東宝[9602]は、日本を代表する映画や演劇の会社です。
「ゴジラ」やジブリ作品など、有名な映画をたくさん手がけてきました。
全国のTOHOシネマズや有名劇場を運営し、多くの人にエンターテインメントを届けています。
株主になると、映画の招待券や演劇の招待状など、魅力的な優待がもらえます。
財務も安定していて、長期的に安心して持ちやすい会社です。
映画や舞台が好きな人には、楽しみながら株を持てる銘柄といえます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
37.12倍 | 3.32倍 | 73.3% | 9.25% | 0.86倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
0.89% | 0.89% | ― | 2月、8月 | 952,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
映画・演劇・不動産の3本柱で安定した経営を続ける優良企業です。株価は高めですが、財務の健全性と長期的な成長性が評価されています。配当は低めながら、株主優待で映画招待券や演劇招待状がもらえるため、文化的な価値が高い点が魅力です。映画や舞台を日常的に楽しむ人に向き、長期保有で安定と楽しみを両立できる銘柄といえます。 |
株主優待情報

株主優待の内容
東宝の株主優待は、主に映画館で使える株主招待券がもらえる内容になっています。
保有株数によってもらえる枚数が大きく変わり、たくさん保有するほど年間の招待回数も増えていきます。
特に大株主になると、映画だけでなく演劇のS席招待もあり、舞台好きにも魅力的な内容です。
保有株数 | 映画株主ご招待券(年2回・年間有効枚数) | 演劇株主ご招待状(年2回) |
---|---|---|
100 株以上 | 1 枚 × 年 2 回(計 2 枚) | – |
500 株以上 | 3 枚 × 年 2 回(計 6 枚) | – |
1,000 株以上 | 5 枚 × 年 2 回(計 10 枚) | – |
2,000 株以上 | 10 枚 × 年 2 回(計 20 枚) | – |
3,000 株以上 | 15 枚 × 年 2 回(計 30 枚) | – |
5,000 株以上 | 18 枚 × 年 2 回(計 36 枚) | – |
10,000 株以上 | 20 枚 × 年 2 回(計 40 枚) | S席相当 2 枚 × 年 2 回(1公演分) |
権利確定日と有効期限
東宝の優待は年2回、2月末と8月末の権利確定日に株を保有していることが条件です。
映画招待券はそれぞれの発行時期から半年間有効で、好きな作品を楽しめます。
また、演劇招待状は大株主向けの特典で、公演のプログラムも一緒にもらえるため記念にもなります。
項目 | 詳細 |
---|---|
権利確定月 | 2月末日 および 8月末日 |
映画招待券 発行時期・有効期限 | ・2月末権利:5月中に発行、7月〜12月まで有効 ・8月末権利:11月中に発行、翌年1月〜6月まで有効 |
演劇招待状 発行時期・備考 | 10,000 株以上保有の株主に対し、半期ごとに 1 公演分の S 席相当(2 枚)が贈呈。来場時にプログラムを 2 冊進呈 |
会社情報

東宝株式会社は、1932年に設立され、東京の有楽町に本社を構えています。
代表的なエンターテインメント企業で、映画やアニメ、演劇、そして不動産の四つの柱を持って経営されています。
映画では、企画・制作・配給・興行を幅広く手がけています。
「ゴジラ」やスタジオジブリ作品など、日本中でおなじみのタイトルを多く扱っており、世界にもその作品が届けられています。
また、演劇の分野では「帝国劇場」や「シアタークリエ」という有名な劇場を所有し、自ら公演を企画して観客を楽しませています。
不動産事業も重要な役割を担っていて、有楽町マリオンや日比谷シャンテ、新宿東宝ビルなど、駅前の大きなビルをいくつも所有し、賃貸や管理を行っています。
これらの収益が、映画や演劇の制作を支える安定した基盤となっています。
さらに、東宝グループには、シネマコンプレックスを展開する「TOHO Cinemas」があります。
全国に約77拠点、722スクリーンを持ち、多くの観客に映画を届けています。
アニメにも力を入れており、「TOHO animation」として、たくさんの人気作品を手がけています。
「SPY×FAMILY」や「呪術廻戦」など、幅広い世代に支持されている作品が数多くあります。
このように、東宝は「作る」「見せる」「場所を提供する」「長く守る」という、エンターテインメントのすべてを自分たちで行える会社です。
映画やアニメ、演劇が好きな人には、とても親しみやすく、頼もしい存在ですし、不動産を通じて安定したビジネス基盤を持っている点も安心できます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
東宝の株価指標を見ると、PERは高めであり、市場から将来の成長を期待されていることがわかります。
PBRも高めで、会社の資産に対して株価が高く評価されています。
