マルマエ[6264]は、半導体やディスプレイ関連の部品を作る会社です。
高い技術力を持ち、世界のメーカーにも製品を届けています。
株価は景気や業界の動きに敏感で、大きく上がることもあれば下がることもあります。
そのため、安定して配当や優待をもらう銘柄というより、成長の波に乗って利益を狙うタイプです。
優待はクオカードで、日常の買い物に使いやすいですが、金額はそれほど大きくありません。
投資するなら、株価の動きや業界の流れをよく見ながらタイミングを計ることが大切です。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
15.79倍 | 2.78倍 | 62.5% | 0.26% | 11.06倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
3.2% | 2.65% | 0.55% | 8月 | 150,900円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定配当や高利回り優待を求める銘柄ではなく、半導体やディスプレイ関連の需要拡大時に株価上昇を狙う成長機会型の銘柄です。優待はクオカードで使いやすいものの金額は控えめで、投資判断の中心にはなりません。業績や市場の波に左右されやすく、購入タイミングが重要です。長期保有は可能ですが、景気敏感株としての特性を理解し、安値圏で仕込み成長局面を狙う戦略が向いています。 |
株主優待情報

株主優待の内容
項目 | 内容 |
---|---|
優待品 | QUOカード 1,000円分 |
最低取得株数 | 100株(1単元) |
継続保有条件 | 6か月以上継続保有(2月末と8月末の名簿に連続2回記載) |
100株以上を6か月以上同じ株主番号で継続して保有している株主様に対し、年1回QUOカード(クオカード)1,000円分を贈呈します。
QUOカードはコンビニや書店、ドラッグストアなど幅広く使える便利な金券です。
贈呈は毎年11月下旬、定時株主総会決議通知と同封して発送されます。
権利確定日と有効期限
項目 | 内容 |
---|---|
権利確定月 | 8月末日時点で100株以上かつ継続保有 |
権利付き最終日 | 2025年8月27日(水)(※2026年も同様) |
権利確定日 | 2025年8月29日(金) |
権利を得るためには、権利付き最終売買日(一般には権利確定日の3営業日前)までに購入を完了し、8月31日時点で記録されている必要があります。
2025年度のスケジュールは、権利付き最終日が8月27日、権利確定日が8月29日となります。
有効期限という形式の制度はありませんが、継続保有条件を満たすためには2月末と8月末時点の名簿連続記載が必要である点にご注意ください。
会社情報

株式会社マルマエは、鹿児島県出水市に本社を置く日本の精密部品メーカーです。
昭和40年に鉄工所として創業し、1988年に株式会社へと組織を変更しました。
1990年代からはオートバイ部品や研究開発事業を展開しながら、切削加工の技術を磨き、液晶や半導体製造装置向けの高精度な真空パーツ製造へとシフトしました。
2006年に東証マザーズへ上場し、その後2022年に東証プライム市場へ市場変更しています。
マルマエは、半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置に使われる真空チャンバーや電極などの精密部品を設計から加工、組立まで一貫して行っています。
同社の製造現場では、電子ビーム溶接や五面加工機、高精度マシニングセンターといった先端設備を活用しています。
この技術力により、半導体やディスプレイ分野だけでなく、医療機器や光学機器、太陽光発電装置用の部品など多岐にわたる分野へ製品を供給しています。
近年の売上はおおよそ400億円を超える規模となっており、特に半導体分野の受注が伸びています。
FPD分野も好調ですが、一部のその他分野は減少傾向です。
それでも長年培った加工技術と新しい設備投資により、市場の変化に対応できる体制を維持しています。
事業拠点は鹿児島県出水市の本社・出水事業所・高尾野事業所に加え、埼玉県朝霞市の関東事業所があります。
このようにマルマエは、地方発の高い技術力を持つ企業として、半導体やディスプレイ市場を支える重要な存在となっています。
