コクヨ[7984]は、「キャンパスノート」に代表される文具と、オフィス家具・空間づくりを二本柱に展開する総合オフィス用品メーカーです。
学校・家庭・職場のあらゆる“はたらく・まなぶ”シーンを支える製品群を国内外で提供し、法人向け通販「カウネット」や空間設計などサービス領域も広げています。
株主優待は「自社グループ商品」または「寄付」を選べる仕組みで、文具中心の実用品が届くのが魅力です。
長期チャートは右肩上がりの局面を保ちつつも、バリュエーションは中立圏で「組み入れを検討する水準」です。
株式情報
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 19.35倍 | 1.54倍 | 71.8% | 8.50% | 0.76倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 2.83% | 2.60% | 0.23% | 12月 | 1,770,000円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 安定性とブランド力で“守りの要員”としては優秀ですが、利回りと成長のドライブは控えめです。ポートフォリオのコアよりも、景気敏感株を補完するサブ枠としての組み入れが現実的。コクヨ製品を日常で使う家庭なら、優待の実用性も相性が良く、長期で満足度を得やすい銘柄です。 |
株主優待情報
コクヨの株主優待は、12月末の権利確定で年1回、「自社グループ商品」または「寄付」から選択できる仕組みです。
株主優待の内容
| 保有株数 | 内容(どちらか選択) |
| 2,000株以上 | ①自社グループ商品 4,000円相当 / ②マテリアリティに基づく寄付 4,000円 |
| 4,000株以上 | ①自社グループ商品 7,000円相当 / ②寄付 7,000円 |
優待の詳細および寄付先は同社IRページで公表されています。
権利確定日と有効期限
権利確定月は12月末です。
優待の案内は翌年春頃に送付され、案内に記載の期限までに希望を選択します。
寄付を選べる仕組みは2022年度から導入され、社会貢献につながる選択肢として定着しています。
会社情報
コクヨは、明治創業のオフィス用品メーカーで、現在は文具・紙製品、オフィス家具、ワークプレイス設計の三領域を中心に事業を展開しています。
学生におなじみの「キャンパスノート」をはじめ、ファイルや筆記具、のりやテープなど日常使いの文具まで幅広く扱い、家庭や学校、オフィスでの基本ツールを提供しています。
家具分野ではデスクやチェア、会議テーブル、収納などを手がけ、オフィス移転や改装に合わせた空間設計、施工、働き方のコンサルティングまで一気通貫で対応できる体制を強みにしています。
法人向け通販の「カウネット」を通じて、日用品やオフィス消耗品をワンストップで配送する仕組みも確立しており、文具メーカーの枠を超えた“総合オフィス・ソリューション企業”としての存在感を高めています。
直営店舗網を大量に出店するモデルではなく、量販店や専門店、ECを通じた販売が中心です。
国内だけでなくアジアを中心に海外拠点も展開し、オフィス家具の製造・販売、文具のローカル生産や販売網の整備を進めています。
プロダクトは長年のデザインと品質で支持され、近年はサステナビリティ素材の採用や、働く人の健康に配慮したチェアやデスクなど、時代のニーズに合わせた改良が進んでいます。
また、ワークプレイス研究やユーザー調査の知見を製品や空間提案に反映することで、単なるモノ売りにとどまらない付加価値を生み出しています。
同社は財務の健全性が高く、自己資本比率が高水準で安定している点も特徴です。
景気や働き方の変化に応じて需要の波はありますが、学校やオフィスに不可欠な基礎商材を持つため、極端に業績がぶれる場面は限定的です。
このように、コクヨは生活と仕事の“基盤”を支える企業として、製品・サービス・流通を組み合わせた強い事業モデルを築いています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報から見る投資おすすめ度と根拠
コクヨは長期の資産形成で“土台”になりやすい企業です。
自己資本比率が高く、利益体質も安定しており、景気変動で極端に崩れにくい構造を持っています。
売上は文具と家具、さらにサービスの収益で分散され、学校・家庭・オフィスという用途の広さが需要の底堅さを生みます。
一方で利回りは中庸で、株価指標も割安とも割高とも言い切れない「中立」ゾーンに位置します。
成長ドライバーは、オフィス回復や働き方の再設計によるファニチャー需要、海外展開、サステナビリティ対応製品の拡販などです。
ただし、景気後退や設備投資の延期、為替の振れなどで家具の大型案件が先延ばしになる局面はあり得ます。
長期チャートは大局的に上向きを保ち、企業体質の改善とブランド力の強化が評価されてきましたが、直近は業績進捗を織り込む範囲での推移です。
総合的には「守りのセクターで、配当を受け取りながらゆっくり育つ」イメージが近く、ポートフォリオの中核というよりは、景気敏感株のボラティリティを和らげるバランサーとして機能します。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
コクヨの優待は、文具を中心とした実用品が届くため、家庭や学習シーンで使い切れる点が魅力です。
毎年内容は工夫され、ファン層との接点づくりとしての役割も果たします。
一方、最低取得が2,000株とハードルが高く、金額ベースの優待利回りは控えめです。
配当と組み合わせた総合利回りは「実用品が届く楽しさ」を加味して評価できるものの、純粋なリターン指標ではインパクトに欠けます。
長期保有に向くかという視点では、優待の継続性と実用性、そしてブランドへの愛着形成に優位性があります。
寄付を選べる仕組みは企業姿勢として好感度が高く、長期のESG観点とも整合します。
総じて、優待を目当てに新規で重く買う銘柄ではなく、コクヨ製品に親しみがあり、生活の中で価値を感じられる投資家が“長く付き合う”タイプの優待です。
総合評価
株式面は安定・健全・中庸な評価、優待面は実用・継続・低利回りというバランスです。
よって、ポートフォリオの守りを厚くしたい時期に、生活密着型の優待を“おまけ”として楽しみながら保有するのがフィットします。

