ヤマハ発動機[7272]は、バイクや船、ロボットなど幅広い分野で世界に展開している会社です。
株価は長期的に安定しており、配当も4%を超える水準で株主にしっかり利益を返しています。
さらに株主優待として、ポイントをもらい名産品やスポーツ観戦チケットなどと交換できる制度が用意されています。
長く持つほど優待ポイントが増える仕組みになっているため、長期投資を考える人にとって魅力的な銘柄です。
株式投資で安定と楽しみの両方を求めるなら、ヤマハ発動機は注目する価値のある企業だと言えるでしょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
24.2倍 | 0.95倍 | 41.7% | 9.7% | 7.72倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
4.46% | 4.46% | 0% | 6月、12月 | 112,150円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
ヤマハ発動機は、財務基盤が安定し、配当利回りも高水準で、株主還元に積極的な企業です。株主優待はポイント制で、長期保有によって付与ポイントが増える仕組みがあり、投資家にとって実益と楽しみの両方をもたらします。事業は景気や為替の影響を受けやすい側面もありますが、バイクやマリン、ロボティクスなど成長余地のある分野に広く展開しており、長期的な安定と成長が期待できます。 |
株主優待情報

株主優待の内容
Tヤマハ発動機の優待は、保有株数と保有期間に応じて「株主優待ポイント」が進呈され、ポイントに応じて名産品やヤマハ関連体験、スポーツ観戦チケット、施設割引、寄付などと交換できます。
ポイント進呈は年1回で、基準日は12月末です。
内容は以下のとおりです。
保有株数 | 3年未満 | 3年以上 |
---|---|---|
100株以上 | 1000ポイント | 2000ポイント |
300株以上 | 2000ポイント | 3000ポイント |
1000株以上 | 3000ポイント | 4000ポイント |
3000株以上 | 4000ポイント | 5000ポイント |
ポイントの交換例は、自社およびグループ拠点(静岡・北海道・宮城・熊本など)の名産品、Jリーグ「ジュビロ磐田」観戦チケット、ラグビー関連グッズや関連施設の割引、社会貢献基金への寄付などです。
長期保有でポイントが上乗せされる設計は、長期投資家と相性が良い点です。
権利確定日と有効期限
優待ポイントの権利確定日は12月末です。
ポイント交換の案内は、毎年3月の定時株主総会終了後に送付されます。
このほか、6月末には「翌年カレンダー(希望者)」の配布があり、3000株以上でレーシングまたはマリンのデザインを選べます。
会社情報

ヤマハ発動機株式会社は、1955年7月1日に設立され、静岡県磐田市に本社を置く、日本の代表的な輸送機器メーカーです。
ヤマハ発動機の事業は、もともとは二輪車の開発・生産から始まりました。
そこから技術を広げ、今ではモビリティ、マリン、アウトドア車両、ロボティクスなど多彩な分野に展開しています。
モビリティ事業では、バイクや電動アシスト自転車を扱います。
マリン事業では、ボート、船外機、漁船、レジャー用舟艇を製造・販売しています。
アウトドア車両では、四輪バギーやゴルフカーなどの小型車両を手がけています。
ロボティクスや産業機器の分野では、表面実装機器や産業用ロボット、無人航空機などを提供しています。
さらに金融サービスや関連商品の販売も行っており、グループ全体で幅広い事業を担っています。
これらの事業を通じて、陸・海・空のさまざまな領域に製品を提供し、技術のシナジーを活かそうとしています。
店舗や販売網にも特徴があります。
ヤマハではバイク販売店を「YSP」という名称で運営することが多く、国内では2023年4月時点で専門店が74店、アドバンスディーラーが49店存在しています。
また「3S店舗」という形態を国内で200カ所展開し、海外ではインドを中心にプレミアム店舗を400店以上展開しています。
これにより国内外でのブランド力強化と販売網の拡充を図っています。
ヤマハブランド全体では、楽器や音響分野を担うヤマハ株式会社とは別の会社ですが、グループの一員としてブランド価値を共有しています。
体験型のブランドショップや直営店の運営に関わることで、顧客との接点を増やし、ブランド全体の発信力を高めています。
ヤマハ発動機の強みは、技術の応用範囲の広さです。
二輪の技術をコアとしながら、船やロボットなど別の領域に技術を展開している点は大きな特徴です。
販売網の質も重視しており、プレミアム店舗や3S店への転換を進めることでブランド価値をさらに高めています。
ただし、バイクやマリン事業は景気や燃料価格、為替の影響を受けやすいというリスクもあります。
そのため、技術力とブランド力を活かしつつ、複数分野に事業を分散させる経営を行っているのが特徴です。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
ヤマハ発動機の株を長期的に見たとき、投資家にとって魅力的なポイントはいくつかあります。
まず、30年の株価チャートを見ると、短期的な上下の波はあるものの、全体としては安定した成長基調を描いています。
世界的な景気変動や為替の影響を強く受ける事業内容であるにもかかわらず、長期の視点では底堅い推移を示しており、企業としての基盤がしっかりしていることが分かります。
業績面では、売上や利益は安定的に拡大しており、経営の体力があることが株価に反映されています。
自己資本比率も比較的高く、財務体質は比較的健全です。
借入金に過度に依存する体質ではなく、自社で成長投資や研究開発に資金を回せる余裕があります。
この点は長期保有において非常に安心感を与える要素です。
