医療の現場で使われる「針」や「メス」などの器具をつくっているマニー[7730]は、見た目は地味でも、世界中で必要とされているすごい会社です。
特に手術用の針ではトップクラスのシェアを誇り、海外からの評価も高いのが特徴です。
会社の経営はとても安定していて、自己資本比率90%以上という強い財務体質も魅力のひとつ。
最近では、長期で株を持ってくれている株主に対して、QUOカードを贈る優待制度もはじまりました。
派手に株価が動くタイプではありませんが、長くじっくり応援していきたい会社として、多くの長期投資家に注目されています。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
18.6倍 | 2.21倍 | 90.6% | 12.5% | 6.35倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.08% | 3.25% | 0,83% | 8月 | 361,800円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
医療現場で使われる精密器具を手がける専門メーカーで、高い自己資本比率が魅力の企業です。株価は派手に動きませんが、配当と優待を合わせた総合利回りは高く、3,000円分のQUOカードがもらえる優待もあります。成長性よりも安定性を重視する方におすすめの銘柄です。 |
会社情報

マニー株式会社は、栃木県に本社を置く医療器具のメーカーです。会社のスタートは1959年で、長い歴史をもっています。
世界中の病院や歯医者さんで使われる「手術に使う針」や「眼科の手術で使うナイフ」、「歯の治療に使う器具」など、命にかかわるような医療の現場で必要とされる、細かくて正確な道具をつくっています。
マニーの大きな特徴は、その「ものづくりのこだわり」にあります。
たとえば、針の先をとても細く鋭くつくったり、刃物の切れ味を長持ちさせるような加工をしたり、ほんの少しの誤差も許されない製品づくりをしています。
これは、手術中の医師が使いやすく、患者さんに負担をかけずにすむために、とても大切な技術です。
事業は日本国内だけでなく、海外にも広がっていて、売上の約80%以上は海外での取引です。
アメリカ、ヨーロッパ、アジアなど世界中に販売網を持ち、たくさんの国の医療現場でマニーの製品が活躍しています。工場は日本(栃木)だけでなく、ベトナムやラオスにもあり、高い技術をしっかり守りながら、安定した生産体制を整えています。
会社の経営方針としては、「永続する企業」をめざしていて、売上や利益をただ伸ばすのではなく、長く信頼される製品をつくり続けることを大事にしています。
そのために、社員の教育にも力を入れており、全員が高い意識で製品づくりに取り組んでいるそうです。
ブランドとしては、「MANI」という名前そのものがブランドとして世界的に知られていて、製品ひとつひとつにこのロゴが刻まれています。
小さな手術器具の世界では、このブランド名は信頼の証として大きな意味を持っています。
また、最近ではSDGs(持続可能な開発目標)にも積極的に取り組んでいて、環境への配慮や地域社会への貢献などにも力を入れています。
たとえば、使う材料を見直したり、電力の効率化を進めたりと、企業としての責任もきちんと果たそうとしているのがわかります。
マニー株式会社は、見た目には地味かもしれませんが、医療の安心・安全を支えている、なくてはならない企業です。
派手さはないけれど、安定して成長してきた背景には、しっかりとした技術力と信頼があるからこそ。そうした姿勢に共感できる方には、長く応援しがいのある企業だと思います。
株主優待情報

マニー株式会社は、医療機器の製造・販売を手がける企業であり、QUOカードがもらえます。
この優待制度は、長期保有の株主に対して感謝の意を表すものであり、以下の条件を満たす株主が対象となります。
株主優待の内容
300株以上を1年以上継続保有している株主に対して、オリジナルQUOカード(3,000円分)または、日本赤十字社への寄付を行えます。
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定月 | 毎年8月末 |
優待品の発送時期 | 毎年11月下旬ごろを予定 |
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
マニー株式会社は、医療用の器具をつくる専門メーカーです。
売上の8割以上が海外向けというグローバル企業でもあり、医療ニーズが今後も世界中で高まることを考えると、長期的には安定成長が期待できる分野です。
