保険の比較サイト「保険市場」を運営するアドバンスクリエイト[8798]は、カタログギフトやレジャー割引がもらえる株主優待が人気の銘柄です。
100株・約3万円から始められる手軽さに加え、優待利回りはトップクラス。
しかしその一方で、近年の業績悪化や株価の大幅下落など、投資するうえで注意すべきポイントもあります。
この記事では、初心者の方にもわかりやすく、アドバンスクリエイトの株主優待の魅力とリスクの両面をやさしく解説していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
– | – | 44.2% | – | 1.10倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
16.07% | – | 16.07% | 9月 | 26,500円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
株主優待としての魅力は大きいものの、株価や業績の低迷を考慮すると、長期保有には一定のリスクが伴います。財務状況が厳しくなっている現状では、優待の改定や廃止の可能性も否定できませんが、30年チャートで底値に近い金額をつけているため、押し目を狙って少ない金額で購入するのはありでしょう。 |
会社情報

アドバンスクリエイトは、1995年にできた会社で、大阪市の瓦町に本社があります。この会社は、保険を扱う専門の会社で、いろいろな保険会社の保険をまとめて紹介できる「保険代理店」として大きな役割を持っています。
2025年のはじめの時点で、アドバンスクリエイトは95社の保険商品を取り扱っていて、生命保険や火災保険、自動車保険など、いろいろな種類の保険から自分に合ったものを選べるようになっています。
この会社の一番大きな特徴は「保険市場」というインターネットのサイトを運営していることです。
このサイトには、毎月300万人もの人がアクセスしていて、保険について調べたり、申し込んだりできます。
そのほかにも、家に来てくれる保険相談サービスや、保険代理店向けのアプリの開発、企業向けの業務サポートなど、いろんなサービスを行っています。
保険に関する仕事だけでなく、再保険という保険会社同士でリスクを分け合うビジネスや、インターネット広告の仕事なども行っているんですよ。

2024年の決算(会社の1年の成績)では、売上が前の年よりも24%も減ってしまって、会社の利益も赤字になってしまいました。
さらに、借金が資産を上回る「債務超過」という状態になっています。
そして、株主に渡す配当金(会社の利益の一部を分ける仕組み)も「なし」と発表されました。
これは投資家にとっては少し心配なニュースです。
全国には「コンサルティングプラザ」という相談窓口があって、そこでも直接、保険について相談することができます。
アドバンスクリエイトは、「保険に関するすべての情報やサービスを提供できる会社」を目指して、これからも新しいチャレンジを続けていくと発表しています。
人材育成(ひとを育てること)や会社の文化づくりにも力を入れて、社会から信頼される会社になるよう努力をしているんです。
株主優待情報

