カーブスホールディングス[7085]は、女性専用フィットネスジム「カーブス」を全国に展開している企業です。
高齢女性を中心とした利用者に支持され、地域密着型の運営が特徴です。
本記事では、長期保有を前提にした株式投資の視点から、株価の推移や財務状況、株主優待の内容などを詳しく分析していきます。
特に、配当と優待の利回りや企業の成長性に注目しながら、実際に保有するべきかどうかを総合的に判断していきます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
15.9倍 | 3.13倍 | 46.9% | 20.7% | 8.62倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
3.18% | 2.46% | 0.9% | 8月 | 69,100円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した会員制ビジネスを展開する企業ですが、株価は過去の高値から下落傾向にあり、成長性にはやや不安があります。優待も金券型で魅力は限定的です。積極的に保有を増やすにはやや根拠が乏しく、今は様子見を推奨したい銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
保有株式数 | 優待内容 |
---|---|
100株以上 | 一律 500円分の QUOカード ⚫︎ |
選択肢 | 贈呈ではなく、寄付を選ぶことも可能です |
権利確定日と有効期限
QUOカードの有効期限に関しては、公式資料に明記がありません。
通常、最長2〜3年間有効なことが多いため、使用時はカード裏面で有効期限をご確認ください。
優待の権利確定日は 毎年 8月31日 時点の株主名簿に登録されていることが条件です。
会社情報

カーブスホールディングスは、フィットネスジム「カーブス」を全国に展開している企業です。
カーブスは特に「女性専用・1回30分・予約不要」という特徴を持ち、忙しい主婦や高齢の女性でも通いやすいように設計されています。
体を動かしたいけれど時間がない、運動が苦手という人にとっても、無理なく続けられる内容になっています。
国内ではフランチャイズを含めておよそ2,000店舗以上が営業しており、日本全国のさまざまなエリアに店舗があります。
都市部だけでなく、地方都市や住宅街にも多くの店舗が出店しているのが特徴です。
これにより、車で移動しづらい高齢者や日常の買い物のついでに通いたい方にも利用しやすくなっています。
主なブランドは「Curves(カーブス)」一つですが、その運営には直営店とフランチャイズの2つの形態があります。
また、米国のCurves Internationalと提携しており、日本国内のカーブス事業を担っているのがカーブスホールディングスです。
つまり、アメリカ発祥の仕組みを日本向けにローカライズし、成功させている会社といえます。
会社としては、運動機会の提供を通じて健康寿命の延伸や介護予防への貢献を掲げています。
そのため、単なるフィットネス事業にとどまらず、地域社会との連携にも力を入れており、介護予防教室などの活動も行っています。
売上の多くは月会費によって支えられており、景気の影響を受けにくい「サブスクリプションモデル」の強みがあります。
また、会員の多くが高齢者という特性もあり、他のフィットネスジムと比べて顧客の継続率が高い傾向にあります。
近年はコロナ禍の影響で一時的に会員数が減少したこともありますが、徐々に回復傾向にあり、再成長を目指しています。
このように、カーブスホールディングスは「健康」と「地域密着」をキーワードに、独自のポジションを確立している企業です。
フィットネスという成長市場において、女性高齢者というニッチでありながら需要のある層にしっかりと対応できている点が強みです。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
カーブスホールディングスの株価チャートを10年以上のスパンで見ると、2020年の上場直後に一度大きく上昇したものの、2021年をピークに以後はやや下落基調で推移しているのが分かります。
上場初期の勢いに比べると、直近では株価が安定しているとは言えず、長期的な右肩上がりのトレンドには乗れていない印象です。
