ALiNKインターネット[7077]は、天気予報サイト「tenki.jp」を運営する会社です。
株価は大きな成長をねらう銘柄ではありませんが、財務が安定していて安心感のある企業です。
株主優待ではQUOカードが年2回もらえるうえ、2026年からは長期保有株主に追加特典も用意されています。
少額から投資できて優待も実用的なので、長く株を持ち続けたい人に向いている銘柄といえます。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
1,905倍 | 1.14倍 | 90.57% | – | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
1.9% | 0% | 1.9% | 2月、8月 | 約104,800円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
財務の安定性が高く、堅実に事業を続けている会社です。株価は利益に対して割高感がありますが、自己資本比率が高く安全性はしっかりしています。株主優待では年2回のQUOカードに加え、2026年からは長期保有株主への追加特典も導入され、長く持つほどお得になる仕組みです。 |
株主優待情報

株主優待の内容
ALiNKインターネットの株主優待は、全国で利用できるクオカードです。
2025年8月実施分までは、保有株数に応じて一律で通常のクオカードが進呈されます。
100株で1,000円分、200株で2,000円分、300株で3,000円分となっており、シンプルで使いやすい内容です。
一方で、2026年2月実施分からは制度が拡充され、通常のクオカードに加えて「オリジナルデザイン(温泉むすめデザイン)のクオカード」が新設されます。
さらに継続保有1年以上の株主には、2月権利分で追加贈呈が行われる仕組みとなります。これにより、長期保有をする株主へのインセンティブが強化される形になりました。
権利確定日と有効期限
権利確定日は毎年2月と8月の年2回です。
有効期限はなく、受け取ったクオカードは全国の加盟店で利用可能です。
2026年2月分からは継続保有条件が導入されるため、長期的に株を持ち続ける投資家にとってメリットが大きくなります。
株主優待概要(2025年8月まで)
保有株数 | 優待内容 | 権利確定月 | 有効期限 | 優待最低取得額 |
---|---|---|---|---|
100株以上 | クオカード 1,000円分 | 2月・8月 | なし | 約104,800円 |
200株以上 | クオカード 2,000円分 | 2月・8月 | なし | 約209,600円 |
300株以上 | クオカード 3,000円分 | 2月・8月 | なし | 約314,400円 |
株主優待概要(2026年2月から)
保有株数 | 通常優待 | 長期保有(1年以上・2月権利)追加分 | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
---|---|---|---|---|
100株以上 | クオカード 1,000円分 | オリジナルクオカード 1,000円分 | 2月・8月 | 約104,800円 |
200株以上 | クオカード 2,000円分 | オリジナルクオカード 2,000円分 | 2月・8月 | 約209,600円 |
300株以上 | クオカード 3,000円分 | オリジナルクオカード 3,000円分 | 2月・8月 | 約314,400円 |
このように、ALiNKインターネットの優待は今後「長期保有に有利な仕組み」へ進化していきます。短期での取得よりも、1年以上持ち続けてこそメリットが大きくなる点が特徴です。
会社情報
株式会社ALiNKインターネットは、天気予報を中心にしたインターネットメディア会社です。
2008年から「tenki.jp」という気象予報のウェブサイトを運営し、それが今や会社の柱の一つになっています。
経営理念には「未来の予定を晴れにする」という言葉が掲げられており、生活の安心や情報の正確さを大切にする姿勢が表れています。
この会社の主な事業は複数あります。
まず中心にあるのが「tenki.jp事業」です。
これは市区町村ごとのピンポイントな天気予報や、防災情報である地震や津波の速報、花粉や熱中症、積雪といった季節ごとの特集を提供するサイトやアプリです。
無料で使える部分が多いため利用者が非常に多く、年間のアクセス数は50億から60億を超える規模にまで成長しています。
