昴[9778]は、九州を中心に学習塾を展開している会社です。
株価はここ数年で大きく上がり、今は安定した水準を保っています。
また、配当だけでなく株主優待もあるため、長期で株を持ち続ける楽しみがあります。
優待は全国で使えるQUOカードと、季節を感じられる青森産りんごの二つです。
安定した事業基盤と、日常生活に役立つ優待の組み合わせが魅力で、長期投資を考える人にとって注目できる銘柄といえます。
株式情報
昴[9778] | 東証ST |
時価総額 47.0億円 |
株価 6,780 円
※更新:2025年9月12日終値

30年チャートを掲載
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
50.75倍 | 1.17倍 | 51.6% | 1.58% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
2.20% | 1.77% | 0.44% | 2月・8月 | 678,000円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
長期的に安定して持ち続けたい投資家に向いています。株価は大きな成長を狙えるタイプではありませんが、教育という安定需要のある事業を基盤としており、財務も健全です。また、配当とあわせてQUOカードや青森産りんごといった株主優待があり、実用性と楽しみを兼ね備えています。 |
株主優待情報

優待の内容
昴の株主優待は、2019年11月に内容が変更され、それまでの「学習塾優待券」から「QUOカード」と「青森産りんご」に切り替わりました。
2月の権利確定ではQUOカード、8月の権利確定では青森産りんごが贈られます。
贈呈内容は以下のとおりです。
保有株数 | 2月(QUOカード) | 8月(青森産りんご) |
---|---|---|
100株 | 3,000円相当 | 3kg |
500株 | 5,000円相当 | 5kg |
以前は100株で5,000円相当の学習塾利用券でしたが、現在は3,000円相当のQUOカードへと減額されています。
しかし、QUOカードはコンビニや書店、ドラッグストアなど幅広く使えるため、実用性はむしろ高まったといえます。
また、青森産りんごは全国の株主に人気があり、届いた時点で季節感を味わえる点も魅力です。
権利確定日と有効期限
昴の株主優待は年2回、2月末と8月末が権利確定日となります。
QUOカードは5月に開催される定時株主総会終了後に発送され、利用期限は設定されていないため、受け取った時点で自由に使用可能です。
青森産りんごは11月末から12月初旬に発送され、旬の時期に新鮮な状態で届けられます。こちらも利用期限はなく、そのまま家庭で楽しむことができます。
このように、昴の優待は「全国どこでも使えるQUOカード」と「地域の特産品りんご」という実用性と楽しみを兼ね備えた内容になっています。
長期的に保有する株主にとっても満足度の高い優待制度といえるでしょう。
会社情報

