ノバレーゼ[9160]は、結婚式場やレストラン事業を展開するブライダル企業です。
配当はありませんが、食品やカタログギフト、レストラン割引券などの株主優待が充実しており、優待利回りは高水準を保っています。
株価指標も割安な水準に位置しており、長期的に安定して保有できる銘柄として注目されています。
少子化などの逆風はあるものの、多角的な事業展開でリスク分散を図っているため、優待を楽しみながら中長期で持ち続けるには魅力的な投資先といえるでしょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
8.24倍 | 0.92倍 | 25.5% | 7.79% | 40.84倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
6.0% | 0.0% | 6.0% | 12月 | 33,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
配当がない一方で、食品やカタログギフト、レストラン優待券といった株主優待が充実しており、優待利回りは高水準です。株価指標も割安感があり、安定的な成長が期待できる水準にあります。事業環境として少子化や婚姻数の減少といった逆風はありますが、ドレス、装花、レストランなどの多角化によりリスク分散ができている点は強みです。 |
株主優待情報

株主優待の内容
ノバレーゼの株主優待について「株主優待の内容」「権利確定日と有効期限」の見出しでまとめます。
保有株式数 | 継続保有期間 | 優待内容 |
---|---|---|
100株以上 500株未満 | 3年未満 | 特選ギフト(食品/2,000円相当)申込制 + 優待券(お食事代金20%割引)2枚 |
3年以上 | 特選ギフト(2,000円相当)申込制 + 優待券4枚 | |
500株以上 1,000株未満 | 3年未満 | Web型カタログギift(3,500円相当) + 優待券2枚 |
3年以上 | Web型カタログギift(3,500円相当) + 優待券4枚 | |
1,000株以上 5,000株未満 | 3年未満 | カタログギif(5,000円相当) + 優待券2枚 |
3年以上 | カタログギif(5,000円) + 優待券4枚 | |
5,000株以上 10,000株未満 | 3年未満 | カタログギif(10,000円相当) + 優待券2枚 |
3年以上 | カタログギif(10,000円相当) + 優待券4枚 | |
10,000株以上 | 3年未満 | カタログギif(20,000円相当) + 優待券2枚 |
3年以上 | カタログギif(20,000円) + 優待券4枚 |
- 優待品には「特選ギフト(食品)」「Web型カタログギフト」「ノバレーゼ・ブロスダイニング優待券(お食事代金20%割引)」があります。
- 特選ギフトは申込制で、発送時期を会社が提示する候補日から選べます。
- 優待券1枚につき6名まで利用可能。婚礼・貸切利用および一部メニュー/パーティコースでは使えない制限があります。
権利確定日と有効期限
優待券の有効期限:対象の優待券(お食事割引券)は贈呈後、有効期限が設定されており、一般的には翌年春先まで有効。たとえば、2025年3月15日~2026年3月31日(食事優待券)などの期日が示されているケースがあります。
権利確定月は 12月末日。毎年12月31日時点の株主名簿に記載または記録された株主が対象。単元株数は100株以上。
継続保有期間の判定は、「2023年12月末より、毎年6月末および12月末を基準日とする株主名簿に、同一株主番号で7回以上連続して100株以上保有されている株主様」が「3年以上継続保有」と見なされる。
優待品の発送時期は毎年 3月下旬。
会社情報

ノバレーゼ株式会社は、結婚式を中心とした婚礼プロデュースを手がける企業です。
2000年に設立されて以来、ウエディングドレスやタキシードのレンタル・販売、婚礼施設の運営、装花やレストラン事業まで幅広く展開しています。
お客様にとって特別な日を最高の形で迎えられるように、トータルでサポートする体制を整えている点が大きな特徴です。
