メンタルヘルステクノロジーズ[9218]は、企業のメンタルヘルス対策を支える専門企業です。
「働く人のこころを守る」ことをテーマに、産業医のオンライン面談や相談サービスをクラウドで提供しています。
社会的なニーズが高まる中で、着実に事業を拡大している成長企業です。
2025年には株主優待制度を新設し、デジタルギフトや自社サービス体験チケットなど、独自の優待内容が注目されています。
短期的な値動きよりも、社会課題の解決という長期的な視点で成長を見込める企業です。
株価の位置づけはやや迷いどころですが、テーマ性と将来性を考慮すれば、長期保有を前提に検討する価値のある銘柄といえます。
株式情報
| メンタルヘルステクノロジーズ[9218] | 東証グロース |
| 時価総額 約83億円 |
株価
800 円
※更新:2025年10月23日

10年株価チャート
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 13倍 | 6.5倍 | 23% | マイナス圏 | 9倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 6.25% | 0.00% | 6.25% | 12月 | 160,000円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 社会課題であるメンタルヘルス領域に取り組む成長企業です。利益面ではまだ安定していませんが、事業のテーマ性や将来性、社会的意義の高さは大きな魅力です。株主優待を通じて自社サービスを体験できる点も特徴的で、企業と株主の距離を近づけています。短期的な株価上昇を狙うよりも、社会貢献と成長を同時に見守る「共感型の長期投資」に向いた銘柄です。 |
株主優待情報
対象は200株以上の保有です。
内容はデジタルギフトと自社サービス利用チケットの2本立てです。
まず、毎年12月末の基準日に200株以上を保有している株主に、デジタルギフト1万円分が進呈されます。
さらに長期保有優遇として、同一株主番号で1年以上継続保有(12月末と6月末の名簿に3回連続で記載)の株主には、+3,000円分が追加されます。
デジタルギフトの交換先は、電子商品券や暗号資産、寄付などが予定されています。
また、希望者全員にオンラインメンタル相談サービス「ケアーズLite」の利用チケット(メール窓口で24時間相談可)が進呈されます。
これらの制度は、2025年12月末を初回基準日とする新設優待で、長期保有優遇は2026年12月末から適用されます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要株数 | 200株以上。 |
| 基準日 | 毎年12月末。 |
| 優待(1) | デジタルギフト10,000円分。 |
| 長期優遇 | 1年以上継続保有で+3,000円分(2026年12月末から)。 |
| 優待(2) | 自社サービス「ケアーズLite」利用チケット(希望者全員)。 |
| 交換先 | 電子商品券、暗号資産、寄付などを予定。 |
| 最低取得目安 | 200株。 |
| 参考 | 新設優待の発表は2025/8/14。 |
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年12月末です。
初回は2025年12月末が基準日となり、そこから優待が付与されます。
長期保有のカウントは、12月末と6月末の名簿に同一株主番号で3回以上連続で記載されることが条件で、2026年12月末分から追加3,000円分の対象になります。
デジタルギフトの具体的な受け取り方法や利用期限は、案内時の案内に従う形で運用されます。
会社情報
メンタルヘルステクノロジーズは、企業のメンタルヘルス対策をクラウドと専門職の力で支えるヘルスケア企業です。
本社は東京都港区赤坂にあり、東京証券取引所グロース市場に上場しています。
事業の柱は、大きく分けてメンタルヘルスのソリューション提供と、医療職のキャリア支援です。
企業向けには「産業医クラウド」を軸に、産業医面談や相談のオンライン化、社員の相談窓口、ハラスメント相談などをワンストップで提供しています。
医療職向けには、医療機関と人材をつなぐ支援を行い、現場の働き方を整えることで医療提供体制の安定に貢献しています。
提供サービスにはわかりやすい固有名称が付いています。
メールで産業医に24時間相談できる「ケアーズLite」、オンラインで産業医面談を実施できる「メンタルクラウド」、社労士に相談できる「ハラスメントホットライン」などが代表例です。
これらは企業の人事部門が扱いやすい設計で、従業員が早めに相談できる導線づくりを重視しています。
同社は自社サービスだけで完結させず、産業医やカウンセラーなど専門職のネットワークとITを組み合わせる運用が特長です。
Zoomなどを使ったリモート面談や、匿名性に配慮したメール相談を整備し、企業規模や業種に合わせてメニューを組み立てられるようにしています。
現場の負担を減らしつつ、面談記録やリスクの把握をクラウドで管理する考え方がベースにあります。
いわゆる小売チェーンのような店舗網は持たず、オンライン提供と専門家の訪問・遠隔対応が中心です。
一方で、産業医事務所や労働衛生の専門会社などと連携し、地域に根ざした対応もできる体制を広げています。
このため「店舗数」という概念は当てはまりませんが、サービスの提供範囲は全国レベルで、企業の拠点が複数に分かれていても一括で運用しやすいのが強みです。
ブランドやプロダクトの見え方で言えば、同社は「産業医クラウド」という屋根の下に、ケアーズLiteやメンタルクラウドなどの個別サービスを束ねています。
相談、面談、労務リスク対応、記録管理までを一つの流れで扱えるため、導入企業は部門横断の運用を作りやすく、利用者である従業員は相談先に迷わずアクセスできます。
結果として、休職や離職のリスクを早期に察知しやすい環境づくりにつながります。
