「毎日の生活に役立つ優待がほしい」「安定した会社の株を、長く持ってみたい」そんな人にとって、識学[7049]はちょっと気になる銘柄かもしれません。
組織づくりを支える独自の考え方で成長してきたこの会社は、株主優待としてQUOカードを年に2回もらえる制度を用意しています。
株価は大きく動くタイプではありませんが、じっくりと保有するには向いている特徴を持っています。
この記事では、識学の株価情報や会社の強み、優待の内容までくわしく解説しながら、投資する価値があるかどうかを考えていきます。
長期投資や優待目的での銘柄選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
15.6倍 | 2.9倍 | 50.3% | 18.1% | 1.43倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
5.9% | 0% | 5.9% | 8月 | 171,200円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
堅実な組織支援ビジネスを展開する成長企業であり、長期的な安定感が魅力です。QUOカード優待は実用性が高く、年間1万円相当と利回りも優秀です。ただし配当はなく、株価も割安とは言いきれないため、今すぐの購入は慎重に判断したいところです。優待を楽しみながら、企業の成長をじっくり見守りたい人には向いている銘柄です。 |
株主優待情報

株主優待の内容
識学では、200株以上を保有する株主を対象に、QUOカード5,000円分を年に2回贈呈しています。
保有株数 | 優待内容 |
---|---|
200株以上 | QUOカード5,000円分(年2回) |
権利確定日と有効期限
優待の権利確定日は、毎年2月末日と8月末日の2回です。
対象株数を保有していれば、そのタイミングでQUOカードの取得権利が得られます。
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定月 | 2月末、8月末 |
発送時期 | 確定から2~3ヶ月後 |
QUOカードは誰でも利用しやすく、転売リスクも少ないため、家計にもやさしい優待です。
ただし、100株では対象外という点は注意が必要です。200株以上の保有が前提となるため、優待目当てのエントリーにはややハードルがあります。
とはいえ、QUOカードを日常的に利用している方にとっては実用性の高い内容です。
会社情報

株式会社識学は、2015年3月に東京都品川区で設立された会社です。
主な事業内容は、組織のマネジメントに関するコンサルティングです。
企業の社長や管理職に向けて、どうやって社員と正しく向き合い、効率よく成果を出すかという考え方や方法を提供しています。
この会社の名前にもなっている「識学」というのは、社員同士のコミュニケーションや判断のズレをなくすための考え方です。
たとえば、上司があいまいな指示を出すと、部下が迷って行動できなかったり、ミスをしたりします。
識学はこういった無駄をなくして、誰もが自分の役割に集中できるような組織づくりを目指しています。
会社の本社は東京都品川区にありますが、他にも大阪や名古屋、福岡、仙台などにも拠点があります。
全国の中小企業を対象にサービスを展開しており、これまでに4,000社以上が識学の研修やプログラムを導入してきました。
最近では、プロスポーツのチームにも識学の理論が使われていて、選手と監督との関係性改善にも役立っています。
識学のサービスには大きく二つあります。
一つ目は、コンサルタントが直接企業に訪問して行う対面式の研修です。
二つ目は、インターネットを使って学べる「識学クラウド」というオンラインサービスです。
どちらも、企業の課題に合わせて内容を組み立てることができ、企業の規模や状況に応じて使い分けることができます。
最近は、コンサルタントの時間を使わないクラウド型のサービスに力を入れており、収益の安定化を目指す動きが見られます。
こうしたストック型ビジネスは、一度導入されれば継続的に収益が入るため、会社としての成長の軸になりつつあります。
編集部からのおすすめ情報
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株式情報にみる分析
識学の株を長期で持つ価値があるかどうかを考えるとき、まず大切なのは「この会社が10年後、20年後にも必要とされているかどうか」です。
株価の上がり下がりは日々ありますが、本当に長く持っていられるかどうかは、その企業の「ビジネスの強さ」と「成長の土台」にかかっています。
識学は、組織運営や人のマネジメントに特化したコンサルティング会社で、「識学理論」という独自の考え方を軸に事業を展開しています。この点は他社にはない強みです。
世の中の会社の多くは、人間関係や組織の問題を抱えています。
