毎日の買い物で使えるスーパーフジ[8278]。
そんな身近なお店の株を持つことで、どんなメリットがあるのでしょうか。
この記事では、株主優待の内容や会社の特徴、長期で保有するうえでのポイントをわかりやすくまとめました。
優待でお得に買い物したい人や、リスクをおさえた投資をしたい人にとって、フジの株は注目すべき選択肢のひとつです。
株価の動きや企業の安定性、そして優待の使いやすさなど、総合的に評価してご紹介します。
ぜひ最後までご覧ください。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
31.7倍 | 0.80倍 | 52.9% | 1.76% | 0.92倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.46% | 1.49% | 2.97% | 2月、8月 | 201,400円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
株価の値上がりを狙うというより、優待と安定した配当を楽しみながら長く保有したい人に向いています。業績や財務は安定しており、倒産リスクが低い点は安心材料です。ただし、店舗のない地域では優待の活用にやや制限があるため、地元に店舗があるかどうかで評価が分かれます。総合的に見て、生活に根ざした長期投資を考える人におすすめできる銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
フジ(8278)の株主優待は、保有株数に応じて「3つのコース」からいずれか1つを選べる仕組みです。
- 株主優待券(買物割引券):優待券はフジの直営店舗で利用可能
- フジネットショップポイント:ネット専用のポイント
- 地域特産品:地域の食品ギフト
のいずれかから選択できます。
さらに、一定の株数を長期保有している株主には「お米(新米)」がもらえる特典もあります。
保有株数 | 優待券(①) | ネットポイント(②) | 特産品(③) |
---|---|---|---|
100株以上 | 6,000円分(500円×12枚) | 3,000円相当 | 3,000円相当 |
300株以上 | 8,000円分(500円×16枚) | 3,000円相当 | 3,000円相当 |
400株以上 | 10,000円分(500円×20枚) | 3,000円相当 | 3,000円相当 |
500株以上 | 12,000円分(500円×24枚) | 3,000円相当 | 3,000円相当 |
1,000株以上 | 20,000円分(500円×40枚) | 10,000円相当 | 10,000円相当 |
2,000株以上 | 40,000円分(500円×80枚) | 10,000円相当 | 10,000円相当 |
3,000株以上 | 60,000円分(500円×120枚) | 10,000円相当 | 10,000円相当 |
4,000株以上 | 80,000円分(500円×160枚) | 10,000円相当 | 10,000円相当 |
5,000株以上 | 100,000円分(500円×200枚) | 10,000円相当 | 10,000円相当 |
長期保有特典(お米優待)
1年以上継続保有している株主を対象に、以下のとおり新米が進呈されます。
保有株数 | 内容 |
---|---|
300株以上 | 新米 2kg |
500株以上 | 新米 5kg |
フジオリジナルカレンダー
希望者にはフジのオリジナルカレンダー(壁掛け型)が送られます。
こちらは100株以上保有の株主を対象に、申込制で提供されます。
権利確定日と有効期限
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定日 | 毎年2月末日(優待選択制)・8月末日(長期保有お米特典) |
発送時期 | 優待は6月下旬頃発送。お米は11月下旬頃に発送。カレンダーは12月以降に別送。 |
有効期限 | 優待券の有効期限は翌年6月末まで(約1年)。ネットポイント・特産品は申込後に案内される期限内。 |
ご参考までに、優待券は一部テナント(専門店)では使用不可な場合があるため、利用可能店舗の確認が必要です。
また、特産品は年によってラインナップが変わる傾向にあります。
※優待券は「1会計2,000円(税込)ごとに1枚利用可能」などの使用条件があります。
会社情報

株式会社フジは、広島県と愛媛県に本部があるスーパーマーケットの会社です。
1967年に創業して以来、地域に根ざしたお店づくりを続けてきました。
おもに中国地方や四国地方、そして兵庫県の一部で多くの店舗を展開しています。
フジが運営するお店は約490店舗ほどあり、「フジ」や「フジグラン」などの名前で親しまれています。
お店では食料品だけでなく、衣料品や日用品も扱っており、生活に必要なものが一通りそろいます。
地域のお客さんの声を大切にしながら、売り場づくりを工夫しています。
フジは地元の人たちにとって欠かせないお店となっていて、地元の農産物や特産品を多く取り扱っているのも特徴です。
近年では、フジはイオングループの一員となり、マックスバリュ西日本などと経営を一体化させています。
これにより、より広い地域での事業展開が可能になりました。
グループ全体では500店舗以上のネットワークを持つ大きな小売グループに成長しています。
また、スーパーマーケットだけでなく、ネットスーパーや移動販売、外食事業、フィットネス事業など、いろいろな分野にもチャレンジしています。
こうした事業はすべて、「地域のくらしを支える」という考えのもとで行われています。
フジは、店舗でのサービスだけでなく、災害時の支援や地域イベントへの協力など、社会貢献にも力を入れています。
