日本PCサービス[6025]は、パソコンやスマホの困りごとを解決するサポート事業を展開している会社です。
株価は過去に大きく上がったあと下がり、今は落ち着いた水準で推移しています。
配当はありませんが、株主優待がとても充実しており、生活に役立つ内容がそろっています。
長期的に見れば、デジタル化や高齢化の流れに支えられて、サービスの需要はこれからも続くと考えられます。
株主としては、株価の値上がりだけでなく、優待を活用しながら楽しめる投資先だといえるでしょう。
株式情報
割安度 | 安全度 | 値動き傾向 | ||
PER | PBR | 自己資本比率 | ROE | 信用倍率 |
59.2倍 | 4.90倍 | 12.6% | 51.7% | 0.00倍 |
優待&配当 | ||||
総合利回り | 配当利回り | 優待利回り | 権利確定月 | 優待最低取得額 |
8.98% | 0% | 8.98% | 8月 | 340,500円 |
編集部おすすめ度 | 理由 |
安定した配当がない分、株主優待が大きな魅力となっています。株価は過去に急騰した後に下落し、今は落ち着いた水準で推移しています。財務の安定性には課題がありますが、ROEの高さや事業の将来性は評価できる点です。デジタル化や高齢化によりサポート需要が増える社会背景を考えると、長期保有しながら優待を活用できる投資先として前向きに検討する価値があります。 |
株主優待情報

株主優待の内容
日本PCサービスの株主優待は、主に以下の2点で構成されています:
保有株数 | 優待内容 |
---|---|
500株以上 | (1)自社サービス券(5,000円割引券)6枚(30,000円相当) (2)リモートサポート優待券(相談・遠隔操作対応) |
1,000株以上 | (1)自社サービス券 10枚(50,000円相当) (2)リモートサポート優待券(相談・遠隔操作対応) |
- 自社サービス券は、グループが提供するPC・スマホ・ゲーム機・家電の修理・トラブル解決サービス代金に5,000円(税込)割引として使えます(部品代除く)
- リモートサポート優待券では、株主限定のフリーダイヤルからPCやネットワーク対応機器のトラブル相談や遠隔操作での解決サービスを、有効期間中(株主総会翌月〜1年間)何度でも受けられます。
権利確定日と有効期限
- 権利確定月:毎年 8月末日 が基準です。
- 発送時期:株主総会開催日の翌日頃に発送され、通常 11月下旬 に届きます。
- 有効期限:リモートサポート優待券は、株主総会の翌月1日から 1年間 有効となります。
簡単に整理すると、500株以上の保有で3万円相当の自社利用券+リモートサポート権利を得られる優待制度で、8月に権利取得→11月に発送→その年の翌11月頃まで利用可能という流れです。
会社情報

日本PCサービス株式会社は、大阪に本社を構える会社で、2001年に設立し、2003年からパソコンをはじめとするデジタル機器のサポート事業を始めました。
現在はパソコンやスマートフォン、タブレット、ゲーム機、家電など、身近なIT機器の困りごとを解決する「デジタルホスピタル」というブランドで、訪問サポートから店舗持ち込み、電話や遠隔操作によるサポートまで幅広く対応しています。
この会社は「デジタル機器のお医者さん」のような存在で、故障や設定のトラブルがあったときに、すぐに駆けつけて修理や相談に応じてくれます。
しかも、このサービスネットワークは全国に広がっていて、専門のお店や店舗が地域にあり、都合に合わせて気軽に利用できるようになっています。
メーカーやパーツ会社、家電量販店、ソフト会社、通信会社など800社以上の企業と取引しており、安心してサービスを提供できる信頼のネットワークができあがっています。
この会社は「駆けつけサポート」で業界の中でもトップクラスのシェアを誇り、「お客さま満足度」でも高い評価を受けています。家中のどんな機器でもまとめて相談できる、一歩進んだサポート体制が強みです。