アドバンスクリエイトでは、毎年9月の終わりの時点で100株以上の株を持っている人に、株主優待を用意しています。
2024年9月から株主優待の拡充を行い、以下 ❶ がいままでの株主優待から変更されました。
従来の株主優待
- カタログギフトの『HARMONICK e-book HAFコース(カードタイプ)』2,970円(税込)相当
- 福利厚生サービス『アドバンスクリエイトClub Off』のサービスメニュー利用権(国内の提携施設を優待価格で利用可)贈呈
2024年9月以降の株主優待
- 大丸・松坂屋フリーチョイスギフト『ロビン』(Webカタログ)4,180円(税込)
- 福利厚生サービス『アドバンスクリエイト club offf』のサービスメニュー利用権(国内の提携施設を優待価格で利用可)贈呈
もらえる優待のひとつは、「大丸・松坂屋フリーチョイスギフト『ロビン』」というカタログギフトです。
これは、たくさんの商品の中から好きなものをひとつ選べる仕組みで、約3,300円くらいの価値があります。
カタログはとてもボリュームがあり、448ページにもわたって約1,000種類以上の商品がのっています。
おしゃれなインテリアグッズやファッションアイテム、文房具、食べものなど、いろんなジャンルの商品がそろっていて、見ているだけでも楽しくなる内容です。
カタログの中には、「暮らしを快適にするアイテム」「服やアクセサリー」「キッチン用品」「リビンググッズ」「趣味のグッズ」「子ども向けの商品」「本や知育おもちゃ」「体験型のサービス(温泉や旅行など)」など、さまざまなテーマごとに商品がわかれていて、自分の好みに合わせて選ぶことができます。
もうひとつの優待が「アドバンスクリエイト Club Off」というサービスです。
これは、会員になると全国のホテルや旅館、遊園地やテーマパークなどを割引価格で利用できる、特別な優待サービスです。
日本全国にある20万か所以上の施設が対象になっていて、たとえばホテルに泊まるときは、通常の値段より最大80%も安くなることがあります。
旅行や出張で使う人にはとても助かりますね。
さらに、遊園地やアスレチック施設の割引もあるので、家族や友だちとのお出かけをお得に楽しむこともできます。
それだけでなく、日常生活でも使えるサービスがたくさんあって、たとえば、レストランでの割引や映画のチケットを安く買えるサービス、スポーツジムやお買い物で使える特典など、いろんな場面で使えるのがポイントです。
このように、アドバンスクリエイトの株主優待は、プレゼントとしてもらえるカタログギフトと、日常でもレジャーでも活用できる会員サービスの2つがセットになっていて、使い道がとても広いのが魅力です。
お金のリターンだけでなく、「生活がちょっと楽しくなるお得感」を感じられるのが、この会社の優待のいいところです。
利用できる特典の例
- コメダ珈琲:ドリンクの無料サイズアップ
- ジョリーパスタ:ドリンクバー割引
- ココス:ドリンクバー割引
- ブロンコビリー:ジェラート&ドリンクバーサービスやディナーお会計の10%オフ
- ポムの樹:食事注文時のワンドリンクサービス
- ぼてぢゅう:お会計10%オフ
- 辛麺屋 桝元:お会計100円引き
- パンとエスプレッソと:の一部店舗でのお会計10%オフ
- プロント:ギフトカードの割引購入
- 上島珈琲店:ドリンク50円オフ
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
アドバンスクリエイトは、保険を比較できるインターネットのサイト「保険市場」を運営している会社です。
ネットを使った保険の案内や申し込みに強みがあり、保険代理店の中でもデジタルに強いことで知られています。
ただ、最近の株価の動きや会社の成績を見ると、今すぐに長く持ち続ける投資先としては、よく考えてから判断したほうがいいかもしれません。
たとえば、2024年の7月には1株あたり1,130円だった株価が、2025年の3月にはその4分の1ぐらいまで下がってしまいました。
どうしてこんなに下がったのかというと、会社の売上や利益が大きく落ち込んだからです。
具体的には、2024年9月の決算では、売上が前の年にくらべて約24%も少なくなって78億円ほどになりました。
さらに、7億円以上の赤字となり、会社としての借金(負債)が資産を上回る「債務超過」という状態にもなってしまいました。
そのため、これまで出していた配当金もゼロになってしまい、株を持っている人にとってのメリットが減っています。
この会社のビジネスは、主に「個人向けの保険契約」をどれだけ増やせるかが大切です。
でも、最近はライフスタイルの変化や保険を扱う会社が増えたこともあり、思うように成長できていない状況です。
大手の保険代理店と比べると、名前の知名度や営業力の面でも、少し弱い部分があると言えます。
とはいえ、希望がまったくないわけではありません。
アドバンスクリエイトはネットを使った集客が得意なので、時代に合ったやり方でうまく展開できれば、また成長するチャンスはあります。
さらに、保険会社の業務を代わりに手伝う「BPO」というサービスにも力を入れていて、こうした新しい事業が伸びれば、安定した収入を得られるようになるかもしれません。
まとめると、アドバンスクリエイトは今のところ「すぐに買って長く持つ」のはちょっとリスクがあります。
会社の調子が良くなってきたサインが見えてから投資するほうが安心かもしれません。
株価が前のような高い水準に戻るには、何年か時間がかかる可能性があるので、「すぐにもうけたい」という人には向かない株と言えそうです。
株主優待にみる分析
アドバンスクリエイトの株主優待は、年間の利回りがとても高く、他の優待がある株と比べても「お得感」が大きいのが特徴です。
そのため、優待を目的に株を買う人にとっては、ぜひチェックしておきたい銘柄のひとつと言えるでしょう。
100株以上を持っていれば、「大丸・松坂屋フリーチョイスギフト『ロビン』」というカタログギフトと、「アドバンスクリエイト Club Off(クラブオフ)」という特典をもらうことができます。
「ロビン」は、約3,300円分の食品や日用品、雑貨などから好きな商品を1つ選べるカタログギフトです。
品ぞろえも多く、自分の好みに合わせて選べるのが魅力です。
そして「クラブオフ」は、ホテルや旅館、レジャー施設、レストランなどを割引価格で利用できる会員限定のサービスです。
映画館やテーマパークなど、日常でも使いやすい場所で割引が受けられるので、うまく活用すれば実際の生活費を節約することにもつながります。
今は株価がとても下がっているので、相対的に優待利回りが高く見えています。
これは「株価が安いから優待が魅力的に見える」というだけで、会社自体の元気さや成長力を見ないまま投資してしまうと、あとで後悔することもあるかもしれません。
長い目で見て、この会社が今後どんなふうに成長していくのか、または回復していけるのかが大きなポイントになります。
優待が魅力的でも、それがずっと続くとは限らないので、ニュースや決算発表などをチェックしながら、慎重に判断するのがおすすめです。
今のところ、優待利回りはとても高くて魅力的です。
でも、会社の業績が不安定な今は、株主優待がいつまで続くかわからないリスクもあるということを覚えておきましょう。
安全に優待を楽しむためには、「株価だけでなく会社の中身もしっかり見る」ことが大切です。
総合評価
アドバンスクリエイトは、株主優待の内容がとても充実していて、少ない金額から始められることもあり、初心者にとっても手が出しやすい銘柄です。
カタログギフトやレジャーの割引がもらえる優待は、実際の生活に役立つうえ、利回りの高さも魅力です。
一方で、会社の売上や利益が下がっていて、配当もゼロになるなど、経営面では厳しい状態が続いています。
そのため、今すぐ安心して“長期保有”できるかというと、少し慎重になる必要があります。
特に、優待の内容が今後も続くかどうかは、会社の経営状況次第で変わってくる可能性もあるので、そこは注意が必要です。
とはいえ、株価はすでにかなり下がっていて、いわゆる「底値圏」にあると見られています。
こうしたタイミングは「押し目買い」といって、安いうちに買っておくチャンスとも言えます。
業績が回復すれば、優待だけでなく株価の上昇も期待できるかもしれません。
結論としては、「優待の実用性に魅力を感じつつ、リスクも理解したうえで、少額から試してみるのはアリ」。
とくに中長期でじっくり様子を見たい方にとっては、今がエントリーのタイミングになる可能性もあります。
今後の会社の動きや決算をしっかりチェックしながら、うまく付き合っていく銘柄として検討してみてはいかがでしょうか。