会社規模としては中堅クラスに位置づけられますが、全国に施設を展開し存在感を高めています。
ブランドとしては「NOVARESE(ノバレーゼ)」や「ecruspose(エクリュスポーゼ)」があり、ドレス部門を代表する存在になっています。
ドレスショップは全国に20店舗以上を構え、婚礼衣裳を探すカップルにとって選択肢の一つとなっています。
さらに、花装飾を手がける「VRESS ET ROSE(ブレスエットロゼ)」も展開し、全国に27店舗のフラワーショップやアトリエを運営しています。
これにより、式場全体の雰囲気づくりを自社で一貫して行える強みがあります。
婚礼施設の運営においても独自性があります。
土地の景観や文化を取り入れたデザインを行い、建築士と連携しながら式場を作り上げています。
古い建物をリノベーションして再生するスタイルもあり、地域に根ざした式場運営が特徴的です。
こうした取り組みは地域活性化にもつながり、社会的な価値を生み出しています。
また、レストラン事業も積極的に展開しています。
婚礼施設に併設されたレストランだけでなく、一般利用が可能な店舗も運営しており、日常の食事や宴会、記念日のディナーなど幅広いシーンに対応しています。
子会社のブロス・ダイニングを通じて、カジュアルな店舗から高級志向の店舗までさまざまなレストランを持ち、収益の柱を分散させています。
ノバレーゼは人口25万人以上の都市を主要な出店エリアとして選定しており、地方都市を含めて全国に店舗を広げています。
最新のデータでは、婚礼施設やドレスショップ、レストランを合わせて国内外で78店舗を展開しています。
全国的な拡がりを持ちながらも、それぞれの地域特性を大切にする運営姿勢が見られます。
事業構造としては、婚礼プロデュース事業が中心ですが、衣裳部門、装花部門、レストラン事業など複数のセグメントを持っています。
これにより、一つの事業が停滞しても他の部門で支えることができる安定性があります。
今後も婚礼市場は人口減少の影響を受ける可能性がありますが、多角的な事業展開によって安定性を高めていく戦略をとっている点は注目に値します。
このように、ノバレーゼはブライダルを核としながらも多方面に広がりを持つ会社です。
式場の建築デザインやサービスの質にこだわるだけでなく、花や衣裳、レストランまで一貫して自社で手がけることで、特別な日の価値を最大化しています。
長期的には少子化や婚姻件数の減少といった課題に直面しますが、総合的な体制を築いているため、安定的な成長が期待できる企業といえるでしょう。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ノバレーゼの株式を長期的な視点から見た場合、投資妙味は一定程度あると考えられます。
まず、株価水準を判断する上で重要となる指標に目を向けると、利益に対する株価の水準を示すPERは低めに位置しています。
これは投資家から見て収益力に対して割安感があることを意味しており、今後の成長余地を考えれば魅力的な要素です。
また、資産面での評価を示すPBRも1倍を下回っており、保有する純資産の価値と比べて市場での評価が抑えられている状況です。
このことは市場からの期待が高くない一方で、安定的な収益を確保できれば株価の見直し余地があることを示しています。
一方、自己資本比率はやや低めであり、財務基盤の安定性には一定の注意が必要です。
ただし極端に不安定というわけではなく、今の収益水準を維持できるのであれば、大きなリスクには直結しにくい水準といえます。
ROEは一桁台後半と、資本効率は標準的です。
決して突出して高いわけではありませんが、堅実に利益を積み上げている企業として評価できます。
信用倍率は高めであり、短期的には需給面での株価変動が大きくなる可能性があります。
しかし、今回は短期トレードではなく長期保有の視点で評価しているため、この点は大きなマイナス要素にはなりません。
長期的に見ると、少子化や婚姻件数の減少という社会的な逆風が存在します。
婚礼市場全体は縮小傾向にあるものの、ノバレーゼは式場運営だけでなくドレス、装花、レストランなど複数の事業を展開しており、収益の柱を分散しています。