グループとしては、さまざまな関連会社があります。「スマホスピタル」ではスマホやタブレットのサポート、「スマホステーション」では店舗での修理や相談に対応しています。
さらに「リペアネットワーク」では家電や電気工事まで手がけています。こうした多彩なブランドが、あらゆるおうちの困りごとに応えています。
このように、日本PCサービスは、全国に広がる店舗や訪問網と、専門的な技術、信頼されるサービスで構成されています。日々の暮らしで「ちょっと困った」と思ったときに頼れる会社であり、その存在はこれからも多くの人に必要とされると考えられます。
編集部からのおすすめ情報
編集部のおすすめ:
株式情報にみる分析
株価の長期チャートを見ると、日本PCサービスはとても特徴的な動きをしています。
2006年から2015年ごろまでは株価がかなり低い水準で、ほとんど動きがない状態が続いていました。いわば市場からあまり注目されていなかった時期です。
そこから2017年ごろにかけて株価が大きく上がり始め、2020年から2021年にかけては2000円を超える場面もありました。
この時期は社会全体のデジタル化が進み、リモートワークや在宅需要の拡大といった追い風があったことが大きな理由だと考えられます。
しかしその後は調整局面に入り、2022年以降は下落傾向が続きました。
現在は500円から800円程度の範囲で落ち着いており、直近の株価は過去のピークからは半分以下に下がった水準にあります。
このことは、過去に期待先行で買われていた部分が剥がれ落ち、今は本来の業績や事業規模に見合った評価に戻ったとも解釈できます。
つまり、株価は高い期待を受けて急成長したあと、冷静な水準に落ち着いたという経緯です。
財務面を総合的に見ると、この会社は自己資本比率が低く、経営の安定性に少し不安を残しています。
資本の厚みが十分でないため、大きな景気の変化や予想外のトラブルがあった場合には、資金繰りや財務健全性が試される可能性があります。
ただしその一方で、ROEは非常に高い水準となっており、効率よく利益を生み出していることが分かります。つまり、少ない資本をうまく回して大きな成果を上げているという点では強みもあるのです。
これは攻めの姿勢が強い企業に見られる特徴で、リスクを取りながらも成長を重視している経営スタイルだといえます。
PERやPBRといった投資指標を見ても、一般的な水準と比べて高めです。つまり、現在の株価は利益や資産に対して割安ではなく、むしろ割高に見える水準です。
これは将来の成長を見込んで市場が評価しているからであり、すぐに安定的な配当を期待するタイプの投資家には合わない可能性があります。
しかし、長期的に成長を続ける企業に投資するスタイルにおいては、こうした指標は必ずしもマイナスとは言えません。大切なのは「今後どれだけ市場に必要とされるか」という視点です。
その意味で、この会社の事業領域は今後も安定的に需要が見込まれる分野だと考えられます。
パソコンやスマートフォンは日常生活に欠かせない道具であり、機器が増えるほどトラブルやサポート需要も比例して増えていきます。
さらに高齢化社会の進展で、デジタル機器に不慣れな人々が増えることを考えれば、この会社が提供する駆けつけサポートやリモート対応は社会にとって必要不可欠な存在になっていくでしょう。
こうした背景を踏まえると、長期的な成長性は高いと評価できます。
ただし注意点もあります。競争環境は決して緩やかではなく、大手家電量販店や通信キャリアも同様のサービスを展開しようと思えば参入可能です。
日本PCサービスの優位性は、長年培ったノウハウと全国に広がるネットワークにありますが、それでも資本力の大きな企業が本格的に参入すれば競争は厳しくなる可能性があります。
したがって、今後はサービスの質やブランド力を磨き続けられるかが成長のカギになります。
総合的に見れば、この銘柄は安定的な配当を目的とする投資には向きませんが、成長性と優待を組み合わせて長期的に楽しむ投資には適しています。