次に、登山天気アプリなど特定用途向けの有料サービスがあります。
例えば山の天気予報や雷の危険度を細かく確認できる「登山天気」というアプリで、利用者は必要な機能に応じて課金する仕組みです。
これにより無料サービスだけに依存せず、収益の柱を分散できています。
さらに、新しい分野にも取り組んでいます。
太陽光発電関連のコンサルティング事業や、需要と供給や天気、人の流れなどのデータを活用して価格を変える「ダイナミックプライシング」、そして「温泉むすめ」などキャラクターを使ったIPプロデュース事業などです。
これらは広告収入だけに依存しない成長戦略として注目されています。
社員数は少なく、20人から30人規模とされていますが、専門性が高くスピード感のある組織です。
平均年齢は比較的若く、「少数精鋭」で動いている印象があります。
またフレックスタイム制度やリモート勤務制度を導入しており、社員のワークライフバランスも重視しています。
沿革をたどると、2008年に「tenki.jp」を開始、その後アプリをリリースしサービスを拡充してきました。
2019年12月には東京証券取引所グロース市場に上場しました。
最近では、気象情報の閲覧数が年間60億PVを超えるなど利用が拡大しています。
また新しい事業領域として、IPプロデュース会社を子会社化するなど、天気に限らずエンターテインメントや地域活性化の分野にも進出しています。
強みとしては、公共性の高い気象情報を扱っているため信頼を得やすいこと、そしてアクセス数が多く広告収入の基盤が確立されていることです。
さらに有料サービスやIP事業など収益の多様化を進めている点も評価できます。
一方で課題は、依然として広告収入の比率が高いこと、無料サービスの運営コストが大きいこと、新規事業を安定的に収益化できるかどうかという点です。
また気象情報分野は競合が多く、予報の精度やサービスの使いやすさでの差別化が重要になります。
総じて、ALiNKインターネットは天気という生活に欠かせない情報を軸に、そこから派生して生活や娯楽のさまざまなシーンに広げていこうとする会社です。
少人数ながらも専門性を活かし、新たな分野に挑戦する姿勢があり、今後の成長に期待できる企業といえるでしょう。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
ALiNKインターネットの株価を長期的な視点で見てみると、上場直後は大きな値動きがあったものの、その後は落ち着きを見せています。
直近10年チャートでは、乱高下を繰り返しながらも一定の価格帯で下値を固める動きが見えており、底値の堅さを感じさせます。
これは投資家の間で「会社としての存続リスクは小さい」と判断されつつも、収益拡大のスピードが急激ではないことを反映した動きだといえます。
株式指標を確認すると、PERは非常に高い水準にあります。
利益に対して株価が割高に評価されているため、短期的に「割安株」を探す投資家にとっては魅力的とはいえません。
しかし、自己資本比率は非常に高く、財務の安定性が目立ちます。
借入金に依存していないため、経営の安全度は高いと評価できます。
ROEは低めであり、資本効率はあまり高くない印象を受けますが、これは逆にいえば「無理にリスクを取って高収益を追求していない」という堅実な姿勢の表れともいえます。
PBRはおおよそ1倍前後で推移しており、解散価値に近い水準で評価されていることがわかります。
市場の期待が一気に膨らんでいるわけではないですが、会社の実力以上に過小評価されているとも言えない落ち着いた水準です。
信用倍率は低く、短期的な信用取引による過熱感も見られません。
これは、投機的な売買ではなく中長期での保有を前提とした株主が多いことを示している可能性があります。
総合利回りについては、配当がないため数値上はゼロに見えます。
しかし株主優待の存在が投資家にとって魅力となっており、利回り指標には現れない実質的な還元策があります。
ここまでを総合的に見て、ALiNKインターネットは短期的に大きな利益を狙う銘柄ではありません。
むしろ財務基盤の安定性を評価しつつ、長期保有によって堅実に株主優待を享受する投資スタイルに向いていると考えられます。
今後の成長余地は、既存の「tenki.jp」をベースにした安定的なアクセス数をいかに収益化に結び付けるかにかかっています。
広告だけでなく、有料サービスやIP関連事業の拡大が実現すれば、将来的に利益水準が高まりPERの高さも正当化される可能性があります。