昴(すばる)は、九州を中心に学習塾を展開している企業です。
会社は1976年に設立され、本社は鹿児島県鹿児島市にあります。
事業の中心は小学生から高校生までを対象とした進学塾であり、県立トップ高校や難関大学を目指すコースに強みを持っています。
ブランドとしては「昴」や「すばる個別指導」などを運営しており、地域の教育需要に応じて多様な形態の教室を展開しています。
店舗数は約90教室にのぼり、鹿児島・宮崎・熊本・福岡など九州全域に広がっています。
このネットワークを通じて、地域に密着した教育サービスを提供し、地元の進学実績の向上に貢献しています。
また、ITを活用した学習システムや、オンライン指導の取り組みも進めており、時代に合わせた教育スタイルを取り入れています。
教育業界は少子化という大きな課題を抱えていますが、その中で昴は「少人数制指導」「きめ細かな受験対策」「地域密着」という特徴を打ち出すことで、安定的に生徒を集めています。
さらに、地域の子どもたちにとって「夢を叶える場所」となることを目指し、単なる学習指導だけでなく、人格形成や将来を見据えた教育にも力を入れています。
財務規模は大手の全国チェーンと比べると小さいものの、地元密着型という強みを活かして、安定した経営を続けています。
こうした背景から、昴は「大都市圏ではなく地域に根ざした教育企業」として独自の地位を築いており、九州の教育を支える存在になっています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
昴の株価を30年の長期チャートで振り返ると、1990年代後半に急騰したあと大きく下落し、その後は長い低迷期が続きました。
しかし2010年代に入ると株価はじわじわと回復を見せ、2020年以降は上昇基調が鮮明になっています。
直近では8,000円を超える水準まで買われ、その後やや調整していますが、それでも1990年代後半のピーク以降ではもっとも高い株価水準を維持しています。
この動きから見えるのは、長期的には右肩上がりのトレンドが形づくられているということです。
特に2010年以降の安定した上昇は、企業の基盤がしっかりと整い、安定収益を株価が評価し始めている証拠といえます。
財務面では借金に頼りすぎない健全性があり、自己資本比率は高い水準を維持しています。
そのため不況期でも大きく傾くリスクは低く、長期的に持ち続ける安心感につながります。
一方で、収益力自体は爆発的に伸びているわけではなく、利益成長のスピードはゆるやかです。
株価が大きく上がったのは期待値を先取りした部分もあり、今後は業績の裏付けが求められる局面に入っていると考えられます。
ただし、教育という事業分野は景気に左右されにくく、安定した需要があります。
少子化の影響を受けるというリスクはありますが、それでも一定のニーズは続くと考えられるため、株価の下支え要因になるでしょう。
利回りはそれほど高いとはいえませんが、配当と優待を合わせることで投資妙味が出てきます。
銀行預金や債券投資と比べれば、安定性とリターンのバランスが取れていると評価できます。
総合すると、昴の株は短期売買で利益を狙う銘柄ではなく、長期保有でじっくりと安定リターンを得たい投資家に向いている銘柄です。
チャートの右肩上がりの流れを背景に、今後もポートフォリオの一部として安定的に組み込む価値があると判断できます。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
昴の株主優待は、全国で使えるQUOカードと青森産のりんごという二つの内容で構成されています。
QUOカードはコンビニや書店、ドラッグストアなど多くの場所で使えるため、受け取ったその日から誰でも便利に利用できます。
以前は学習塾の優待券でしたが、対象者が限られてしまい使いづらい面がありました。
現在の形に変わったことで、株主にとっての実用性が大きく高まりました。
一方で、金額は以前の5,000円から3,000円に減額されており、優待の規模自体は小さくなっています。
ただし、汎用性の高さを考えると、金額が減ってもメリットを感じる株主は少なくないでしょう。
もう一つの優待である青森産のりんごは、11月末から12月初旬に発送されます。
100株で3kg、500株で5kgと十分な量が届き、季節を感じられる贈り物として人気があります。
特産品を通じて株主とのつながりを意識する姿勢は、企業イメージの向上にもつながります。
このように、昴の優待は実用性と楽しさを兼ね備えており、株を持ち続ける理由の一つになりやすい仕組みといえます。
長期的な視点で考えると、配当とあわせての総合利回りはそれほど高い水準ではありません。
しかし、株主優待があることで実質的なリターンが増えるだけでなく、株を保有し続ける動機づけになります。
特にQUOカードのように誰でも使える優待は、生活費の一部として役立ちやすく、家計にプラスをもたらします。
また、青森産のりんごは贈答品としても利用できるため、家族や知人と分け合う楽しさもあります。
これらは金銭的な価値だけでなく、株主優待を通じて得られる満足感として長期投資に大きな意味を持ちます。
短期的な株価の値動きではなく、長期で保有して安定的に優待と配当を受け取るスタイルに向いた銘柄といえるでしょう。
そのため、投資家にとって昴の優待は長期的な資産形成に組み込みやすく、実用性と楽しさの両面から保有を続ける価値があります。
総合評価
昴は、株価の長期的な流れを見ると、1990年代の高値のあとに長い低迷が続きましたが、2010年以降はじわじわと回復し、直近では8,000円前後まで上昇しました。
この動きは、事業の基盤が安定してきたことや、投資家からの信頼が少しずつ積み上がったことを表しています。
教育サービスという事業は大きな成長が見込みにくい反面、安定的に需要があり、景気に左右されにくい強みがあります。
財務の健全性も高く、倒産リスクが低いことは、長期保有を考える投資家にとって安心材料になります。
一方で、収益性はそれほど高くなく、株価が大きく伸び続けるイメージは持ちにくいです。
そのため、昴の株は「短期で大きく儲けたい」というより、「安定して持ち続けたい人」に向いています。
株主優待については、誰でも使えるQUOカードと青森産りんごという二つの内容があり、実用性と楽しみを兼ね備えています。
QUOカードは日常の買い物に役立ち、りんごは家庭での食事や贈答に使えるため、生活に密着したメリットを感じやすいです。
また、年に2回の贈呈という点も、長期で株を持ち続ける動機になります。
配当はそこまで高くありませんが、優待と組み合わせることで総合利回りは一定の魅力を持ちます。
総合的に見ると、昴は「成長株」ではなく「安定株」として評価するのが妥当です。
株価の大きな上昇は期待しにくいものの、安定した事業と優待の魅力があるため、長期でコツコツと資産を増やしたい投資家に適しています。