今後も地元とのつながりを大切にしながら、便利で安心できる買い物環境を提供していくことを目指しています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
フジの株式は、長期で安定した運用をしたい人に向いている銘柄です。
ここ30年間の株価チャートを見ても、大きな波に乗るような値動きはなく、全体としては横ばいからやや下がり気味の傾向が続いています。
つまり、株価の値上がりを狙うというよりは、配当や株主優待といった「持っていることのメリット」を重視する人向けです。
市場からの注目度はそれほど高くありません。
ただし、それはネガティブな意味ばかりではなく、「値動きが少ない=価格が安定している」という見方もできます。
スーパーという業態は、景気に左右されにくく、生活に必要な買い物を支える存在です。
そのため、景気が悪くなっても突然業績が大きく崩れることは少なく、いわばディフェンシブな性格を持つ銘柄です。
財務面では、自己資本がしっかりしており、倒産のリスクはかなり低いと見られます。
長期保有を考える上では、この安心感はとても大事です。
業績のブレが小さく、一定の利益を確保できているため、毎年しっかりと配当も出しています。
また、フジはイオングループとの統合により、より広いネットワークと経営基盤を手に入れました。
この動きによって、将来的に店舗の効率化や商品調達の強化が進み、利益体質が改善される可能性もあります。
ただし、急成長を期待するような投資家にとっては物足りないかもしれません。
これまでの株価推移から見ても、短期間で資産が2倍3倍になるような展開は考えにくいです。
また、成長性という意味では、ネットスーパーや移動販売など新しい取り組みも見られるものの、それがすぐに業績に大きなインパクトを与えるとは言えません。
このように、フジの株式は「成長より安定」を重視した投資先です。
価格の上昇を狙うというよりは、株主優待や配当を楽しみながら、じっくり長く持つという考え方が合っています。
生活に密着した企業であること、そして倒産リスクが小さいこと。
この2点を重視する人にとっては、ひとつの選択肢としてポートフォリオに組み入れる価値があります。
逆に、積極的に資産を増やしたい人や、トレンドに乗って売買したい人にとっては、あまり魅力を感じにくいかもしれません。
総合的に見て、フジは地味ながらも堅実な企業です。
目立つ存在ではありませんが、「持っていて安心できる株」というのは、長期投資ではとても大切な条件の一つです。
株主優待にみる分析
フジの株主優待は、内容がとても充実していて、長期で株を持ち続ける人にとっては魅力のある制度になっています。
まず注目したいのが、「3つのコース」から自分に合った優待を選べる仕組みです。
買い物割引券・ネットショップのポイント・地域特産品という選択肢は、使う人のライフスタイルに合わせやすく、優待を「無駄にしない工夫」がされています。
割引券はフジ系列のスーパーやショッピングセンターで使えるので、近くに店舗がある人には実用性が高いです。
特に、食品や日用品といった日常的に必要な買い物にそのまま使える点は、家計の節約にもつながります。
ネットショップのポイントも、オンラインで手軽に利用できるため、近くに店舗がない人にも配慮された設計です。
さらに、地域特産品のコースでは、年によって変わるギフトを楽しむことができ、毎年のちょっとした楽しみにもなります。
また、フジには長期保有株主向けの「お米プレゼント」もあります。
300株以上を1年以上保有することで新米2kg、500株以上では5kgがもらえる制度です。
これは、単なるお得感だけでなく、「株を長く持ち続けてくれる株主を大事にする姿勢」の表れでもあります。
企業と株主の関係が一方通行ではなく、お互いに信頼しあっていることが伝わってきます。
このように、優待の内容はとても手厚く、しかも選択制や長期特典といった配慮も含まれています。
そのため、「株を長く持ち続けたい」と考える人にとって、フジの株主優待は実際の利回り以上の満足感を与えてくれるでしょう。
一方で、優待が魅力的であっても「使える人」と「使いにくい人」が分かれるのも事実です。
フジの店舗は主に中国・四国・兵庫エリアにあるため、それ以外の地域に住んでいる人には買い物券の活用が難しい場面もあります。
ネットショップや特産品で代替はできるものの、実店舗が身近にある株主に比べると使い勝手の差は出てきます。
さらに、優待の中身はとても良い反面、利回りとしてはそこまで高くはありません。
100株で選べる買い物券(6,000円分)は、実際にフジを日常的に使っている人でないと恩恵を感じづらい可能性もあります。
総合的に見て、フジの優待は「店舗をよく使う地域の人」や「優待を丁寧に活用できる人」にとっては、非常におすすめできます。
長期保有でさらにお米がもらえる仕組みも含めて、持ち続ける楽しみを感じさせてくれる優待制度です。
逆に、店舗が近くにない人や、優待を金券としてすぐ現金化したい人にとっては、少し相性が合わないかもしれません。
こうした点を踏まえると、フジの優待制度は「生活圏にお店がある長期投資家」にとって、安定した魅力を持つ選択肢と言えるでしょう。
総合評価
フジの株は「資産をどんどん増やしたい人」には向きませんが、「優待を楽しみながら、安心して長く持ちたい人」にとってはちょうどよい銘柄です。
とくに、地元にお店がある人や、毎日の買い物で優待を使える人にとっては、配当もあわせてメリットを感じやすいはずです。
企業の成長スピードはゆるやかですが、地元に根ざした経営や着実な利益確保は、長期保有において信頼できるポイントとなります。
投資スタイルによって評価が分かれる銘柄ですが、フジのような企業を1つ持っておくと、ポートフォリオ全体のバランスがよくなる場合もあります。
リスクをおさえて、じっくり資産を守りたいという人にとって、選択肢のひとつになるでしょう。