この多角化は将来的な安定性を高める要素として評価できます。
さらに、優待制度を通じて株主との関係を強化している点も投資家にとって安心材料です。
配当がゼロである点は残念ではありますが、優待による総合利回りは比較的高く、長期保有のインセンティブを与えています。
株価チャートを長期で見ると、大きな上昇トレンドを描いているわけではなく、一定のレンジの中で推移している印象です。
急成長株のように大幅な株価上昇を期待するのは難しいものの、優待利回りや割安なバリュエーションを背景に、安定的に保有し続けることで着実なリターンを狙う投資先といえます。
総合的に判断すると、ノバレーゼは大きな成長性を狙う銘柄ではありませんが、堅実な経営と株主還元を活かした長期保有に向く銘柄です。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
ノバレーゼの株主優待は、食品やカタログギフトといった実用性の高い品に加えて、自社レストランや婚礼関連施設で利用できる優待券が組み合わされている点に特徴があります。
この仕組みは株主にとって「選ぶ楽しみ」があり、長期で保有するインセンティブを強めています。
婚礼施設やレストランの店舗が近くにある株主にとっては大きなメリットになりますが、地方に住んでいて店舗が利用できない場合は実質的な魅力が下がる可能性があります。
ただし、カタログギフトや食品といった誰でも使いやすい優待も用意されているため、居住地域を問わず一定の恩恵を受けられる工夫がされています。
また、3年以上の長期保有株主に対して優待内容を充実させる制度があることも注目点です。
これは「株主を入れ替えず長期で保有してもらいたい」という会社側の意図を反映しており、安定株主の確保につながっています。
長期投資を行う個人投資家にとっては、こうしたインセンティブがある銘柄は安心して持ち続けやすい存在といえます。
優待の内容を定期的に見直している点も評価できます。
企業が利益や事業環境に応じて柔軟に優待制度を運営していることは、株主との関係を大切にしている姿勢の表れです。
優待を目的とした投資家はもちろん、将来的に婚礼やレストランの利用機会を考えている人にとっても実益のある内容であり、単なる形式的な優待にとどまっていません。
長期的に見ると、婚姻件数の減少という社会的な逆風がある一方で、ノバレーゼはレストランや衣裳など婚礼以外の事業も展開しており、優待制度の継続性には一定の安心感があります。
こうした点から考えると、ノバレーゼの優待は「長期保有してこそ真価を発揮する」制度だといえます。
株主にとって高い還元率を享受できるだけでなく、会社にとっても安定株主の定着につながるため、双方にとってメリットの大きい仕組みです。
総合的に判断すると、優待の魅力は高く、長期保有を前提とした投資家にとっては十分おすすめできる内容です。
総合評価
ノバレーゼの株式は、配当がゼロである点を考えると、通常のインカムゲイン狙いではやや物足りなさが残ります。
しかし、株主優待の充実度がそれを補っており、特に長期保有を前提とする投資家にとっては十分な魅力を持つ銘柄です。
株式情報の面では、PERやPBRが低く、割安感のある水準にとどまっています。
自己資本比率は高いわけではないものの、収益を維持できる限り財務基盤は極端に不安定とはいえません。
また、ROEも標準的な水準を維持しており、効率的に資本を活用している点は評価できます。
事業環境を見ると、少子化や婚姻数の減少といった逆風は無視できませんが、ドレスや装花、レストランなど複数の事業を展開していることでリスク分散が図られています。
こうした背景を踏まえると、株価が大きく成長するイメージは持ちにくい一方、安定的に保有しながら優待を享受できる実用性の高い銘柄として捉えるのが妥当です。
優待の観点から見ると、食品やカタログギフト、レストラン優待券など、多様で利用しやすい内容が用意されています。
さらに長期保有者には優待内容を充実させる仕組みもあり、投資家にとっては持ち続けるモチベーションになります。
総合的に考えると、ノバレーゼは大きな成長株を狙うタイプの銘柄ではありませんが、割安感と高い優待利回りを両立した「守りと楽しみを兼ねた投資先」といえます。