マイホームを建てている会社が、実は「株主にもやさしい会社」だったらどう思いますか?
AVANTIA(アバンティア)[8904]は、住宅をつくっている上場企業のひとつですが、配当や株主優待がとても充実していることでも知られています。
株を持っているだけで毎年クオカードがもらえて、しかも配当利回りも高め。長く持てば持つほど、じっくりお得を感じられる銘柄です。
今回は、そんなAVANTIAの株価や会社の強み、そして優待制度について、長期投資を前提とした視点からわかりやすく紹介していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
61.4倍 | 15.38倍 | 4.9% | 1.92% | 1.49倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
5.1% | – | 5.1% | 8月 | 49,100円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した株価と高めの配当利回りが魅力の長期保有向け銘柄です。株主優待としてクオカードがもらえる制度もあり、楽しみながら投資を続けられる点が特徴です。優待は将来的に見直される可能性もありますが、現時点では「配当+優待」で総合利回りは高水準。堅実な資産形成を目指す方におすすめできる、安心感のある1銘柄です。 |
株主優待情報

株式会社AVANTIAの株主優待制度は、長期保有を前提としたシンプルでわかりやすい内容となっています。
主にクオカードが贈られ、保有株数と保有期間に応じてその金額が変わります。
株主優待の内容
AVANTIAの株主優待は、毎年8月末の権利確定日において、一定の条件を満たす株主に対してクオカードが贈呈されます。
保有株式数 | 保有期間 | 優待内容 |
---|---|---|
100株以上 | 1年以上 | クオカード1,000円分 |
500株以上 | 1年以上 | クオカード2,000円分 |
※「1年以上の継続保有」とは、毎年8月31日を権利確定日として、2月末日現在および8月31日現在の株主名簿に連続して3回以上記載または記録されていることを指します。
権利確定日と優待の受け取り時期
- 権利確定日:毎年8月31日
- 優待の発送時期:通常、権利確定日から約2〜3ヶ月後の11月頃に発送されます。
クオカードは、全国のコンビニエンスストアや書店、飲食店など、幅広い店舗で利用できるため、日常生活の中で便利に活用できます。
会社情報

株式会社AVANTIA(アバンティア)は、愛知県名古屋市に本社をかまえる住宅会社です。
東証スタンダード市場と名証プレミア市場に上場していて、おもに一戸建ての住宅を自社で建てて販売する仕事をしています。
1989年に設立されてから、35年以上にわたって家づくりを中心とした事業を続けており、現在は全国で約590人の社員が働いています。
AVANTIAの一番の特徴は、「土地の仕入れから家の設計・施工・販売まで」をすべて自分たちの会社で行っているところです。
こうした一貫体制をとることで、コストをおさえながら品質の高い住宅を提供できるようにしています。
特に愛知県を中心とした東海地方では、たくさんの販売実績があり、地域の人たちからの信頼も厚いです。
会社の拠点も多く、名古屋市内だけでも複数の営業所があります。
たとえば名古屋市緑区や中川区、春日井市、豊田市、長久手市、豊橋市などにも事業所があり、地域のニーズに合わせた家づくりを行っています。
こうした「地域密着型」の営業スタイルが、AVANTIAの強みでもあります。
さらに、AVANTIAはグループ会社も持っています。
その中の一つ「AVANTIA不動産」は、家を売るだけでなく、中古住宅の仲介やリフォームなども手がけています。
また、関西エリアには「ドリームホーム」や「Dream Town」というブランド名で展開しているグループ会社もあり、それぞれの地域で特徴のある家づくりをしています。
最近では、地球環境にも配慮した家づくりにも力を入れていて、「ZEH(ゼッチ)」と呼ばれる、エネルギーをなるべく使わない家を積極的に設計・販売しています。
これは太陽光発電などを使って、エネルギーのムダを減らす仕組みです。
国が進めているSDGs(持続可能な開発目標)にも会社として取り組んでいて、環境にもやさしい住まいづくりを大事にしています。
このようにAVANTIAは、ただ家を売るだけでなく、「安心して住める家を、地域の人に届ける」ことをモットーに、ていねいな仕事を続けている会社です。