そのため、資産の成長という意味では、他の成長株と比較してやや見劣りする状況と言えます。
また、PERは市場平均並みかやや高めの水準で、PBRは比較的高く、株価に対してすでに割高感が出ている印象を受けます。
こうした水準は、投資家からの成長期待がすでに織り込まれている可能性を示唆していますが、過去数年の業績や株価推移を踏まえると、その期待に十分に応えられていない側面もあります。
自己資本比率は上場企業としては平均的な水準です。
財務体質は悪くはないですが、突出的に強固というほどではありません。
ROEは比較的高めですが、これは事業の利益率というより、PBRが高いために相対的に見えているだけとも考えられ、実態としての稼ぐ力がどれほど安定しているかは、今後の決算推移をしっかり見極める必要があります。
また、信用倍率が10倍を超えており、信用買い残が膨らんでいることから、投資家の期待感がやや先行しすぎているとも読み取れます。
信用取引の比率が高い銘柄は、下落時に売りが売りを呼ぶ形で急落しやすく、長期投資家にとってはリスクの一つといえます。
総じて言えるのは、カーブスホールディングスは安定した収益モデルを持ちつつも、株価水準や投資家の期待がやや先行している可能性があり、今後の成長余地や市場との乖離を慎重に見極めたい銘柄です。
長期的な資産形成を目的とした投資先として考えた場合、魅力的な点もある一方で、株価のトレンドや評価指標のバランスを踏まえると「今すぐ積極的に買いたい」とまでは言い切れません。
将来的に業績が大きく成長するなど明確な材料が出てくれば再評価の余地もありますが、現時点ではやや様子見のスタンスが無難と判断しています。
株主優待にみる分析
カーブスホールディングスの株主優待は、100株以上の保有で年に1回、500円分のQUOカードがもらえるという内容です。
金額としては控えめですが、全国のコンビニやドラッグストアなどで使える汎用性の高さが魅力です。
特に日常生活の中で気軽に使えるため、優待初心者にとってもわかりやすく、実用性の高い内容になっています。
一方で、このQUOカード優待は、同社の事業であるフィットネスジム「カーブス」とは直接関係がありません。
たとえば、施設利用券や会費割引などの「自社サービス系優待」であれば、企業とのつながりやサービス理解が深まり、ファン株主の獲得にもつながります。
しかし、QUOカードはあくまで金銭的なメリットであり、企業のブランドやファン化とは距離がある優待といえます。
この点は、優待制度としての将来性や継続性を考えるうえで一つの注意点になります。
さらに、優待利回りを計算すると低く、「優待を目的に保有し続ける」タイプの銘柄とは言いづらく、あくまでおまけ的な位置づけです。
加えて、優待制度の変更リスクも視野に入れておく必要があります。
QUOカード優待は多くの企業でコスト面や運用の手間から見直される傾向にあり、カーブスホールディングスにおいても、業績や株主構成の変化次第では優待の改悪・廃止もあり得ると考えておくべきです。
とくに、事業との結びつきがない「金券系優待」は、その優待継続の説得力に欠けやすく、企業側にとっても合理的な理由があれば終了しやすい傾向があります。
長期保有を前提とした場合、このような優待内容は保有継続の決め手になるほど強いインセンティブではないというのが率直な印象です。
もちろん、株主に対して利益を還元しようという姿勢は評価できますが、あくまで「小さな楽しみ」の域を出ない優待内容といえるでしょう。
したがって、優待目的でこの銘柄を長期保有する場合には、あくまで本業での業績安定や配当の継続性を主軸に考え、優待は補足的な魅力として捉えるスタンスが現実的です。
総合評価
カーブスホールディングスは、女性専用フィットネスジムというニッチな分野で地位を確立した企業です。
高齢女性を中心に安定した会員基盤を築き、景気に左右されにくい月額課金モデルで運営されています。
その点では、安定性を重視する長期投資においても一定の安心感があります。
総合的に見ると、カーブスホールディングスは「安定した事業モデルを持つ企業ではあるが、投資妙味はやや薄い」といった評価になります。
株価はすでに割高感があり、優待も大きな魅力とは言い難いため、現時点であえて保有を増やす理由は見出しづらい状況です。
今後、業績の大幅な成長や株主還元の強化など、明確なポジティブ材料が出てくれば再注目の余地はありますが、長期投資の観点からは「様子見」が基本スタンスになるでしょう。