マーキュリー[5025]株情報(株主優待・配当・おすすめ情報)

不動産データを提供するIT企業、マーキュリー[5025]の株はどうなのでしょうか。

高い優待利回りが目を引く一方で、使い道が限られているという声もあります。

今回は、そんなマーキュリーの株について、長期保有を前提に、財務状況や優待の内容をじっくりと分析しました。

数字だけでなく「実際に持ち続ける価値があるか?」という視点からも、プロの目線で評価していきます。

目次

株式情報

マーキュリー[5025]東証G
時価総額
約189.9億円

株価 692
※更新:2025年7月11日

マーキュリー[5025]10年株価チャート

10年チャートを掲載

割安度安全度値動き傾向
PERPBR自己資本比率ROE信用倍率
20.93倍2.11倍70.9%15.73%0.00倍
優待&配当
総合利回り配当利回り優待利回り権利確定月優待最低取得額
34.6%34.6%8月69,200円
編集部おすすめ度理由
優待利回りの高さが大きな魅力ですが、内容が不動産特化型のサービスであるため使い道が限られます。財務は安定していますが、株価は上場以降下落傾向にあり、長期的な成長性は見極めが必要です。配当もなく、万人向けの優待でもないため、投資初心者にはややハードルが高い銘柄です。不動産に関心のある人にとっては、実用的な優待銘柄として保有を検討する価値があります。

株主優待情報

株主優待の内容

100株以上を2月末日・8月末日現在で保有している株主に贈られる、以下の優待内容です。

保有株数優待内容
100株以上自社サービス「Realnetマンションサーチ」6カ月分無料クーポン(12,000円相当)
  • 株数による差はなく、長期保有特典や選択制はありません。

権利確定日と有効期限

項目内容
権利確定日毎年2月末日・8月末日
優待発送時期権利確定から約2〜3ヶ月後
有効期限優待受領後から6ヶ月間

会社情報

引用: マーキュリー

株式会社マーキュリーは、東京に本社を置く企業で、不動産データを活用したITサービスを手がけています。

主力のサービスは「Realnet(リアルネット)」という情報提供プラットフォームで、不動産会社や投資家に向けて、物件や市場の分析データを提供しています。

その中でも、個人投資家向けには「Realnetマンションサーチ」という有料サービスを展開しており、過去の分譲価格や販売履歴を調べられるなど、マンション購入を検討する人に役立つ情報が揃っています。

会社の正式名称は「株式会社マーキュリーリアルテックイノベーター」で、2022年に東京証券取引所グロース市場に上場しました。

会社の設立は2007年で、すでに10年以上の実績があります。

サービスの対象は、全国の不動産会社やデベロッパー、金融機関などで、BtoBの取引が中心です。

最近では、個人向けにも有料の会員サービスを強化しており、データの正確さと使いやすさが評価されています。

保有するデータの量と精度にこだわっており、マンションだけでなく、戸建てや土地の売買情報、マーケット動向など、プロが使うような情報も扱っています。

また、一般消費者との接点としては、株主優待制度で「Realnetマンションサーチ」のクーポンを提供しており、不動産に興味がある人にとっては入り口になっています。

このように、表には出にくいBtoBの領域でコツコツと信頼を積み重ね、業界内での立ち位置を築いている企業です。

成長のスピードは派手ではありませんが、専門性の高い領域で安定した収益をあげており、ニッチ市場での存在感が強まっています。

編集部からのおすすめ情報

編集部のおすすめ:

株式情報にみる分析

マーキュリーの株は、長期投資の視点で見ると、慎重に判断したい銘柄です。

チャートを見ると、2022年に上場してからすぐに株価が大きく上がりましたが、その後は長い下落トレンドが続いています。

最近は下げ止まりのような動きも見られますが、上昇に転じる強い兆しはまだ見えていません。

株価は現在700円前後で推移しており、上場時の高値に比べるとかなり低い水準です。

これは、事業内容の評価や成長期待が、当初よりも控えめになっていることを示しているかもしれません。

マーキュリーの財務指標を見てみると、自己資本比率は高く、財務体質はしっかりしています。

ROE(自己資本利益率)も比較的高めで、利益をきちんと出せている会社であることがわかります。

一方で、PER(株価収益率)はやや割高な印象を受ける水準です。

これは成長期待が株価にある程度織り込まれている一方で、実際の業績がそれに追いついていない面もあるということを意味します。

また、配当は現在出ていないため、インカムゲイン(配当収入)を重視する投資家にとっては物足りなさがあります。

株主数はそれほど多くなく、流動性も高くないため、急な売買には注意が必要です。

また、信用倍率が極端に低いということは、信用取引の買い手はいても売り手が少なく、値動きが重くなりがちであることを示しています。

会社としての成長余地はあるものの、すでに人材サービス業界は競争が激しく、今後の利益成長にはある程度の時間がかかるかもしれません。

そのため、目先の業績の伸びを期待して短期間での値上がりを狙うのではなく、あくまで中長期の展望に立ち、業績と株主還元のバランスを注視していく必要があります。

総合的に判断すると、マーキュリーの株は「今すぐ積極的に買うべき」とまでは言えません。

将来的に株価が上がる可能性はあるものの、現時点ではまだ見極めが必要な段階にあると感じます。

長期保有においても、他の安定的な銘柄と比較したときにやや見劣りする部分があります。

ただし、優待利回りが非常に高いため、優待目的で一定数を持つという考え方もできます。

株主優待にみる分析

マーキュリーの株主優待は、数値上の利回りがとても高く見える点が特徴です。

100株保有することで年2回、1回6,000円分、年間で12,000円相当の自社サービス「Realnetマンションサーチ」の利用クーポンがもらえます。

この数字は、一見すると非常に魅力的で、他の優待銘柄と比較してもトップクラスに見えるでしょう。

ただし、注意したいのはその中身と「使いやすさ」です。

優待でもらえるのは、自社が運営する不動産情報サイトの有料会員向けサービスです。

マンション価格の履歴や市場情報などを検索できるものですが、これは基本的に住宅購入や不動産投資を真剣に考えている人向けの内容です。

つまり、生活の中で直接活用する人はかなり限られてしまうというのが実情です。

たとえば、QUOカードジェフグルメカード、外食チェーンの割引券のように「誰でも気軽に使える」優待とは異なり、「使う前提が特殊」なため、優待が手元に届いても使わずに終わる人も少なくないでしょう。

その結果、どれだけ高利回りであっても「実際の価値を感じにくい」という印象になってしまいます。

また、長期保有による追加特典もなく、株数を増やしても優待内容が変わらないため、「たくさん買ってお得」というわけでもありません。

長く保有していても、生活上のメリットがないままで終わってしまう可能性もあります。

こうした点から、マーキュリーの優待は「人を選ぶ内容」であり、「万人向けではない」と言えるでしょう。

優待利回りの数字だけを見て飛びつくと、実際にはメリットを感じにくく、結果的に魅力が薄れてしまう可能性もあります。

加えて、同社は配当を出していないため、優待が使えない人にとっては保有メリットがほとんどなくなってしまいます。

そのため、株主優待を使いこなせる明確な目的がある人には良い選択肢ですが、「優待を使えるかどうか自信がない」という人にとっては、やや扱いにくい銘柄です。

高利回りという数字だけで判断せず、「自分がそのサービスを本当に使うのかどうか」という視点がとても大切です。

その意味では、総合的なおすすめ度としては高くなく、やや限定的なニーズに向いた優待銘柄だと位置づけられます。

総合評価

総合して考えると、マーキュリーの株は「人を選ぶ銘柄」と言えます。

株価の成長性に期待するにはまだ様子を見たいところですし、優待も万人向けとは言えません。

そのため、投資初心者が優待目当てで買うにはやや難易度が高く、特定の目的がある人に限定しておすすめできる株と言えるでしょう。

一方で、ニッチな業界で専門性を持ち、財務が安定している企業であることも事実です。

長期目線で、企業の成長や優待の実用性に共感できる人にとっては、保有する意義が見いだせる銘柄でもあります。

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