さいか屋[8254]は神奈川県を中心に店舗を展開する、地域密着型の百貨店です。
株価は大きく動くことが少なく、長期で落ち着いて持つことができる銘柄といえます。
配当はありませんが、株主優待が充実しており、買い物や食事で実際に使えるお得な券がもらえるのが魅力です。
投資として大きな成長を狙うよりも、日々の生活に役立つ優待を楽しみながら長く保有することに向いている株といえるでしょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
23.58倍 | 2.97倍 | 6.67% | 10.76% | - |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
0.00% | 0.00% | 買物優待券のため 計算不可 |
2月、8月 | 47,600円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
派手な成長は期待しにくいものの、地域に根ざした安定感と実生活に直結する優待が魅力の銘柄です。配当はありませんが、買い物や食事で使える優待券を年2回もらえるため、長期保有と相性が良いといえます。財務面に弱さはあるものの、優待を活用しながら生活を豊かにしたい投資家には十分検討する価値があります。 |
株主優待情報

株主優待の内容
株主優待は、年に2回(2月末・8月末)もらえます。
100株以上を保有している株主の特典は、以下の3つに大きく分かれます。
内容 | 詳細 |
---|---|
① 株主買物優待券(直営駐車場利用券) | 1回の買い物につき1枚使えます。商品本体価格の10%割引(食品は5%割引)。一部対象外あり。横須賀店・藤沢店では駐車場利用にも使えます。 |
② AFCグループ割引券(通販・店舗共通) | 額面2,500円の割引券が2枚。通販では「げんきあっぷ きれいあっぷ」カタログから注文時に1枚使用可(5,000円以上の注文)。店舗でも利用可能。ただし他の優待との併用不可。 |
③ 食事優待割引券 | 額面500円の券が10枚。食事代金(税込)1,000円ごとに1枚使えます。利用可能店舗は「天ぷらと手延べそうめん あさやま」「うなぎの佳川」(横須賀店)、「静岡うなぎ」(藤沢店)、お |
なお、保有株数が多いほど、①の枚数が増えます:
- 100株以上:①15枚、②2枚、③10枚
- 200株以上:①20枚、②2枚、③10枚
- 300株以上:①25枚、②2枚、③10枚
- 500株以上:①30枚、②2枚、③10枚
- 1,000株以上:①35枚、②2枚、③10枚
権利確定日と有効期限
8月末権利分 → 11月頃発送
権利確定月(権利取得可能月):2月末日、8月末日(年2回)
権利付き最終日:例として、2025年は2月26日(水)、8月27日(水)
権利落ち日:翌営業日(例:2025年は2月27日、8月28日)
権利確定日:翌営業日(例:2025年は2月28日、8月29日)
発送時期:2月末権利分 → 5月頃発送
会社情報

株式会社さいか屋は、神奈川県を中心に百貨店を展開する老舗企業です。
本社は川崎市川崎区にあり、1872年の創業以来、地域と共に歩んできました。
長い歴史の中で培った信頼をもとに、現在も地域の人々に身近な存在として親しまれています。
さいか屋が運営する店舗は、藤沢店・横須賀店・川崎店の3店舗です。
藤沢店と横須賀店が主力の大型店舗で、幅広い世代に利用されています。
一方の川崎店はサテライト型と呼ばれる小規模店で、地域に密着した営業を行っています。
このように、店舗の形は異なりますが、どこも地域に根ざした存在であることに変わりはありません。
企業理念は「地域のお客様に安心と潤いのある生活を提案し、地域で最も支持される百貨店をめざす」ことです。
その理念を実現するために、「さいか屋スピリッツ」として笑顔や真心、積極性、そして若々しい感性を大切にしています。
従業員一人ひとりがその精神を共有し、お客様に寄り添った接客やサービスを心がけています。
主力の事業は百貨店ですが、食料品、衣料品、雑貨など幅広い商品を取り扱っています。
また、大型専門店をテナントとして招き、ショッピングの楽しさをより高める工夫もしています。
さらに、インターネットショッピング事業や金・地金の買取といった新しい取り組みにも挑戦しています。
時代の流れや地域のニーズに合わせて事業を広げる姿勢は、老舗ながらも柔軟で挑戦的な特徴といえるでしょう。
さいか屋はグループ企業や関連会社を通じて、健康食品の製造や、金融、保険、不動産などの分野にも関わっています。
こうした多角化は、百貨店事業を支える基盤となると同時に、地域社会へのサービスを広げる役割も果たしています。
歴史を重ねながらも新しい挑戦を続けるさいか屋は、百貨店という枠を超え、生活文化を支える存在へと進化しています。
これからも地域に安心と潤いを提供し続ける企業として、歩みを進めていくと考えられます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
さいか屋の株を長期的な目線で見ていくと、派手さはないものの堅実さが際立つ銘柄だといえます。
30年の株価の動きを眺めると、大きな波のように急激に上がることもなく、逆に大きく崩れてしまうこともありませんでした。
緩やかな山と谷を繰り返しながら、一定の範囲で安定して動いてきたことが特徴です。
この動き方は、短期間で大きな利益を狙う人には物足りなく見えるかもしれません。
しかし、長い時間をかけて資産を守り育てたい人にとっては、落ち着きのある株といえるでしょう。