そのため、現状の株価はやや割高に見えつつも、長期目線で安定性を重視する投資家にとっては「ポートフォリオの一角に組み入れても良い」水準と評価できます。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
ALiNKインターネットの株主優待は、シンプルでありながらも実用性が高い内容になっています。
現在は年2回、2月と8月にクオカードが贈呈されており、100株で1,000円分、200株で2,000円分、300株で3,000円分と、保有株数に応じて増えていく仕組みです。
このような金券優待は全国のコンビニやドラッグストア、書店などで利用できるため、誰にとっても使い勝手が良く、優待の中でも特に人気があります。
さらに注目すべきは、2026年2月から優待制度が拡充される点です。
従来のクオカードに加え、オリジナルデザインの「温泉むすめクオカード」が追加されます。
これにより、通常の金券としての価値だけでなく、コレクション性や話題性も加わり、優待の魅力が一段と高まることが予想されます。
また、長期保有株主向けの優待も新設されました。
1年以上の継続保有を条件に、2月権利分で通常のクオカードとは別にオリジナルクオカードが追加贈呈される仕組みです。
100株を1年以上持ち続ければ、年間合計で3,000円分のクオカード(通常1,000円×2回+長期分1,000円)がもらえることになり、優待利回りは大きく向上します。
これは単なる「一時的な還元」ではなく、長期的に株を持ち続ける投資家を優遇する制度です。
結果として、短期売買を繰り返す投資家よりも、安定して株を保有し続ける株主が増えることが予想されます。
企業側にとっても安定株主を増やせるメリットがあり、投資家側にとっても「持ち続けるほどお得になる」という安心感が得られるため、双方にとってプラスに働く仕組みといえるでしょう。
他社の株主優待と比較しても、この内容はバランスが良いといえます。
例えば外食チェーンや小売業の優待は利用できる地域や店舗が限定されることがありますが、ALiNKインターネットのクオカードは全国どこでも利用できるため、居住地や生活スタイルを選びません。
特に中長期で株を保有していると、毎年安定的に生活費の一部を補助してくれるような感覚で受け取れる点が、長期投資家にとって安心材料となります。
また、最低取得額も比較的低く、10万円前後の投資で優待が得られる点は初心者投資家にも魅力です。
「まずは少額で優待投資を始めたい」という人にも適しており、ポートフォリオに取り入れやすい水準といえます。
総合的に見ると、この優待制度は「株価の大幅な値上がり益を狙う銘柄」ではなく、「安定的に保有して小さなメリットを積み重ねる銘柄」として位置づけられます。
特に長期保有優遇が追加されたことで、投資家にとっては「売らずに持ち続ける動機」がより明確になりました。
この点から、短期的な値動きに左右されず、着実に優待を積み上げていきたい投資家におすすめできる内容です。
したがって、優待面からの投資おすすめ度は高く、総合的に10段階で7から8の評価を与えられると考えられます。
株価の安定性と優待の実用性を組み合わせた「長期保有向きの安心銘柄」としてポートフォリオに加える価値があるでしょう。
総合評価
ALiNKインターネットの株は、短期的に大きな利益をねらうよりも、長期でじっくり持ち続けるのに向いています。
株価の指標を見ると、PERはとても高く、利益に対して株価が割高に見える部分があります。
一方で自己資本比率は約90%と非常に高く、会社の安全性はしっかりしています。
ROEは低めで効率のよさは課題ですが、無理な成長を追わず安定的に事業を続けているともいえます。
こうした点から、財務の安定感が強く、急激なリスクを負う心配が小さいことがわかります。
優待面では、2025年までは年2回のQUOカードが贈られるシンプルな制度で、2026年からは長期保有株主に追加の特典が導入されます。
特に1年以上保有した株主にオリジナルQUOカードが加わるため、持ち続けるほどお得になる仕組みになっています。
最低投資額も10万円前後と手ごろで、初心者にも挑戦しやすい点も特徴です。
これらを合わせて考えると、ALiNKインターネットは「大きく成長する爆発力」よりも「安定した保有メリット」に重きを置く銘柄です。
株主優待を活用しながら長期保有することで、生活に役立つ特典を楽しみつつ、安定的に投資を続けられる企業といえるでしょう。