会社のミッションは「幸せをリデザインする」、ビジョンは「ウェルビーイングのスタンダードを創る」です。
働く人が安心して相談できる仕組みを整え、企業がルールや仕組みで支えられる状態をつくることを目指しています。
メンタル不調を「我慢する個人の問題」にせず、組織の仕組みで早めにケアするという価値観が、同社の事業全体を貫いています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
メンタルヘルステクノロジーズの株式を長期的な視点で見ると、まだ発展途上にある企業ながらも、社会の変化に強く結びついたテーマ性を持っている点が大きな魅力です。
近年、企業におけるメンタルヘルスの重要性は急速に高まっています。
社員のメンタル不調は生産性の低下や離職リスクにつながり、企業の経営課題として無視できない存在になっています。
その中で同社は「テクノロジーで働く人のこころを支える」という、時代の流れに合った明確なミッションを掲げています。
このテーマは一時的な流行ではなく、社会構造の変化に根ざした長期的な需要を持つ分野です。
つまり、事業の方向性そのものが今後10年スパンで求められ続ける内容であるという点が、投資の大きな安心材料になっています。
一方で、業績はまだ安定的とは言えず、拡大期特有の波があります。
スタートアップとしてのスピードを保ちながらも、利益の安定化には時間がかかるでしょう。
ただし、これは「利益の成長余地が大きい」とも言い換えられます。
社会課題の解決を軸にした事業構造であり、今後の契約企業数の増加やサービス多角化が進めば、利益率が急速に改善する可能性があります。
また、同社が上場しているグロース市場は、将来的な成長を見越して資金が集まりやすい市場です。
そのため、事業拡大のための資金調達やM&Aなどの戦略を取りやすく、長期的にみれば事業基盤が広がる可能性を秘めています。
経営陣も医療・メンタル領域の専門家とIT分野の人材がバランスよく構成されており、方向性のブレが少ない点は安心材料です。
加えて、株主優待を導入したことで、個人投資家を意識した中長期の経営方針を示したとも言えます。
株主との関係を重視しながら、社会的信頼を積み上げる姿勢は、長く応援しやすい企業像につながっています。
長期投資の観点では、こうした「社会貢献性」と「成長性」の両立が重要です。
同社はまさにその中間地点に位置しており、まだ利益が安定していない段階にあるものの、社会的価値を積み重ねながら企業価値を高めていく道筋が見えています。
株価は一進一退を繰り返しながらも、底値圏での推移が続いており、急激な上昇を狙うというよりは、将来の果実を待つタイプの投資対象です。
短期的なボラティリティはありますが、メンタルヘルスという分野の持続的な拡大を考えれば、時間を味方につける長期保有戦略が有効といえます。
総合的に見ると、メンタルヘルステクノロジーズは安定成長株ではないものの、「社会的意義が高く、これから成熟していく企業」として中長期での成長に期待できるポジションにあります。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
メンタルヘルステクノロジーズの株主優待は、内容そのものよりも「企業の姿勢」を読み取ることが大切です。
同社は2025年12月末を初回として、200株以上を保有する株主に対してデジタルギフトを進呈する制度を新設しました。
さらに、1年以上の継続保有で優遇措置を加えるなど、長期保有を促す仕組みを採用しています。
これは短期的な株価対策ではなく、安定株主を増やすことで企業基盤を強化しようとする意図が見える施策です。
こうした優待設計は、グロース市場上場企業としては珍しく、「長期的な関係づくり」を重視している点で高く評価できます。
デジタルギフトという形を選んだのも現代的です。
物品や割引券と異なり、利用者が自分の生活スタイルに合わせて使える自由度の高さがあります。
また、電子商品券だけでなく暗号資産や寄付などに使える形式にすることで、株主それぞれの価値観に合わせた使い方を尊重しています。
このような柔軟な仕組みは、企業のブランドイメージにも良い影響を与えます。
さらに同社の優待には、希望者全員にオンラインメンタル相談サービス「ケアーズLite」の利用チケットが付く点が特徴的です。
このサービスは、まさに同社の事業そのものを体験できる優待であり、株主自身が自社の提供価値を知るきっかけになります。
「株主にサービスを届ける」という姿勢は、単なる金銭的メリット以上に、企業と株主のつながりを深める効果があります。
また、長期保有によって追加のギフトがもらえる制度は、株価の一時的な変動に惑わされず、企業と一緒に成長していく意識を育てる仕掛けです。
このように、同社の優待制度は経済的な利得だけでなく、社会的な意義や体験価値を重視して設計されています。
優待利回りという点で見れば、他の高配当株や大型優待銘柄に比べて特別に高いわけではありません。
しかし、サービス利用型の優待は、使い方によっては金額以上の価値を感じられるケースも多く、特にメンタルヘルス領域に関心のある投資家にとっては魅力的です。
また、社会的なテーマに投資するという観点から見れば、株主優待が「社会課題解決の一端を担う仕組み」として機能している点も評価できます。
今後、企業規模が拡大し、顧客や提携先が増えていけば、優待制度自体がブランド強化の役割を果たしていくでしょう。
総合的に見ると、メンタルヘルステクノロジーズの優待は金銭的なリターンよりも、企業との関係性や共感を重視する長期投資家向けです。
「社会貢献を実感しながら投資を続けたい」という層にとっては、優待の魅力度は高いと言えます。
総合評価
メンタルヘルステクノロジーズの株式を総合的に見ると、今の段階では派手さこそないものの、長期的な成長性と社会的意義を両立した“育てがいのある銘柄”と言えます。
ポートフォリオに組み入れるか迷う水準ではあるものの、社会的テーマ株として長期視点で保有する価値は十分にあります。
今後の業績安定と利益成長の兆しが見えた段階で、より強気に評価を引き上げられる可能性を感じる銘柄です。
