荏原[6361]は、ポンプなどで社会インフラを支えながら、半導体工場向けの装置でも存在感を持つメーカーです。
30年チャートでは、長い停滞のあとに株価が大きく動いていて、「いま市場が何を期待しているのか」が分かりやすい銘柄でもあります。
株主優待は美術館の招待券で、実用性よりも体験型なので、合う人にはうれしい内容です。
この記事では、長期保有の目線で、荏原の株式情報と優待の魅力、そして気をつけたいポイントをやさしく整理します。
株式情報
| 荏原[6361] | 東証P |
| 時価総額 約1兆6,953億円 |
株価 3,668 円
更新:直近終値

30年株価チャート
| 割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
| PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
| 22.6倍 | 3.49倍 | 45.8% | 15.09% | 7.08倍 |
| 優待&配当 | ||||
| 総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
| 2.30% | 1.49% | 0.81% | 12月 | 366,800円 |
| 編集部おすすめ度 | 理由 |
| 足元の勢いは強い一方で、長期では景気循環の波も大きい銘柄です。半導体関連の追い風を取り込める強みはありますが、株価が上がった局面ほど「買う理由」と「持ち続ける理由」を分けて考えたいところです。優待は実用性より“好きな人向け”なので、優待目当て単独での買いはやや弱めです。 |
株主優待情報

荏原の株主優待は、「荏原 畠山美術館」の招待券がもらえる制度です。
株主優待の内容
| 保有株数 | 優待内容 | ポイント |
| 100株以上 | 荏原 畠山美術館の招待券 1枚 | 招待券1枚で2名まで入館可能です。 |
権利確定日と有効期限
権利確定は12月末です。
基準日(12月31日)に株主名簿に載っていることが条件になります。
招待券の有効期限は、翌年3月末までとされています。
なお、内容は変更になる可能性があるため、毎年の開示を軽く確認しておくと安心です。
会社情報

荏原は、1912年にポンプづくりから始まった、かなり歴史の長いメーカーです。
いまの荏原グループは、「水・空気・電子・エネルギー」の分野で、社会に必要な“流れ”をつくる技術を強みにしています。
たとえば上下水道やビル、工場で使われるポンプは、目立たないけれど生活の土台を支える機械です。
こうしたインフラ寄りの領域は、景気が悪くても全部がゼロになりにくいので、事業としての粘り強さにつながります。
一方で荏原の成長役になりやすいのが、半導体工場向けの装置です。
半導体を作る現場では、空気やガスをすごくきれいに保ち、細かい加工を正確に行う必要があります。
荏原は「ドライ真空ポンプ」や「排ガス処理装置」、さらにウエハーをナノメートル単位で研磨する「CMP装置」など、かなり技術力が問われる製品を持っています。
つまり、生活インフラの安定感と、半導体という成長分野の両方に足場があるのが、この会社の分かりやすい特徴です。
なお、飲食店や小売のように「店舗数」で語る会社ではなく、国内外の工場やサービス拠点、グループ会社のネットワークで事業を回しています。
グループには、海外で圧縮機やタービンを扱うElliottなどもあり、インフラとエネルギー関連の現場にも幅広く関わっています。
身近さは薄いですが、「止まると困る場所」で活躍する製品が多いので、長く生き残りやすいタイプの産業だと捉えると分かりやすいです。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報から見る投資おすすめ度と根拠
荏原を長期で見るときに大事なのは、「何の会社か」を一言で決めつけないことです。
インフラを支えるポンプの会社でもあり、半導体の成長に乗れる装置メーカーでもあります。
この二面性は強みですが、同時に、業績も株価も“波”を持ちやすい要因にもなります。
30年チャートでは、長い停滞のあとに、ここ数年で大きく上に走っています。
こういう形の銘柄は、良い材料が続くと市場の期待が一気に膨らみ、評価が高くなりやすいです。
実際、足元の指標を見ても、割安というより“成長期待も乗った価格”という印象になりやすい局面です。
だからこそ、長期保有での作戦はシンプルで、「買って終わり」にしないほうがうまくいきます。
具体的には、半導体設備投資の波が強い年は株価も上がりやすい一方で、その波が落ち着くと評価も冷えやすいです。
つまり、良い時期ほど“永遠に続く”と考えず、業績が普通に戻る場面も想定して持つことが大切です。
一方で、荏原はインフラ側の事業も持っているので、全部が一気に崩れるタイプになりにくいのは安心材料です。
財務の体力も一定水準があり、自己資本比率が低すぎるタイプではありません。
だから「短期で飛びつく」よりも、「良い波が来たら評価が上がりやすい会社なので、波が落ち着いた局面で拾って長く持つ」という考え方が相性が良いです。
長期投資家としてのおすすめ度は、派手に推せるほどの割安感はない一方で、事業の強さは本物なので、買うタイミングを間違えなければ十分に“育つ銘柄”です。
結論としては、コア資産としてずっと握り続けるというより、景気循環も意識しながら長期で付き合う「準コア」向きだと思います。
優待情報から見る投資おすすめ度と根拠
荏原の株主優待は、美術館の招待券という“趣味性”の高い内容です。
コンビニや外食の割引券のように、誰でも確実に使えるタイプではありません。
ただ、刺さる人にとっては満足度が高く、「お金より体験がうれしい」と感じる優待です。
招待券1枚で2名まで入館できるので、家族や友人と一緒に行けるのは地味に強いポイントです。
一方で、優待利回りだけで見ると、爆発的にお得というほどではありません。
つまりこの優待は、「優待で元を取る」より、「株主として会社とのつながりを楽しむ」側の設計です。
長期保有目線でのメリットは、派手さはないかわりに、制度がシンプルで分かりやすいことです。
また、会社公式にも“中長期保有を促す目的”が書かれているので、株主との関係を続けたい意思は感じられます。
このタイプの優待は、業績が少し上下しても、すぐに改悪されにくい傾向があります。
もちろん絶対ではありませんが、金券系よりコストが読みやすく、会社側も続けやすいからです。
ただし注意点として、優待が使える場所は東京都内の美術館なので、遠方の人は“使わないまま”になりやすいです。
だから優待目線のおすすめ度は、「近い・興味がある人にはおすすめ」「そうでない人にはおまけ」という評価になります。
長期投資としては、優待を主役にせず、あくまで事業の強さに納得して持ったうえで、優待は楽しめたらラッキー、くらいがちょうど良いです。
総括
荏原は、インフラの安定感と、半導体という成長分野の両方に関われるのが最大の魅力です。
ただし30年チャートが示す通り、長期で見ても“ずっと右肩上がり”というより、評価が大きく変わる局面がある銘柄です。
そのため、長期保有でも「買う価格」と「期待しすぎない線引き」がとても大事になります。
優待は美術館招待券で、使う人にはうれしい一方、万人向けの実用優待ではありません。
結論としては、優待で選ぶ銘柄ではなく、事業の強さで選び、優待はプラスアルファとして楽しむのが向いています。
総合おすすめ度が2.5という評価は、「会社は良いけど、局面によっては期待が乗りすぎることがある」という意味で、かなりしっくりきます。
長期投資家なら、焦って飛びつかず、熱が冷めた場面でコツコツ集めるほうが、気持ちよく付き合える銘柄です。