また、ROEはそれほど高い水準ではありませんが、製造業としては一定の効率性を確保していると評価できます。
PBRも1倍を下回る水準で推移しており、市場から見た割安感は一定程度存在しています。
ただしPERはやや高めの水準にあり、短期的に強い成長期待がある銘柄と比べると、株価が割安とは言い切れません。
また、注意点もあります。
ヤマハ発動機は事業構造上、二輪やマリン製品といった景気循環や為替相場に大きく影響される領域に依存しています。
特に新興国市場の需要や、為替の円高・円安の影響によって利益が大きく振れることが過去にもありました。
短期的に株価が急落する局面は避けられず、ボラティリティが一定程度存在する点は理解が必要です。
ただし、長期的な視点で見ると、電動モビリティやロボティクスといった新しい分野に積極的に投資しており、これが将来の収益源となる可能性があります。
また、海外展開を積極的に行っているため、成長市場であるアジアやアフリカでの需要増に対応できる強みがあります。
こうした点を総合的に判断すると、ヤマハ発動機の株は短期的な値動きには注意が必要ですが、長期保有には十分に適した銘柄だと言えます。
財務基盤が安定し、配当も厚く、優待も用意されているため、投資リスクを分散したポートフォリオの中に組み入れる価値があるでしょう。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
ヤマハ発動機の株主優待は、単なる一時的な特典ではなく、長期投資家にとって着実なリターンを得られる仕組みとして設計されています。
まず特徴的なのは、保有株数と保有期間によって優待ポイントが増えるという点です。
例えば100株を3年以上持ち続けると、毎年2000ポイントが付与されます。
ポイントはカタログギフトのような仕組みで、自社グループの関連商品や地域の名産品、スポーツ観戦チケット、さらには社会貢献活動への寄付など幅広い用途に交換可能です。
こうした「選べる優待」は投資家にとって使いやすく、生活の一部に組み込みやすいことが魅力です。
優待の価値は金額換算すると年1000円から5000円程度と、配当と比べれば小さい金額かもしれません。
しかし、これを配当利回りと合わせて考えると、トータルの利回りが着実に上乗せされる効果があります。
特に100株という手軽な単元から優待がもらえる点は、個人投資家にとって参入障壁が低く、長期保有のインセンティブを与える制度だと言えるでしょう。
さらに、ヤマハ発動機の場合は単にモノがもらえるだけでなく、グループの世界観を体験できる優待内容が含まれていることがポイントです。
マリンやスポーツ関連イベントに触れる機会は、単なる経済的価値を超えた「ブランド体験」として投資家に印象を残します。
企業としても、優待を通じてファンを育成し、株主とのつながりを強める狙いがあると考えられます。
長期的な観点で見ると、優待制度が継続して提供されていること自体が企業の安定性を示す一つの材料になります。
短期的に業績が変動しても、株主優待を守り続ける企業姿勢は、株主への還元を重視している証拠です。
この安心感が、長期保有を決める大きな要因になるのです。
また、長期保有でポイントが増える仕組みは、投資家の入れ替わりを抑え、株主構成を安定させる効果があります。
これによって株価の大きな乱高下を防ぎやすくなるという側面も見逃せません。
もちろん注意点もあります。
優待の内容は会社の裁量で変更される可能性があり、必ずしも将来まで保証されているわけではありません。
また、金額換算で見れば配当ほど大きなリターンにはならないため、優待だけを目的に投資を考えるのは適切ではありません。
あくまで配当や将来の成長性と組み合わせて考えるべき存在です。
それでも、生活の中で実感できる形で還元される優待は、投資家にとって「持ち続ける理由」になり得ます。
株を保有することで毎年届く案内を楽しみにし、地域やスポーツへの関心を深めることができる点は、配当だけでは得られない魅力です。
総合的に考えると、ヤマハ発動機の優待は「堅実で長期保有向き」と評価できます。
経済的なリターンだけでなく、ブランド体験や社会貢献といった付加価値を享受できる点で、投資家の満足度は高いと言えます。
長期に保有すればポイントが増える設計も含めて、投資家が腰を据えて株を持ち続ける意義を提供しており、総合的な投資魅力度を確実に高めています。
そのため、優待を含めた投資おすすめ度は、長期投資家にとって高い水準に位置づけられると考えられます。
総合評価
ヤマハ発動機の株は、株式情報と優待情報の両面から見て、長期保有に適した銘柄であると言えます。
まず株式情報の面では、財務体質が比較的健全で安定感があります。
配当利回りもインカムゲインを狙う投資家にとって安心感があり、優待を含めると総合利回りもさらに高まります。
短期的には景気や為替に左右されやすく、株価が上下する場面もありますが、10年以上の長期チャートで見ると安定した成長を示しています。
そのため、長期的な資産形成を考える投資家にとって、安心してポートフォリオに組み入れることができる銘柄だと評価できます。
一方で、優待情報の面でも長期投資家にメリットが用意されています。
株主優待ポイントは保有株数に応じてもらえるだけでなく、保有期間が長くなるほどポイントが増える仕組みになっています。
これにより長期保有のモチベーションが高まり、投資リターンを経済的にも精神的にも実感できるのが魅力です。
また、ポイント交換の内容がカタログギフトのように多様であり、グループの事業やブランドを感じられるラインナップになっている点も投資家満足度を高めています。
配当による安定収入に加えて、優待を通じて企業ブランドに触れられることは、長期投資の楽しみを広げてくれます。
総合的に判断すると、ヤマハ発動機の株は、安定した財務と株主還元姿勢を背景に、長期保有でじっくり育てていくのにふさわしい銘柄です。