会社の規模は全国的な百貨店チェーンと比べると小さめで、地域に根ざした経営を続けています。
藤沢や横須賀といった地元のお客様が中心で、地域からの信頼が会社を支えてきました。
つまり、全国の景気動向に大きく左右されにくく、地元の生活に密接に関わることで安定した収益を生み出しているのです。
大規模な成長を目指すよりも、地域にしっかり根を張ってコツコツと続けていく姿勢が、この会社の一番の強みです。
もちろん課題もあります。
百貨店という業態は全国的に見ると縮小傾向にあり、オンラインショッピングや大型商業施設との競争が厳しくなっています。
そのため、急速な成長を期待するのは難しい状況です。
また、会社の規模が小さい分、経済環境の変化や消費不振が長く続くと、経営に与える影響が大きくなりやすい点も注意が必要です。
それでもさいか屋は、地域で長く営業を続けてきた経験や、顧客との信頼関係をもとに柔軟に対応してきました。
新しい取り組みとして通販事業や健康食品関連の分野にも足を踏み入れ、多角的に収益を確保しようとしている姿勢も見られます。
投資家の目線からすると、この銘柄は短期的な売買で利益を狙うというよりも、優待を活用しながら長く持つことに向いています。
株主優待では買い物や飲食に使える割引券がもらえ、生活の中で役立つ実利があるため、数字に表れない魅力が加わります。
配当がないため現金収入は期待できませんが、優待を積極的に活用することでトータルの満足度は高まるでしょう。
これは長期的に家計の一部を支えてくれる存在として、投資の楽しみ方を広げてくれる要素です。
総合的に見れば、さいか屋の株は大きな成長株ではありません。
けれども、地域にしっかり根ざした安定性や、優待を通じて日常生活に還元できる点を考えれば、ポートフォリオに加える意味は十分にあります。
特に長期保有を前提にして、投資を通じて「生活の豊かさ」を実感したい人に向いている株といえるでしょう。
派手さはないけれど地元に寄り添ってきた安定感、そして優待を通じた実益。
この二つが、さいか屋に投資する価値を支える根拠となります。
株主優待にみる分析
さいか屋の株を長く持つ魅力は、何といっても株主優待にあります。
この会社は地域密着型の百貨店であるため、現金配当を出す余裕はあまりありません。
けれども、その代わりに株主優待を充実させることで、株を持つ人への還元を工夫しています。
優待の内容は買い物や食事で実際に使えるもので、投資をしながら生活を少し豊かにできる点が大きな魅力です。
優待は年に2回もらえます。
内容は大きく三つに分かれていて、買い物優待券、AFCグループの割引券、そして食事割引券です。
買い物優待券は、食品や衣料品の購入時に使える割引券で、生活に直結する日常的な買い物に役立ちます。
特に地元の店舗を普段から利用している人にとっては、家計を助けてくれるありがたい存在になるでしょう。
AFCグループの割引券は、健康食品や美容関連の商品を扱う店舗や通販で使えます。
これは全国どこからでも利用できるため、地域外の株主にとってもメリットがあります。
さらに、食事割引券は直営レストランや関連店舗で使え、休日の外食や家族の食事会を少しお得に楽しむことができます。
優待の特典は、持っている株の数に応じて内容が増えていきます。
100株から利用できますが、株数を増やすことで買い物優待券の枚数が増える仕組みになっています。
つまり、長期で多めに株を持つ人ほど、日常生活に直結した実利を大きく享受できるようになっています。
また、権利確定は年に2回あるため、待つ楽しみが年に2度訪れるのも投資家にとって嬉しいポイントです。
この優待は、単なる割引券以上の意味を持っています。
百貨店という業態は地域に根ざしているため、優待を通じて株主自身が店に足を運ぶきっかけとなります。
その結果、株主とお店とのつながりが強まり、企業にとってもリピーターを増やす効果があります。
株主は優待を楽しみながら自然と会社を応援する立場になり、企業と株主の関係がより密接になります。
このように優待は単に得をする仕組みではなく、会社と投資家が互いに支え合う関係を築く大切な役割を果たしているのです。
長期的な投資の観点で見ると、この優待制度は会社の安定性にも関係しています。
配当がないため、優待を目的にした株主が多く、株価が大きく動きにくいという特徴があります。
短期的な利益を狙う人には向きませんが、優待を日々の暮らしで活かしたい人にはとても相性の良い株です。
特に、神奈川県に住んでいて実際に店舗を利用できる人にとっては、金銭的なメリットだけでなく「地元のお店を応援している」という満足感も得られるでしょう。
一方で、店舗が近くにない人にとっては一部の優待を使いにくい点もありますが、AFCグループの割引券のように通販で利用できる優待もあるため、工夫すれば全国の株主にも十分メリットがあります。
総合的に見ると、さいか屋の優待は「生活に役立つ実利」と「企業と株主の絆」という二つの価値を持っています。
配当がない分、優待を使いこなすことで投資の満足度を高めることができる仕組みです。
そのため、長期的に株を保有し、優待を活かしながら楽しみたい人にとって、さいか屋は十分に投資対象として検討する価値があるといえます。
総合評価
さいか屋は「大きな成長を狙う株」ではなく「生活に寄り添い、優待を通じて楽しみながら持ち続ける株」といえます。
財務面に弱さはあるものの、優待の魅力や地域に支えられた安定感を考えると、長期保有を前提にポートフォリオに組み込む価値は十分にあります。
配当金での収益を重視する人には向きませんが、優待をしっかり使って日常生活で得をしたい人には非常に相性の良い投資先です。