大きな会社に比べると知名度はやや控えめですが、しっかりと地に足をつけて長年の信頼を築いてきた、まじめで安定した企業といえるでしょう。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
AVANTIAは、30年という長い時間をかけてチャートを見ると、2003年に大きなピークをつけたあと、少しずつ株価が下がり、現在は700円前後で落ち着いています。
パッと見ただけだと「昔の勢いはなくなった」と思われがちですが、じっくり見ると「底が固く、安定した値動き」に見えてきます。
株価は決して右肩上がりではありません。
でも、これは会社の事業が大きく冒険するのではなく、「着実に家を建てて売る」という安定したビジネスをしている証拠でもあります。
値動きが落ち着いているということは、逆に言えば「大きく損をしにくい」という安心感にもつながります。
現在の株価は割安感が強く、PBRはかなり低い水準です。
つまり「会社の持っている資産のわりに、株価が安い」という状態。
これは投資家にとっては、買い場のサインとも言えます。PERも高くなく、利益の出方に対して、ほどよい価格で株が買える状態です。
配当利回りは100万円を銀行に預けたときの利子よりもずっと多いリターンです。もちろん、配当が絶対に続くわけではないですが、AVANTIAはここ数年、しっかりと配当を続けていて、会社の利益からきちんと株主に還元しようとする姿勢が見えます。
自己資本比率も比較的高く、借金に頼らずに会社を運営できていることも安心材料です。
また、スタンダード市場と名証プレミアの両方に上場しているのは、地元・愛知県での信頼と実績がある証拠とも言えるでしょう。
信用倍率が高い点は、やや投機的な買いが入っている可能性もありますが、長期保有を考える場合はそこまで気にする必要はないでしょう。
むしろ、「人気のある銘柄」とも読み取ることができます。
株価が過去に比べて安定していること、財務も無理がなく、配当がしっかり出ていることなどを踏まえると、AVANTIAは「堅実な長期投資」に向いた銘柄です。
すぐに大きく株価が上がるような期待は持ちにくいですが、配当を楽しみながらじっくりと持ち続けたい、そんな人にとってはぴったりの1銘柄です。
株主優待にみる分析
AVANTIA(アバンティア)の株主優待は、長期保有を前提としたシンプルな内容で、毎年8月末時点で100株以上を1年以上持っている株主に対して、クオカードが贈られます。
100株で1,000円分、500株で2,000円分といった内容で、全国のコンビニや書店、飲食店など、日常生活で使いやすい金券であることが魅力です。
この優待制度は、個人投資家にとって「ちょっとしたお楽しみ」として機能します。
特に投資初心者や主婦層には、実感しやすいリターンとして好評です。
「配当は通帳で増えるけど、優待は手に取って嬉しい」と感じる方も多く、投資を続けるモチベーションにつながるのは事実でしょう。
一方で、この優待制度はあくまで事業と直接関係のない「金券の支出」です。
AVANTIAの本業は住宅販売であり、クオカードとはなんの接点もありません。
つまり、会社にとってこの優待は、純粋なコストとして計上されます。
たとえば、毎年1万人の株主に1,000円分のクオカードを配れば、それだけで1,000万円のキャッシュが外部に流出するわけです。
長期的に見たとき、このような優待制度が「将来的に廃止されるリスク」もゼロではありません。
実際、近年では「株主還元は配当に一本化する」という流れが上場企業の中でもあり、クオカード優待は廃止される傾向にあります。
AVANTIAが今後も優待を続けていくかどうかは、経営方針やコスト意識の変化に左右される可能性があると考えるのが自然です。
とはいえ、2025年5月現在の株価(約777円)で計算すると、トータルの利回りは魅力的な数値です。
とくに「資産を大きく増やすよりも、安定してお得を得たい」と考える投資家にとっては、十分に魅力のある制度です。
総じて、AVANTIAの優待制度は「今は魅力的」であり、利回りの面でも手堅いですが、事業に直結しない性質を持つため、将来の持続性には注意を払う必要があります。
その点を理解したうえで、優待を楽しみつつ、配当や株価の安定性も含めて総合的に判断するのが、賢い長期保有のスタンスと言えるでしょう。
総合評価
AVANTIA(アバンティア)は、株式の内容と株主優待の両面から見て、長期保有にとても向いている会社です。
ただ、その魅力は「一攫千金」を狙うような派手なものではなく、堅実にじっくり資産を育てたい人に向けたものです。
総合的に見て、AVANTIAは「大きく伸びるわけではないが、安定してじっくり保有できる株」として、魅力的な内容を持っています。
優待も含めて、楽しみながら資産形成をしたい人には、ぴったりの1銘柄と言えるでしょう。