社員が自分の仕事に集中できなかったり、上司の指示があいまいでストレスになったりといった悩みは、規模の大小を問わず多くの企業にあります。
そこに対して、識学は理論と仕組みで解決策を提供しており、実際に多くの企業が導入しています。
顧客にはベンチャー企業だけでなく、スポーツチームや中堅企業も含まれており、今後も幅広い需要が期待できます。
さらに、近年はクラウド型のサービスや動画学習のようなサブスクリプションモデルに力を入れ、収益の安定性を高める方向に進んでいます。
こうした「毎月定額で収益が入る仕組み」は、企業としての強さを支える大きなポイントです。
新しい契約が増えれば、売上も自然に積み上がっていきますし、解約されにくい仕組みがあれば収益も安定します。
これは、株主として長く持ちたいと考えるときに非常に安心感があります。
一方で、株価の位置や投資指標をふまえると、「ものすごく割安」というわけではありません。
目立った成長ストーリーや、爆発的な材料が今すぐ見えているわけでもありません。
それでも、この会社が掲げる「組織改革の支援」という役割は、時代が進むほどに必要性が増していくと感じます。
働き方改革や人材の多様化が進む中で、「正しい評価制度をつくりたい」「チームをまとめたい」といったニーズは今後もなくなることはないでしょう。
また、会社の経営そのものも安定しており、倒産リスクが極端に高いわけではありません。
売上も着実に伸びてきており、積み重ねるように事業が広がっている様子が見えます。
ただ、配当が出ていないことや、今の株価が飛び抜けて割安というわけではないことから、長期的にコツコツと利益を再投資してくれる会社と割り切って保有する必要があります。
総合的に考えると、「今すぐ買わなければもったいない」ほどの魅力があるわけではありませんが、「これからの組織社会に必要とされるビジネスを手堅く続けている」という安心感があります。
ゆっくり育っていく企業の成長を、優待をもらいながら見守っていきたいという人には向いている銘柄だと言えるでしょう。
短期での爆発力はないかもしれませんが、長く保有しておく中で、地道に企業価値が上がっていく可能性が高いと感じられます。
株主優待にみる分析
識学の株主優待は、とてもシンプルでわかりやすい仕組みになっています。
年に2回、QUOカード5,000円分がもらえるという内容です。これは、200株以上を保有していれば自動的に届きます。
QUOカードは、コンビニや書店、ドラッグストアなど、日常生活で気軽に使える店舗で利用できるため、現金と同じような感覚で使えます。
たとえば毎日の昼食代やちょっとした買い物などに充てることで、家計の節約にもなります。
優待券のように使える店舗が限られていたり、有効期限が短かったりするわけではないので、使い勝手の面でも非常に優秀です。
長期投資をする人にとっては、毎年安定してもらえる優待があることは、投資を続けるモチベーションになります。
株価が一時的に下がったとしても、「少なくとも年間1万円分のQUOカードは手に入る」という安心感があるため、気持ちの面でも落ち着いて保有を続けやすくなります。
こうした“下支えのある優待”は、精神的にも実用面でもメリットが大きいです。
ただし注意点として、識学の優待は100株では対象にならず、200株以上という条件が設定されています。
しかし、識学のビジネスモデルがクラウドやサブスクリプションに移行しつつあり、ストック型の安定収益が見込めるようになってきたことをふまえると、優待の継続性に対する安心感は高いと考えられます。
企業側も「投資家への還元姿勢」を優待というかたちで表しており、今後も長く続けていく意向が見えます。
また、識学は比較的新しい企業でありながら、優待制度を早い段階で導入している点からも、個人投資家とのつながりを大切にしている姿勢が感じられます。
実際に、優待制度をきっかけに識学を知ったという投資家の声もあり、ブランドとしての親しみやすさを作る効果も生まれています。
総合的に見て、識学の株主優待は“実利性の高い優待”であり、保有するメリットが非常に分かりやすいです。
特に「優待を楽しみながら長く株を持ちたい」という人には、ピッタリの内容だと言えるでしょう。
株価の上下に一喜一憂せず、QUOカードを受け取りながら企業の成長をじっくり見守るというスタンスで付き合える、そんな投資先として魅力を感じます。
短期的に大きな利益を狙うようなタイプの株ではありませんが、安定したリターンと安心感を得たい人にはおすすめできる優待内容です。
総合評価
識学は「急がず、焦らず、じっくり持ちたい人」におすすめできる銘柄です。
株主との距離が近く、堅実な成長を目指す企業であることから、優待生活を楽しみながら投資を続けたい人にとっては、長く付き合えるパートナーになるかもしれません。
大きく稼ぐよりも、安心して持てる株を求める人にとっては、しっかり選択肢に入る銘柄です。