株式の評価として、まず注目すべきは財務の安定性です。
自己資本比率は90%を超えており、これは「借金に頼らず、自分の資本でしっかり会社を運営できている」ということを意味します。
たとえば、景気が悪くなったときや、為替の変動があったときでも、会社が急に苦しくなるリスクが低いという安心材料になります。
また、ROE(自己資本利益率)も高めで、経営の効率が良いことがわかります。
これは、会社が預かっているお金をどれだけうまく使って利益を出しているかという指標で、マニーは資金を無駄なく使って成果を上げている企業だといえます。
PER(株価収益率)は市場平均と比べてやや高めですが、それだけ「将来の成長が期待されている」という評価が株価に含まれているとも言えます。
つまり、割高に見えるかもしれませんが、それは市場からの信頼の表れでもあるのです。
もちろん、過去と比較して高すぎると判断されれば、株価調整が入ることもありますが、今のところは過剰評価とは言いにくい水準です。
信用倍率が高めなのはやや気になります。
これは「信用取引で買っている人が多く、売りが少ない」状態を意味し、需給バランス的にはやや買いが偏っているとも取れます。
ただ、これは短期的な需給の話であり、長期で見れば企業の実力が株価に反映されるため、そこまで大きな懸念にはなりません。
長期チャートを見ると、2000年代から少しずつ株価を上げており、リーマンショックなどの下落局面も経て回復しています。
ただし、ここ数年はやや停滞気味で、勢いが鈍化している印象もあります。
この背景には、為替影響や原材料価格の上昇などが影響している可能性もあり、外部環境の変化には注意が必要です。
とはいえ、医療機器という業種は景気の変動に左右されにくく、高齢化社会が進む中ではむしろニーズが増える分野です。
その中で安定した収益をあげているマニーは、長期投資に向いた企業といえるでしょう。
株主優待にみる分析
マニー株式会社の株主優待制度は、シンプルでありながら、長く持ち続ける投資家にやさしい内容になっています。
具体的には、「300株以上を1年以上持っている人」に対して、年に1回、3,000円分のオリジナルQUOカードがもらえるという仕組みです。
もしくは、自分が受け取る代わりに、日本赤十字社への3,000円分の寄付を選ぶこともできます。
この制度は、ただ株を買っただけではもらえず、「1年以上の継続保有」が条件となっているのがポイントです。
つまり、「ちょっと株価が上がったから売ってしまおう」といった短期的な投資では対象外となってしまうため、マニーとしては“応援してくれる株主”に優待を届けたいという思いが伝わってきます。
QUOカードは、コンビニやドラッグストア、本屋など、いろいろなお店で使えるため、もらってすぐに使える便利なプレゼントです。
実際、もらった人の感想をネットで見ると、「デザインがかわいい」「実用的で助かる」といった好意的な声が多く見られます。
企業オリジナルのデザインであることも多く、ちょっとしたコレクション要素を楽しむ人もいるようです。
さらに注目すべきは、優待利回りの高さです。
この水準は、他の東証プライム市場の中でも比較的高く、安定した企業でこれだけの利回りが得られるのは、長期保有を考えている投資家にとって魅力的なポイントです。
特に、銀行の預金利息がほぼゼロに近い今の時代において、現金やQUOカードのような「使えるリターン」を受け取れるのは、実利的なメリットがあります。
加えて、社会貢献に興味がある方にとっては、赤十字社への寄付を選べるのも評価される点です。
「もらって終わり」ではなく、「良いことをする選択肢がある」というのは、企業としての姿勢のあらわれでもあります。
こうした制度があることで、会社への信頼感も高まりますし、株主としての満足度も上がるでしょう。
注意点としては、あくまで「300株以上・1年以上保有」が条件であることです。
つまり、株価だけを見て少しの値上がりで売ってしまうと、優待の権利を逃してしまいます。
そのため、この優待制度は“長期的に応援したいと思える会社かどうか”を見極めるひとつの基準にもなります。
総合評価
マニー株式会社は、「地味だけど、なくてはならない」そんな存在感のある企業です。
医療の現場で使われる針やメス、歯科用の道具など、命にかかわる製品を世界中に届けており、その品質と信頼性の高さは国内外で評価されています。
株式と優待の両方を考えたとき、マニーは「派手さはないけど、地に足のついた堅実な投資先」として非常に魅力的です。
株主と企業が“長い付き合い”をすることを前提にした設計になっており、資産形成の基盤として長く保有するのに向いている銘柄だといえます。