です。
「権利確定日」の2営業日前がこの日にあたります。
権利確定日カレンダー
日付 | 曜日 | 株式市場の営業日 | 説明 |
---|---|---|---|
3月29日 | 水 | ○ | 権利付き最終日 |
3月30日 | 木 | ○ | |
3月31日 | 金 | ○ | 権利確定日 |
たとえば、3月31日が権利確定日だとすると、3月29日が権利付き最終日です。
この日までに株を買っておけば、名簿に名前がのるので、ごほうびがもらえます。
逆にいうと、この日までに買わないと、配当や優待はもらえません。
権利落ち日には権利がなくなる
「権利落ち日(けんりおちび)」とは、配当や優待をもらえる権利が“落ちる(なくなる)”日です。
この日に株を買っても、もう遅いということです。
権利落ち日は、権利確定日の1営業日です。
さきほどの例でいえば、3月30日が権利落ち日になります。
権利確定日カレンダー
日付 | 曜日 | 株式市場の営業日 | 説明 |
---|---|---|---|
3月29日 | 水 | ○ | 権利付き最終日 |
3月30日 | 木 | ○ | 権利落ち日 |
3月31日 | 金 | ○ | 権利確定日 |
この日に株を買っても、権利確定日に間に合わないので、配当や優待はもらえません。
権利確定日が土日祝の場合
土曜日や日曜日・祝日は、市場がお休みです。
そのため、権利確定日・権利落ち日・権利付き最終日が土日祝の場合、その直前の営業日に前倒しになります。
日付 | 曜日 | 株式市場の営業日 | 内容 |
---|---|---|---|
3月26日 | 月 | ○ | 権利付き最終日 |
3月27日 | 火 | ○ | 権利落ち日 |
3月28日 | 木 | ×(祝日) | 市場休み |
3月29日 | 金 | ○ | 権利確定日 |
3月30日 | 土 | × | 市場休み |
3月31日 | 日 | × | 市場休み |

上記のように29日が権利付き最終日ではない場合もあるので、必ず証券会社の「権利確定カレンダー」や「取引スケジュール表」で確認するようにしましょう。
権利落ち日と株価の関係
権利落ち日に株価が下がるのはなぜ?
権利落ち日になると、「もう配当はもらえる状態になったから株を売ろう」と考える人が多くなります。
その結果、株を売る人が増えて、株価が下がることがよくあります。
たとえば、配当が1株あたり50円出る会社の株が1,000円だったとします。
配当の分をもらえることが決まったら、「もう売ってもいい」と思う人が売るので、株価は950円くらいに下がることがあります。
これを「配当分が引かれた(落ちた)」というふうに考えるわけです。
配当落ち調整のメカニズム
さきほどの例のように、配当の金額に応じて、株価が下がることを「配当落ち(はいとうおち)」といいます。
そして、その分だけ株価が調整されるしくみのことを「配当落ち調整」と呼びます。
これは自然に起きる市場の動きで、「配当をもらう権利がなくなったから、その分の価値が下がった」と見なされるのです。
でも、実際には50円ぴったり下がるとは限りません。
株価は毎日いろんな理由で動くので、「配当落ち」以外の影響も加わって、もっと下がったり、逆にあまり下がらなかったりすることもあります。
「権利落ち日 売ってもいい?」という疑問に回答
よくある疑問が「権利落ち日に売っても配当や優待はもらえるの?」というものです。
答えは 「もらえます」。
配当や優待をもらえるかどうかは、「権利付き最終日までに株を買って持っていたかどうか」で決まります。
そのため、権利落ち日に売ってしまっても、すでにあなたの名前は株主名簿に載っているので大丈夫です。
ただし、株価が下がる可能性があるので、「売るタイミング」としては注意が必要です。
長期で持ち続ける人は気にしなくてもいいですが、短期で利益をねらう人は、下がった株価で売ってしまうと損になるかもしれません。
権利確定日の調べ方と確認方法
証券会社のサイトでの確認方法(松井・楽天・SBIなど)
権利確定日を知りたいときは、証券会社のホームページを見るのが一番早くて正確です。
たとえば、次のような証券会社では「株主優待カレンダー」や「権利確定スケジュール」が公開されています。
- 松井証券
- 楽天証券
- SBI証券
- マネックス証券
- DMM 株 など
こうしたページでは、会社ごとに「配当」や「優待」がもらえる時期がカレンダーで見やすく表示されています。
「今月の権利確定日はいつ?」「来月に向けてどんな銘柄がある?」といったこともすぐにチェックできます。
決算月別に権利確定日がわかる一覧の使い方
多くの会社は、決算月の末日を権利確定日にしています。
たとえば、3月決算の会社なら、3月31日が権利確定日です(実際の判断はその前の営業日になります)。
証券会社のカレンダーでは、こんな感じでまとまっています。
決算月 | 権利確定日 | 買うべき日(権利付き最終日) |
---|---|---|
3月末 | 3月31日(例:日曜なら29日) | 2営業日前の3月27日 |
6月末 | 6月30日 | 6月28日ごろ(営業日による) |
9月末 | 9月30日 | 9月27日ごろ |
12月末 | 12月31日 | 12月27日ごろ |
このように「決算月=権利確定月」になることが多いので、決算月を意識して調べるのもコツです。
証券アプリやYahoo!ファイナンスでもチェック可能
最近では、証券会社のスマホアプリや「Yahoo!ファイナンス」のような株情報サイトでも、かんたんに権利確定日がチェックできます。
銘柄名を検索すれば、「次の権利確定日:2025年9月30日」などと表示されるので、初心者でも迷わずに使えます。
よくあるQ&A
まとめ
株を持っていると、配当金や株主優待という「ごほうび」がもらえることがあります。
でも、それをもらうには「いつ株を買うか」がとても重要です。これを決める基準が「権利確定日」です。
権利確定日の2営業日前(=権利付き最終日)までに株を買えば、ごほうびの対象になります。
その翌日(=権利落ち日)から買っても、もらえません。
また、配当や優待をもらったあとにすぐ株を売ることもできますが、株価が下がる可能性もあるので注意が必要です。
短期で利益をねらうなら、「いつ買うか・いつ売るか」に加えて、「どんな会社なのか」も調べておくことが大切です。