変化の激しい電子部品市場の中で、安定した供給と柔軟な対応力を武器に成長を続けています。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
マルマエの株価を長い期間で眺めると、安定的にゆるやかに上がる銘柄というよりも、業績の波とともに大きく上下するタイプであることがわかります。
特に半導体市場が好調なときは一気に株価が跳ね上がり、需要が落ち込むと急速に値を下げる傾向があります。
このため、株価の動きは市場環境に敏感で、いわゆる「景気敏感株」としての性格が強い銘柄です。
会社の技術力は非常に高く、特に半導体やディスプレイ関連分野では国内外の製造装置メーカーに重要な部品を供給しています。
また、地方発ながら世界的な市場で競争できる高精度な製造能力を持っており、これは長期的な強みといえます。
ただし、事業構造は特定分野への依存度が高く、需要変動の影響を避けることは難しい状態です。
このため、売上や利益が好況期には急伸しますが、不況期には減速が顕著になります。
株価水準を見ても、安定した配当を目的に買うタイプではなく、成長性を期待して投資する銘柄といえます。
優待や配当を含めた総合利回りも特段高い水準ではないため、「利回り狙い」で長期保有する魅力はやや薄いです。
むしろ、長期の中でも「業績が伸びる局面」にうまく仕込むことで、値上がり益を狙うタイプです。
チャートを見ると、過去には大きな上昇局面が何度もありましたが、その後に必ず大きな調整局面が訪れています。
これは単なる株価の乱高下ではなく、業績と市場サイクルの影響をそのまま反映している結果です。
つまり、この銘柄を長期で保有する場合は、単に買って放置するのではなく、半導体業界の波を理解し、安値圏での購入を心がける必要があります。
総合的に判断すると、マルマエは「安定型」ではなく「成長機会型」の投資対象です。
業績の振れ幅が大きいため、保有中に株価が大きく動くことを受け入れられる投資家に向いています。
また、今の株価水準は過去と比べてやや高めに位置しており、慌てて買う局面ではなく、次の調整や業績回復の兆しを待つ戦略がより適しています。
株主優待にみる分析
マルマエの株主優待は、クオカードの進呈というシンプルな内容です。
金額は保有株数や保有期間によって変わり、長期保有や多くの株を持つほど金額が増えます。
そのため、短期的に株を売買するよりも、長く保有することで優待の恩恵が大きくなる仕組みになっています。
この優待は、日々の生活で使いやすい点が魅力です。
クオカードはコンビニや書店、ドラッグストアなど幅広い店舗で使えるため、食品や日用品の購入に活用できます。
現金とほぼ同じ感覚で利用できるため、優待券の使い道に困ることはありません。
一方で、この優待は金額が比較的控えめです。
総合利回りを押し上げるほどの規模ではなく、優待目当てで投資するにはやや物足りない印象があります。
特に、株価水準が高い時期に購入してしまうと、優待による実質的なリターンはさらに低くなります。
長期保有を前提とした場合でも、優待の魅力だけで保有を続けるというよりは、あくまで「おまけ」の位置づけです。
マルマエの場合、優待は企業から株主への感謝のしるしという性格が強く、経済的なメリットは限定的です。
そのため、投資判断の中心は株価の成長性や業績動向であり、優待は補助的な評価項目になります。
ただし、長期で見れば、この優待制度が続く限りは、保有期間が長くなるほど利回りは少しずつ向上します。
また、業績の波がある銘柄だけに、株価が下がっている時期に仕込むと、優待と将来の値上がり益の両方を狙える可能性があります。
総合的に見ると、マルマエの優待は生活に密着していて使いやすい反面、金額的には大きな魅力があるわけではありません。
そのため、優待目的だけで長期保有するよりも、将来の株価成長を狙う投資戦略において「ついでに受け取れる楽しみ」として考えるのが適しています。
総合評価
マルマエは「安定して配当や優待を得る銘柄」ではなく、「業界の波に乗って株価上昇を狙う銘柄」です。
長期保有も可能ですが、景気敏感株としての特性を理解し、購入タイミングを見極めながら投資することが重要です。
優待は日常で使いやすいものの、経済的メリットは小さいため、株価成長を主な狙いに据えるのが現実的な戦略です。