自己資本比率は高く、借金に頼らずに安定した経営をしている点が安心材料です。
ROEはほどほどで、資本を活用して利益を生み出す力も安定しています。
信用倍率は低めで、過熱感はあまり見られません。
長期の株価チャートを見ると、この30年間で右肩上がりの基調が続いています。
映画やアニメ、演劇といったコンテンツビジネスは景気の波を受けることもありますが、東宝の場合は長期的に安定した収益源を持っています。
特に不動産事業からの安定収入が強い支えになっており、急な業績悪化を避けやすい体質があります。
このため、長期保有を前提にすれば、大きな下落リスクをある程度抑えられる銘柄といえます。
ただし、配当利回りは低めです。
株主優待は魅力的ではありますが、金額換算すると投資額に対する利回りは大きくありません。
そのため、純粋に配当収入を狙う投資としては物足りない面もあります。
一方で、優待を活用できる人にとっては実質的なリターンが高まるため、生活や趣味に直結した楽しみを得られます。
業績面では、映画事業がヒット作に左右される面があり、年によって変動します。
しかし、長い歴史の中で常に強力なコンテンツを生み出してきた実績があり、アニメや海外市場展開など新たな成長分野も育っています。
特にTOHO animationによるヒット作は、国内外での興行収入を押し上げ、会社全体の収益に大きく貢献しています。
さらに、都市部の一等地に保有する不動産は資産価値が高く、長期的には値上がりも期待できます。
こうした資産は、もし経営が厳しくなった場合にも売却や活用で資金を確保できるため、財務的な安心感があります。
総合的に見ると、東宝は「安定した財務」「長期的な成長が期待できる事業構造」「資産価値の高い不動産」を持つ優良企業です。
ただし、株価水準は割安とはいえず、購入タイミングを慎重に見極める必要があります。
長期保有を前提に、優待や株主としての満足感を重視する投資家に向いていますが、短期的な値上がり益や高配当を狙う投資には向きません。
安定性を重視しつつ、優待を楽しみながらゆっくりと資産を育てたい人にとっては、選択肢の一つになり得る銘柄といえます。
株主優待にみる分析
東宝の株主優待は、映画や演劇が好きな人にとってとても魅力的な内容です。
全国のTOHOシネマズなどで使える映画招待券がもらえるため、新作や話題作をお金をかけずに楽しむことができます。
優待は年2回あり、100株以上の保有で1回あたり1枚、年間で2枚の招待券が届きます。
保有株数が増えると枚数がどんどん増え、例えば500株で年間6枚、1,000株なら年間10枚といった具合です。
大量に保有すれば年間40枚にもなり、映画好きなら家族や友人とシェアする楽しみ方もできます。
さらに、10,000株以上を持っている株主には、帝国劇場やシアタークリエで行われる演劇のS席招待が年2回贈られます。
この特典は金銭的な価値も高く、演劇ファンにとっては特別感があります。
しかも、公演プログラムまで付いてくるため、思い出として残せるのも嬉しいポイントです。
優待は使える期間が決まっており、2月末時点の権利で5月発送、7月から12月まで有効、8月末権利で11月発送、翌年1月から6月まで有効となっています。
このサイクルで毎年新しい券が届くため、常に半年おきに楽しめるのが特徴です。
映画や演劇は季節ごとに話題作が登場するため、毎回違った作品に触れられます。
優待の価値は金額換算しづらいですが、映画1本が約1,900円程度と考えると、100株保有の場合でも年間で約3,800円分の価値があります。
500株で年間6枚なら約11,400円分、1,000株なら約19,000円分と、保有株数が多いほど実質的なリターンが大きくなります。
演劇招待は1公演あたり1万円以上の価値があり、大株主にとっては非常に高い優待利回りになるケースもあります。
長期的な視点で見ると、この優待は安定的に続く可能性が高いといえます。
理由は、東宝の映画館や劇場は自社の事業資産であり、優待を提供するコストが比較的低く抑えられるためです。
自社施設を活用した優待は、他社からの仕入れや外部委託が不要なので、景気の変動にも強い傾向があります。
一方で、注意点もあります。
株価水準が高いため、優待を目的とした投資では初期投資額が大きくなります。
また、映画や演劇にあまり興味がない場合は、この優待の魅力は半減します。
配当利回りが低めなため、現金収入を重視する人にとっては物足りないかもしれません。
総合的に見ると、東宝の優待は「映画や演劇が生活の一部になっている人」や「家族で年間を通して作品を楽しみたい人」に向いています。
長期保有することで株価の値動きに左右されず、毎年安定して文化的な楽しみを得られる点は大きな魅力です。
優待の価値をしっかり活用できる人にとっては、金銭的なリターン以上の満足感を提供してくれるでしょう。
総合評価
この株は「大きく増やすよりも、安定して受け取る」ことを目的にしたポートフォリオの一部として相性が良い銘柄です。
特に、日常生活に直結する優待を活用したい人や、配当と優待の二本立てでリターンを得たい人にとって、長く付き合いやすい投資先と言えるでしょう。