過去の急騰期を経験した株価は今や落ち着き、投資家にとっては新たな仕込み時とも言える状況にあります。
長期保有でじっくりと見守る姿勢をとれば、将来の成長とともにリターンを得られる可能性は十分にあると判断できます。
株主優待にみる分析
通常の企業は食品や商品券を提供することが多いのですが、この会社は自社の強みであるサポートサービスをそのまま株主優待として還元しています。
具体的には、500株以上の保有で三万円相当の自社サービス券をもらえ、さらにリモートサポートを何度でも受けられる仕組みが用意されています。
1000株を保有すれば、五万円相当のサービス券に増え、サポートも同様に利用できます。
これらは株主だけが利用できる特別な優待であり、まさに会社の特色を生かした制度だと言えます。
この優待の大きな魅力は、生活に直結した利便性にあります。
パソコンやスマホは現代人にとって欠かせない道具であり、トラブルや不具合は突然やってきます。
そのような時に専門スタッフが駆けつけて修理や相談に応じてくれるのは、大きな安心材料になります。
さらにリモートサポートを利用すれば、自宅にいながら電話や遠隔操作で解決できるので、特に高齢者や機械に不慣れな人にとっては心強い制度です。
つまり、単なる金銭的な還元ではなく、株主の生活に寄り添ったサポートが提供されている点に価値があります。
優待利回りの面でも、この制度は魅力があります。たとえば500株を保有した場合、必要な投資金額は数十万円程度ですが、実質的に三万円分のサービス券が得られる計算になります。
優待利回りに換算するとかなり高い水準となり、同規模の上場企業と比較しても優れた還元策だと分かります。配当が出ていない状況でも、優待だけで十分に投資メリットを感じられる内容です。
ただし、この優待には注意点もあります。食品や金券のように換金性が高いものではなく、実際にサービスを利用することで初めて価値を発揮する仕組みです。
つまり、自分や家族にとって「使う場面があるかどうか」が投資判断に直結します。
普段からパソコンやスマホを多く使い、トラブルに備えたいと考える人にとっては非常に便利ですが、もしデジタル機器に詳しく、サポートを必要としない人にとってはメリットを感じにくいかもしれません。
長期的に見れば、この優待は成長余地を持っています。
社会全体がデジタル化を進める中で、サポート需要は確実に高まっていきます。
特に高齢化社会では、パソコンやスマホに不慣れな層が増え、こうしたサポートの必要性は年々強まります。
そのため、この優待を活用できる環境が広がれば、単なる株主還元にとどまらず、会社自体の事業拡大にもつながる好循環が期待できます。
投資家にとっては、優待を利用することで会社のサービスを体験し、事業モデルへの理解を深められる点も見逃せません。
一方で、優待の継続性という観点も考慮する必要があります。
優待はあくまで企業の意思で続けられるものであり、業績の悪化や方針転換があれば縮小や廃止の可能性もあります。
しかし、この会社にとって優待は自社のサービスを知ってもらう大切な宣伝活動でもあります。
実際にサービスを体験した株主が口コミや再利用を通じて新たな顧客を生むことは、会社にとってプラスに働きます。
そのため、優待が短期的に廃止される可能性は低く、むしろ長期にわたって続けられる可能性が高いと考えられます。
総合的に見ると、日本PCサービスの株主優待は、配当がなくても投資家に十分な魅力を提供する仕組みになっています。
サービスの利用価値を実感できる人にとっては、長期保有の動機づけとなる強力なインセンティブです。
長期的な社会の流れを踏まえても、この優待は将来性が高く、投資判断において前向きに評価できる要素となります。
総合評価
日本PCサービスの株は財務的にリスクを抱えつつも成長性を持ち、さらに株主優待によって生活に直結したメリットを提供している点が大きな特徴です。
短期的な値動きに左右されず、長期的に事業の必要性が続くと信じるなら、優待とともに保有する価値がある銘柄だといえます。